朝美絢・Best Acting Selection

不定期更新シリーズ『95期生 Best Acting Selection』

95期生が出演している公演の中で、

私が個人的に好きな役・作品を3つ選んで紹介していく企画となっています。

(オススメ作品ではなく、あくまで私が「好き」な作品です。)

 

本日は朝美絢編なのですが、

当ブログではこれまで彼女の出演作品の

全作レビュー企画をするくらい書き殴っていますので

正直「おさらい」に近いですね。笑

 

それではさっそく参りましょう!!

 

バウ公演『A-EN』アーサー・キャメロン役

 

まずは若手時代の代表作から。

名フレーズ、ないし彼女の一発芸となった、

「泣き虫プリンセス」が生まれた伝説の一作。笑

 

正式にはバウ公演ではなく「BOW WORKSHOP」、

月組の下級生スターたちが2チームに分かれ、

ミュージカルとショーの2本立てに挑戦するという企画物で、

W主演を務めた暁千星とは別日程別バージョンでの公演となった作品です。

 

ということで朝美主演版はというと、

オラついてるワルなイケメンがハイスクールの「プロム」を巡り、

クラスの目立たない女子との触れ合いを通じて恋が芽生え、

ツンでデレなめくるめく胸キュン青春ラブストーリーという、

二昔前の洋物スクールドラマのようなノリで展開していくわけです、が。

 

もうね、朝美絢が 超 イ ケ メ ン なのさ。

着崩したブレザー姿にパツキンヘアーで鋭い眼光、

さらに役名が「アーサー・キャメロン」だなんて

これだけで勝ちというものでしょう。

 

同期・輝月ゆうま演じる親友の大型犬男子・マイルズとの微笑ましいやり取りや

残念ヒロイン・ヴァイオラとのむず痒い会話の応酬など、

みんなが描く理想のツンデレ男子高校生像を見事にやり切った本作。

 

ヒロインが可愛く変身

→本当の目的がバレてしまって仲違い

→仲直りしてハッピーエンド

 

という、話の展開はまさに「お約束」なんだけれども、

そんなありきたりな話を真正面から描けるのが

宝塚の良いところなのかもしれないなと思える一作です。

 

本公演『ひかりふる路』サン=ジュスト役

 

雪組組替え後、一作目の本公演にして

望海風斗&真彩希帆のお披露目公演でもあった今作は、

何よりも彼女の歌唱力の向上が感じられる作品であります。

 

冒頭一発目、その大きな瞳をグァッと見開いて

「国王であることこそが罪なのだー‼」と朗々と歌う姿は

今までの彼女とは違うことを強烈に主張する名シーン。

 

また「革命の大天使」という異名を持つ

サン=ジュストにピッタリなビジュアルと華やかさ、

さらに望海演じるロベスピエールに心酔し切った演技は見応え十分。

 

この望海演じる主役に病的に心酔する役というのは

『壬生義士伝』『はばたけ黄金の翼よ』にも続いていくわけですから

(ある意味『20世紀号に乗って』も同様か?)

それを思うと本役は、後に続く布石としての大事な当たり役と言えるでしょう。

 

雪組組替えは、まさに水を得た魚のように

生き生きと進化していく彼女。

その第一歩としての堂々たる一作です。

 

バウ公演『義経妖狐夢幻桜』ヨシツネ役

 

雪組組替え後、研10にして初のバウ主演作品。

 

彼女の出身地である鎌倉の英雄「義経」に、雪組の「和物」

さらに彼女の現代的スター性を「ロック」にかけて生まれた本作は、

「ここではないどこか」を舞台としたSF的愛憎劇という

谷貴矢お得意の世界観が十二分に発揮された作品です。

 

現実世界、異界、精神世界を行ったり来たりしながら

過去への追想、自責と悔恨、

そして未来を変えたいという強い思いと、贖えない運命が交錯する。

 

一見トンチキ風味ですけれど、

その実『エリザベート』『ファントム』にも通ずる

宝塚の王道・魂の救済をテーマにした作品だと思います。

 

桜がヒラヒラ舞う中で物憂げに佇む姿の美しさは

義経の運命のように儚くも切なく、ファンでなくても必見の名シーン。

 

この『ひかりふる路』『義経妖狐夢幻桜』の連続ヒットは

当時の彼女のグイグイ迫る勢いを十二分に感じさせる作品群なわけですが、

実は今見返すと微妙に懐かしかったりするわけで。

 

それを思えば、今の彼女ってだいぶ落ち着いたというか

引き算の芝居・佇まいをするようになったのだなぁと

逆説的に感じる作品だと言えるのかもしれませんね。

 

分厚い鉄板3役を越える役が見たい(ファン願望)

 

ということでまとめてきましたけれど、

本当は『壬生義士伝』斎藤一役も入れたかったんですよねー。

あの作品も良かったよなぁ。

 

けどやっぱり個人的にはこの3役が鉄板だと思いますので

今回は残念ながらギリギリ選ばず。

ま、スカステで久しぶりに見たら順位変動するかもしれません。笑

 

ちなみに朝美絢に関しては

『ファントム』までの全作レビューを記事でまとめていますので

気になる方はそちらもどうぞ。

 

【月組時代編】

【雪組時代編】

 

これの続きもどっかのタイミングで書きたいなぁ。

 

☆★☆★☆

ランキング参加始めました!!

ぜひポチっとお願いします↓↓

にほんブログ村 演劇・ダンスブログ 宝塚歌劇団へ

にほんブログ村

コメント

  1. ほり より:

    いつも楽しく読ませてもらってます!
    私が選ぶベスト3
    義経、ひかりふる路、、、あと一つにしぼるのがとても難しい(;^_^A
    うーん、、、僅差で グランドホテルのラファエラバージョンかな?

    ただ、ラストシーンでいくなら、新人公演の 舞音 かも?劇場で見たかった~と激しく後悔するくらい、好き過ぎる。いや、壬生も、キャロルも、、ファルコも、、選べません。笑

  2. はづき より:

    2度ほどコメントさせて頂いたものです。
    朝美絢編、待ってました!!
    朝美さんのファンになって半年。
    スカステ未加入、ライビュは行きますが、生の舞台はまだ観たことが無いものですがBDは凱旋門以外持ってます。

    私のベスト3
    1位 キャロル
    2位 サンジュスト
    3位 斎藤一
    です。
    1位が女役というのは正直微妙かもですが、魅力的過ぎました、、。
    2位サン=ジュストはロベスピエールに心酔しすぎて目がいっちゃってる感じがとてもよく出てました。
    3位斎藤一はひたすら、カッコいい、、。一匹狼的な感じがよく出ていました。ただ朝美さんの歌が聴きたい私としては最後の銀橋での歌は凪七さんと朝美さんで歌ってほしかったなぁ。

    私が感じている朝美さんの魅力は、どんな役でも的確に咀嚼して演じられている所です。
    ですが、つい最近ファントムを購入したのですがキラキラとしたアイドル的なお顔故かシャンドンやおヒゲでごまかせるアランショレは演じることは出来ても、キャリエールは無理だったろうな(キャリエールもヒゲはありますが)と感じました。キラキラなビジュアルも痛し痒しです。

    長々とすみません。
    これからも楽しみにしてますね!!

  3. こんちゃん より:

    蒼汰様

    いつも楽しみに拝読しております。スカステ専科の地方民です。

    私的な朝美さんのベストアクトは『SUPER VOYAGER!』の「風(WIND)」、越路吹雪さんの「私は歌いながら♪ 貴方に別れの言葉を♪(たぶんフランス語) 二人はもう、オシマイ♪」でムショ帰りの望海さんとジゴロ彩凪さんが朝美さんを奪い合うシーンです。

    昔、話の流れで「ファム・ファタル(運命の女)」ってなんだ?という話題になった時、とりあえずあのシーンの朝美さんの舞台写真を見せて「こんな感じ」と説明したら納得してくれました(笑)

  4. 十二月 より:

    蒼汰さま
    いつも更新楽しみにしております。
    朝美さんの好きな3作、私も参加させてください!
    順番をつけるのは難しいので、公演時順にしました。
    1.PUCK(新公)
    順調とは言えなかった月組時代、この公演があってよかった。この新公主演は朝美さん以外考えられないほどハマり役だったと思います。登場の妖精誕生シーンのインパクト、まだ不安定ながら切なく胸に響く歌声、舞台技術もアドリブも挨拶も粗はあるけど、PUCKの成長のように頑張れと応援したくなる作品です。

    2.ひかりふる路
    蒼汰さんのおっしゃるように、冒頭大きな瞳をカッと見開き…。
    そしてやはり声。シトワイヤン!の発声。
    朝美さんの声はセリフも歌もとても聴き取りやすく、なおかつまろやかな煩くない声なのが好きです。お芝居もロベスピエールに心酔するあまり結果的に自身もふくめ破滅へと導くことになるある意味ピュアな人物像が素晴らしかったです。

    3.義経妖狐夢現桜
    作・演出の谷貴矢先生、専科の英真なおきさん、組長の梨花ますみさん、舞咲りんさんをはじめ上級生、下級生まで個性の光るキャストも素晴らしい。とりわけ2番手を務めた永久輝せあさんとはヨシツネとヨリトモの対比を深く切なく演じていて、迎え入れてくれた雪組の包容力と愛を感じた作品です。

    評価はともかくショーのダンスシーンでは、いつもとても楽しそうに踊っている姿も印象的ですが、今回はお芝居から選びました。
    雪組に来て、肩の力がうまく抜けた印象があり、毎公演新たな役作りに挑む姿勢に感動しています。
    いまは公演中止で先が見えませんが、再開後のパワーアップを期待して健康と終息を祈っています。