推されぬ首席入団者の不思議【雑記】

宝塚歌劇団、ならびにそこに在籍するタカラジェンヌは

宝塚音楽「学校」を卒業した「生徒」であるがために、

基本的に成績主義であると認識しています。

 

その一方で、人気商売というものは

決してその「成績」と比例するものではないがために、

劇団が期待を込める抜擢との齟齬が生じる時があります。

 

とはいえ最近(小川理事長就任後)の宝塚は、

以前に比べ成績に重きを置いた抜擢を続けている印象です。

 

それは対外的には納得がいく抜擢理由に映るし、

対内的には成績が良ければ抜擢されるという動機づけになるわけですから

非常に単純明快で分かりやすい方向性だと思うのですが、

それでもなぜか推されぬ首席入団者もいるわけで。

 

というわけで本日は首席入団者にまつわるつれづれを

まとめていきたいと思います。

 

歴代首席入団者と初詣ポスター掲載者

 

というわけでまずは、

そんな首席入団者をリストアップしていくのです、が。

 

宝塚の人事を考えるうえで首席入団と同じくらい、

いやむしろより重要なのが初詣ポスターモデルですので、

それも合わせてまとめてみました。

 

学年 首席入団者 配属 初詣ポスター(入団成績) 配属
89期 凪七瑠海 専科 凪七瑠海 専科
90期 芽吹幸奈 花組 愛原実花 (2番) 雪組
91期 天寿光希 星組 天寿光希 星組
92期 百千糸 宙組 蘭乃はな (4番) 月組
93期 彩風咲奈 雪組 彩風咲奈 雪組
94期 仙名彩世 花組 麻央侑希 (28番) 星組
95期 礼真琴 星組 実咲凜音 (4番) 花組
96期 夢華あみ 雪組 紫藤りゅう(16番) 星組
97期 留依蒔世 宙組 留依蒔世 宙組
98期 暁千星 月組 暁千星 月組
99期 美園さくら 月組 美園さくら 月組
100期 蘭尚樹 月組 星風まどか(3番) 宙組
101期 鷹翔千空 宙組 鷹翔千空 宙組
102期 舞空瞳 花組 舞空瞳 花組
103期 花束ゆめ 雪組 夢白あや(4番) 宙組
104期 碧音斗和 星組 きよら羽龍(5番) 月組
105期 音彩唯 雪組 音彩唯 雪組

 

100周年以降の人事で考えますので

とりあえず89期で切ってみるとこんな感じでした。

ここから見える雑感をまとめていきます。

 

首席入団者と初詣ポスターのズレを考える

 

89期生以降の17学年のうち、

首席入団者と初詣ポスターが別人であるのは8名。

 

そのうち、愛原実花、蘭乃はな、実咲凜音、星風まどかはトップ娘役に就任。

実咲と同期・95期首席である礼真琴がトップに就任したものの、

他の芽吹幸奈、百千糸は新公ヒロインすらしていませんね。

 

気になるのは、星風と同期である100期生・蘭尚樹の行方でしょう。

栄えある100期生の首席入団者のハズなのに、

同期の風間柚乃の活躍っぷりに圧され、イマイチ目立っていない印象。

 

『クルンテープ』では月城の休演に伴う代打で階段降りに任命され、

さぁこれからかと思いきや、新公主演は英かおと、礼華はると続き、

しかも今回のコロナの影響でラストチャンスがあるのかすら見えない状況に。

 

さらに今後気になるのは、

3人娘の夢白・きよらと被る花束ゆめ碧音斗和。

 

碧音は男役ですからまだまだこれからとしても、

花束ゆめは…正直なところ完全に潤花体制の割を食いましたね。

 

潤の宙組への組替えが決定したことにより、

さぁ次こそはスポットが当たるかと思いきや

真下には首席&初詣コンボの音彩唯が控えている状況。

 

彼女の場合は本公演だけでなく、役が付きやすい外箱公演ですらも

もう少し目立ってもいいやんけと思えてしまうくらい出番が少ない印象。

 

雪組ウォッチャーの私ですら、

彼女がダンサータイプなのか歌ウマなのか、

それすら判別出来ないくらい使われていませんからね…悲しい。

 

ちなみに蛇足ですが、

首席でない初詣ポスター抜擢者で成績が10番以下である2人、

すなわち麻央侑希、紫藤りゅうは2人揃って星組なのが

「さすが!!」という感じで面白いですね。笑

 

首席&初詣コンボのハズなのに?

 

逆に首席&初詣コンボのスター陣はそうそうたる顔ぶれですねぇ。

唯一新公主演していないのが天寿光希ですが、

彼女は怪我がなければ何か違っていたかもしれないので…まぁ悲しいifですが。

 

この顔ぶれで気になるのは、97期・留依蒔世でしょうかね。

新公主演経験済みとはいえたった1回、しかもラストチャンス組。

 

1期上には同じく芸達者・和希そら、真下に名前も被る瑠風輝がいて、

最近はイケメン役すら回ってこず、完全に別格路線邁進中の印象。

 

ちなみに個人的に97期に関しては

なぜに初詣ポスターを永久輝せあにしなかったのだろう?

と不思議だったりします。

 

永久輝は確か首席「入学」でしたし、ビジュアルも宝塚的だし、

抜擢スピード、配属学年と組的にも推すことは早い段階で決まっていたハズ。

なのになぜ?っていう。留依がどうこうという問題ではなくてですよ?

 

 

そしてこの首席&初詣コンボの男役で言えば、

凪七瑠海、留依蒔世、鷹翔千空と宙組配属者が多いのも印象的。

その中でアンバサダーにも選ばれ、(訂正:風色日向さんでしたね)一見順調そうに見える鷹翔千空

今後どのように育成されていくのか、気になるところです。

 

推されぬ首席入団者に思う

 

本題に戻ります。

 

いわゆる「推されなかった首席入団者」と私が称したスターたちですが、

とはいえ芽吹幸奈、百千糸は圧倒的歌唱力等で

組を支えた華々しき別格スター。

エトワール職人としても大活躍だったのは記憶にも新しいでしょう。

 

そして現在も活躍中の天寿光希。

彼女も美味しい別格男役として星組を支え、人気も誇っています。

 

そしてこの3名と同じコースに歩むと思われていた仙名彩世。

彼女は満塁サヨナラホームランでまさかの明日海りおの相手役に就任。

我が世の春たる明日海花組のヒロインとして歴史に名を刻みました。

 

「推されない」、つまり新公主演・新公ヒロインに選ばれなかったとしても

基本的に宝塚は成績優秀者を大事にします。

 

それは、本人たちが首席たる実力があるからこそ舞台で大活躍し

それがゆえに劇団側も重宝するという、ごく当たり前な作用が働くからです。

 

もちろんスターは誰もが「トップになりたい」と願うだろうし、

応援するファンも「ぜひトップに」と思うことは当然です。

成績優秀であればその思いが強くなるのも当然でしょう。

 

ですが競争社会では、全てが数値的かつ

合理的に納得のいくよう運ぶわけではありません。

だからこそ成績優秀者に劇団が温情をかけるのも当然である、

と一ファンとしては信じたいものです、

 

個人的に今後が気になる3人

 

と は い え 。

現段階で新公主演&ヒロに選ばれていない蘭尚樹、花束ゆめの2人と

宙組でくすぶっている留依蒔世が今後どうなるのかは非常に気になるところ。

 

せっかく頑張って首席で入団したのですから

個人的には舞台で分かりやすく活躍して欲しいなぁと思うのですが…。

 

と、競争社会で生きてきたために

「首席」と聞くだけで畏怖の念を抱いてしまう私としては

その行方が気になるところなのでした。笑

 

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コメント

  1. YS より:

    私はむしろ最近の首席推しは異常、だと思ってます。
    個人的には宝塚における成績はその時点での完成度に過ぎない、という考えです。つまり首席入団者でも伸びしろがない・華がない事だって十分あり得るし、逆に中~下位の人は成績には現れない伸びしろや華・容姿等を買われてる訳ですから。実際過去の実力あるトップさん達も必ずしも上位入団ではないはずです。それどころか少し前までは首席はトップになれないジンクスすらあったはず。
    どうしても成績を参考にするなら5年目試験(でしたっけ?)の成績こそ重視すべきでしょう。
    実際首席・上位者でも実力あれれ?????な方もいますし。
    付け加えるなら入団時点で成績上位の方はほぼほぼダンサー型(ダンサー型は15~18歳時点で技術的にはほぼ完成しているのに対し、シンガー型はどんなに才能があってもこの時点ではまだ発展途上なため、と理解してます)。
    とにかくあまり入団時点での成績で抜擢を決めるのはどうかと思ってます。

  2. ともじの嫁 より:

    丑三つ時に、こんばんは!
    この類いの雑記大好きです。面白かったです!
    首席って凄く尊敬しますし、憧れます。
    入学時点で中3と高3とでは体力、気力に差が有るわけで、そんな中でも、お姉さん達を押し退けて首席入団している中卒組の彩風さん、暁さん、留依さん、舞空さんとかホントに凄い人なんだなあと思います。
    以前、レズリーをやったインパクトある留依さんを見て、思わすWikipediaで調べて首席を知りました。ある意味ビックリしました。そんな首席さんがいても良いんじゃないでしょうか。私は優等生タイプの首席さんより、ユニークな首席さんをお待ち申しあげております。笑
    では!

  3. AKIRA より:

    105期の音彩唯さんって主席入団なんですね。日本人離れしたルックスなので興味があります。今後に注目ですね。103期の花束ゆめさんはいかにも「THE宝塚!」という雰囲気ですが、イマイチ目立たない感じですかね。個人的には同期の愛羽あやねさんに凄く魅かれます。小柄で愛らしくて子役が凄く似合ってます。愛称がアトムというのもgood!ですね。これから1~2年の役どりがターニングポイントになりますよね。

  4. じゃんけんぽん より:

    留依さん、ど真ん中路線としては推されていませんが、良い感じのポジションでしっかり任せられているので頼もしいです。
    天寿さん同様二枚目もできるし脇もがっつり固められる役者さんとして注目しています。
    単純に顔が好みなのもありますが。

    彼女は歌唱力もあるので、一期上の和希さんと実力面ではかぶりますね。
    あの二人が舞台に同時に出ているとどっちも見たいから困ります。
    二人を抱える宙組は贅沢で楽しいです。

    和希さんと留依さんのどちらかが雪組へ異動となれば、彩風さんの歌唱力の弱さをカバーできるのではないかと。
    ただ和希さんのエネルギッシュさは朝美さんと、留依さんのシュッとした(分かります?)雰囲気は綾さんとちょっと被るのかな?
    留依さんは濃い目だし綾さんはふんわり系なのでまだ被り方は薄いですかね。

  5. まるこ より:

    宙組のアンバサダー部分が直ってホッとしました(笑)

    上げる人は音楽学校から決まっていると思いますが、それはそれとして。入団後は成績に関係なく誰かを上げれば誰かを下げるだけ。という被った人は分かりやすいですが、留依さんをどうしたかったのかは確かに分かりませんね。

    以下は首席や成績というキーワードで勝手に書きます。

    男役首席はトップになれないジンクスは懐かしいですね。80年代後半から2000年くらいまでは華や見かけ重視というか、育成ゲームなので音高時代の2年では開ききらない、伸びしろあるほうが人気が出る、などなどありましたね。成績上位者はスターというより皆を束ねる委員、私自身も首席は面白くない、と刷り込まれていた時代もありました。

    また首席と言っても謎な方もいる(ダンス重点なんですよね)。娘役は即戦力を要するので「できる子」が多い、のですがそれは最近の新公学年内の就任という気もするし、ではその前は成績下位かというとそうでもなく。統計というには成績上位も下位(白羽さん31番、極端な例では檀さんの40番)もあるので何とも言えません。

    30年ぶり?に男役首席ジンクスを破ったのは安蘭さんですが、安蘭さんというと小川(理事長就任前の)梅芸社長、ミツコ上演などのキーワードが浮かびます。宝塚→梅芸コースは湖月さん、朝海さん、春野さん、他事務所に所属しながら梅芸制作で数本(退団1本目の祝儀?奉公?リハビリ?で終わらず)主演する安蘭さんと柚希さん(小川氏は元星Pですよね?)。2015年に梅芸10周年。

    昨今のミュージカルブーム、ひいては卒業後にミュージカル、もっと言うと梅芸制作は小川理事長のもと宝塚の人事に少なからず影響を与えていると思います。とは言え在団中は生徒であり卒業後に様々な分野で活躍するのはかなり前からですね。トップ以外の受け皿創設も流れ的には当然です。

    ちなみに娘役の歌うま重視や容姿の変化は、テレビ女優のミクロ版、日本の縮図と言えなくもないです。劇画的美女から丸くて小さい顔がついているモデル系へ、そして容姿多様性(タヌキ系・個性的)の上の演技派といったような。

    ダラダラ書きましたが、首席からトップという肩書は美しく収まります。蒼汰さんの仰るところの「対外的に納得」ですね。成績が疑問な人もいますが。これからはますます実力系が重用されると思いますが、紅さんのようなドリームも消えはしないと思います。成長するのが本当のドリームですけどね。ただし、新公学年中に間に合わせなければいけないのは誰にでも共通しますね。

  6. にわか より:

    蘭尚樹さんが主演できそうな作品を考えてみたのですが、あまり思い浮かばず。グランドホテルの時は下級生ですし、ダルタニアンもトートも武蔵も彼女のキャラと違いすぎる。強いて挙げるならカンパニーの青柳や前作のホテルの御曹司でしょうが、風間さん英さんの方がしっくり来ます。
    私見ですが、蘭さんは小柄で繊細な容姿、若々しく健気な雰囲気の万能型。退団された美弥るりかさんの役が似合いそうですが、トップの珠城さんとは持ち味が違いすぎる。トップ娘役人事同様、新公主演にもトップとの相性(という言葉は適切ではありませんが)が影響するのかも…と思うと、何とも不運ですね。