花組『巡礼の年/Fashionable Empire』さっくり感想

 

先日、無事花組『巡礼の年/Fashionable Empire』千秋楽の幕が開きました。

私はチケットを3枚確保していたのですが、コロナの前に全滅。

ついにブログ開始後から続いていた全公演生観劇制覇の記録が潰えたのでした。

 

また、さすがの管理人も運を味方に出来ず、

私たちは結局1度も生で見られぬまま公演は全日程終了。

 

ありがたいことに千秋楽の配信放送を観劇出来ましたので、

テレビを通しての感想を、あくまでさっくりまとめていきたいと思います。

 

花組『巡礼の年』さっくり感想

 

最近の生田先生はわりかし駄作メーカーの印象があったため、

ぶっちゃけ心配していたのですが、意外や意外、面白く見られました。

なんというか、生田先生らしい「アイデンティティ探しの旅」という、

そのまんまがテーマの作品でしたね。

 

天才かつ美形な男が、人妻と道らぬ恋に走り、

しかもその後に名声まで求め、人生に一度の恋すら手放し破滅の道を辿る、

という実に宝塚らしい価値観で、こりゃ見応えのある作品だったろうなぁ、

劇場で生で観たかったな…というのが第一感想です。

 

冷静に考えると、話の点と点と線が繋がっていないというか、

精神世界モード含め、ぶっ飛んだ展開が多かった気がしますけれど、

そこは花組生の圧倒的ビジュアルの前に霞んでどうでも良くなった、

というのが本音かもしれません。笑

 

そう、とにかく花組生のスター性(演技力という意味でなく)が凄かった!!

柚香光リストなんて、何よあのビジュアル??!!

まさに2次元の世界、描かれた絵のような静謐な美しさで、もう乾杯!!という感じ。

 

もちろん星風マリーも手堅く、歌もビジュアルも安定した舞台運びだったし、

まさかの病弱ショパンを演じた水美舞斗も新境地で面白かった。

 

男装の麗人たる永久輝ジョルジュもまた何とも言えない退廃的な魅力があって、

冒頭の柚香リストと気だるい大人の情事の雰囲気なんて、

小洒落た洋画の冒頭じゃないですか…これだけで満足です、はい。

 

本作で退団となる飛龍つかさも、

金髪ヒゲ&ゴージャス衣装で男役の極致を見せて貰えたし、

音くり寿も嫌な女をまぁ楽しそうに演じていて、とても良かった。

 

聖乃あすかは、あーたついこの前までフワフワしたキャラやったやんけ!!

とツッコみたくなるくらい、男役としての芯を感じさせる進化をしていました。

これが路線として自覚を持ったということか…。

 

個人的には、帆純まひろが主人公のライバル役に抜擢されたのが嬉しかったですね。

ビジュアルが華やかなだけでなく、歌も芝居も上達していて、

これからの花組の貴重な別格路線として重宝されていくことは間違いないでしょう。

これ以上別格に逃げられては困りますものね。(小声)

 

一之瀬航季のイイヤツ感も本人に似合っていて良かったし、

希波らいともだいぶシャープになっていたなぁ、と、

とにかく花組生のスター性、豪華な衣装、華やかな舞台装置のおかげで、

久しぶりに宝塚らしい宝塚な作品が見られたな、と思ったのでした。

 

唯一のツッコミどころは、

最後が「ここで終わり?!」と思ったことくらいですけど、

まぁああいう終わり方もありなのかなぁとテレビの前では悠長に思えたのでした。

(実際に生で観たら盛大にツッコミそうな気もしますが。笑)

 

花組『Fashionable Empire』さっくり感想

 

そして一方の『Fashionable Empire』なんですけれども、

うーーーーーーーーーん、どうなんでしょう。

 

もともと私が稲葉先生ショーにイマイチ嵌らないタイプでして、

それは何故かと言えばテーマが散漫なことが理由なのですが、

(良く言えば「幕の内式的」「テーマに括らない」とも言える)

今回は一体なにがファッショナブルでなにがエンパイアなのかがよく分からず。

 

というか構成がこの前の『Fire Fever!』まんまな点も含め、

コロナ禍により一本物が減った→レビュー作家の登板が増えたことにより、

ネタが枯渇してませんか?という話ですよ。

 

ま、一番気になったのは「Fashionable」なのに

衣装がダサいことなんですけど。笑

 

印象的な場面は何かと聞かれたら、うーーーんと、

最後のデュエダンで星風まどかがビックリするくらい踊れていたことと、

エトーワルを務めた若草萌香、最後の最後で一人を貰えた音くり寿が、

とんでもない気合を込めて歌っていたこと、くらい?ゴメン。

 

振り返ると、柚香光政権になってからの花組ショー公演、

つまり『Cool Beast!!』『The Fascination!』『Fashionable Empire』と、

全部イマイチというか、今の花組の良さが表現しきれていないような…。

 

今の花組の良さって、まさにダンスの花組の復古とか、

平均年齢の若さ、そこから生まれる眩いスター性なのではないかい?

 

もっとみんなで爆踊りさせるとか、キラキラ&クールにキメさせるとか、

そういうことしようよ、と勝手に思っているので、

次作の野口先生登板に全力で期待を寄せております。頼むぞ野口クン!!

 

あ、芝居の方も含め、柚香光が全体的に歌えていて、

それに少しビックリした、というのは最後に書き添えておきます。

 

悔しさを感じた柚香光と花組

 

そして最後の挨拶まで拝見しましたが、

なんとまぁ、柚香光が可哀想になるくらい悔しそうなことよ…。

律儀に花組ポーズをしないだなんて、正直と言いますか男気溢れる人柄だなぁ。

 

組長挨拶もしんみりとしていましたし、

今回の長期休演は花組としても本当に悔しかったんでしょうね。

 

かくいう私も当日中止に巻き込まれた人間ですが、

もちろん生徒が悪いわけではなく、宝塚歌劇団が悪いわけでもありません。

 

けど、実際に公演が止まり、

出演者が舞台の上に立てる機会もどんどん減っているわけで、

うーん、難しい。宝塚としてはいまだ苦境に立たされていますね。

 

次の本公演は完走…と言ってしまうとハードルが上がってしまいそうなので、

一日でも多く公演が出来る(社会情勢になっている)といいですね、

という今の私の正直な思いで、感想編を締めたいと思います。

 

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コメント

  1. こんちゃん より:

    蒼汰様

    いつも楽しみに拝読しております。ライビュ専科の地方民です。

    私も公演中止を詫びる柚香さんを拝見していて「そんな声で謝らないで」と胸がしめつけられました。

    とうとう大劇場公演の連続ナマ観劇記録が途絶えてしまわれたのですね。年末恒例の大賞選考、生で見た舞台と映像でのみ視聴した舞台を、同じ土俵で比べるのも難しくなってしまいますね。

    私は、遠征して生で視聴した舞台と、映像のみで見た舞台をまぜこぜで順位付けしていますが、

    わざわざ遠征して生で見れば、高いお金を払った分、どこか良いところを見つけて元を取ろう、みたいな意識が出てきて、加点法で見がちになる傾向は自覚しています(汗)

  2. こころ夫人 より:

    いつも楽しく、興味深く拝見しております。
    毎回、東宝での公演は、宝塚大劇場の時より、より進化して素晴らしいものになっていますが、この大千秋楽は、凄いものになっていたように思いました。
    華がある、とは、こうゆう事なんだな、と痛感させられ圧倒され…。卒団者の勇姿も、観ることができて、配信に感謝しています。

    ただ、侑輝さん・星空さんコンビの東京での新公が、中止になったのは本当に残念…。
    次の別箱公演・全ツもバウも、楽しみですね。

  3. 甘栗プリン より:

    こんにちは!

    そもそも宝塚歌劇団はファッショナブルの最高峰
    そこに「ファッショナブル」と銘打つとハードルがえらく上がりますね(笑)

    私は幸せなことに遠征して生で3回観ましたが、見馴れて来ればオープニングのフードもとてもファッショナブル!

    群舞のロングコートなんて今の花組にしか似合わないかも、と思うほどファッショナブルでした!

    沢山の人がこんな素晴らしい作品を観劇出来なかったこと、とても悔しいです。
    退団者とこれからの花組をこれからも応援していきたいです。

  4. くるみ より:

    蒼汰さんこんにちは。
    久しぶりにコメントさせていただきます。
    (前回コメントした時の名前を失念したんですが、多分こんな名前だったかなと…笑)

    私も花組複数回チケット持ってたのに、中止により見事に全部消えてしまい、千秋楽配信のみの観劇となってしまいした。無念。

    私も生田先生の作品は最近あんまりハマらなくて(最近で言うとシルクロードは好きでしたが、シャーロックホームズは微妙でした)、リストもハマらずでした…
    れいちゃんリストはビジュアル大優勝で美しすぎるし、なんと言ってもひとこちゃんジョルジュサンドの中世的な美しさとかっこよさに目を惹かれたんですが、肝心のストーリーに惹かれませんでした。。笑
    まぁ、好みでしょうけどね笑

    そしてショーですが、蒼汰さんがおっしゃる通り、どこが「Fashionable」で「Enpire」なのか、謎すぎました。笑
    稲葉先生のショー、私も嵌らないクチです。
    そして蒼汰さん、よくぞ言って下さいました!そうです、衣装がダサすぎるんですよ…笑
    せっかく今の花組、ビジュアル最強メンバーなのに、あの衣装では可哀想すぎて。
    河底先生のお衣装、毎回ですがほんとセンスが悪くて、悲しくなるやら腹立たしいやら、、。(昨年のFireFeverの衣装もガッカリでした)
    稲葉先生のショー、必ずと言っていいほど毎回衣装は河底先生ですよね。
    (毎回河底先生と組む契約でもしてるんでしょうか)

    ちなみに私は有村先生・加藤真美先生のお衣装が好きです。

    私も蒼汰さん同様、野口先生のファンなので、次の花組の野口くんショーにすっごく期待してます!!
    きっとれいちゃん率いる今の花組に合う、お洒落で素敵なショーになるはず!
    お衣装は恐らく加藤真美先生だし(私の願望も込み)!

    ついつい思いの丈が長くなってしまい、すみません。
    芝居ショー共に嵌りはしませんでしたが、花組の皆さまの熱演には大感動、退団されたつかさくん音くりちゃん達のパフォーマンス・ご挨拶にも大感動、れいちゃんのご挨拶に泣けた千秋楽でした。

    これからもブログ楽しみにしております!