花組『TOP HAT』さっくり感想

 

この土日は花組配信デーでしたね。

土曜日が永久輝せあ主演『冬霞の巴里』、そして日曜日が柚香光主演『TOP HAT』。

 

いまだ続く繁忙期の最中の土日ということで特に予定も無く、

どちらも家でまったり拝見しました。

 

ありがたいことに『冬霞の巴里』は東京公演が見られる予定ですので、

そちらの感想は生観劇した後にしようと思いまして、

本日は『TOP HAT』の感想を、さっくり書いていこうと思います。

 

柚香光&星風まどか・華盛る充実期

 

まず前提で書きますと、個人的な感想としては、

前評判の良さほどイマイチのることが出来ませんでした…。

 

ただこれは花組生の出来が悪いという話ではなく、

タップを始めとした舞台演出や、出演者たちの掛け合い等は、

たぶん生で見た方が躍動が伝わりやすいと思うのです。

 

あと、最近気づいたのですが、

ブロードウェイミュージカルって意外と話の中身は無い系なので、

よっぽど好きな組でないと心がついていかないかも、とも思ったり。

 

そんなわけで、終始取り残された感がありながら見ていたのですが、

とはいえ主役たる柚香光&星風まどかの充実っぷりには驚きましたとも。

 

まずは柚香光。

死ぬほどカッコ良かったですねっ!!

ビジュアルが、マジで、極まってません?

 

上着を脱いだタキシードスタイルの時に強く思いましたが、

フォルムが理想のイケメン像そのままなのです。

 

そんじょそこらの若手俳優、海外スターでは決して作り出せない、

まさに理想美中の理想美。

私は彼女を男役のダビデ像だと思うことにします。←

 

また、ジェリーはチャラさよりも誠実さが感じられる役作りで、

今までに有りそうで無かった柚香光が見られて、それも眼福でした。

 

もちろんダンスも天下一品。

今まさにスターとして花咲き誇る瞬間を見せて貰った気分です。

 

そして今回のMVPは星風まどかかな。

彼女もトップ娘役として円熟期に差し掛かりつつある様子。

 

同じパツキンのイイオンナである『オーシャンズ11』テスでは、

少し背伸び感があるというかロリ風味が漂う出来栄えだったのですが、

今回のデイルはまさにブロンド美女の理想美であり、

その役どころを見事に演じ切っていたと思います。

 

また、柚香光との相性も最高&最強。

ビジュアルのつり合いだけでなく、

フワフワドレスでもガツガツ踊る彼女のパワーにも脱帽でした。

 

前作が朝夏まなと&実咲凜音という、

同じく花組と宙組と縁の有る組み合わせですが、

それとはまた違う魅力を見せてくれたんじゃないかと思います。

(ま、前作は見られてないんですけどね。笑)

 

その他のキャスト感想

 

その他のキャスト感想でいうと、

やっぱり音くり寿輝月ゆうまの実力者コンビの上手さが凄かった。

 

音くり寿は2幕の第一声から、

「あ、これは年増演技なのね」と分かる発声で素晴らしかったし、

輝月ゆうまはプロの舞台人として終始空気を作って、

笑どころを引っ張っていたと思います。

 

水美舞斗はもう、色んな意味で上級生の域に達していましたね。

相変わらずビジュアルも良く、

柚香光と並んで霞まないことが地味に凄い。

 

帆純まひろは…今回は大いなる冒険だったと思うのですが、

やっぱり任じゃなかったかなぁ、というのが正直な感想ですね。

 

彼女の根の真面目さというか、気品溢れるスター性が出ていて、

最後はべディーニが少し可哀想に思えてしまった、というか…。

なのでフィナーレで踊り輝く彼女が最後に見られて、ホッと一安心。

 

あとのメンバーはオールモブ、かと思いきやそんなことはなく、

羽立光来は美声を鳴らしまくるし、

若草萌香のドヤ歌唱も素晴らしかった。

 

支配人の航琉ひびきも手堅かったし、

随所で出てくる一之瀬航季の爽やかさも良かった。

 

個人的には2幕で目立つボーイ、たぶん愛乃一真くんですが、

キメキメのオラオラで良かったなと思います。これぞ花男ですよね。

あと、今回で卒業となる礼哉りおんも爽やかで良かったです。

 

逆に都姫ここ、美羽愛の104期娘役コンビは最後まで見つけられず…。

我ながらまだまだ勉強が足りないようです。

 

花組ファンは全力で楽しい作品

 

今回は柚香光が敬愛してやまないというフレッド・アステア作品であり、

かつ柚香光×水美舞斗、そこに輝月ゆうまが加わるという、

95期3人並びが実現した作品でもある。

 

そして小粋でオシャレ、ダンサンブルな場面が多く、

まさに柚香光率いる花組にぴったりな作品だな、というのが個人的総括です。

 

4月6日の千秋楽まであと少し。

最後まで全力で駆け抜けてくれることを期待したいと思います。

 

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コメント

  1. ヒラヒラ より:

    はじめまして。
    いつもブログ楽しみに読んでいます。
    天城れいんくん、ご卒業ではないはずですが…
    礼哉りおんくんが卒業されるようです。

    • 蒼汰 蒼汰 より:

      ご指摘ありがとうございます。
      素で間違えてました…訂正させて頂きます。

  2. こんちゃん より:

    蒼汰様

    いつも楽しみに拝読しております。ライビュ専科の地方民です。

    「TOPHAT」は熱を出してぼーっつとした頭で見ていたのですが、どんな話かはよくわかりました。昨日の「冬霞の巴里」は平熱の状態で見ても理解不能でした。

    宝塚ファンは、海外ミュージカルに関しては、音楽が良くて歌唱が上手ければ、台本については不問の方が多いですね。

    ただ、さきほど自分も自ブログで「これ45分で終わるんちゃうか」といったタイトルの記事をあげたら、当ブログ比では反応がいいです。同じ思いの方も多いのでは(笑)

    著作権上、台本を潤色したらダメなのでしょうかね。

    前回の外箱のナイワもずいぶんおっとりした台本だなと思いましたが、あれはそれでも21世紀に制作された、1930年代ミュージカル”風”擬古典。

    「TOPHAT」は1935年制作の”ほんものの古典”。この楽曲を担当したアーヴィングさん自体、貧しいベラルーシ移民で、楽譜も読めず、読み書きも怪しかったらしい。

    映画の観客も、初等教育だけで社会に出て労働している人が多くて、そんな観客でも楽しめる大衆娯楽とは、このようなものだったのでしょうね。

  3. より:

    柚香さんの男役像を極めたカッコよさにトップコンビの美しさと超絶ダンスを楽しむにはとても良かったと思いますが、おっしゃる通り物語としては厳しいと私も感じました。

    アギラールのような悪役でもなく惚れた女の幸せを願って痩せ我慢して身を引く男の美学でもない、単なる当て馬キャラというのは今の時代後味が悪く感じるものかもしれません。

    ベディーニ、センスは素っ頓狂(しかしデザイナーとしてはデイルの衣装からは有能)だけれど台詞のおかしみは単に母国語が違うだけ、それであの最後は可哀想なのでは。デイルのウェディングドレスを作って欲しいというのも、そりゃジェリーあんまりです。
    最後にベディーニが惚れっぽく可愛いメイドさんにでも一目惚れして追いかけて行くような描写でもあったら笑えたのかもしれませんね。

  4. あやこ より:

    妙なツボに賛同しますが、私もここ最近『胸キュンハッピーラブコメディ』に感情移入しづらい笑。(はいから、ナイスワーク、バロック。。。嗚呼、花組)それに加え、花組の上品さと統一美が邪魔をし、ますますお顔とキャラが入ってこないという事態に。(剃り込み、チリチリパーマ、ぎんぎらアイシャドウなど不在)
    そんなキラキラ体制ですから、ベティーニは、飛龍さんでも、聖乃さんでも、どっちみちしんどかっただろうなー、なんて。
    オープニングやエンドロールのヨシマサ・マジックは、作風にあっていて素敵だなーと感じました。

  5. える より:

    蒼汰様

    初めまして。いつもブログ楽しく拝読しております。
    当方、現地でマチソワを観ていた花組ファンの者なのですが「生で見た方が〜」の言葉に激しく共感してコメントいたしました。

    現地だからこそ芝居の軽妙な掛け合い、柚香さんを中心とする圧倒的なショーは、生で観劇した方がより面白さを味わっていただける作品だったと改めて思いました。
    ライブ配信だけで観ていたら私もあまり良い感想を持てなかったかもしれません。現地では生徒さんの細かい芝居に対して観客席から本当に笑いが絶えませんでした。

    ちなみに、都姫さんと美羽さんはショーガールやメイドのお役で配信カメラ越しには気付きにくかったと思います。私もオペラグラス越しに必死に探しました。

    さっくり感想と言いながらも、日頃より、各組の公演を隅々までご覧になっていることが言葉の節々から伝わってまいります。様々な観点から観劇を深めることができ、気づきを頂いたことに感謝しております。
    これからも更新を楽しみにしております!ありがとうございました。

    • 久実 より:

      今日は!
      私もTOP HAT、現地に遠征して見て参りました。確かに古き良き時代ののんびりした脚本ではありますが、おそらくこの脚本は、元々アステアのダンスを楽しむことが主旨のものなのだと思います。脚本に改善点もあるのでしょうが、生で観ている分には笑いもドッカンドッカン起こって長いとは感じませんでした。やはり、このタップダンスを中心とした舞台、生の息使いや靴の発する音、生バンドの迫力を感じることで感想も変わるのかな、と思いました。舞台の端での小芝居も面白く、アドリブも沢山入っており、見るたびに1回1回が異なる舞台です。一方で、コメディの要素も強い中、笑いが少ない回、ドッカンと笑いが起こる回、と違いがあり、演者もある意味一回一回が勝負でしょう。
      もちろん、配信やライブビューイングも宝塚を感じ、ファンを増やすための大切なツールですので、大切にして欲しいと思います。
      生とライブビューイングや配信の両方見て比較できたら、より感想が深まって良いのかもしれませんね。