実は先日、月組公演『ON THE TOWN』を見に行きまして
今年の宝塚始めをして参りました。
その感想を書こうと思っていたら、
まさかの怒涛の発表が続いたため
今更ですが、感想「のようなもの」を書こうと思います。
なんで「のようなもの」かは、後記にて。笑
簡単キャスト感想
まずは簡単にキャスト感想から。
正直、この公演は暁、美園、風間の
若手3名を見に行ったと言っても過言ではありませんので、そこを中心に。
暁千星(チップ)
しっかり二番手スターしてましたね。
やはり集団でダンスをしていると
一人しなやか過ぎる体躯で非常に目立つのはもちろんですが
最近は演技においても
きちんとオスっぽさも出せてきているのが素敵なところ。
現在の髪型も相まって、非常に衣装も似合っていました‼
美園さくら(アイヴィ・スミス)
なるほど、彼女は顔立ちも相まってゴージャス系娘役なわけですね。
ド頭のピンクのドレスでバンッと現れた瞬間、
なんだかんだトップらしいオーラを感じましたよ。
確かにダンスは愛希ほどではないにしろ
軽やかかつエレガントに踊っていましたし
歌は確かに真彩ほどブチ抜けたものはないにしろ
その声質を生かした聞きやすい歌だったと思いますし
まぁつまりトップとしては全然問題ないんだなー
というのが大きな発見でした。
もっと自信持ってガツガツいっても良いと思うけど、これも経験なのかな?
風間柚乃 (オジー)
100期生というだいぶ若い学年にも関わらず
もう既に安定感がありますね、特に歌が。
(冷静に考えたらここまで出番が多い下級生は、100期生の中で一番乗り?)
筋肉バカっぽさが十二分に表現できてましたし
かつギャクシーンの間や空気感とかもバッチリでしたが
想像より声が高めなのが意外でしたねー。
これに関しては経験がモノを言うでしょうから
まだまだこれからですよね。
そして他にも
さすが2年トップをはってるだけある安定感抜群の珠城、
路線娘役にはできないグイグイ感を全力でこなす白雪、
3人娘の中で一番出番が多く、一番しっかりしてた蓮など
さすが芸達者な月組だなぁという感じでした。
感想が書けないワケ
で、冒頭書きました通り、
個人的なことを申し上げますと、
今回は非常に「感想が書き辛い」作品でした。
理由は非常に簡単で
それはずばり、
内容が無いよう状態だったからです。笑
実は以前、著名な脚本家の方とお話しする機会がありまして
非常に印象的な言葉を頂戴したんですよ。
それは何かと言いますと
「コメディ作品は、ただギャグを詰め込むだけじゃなくて
そこに一つ大きな主題を盛り込むことで、話に深みが出るんだよ」
的な話だったんですよね。(うろ覚え)
これを宝塚に置き換えると、
例えば同じコメディ作品である紅ゆずる主演『ANOTHER WORLD』では
一見紅らしいコメディ一色、ただのドタバタ珍道中にみえますが
あの話はオチとして「人間死ぬ気になったらなんでもできる」
という主題が根本にあるわけですよね。
それは一回、物語上死んているからこそより際立つ話であり
だからこそ最後にカタルシスを感じられるわけで。
で、この『ON THE TOWN』の主題を考えたとき
たぶん「24時間という限られた時間を一生懸命生きる若者たち」
という雰囲気なんでしょうけど…。
この話の中で、誰かが成長したわけでも、
誰かの価値観が変わったわけでもなく、何も起きない。
ただ時間軸を追っただけ。
しかもオチが『グランドホテル』と一緒って
冒頭で予見はしてましたけど…ねぇ?
そもそも2時間30分の公演のうち、
心象風景みたいなダンスが2時間近くあって
たぶん話の本筋ってギュッとしたら45分くらいでしたよね。笑
まぁブロードウェイってこんなもんだろって言われればそうなんですけど
宝塚では2時間半もあれば、
あるオーストリア皇后の一生が見られる時間であることを思うと、
個人的には物足りないかなぁ。
なので正直「みんな頑張ってたね」としか書けないというのが
正直な感想でございました。
全力のフレッシュさを感じられる公演
というわけで、脚本としては微妙でしたけど
月組若手組のフレッシュさを十二分に感じられた公演でした。
先ほど心象風景のダンスシーンが多かったと書きましたが
それは裏を返せば下級生たちに出番が多かったと言うことですからね。
きっとこういう団体芸的公演が好きな方は、
全力で楽しめるんじゃないかと思います。
そう考えたら、ブロードウェイ作品を宝塚らしく昇華できたと言えるのかも?
個人的には美園、暁、風間の若手トリオの活躍を非常に楽しめた公演でした。
これからの月組が非常に楽しみです‼
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コメント
ON THE TOWN観劇されたのですねー。確かに、感想が残らない作品でした。なるほど、主題がないから、だったのかと同感です。
出演者は、皆、頑張っていました。
新トップコンビのお披露目と言うよりも、サクラちゃんのお披露目感が強くて。これから二人は段々と馴染んでいくのでしょうねー。
コメントありがとうございます‼
月組の群像劇感は好きなんですけどねー。
同じく、新コンビの進化と深化に期待したいです‼
この作品は映画版「踊る大紐育」を観ました。(主演が「雨に唄えば」と同じジーン・ケリーですね。確かに珠城さんのイメージに合っているかも)
映画だとその「中身の無さ」も気にならないのは、メディアの違いでしょうか。映画だと安いし気楽に行かれますし、気軽な娯楽としてはいいのかもしれません。
あとは、オリジナルは第二次大戦中、映画版も終戦数年後に作られたので、わざわざテーマを盛り込まなくても、観る側が勝手にリアリティを感じてくれたのかなとも思ったりします。
とか言って個人的にはミュージカルに限り「大きな主題」がなくても許しちゃうのですが。楽しい歌とダンスがあればなんでも許してしまいがちです。笑
コメントありがとうございます‼
確かに、舞台向きや映像向きなど作品によって色んなカラーがありますもんね。
もちろんこういった毛色の舞台があっても全然良いと私も思いますけどね。個人的にはあともう一押し欲しかったなぁと。
蒼汰さん
初めまして。
小生、宝塚を見始めてほぼ半世紀! になるアラ還のオヤジです。
日々、楽しくまた興味深くブログを拝見しております。
(母親に連れられ初めて見た宝塚は、甲にしきさんの永遠のカトレアという作品でした。普通小4男子は宝塚ハマりませんよね 笑)
宝塚に関するブログは数多ありますが、こちらのブログは、
ヅカファンでは少数派の男性である蒼汰さんが書かれている事、(による親近感)、特定の組や生徒さんだけを取り上げず、
(いわゆるファンコミュニケーションサイトではないところ)
且つ、劇団の運営や方向性をビジネス視点で捉えた考察や人事
予想等、そんな理由から、日々フムフムとうなずきつつ、
大変興味深く読ませていただいております。
私も、今年のヅカ初めはON THE TOWNでした。
ファントムのチケット獲得に撃沈しまして。(笑)
ON THE TOWNはおっしゃる通り、
話の主題が弱く(いわゆる話のツボがわかりづらい?ない?)
回想ダンスシーンもやたら多くて話が中断、
事前学習していない人が見たら、わかりずらい展開だったろうと
思いました。
月組がバウ組と二分されて、たまさく・あり・おだちんという
今後の月組体制の試金石的な公演なのかとも感じました。
ま、それでも推しの生徒さんが出ているので(内緒 笑)
明後日の千秋楽にものこのこ行く予定ですが(笑)
こんなファンがいるからこそ、それほどの作品でなくても、
そこそこお客が入るんでしょうねぇ。
それが宝塚の上手なところでもあり、ズルいところでもあるのでしょうが。
取りとめなく書いてしまいましたが、
蒼汰さんの ON THE TOWN 見初めの感想のようなもの、
を読み思わずコメントさせていただきました。
これからも末永くこのブログを続けていただくことを、
陰ながら応援しております。
コメントありがとうございます‼
私も数少ない男性からのコメント、非常に嬉しいです。笑
スターのカラーがアダルティ組とフレッシュ組に分かれていることを見ると
まぁ劇団も意図してやっていることなんでしょうね、きっと。
路線スターが少なく、かつ初演公演というハードルがありながらきちんとチケットを売り切るあたり
もはや劇団的には何も心配していないんでしょうねーきっと。
だからこそこういった実験的な作品や配役ができるわけですが。
これからもよろしくお願いいたします‼
私は『ON THE TOWN』の主題を考えたとき
「明日は死ぬかもしれない若者が24時間という限られた時間を一生懸命生きていた」だと思います
ブロードウェイ大好きなので
気になってしまいました ごめんなさい
コメントありがとうございます‼
私も同感です‼たぶん、それが主題なんでしょうねー、きっと。