月組の王道レビュー公演やらな過ぎ問題

とある記事を書くために

過去の月組公演を見返していたのですが

『カルーセル輪舞曲』ってとても良い公演ですよね。

 

珠城りょうお披露目公演である今作、

スターが変わっても宝塚は続くという「刹那」と「永続性」を

カルーセル(回転木馬)と輪舞曲にかけた普遍的なテーマ。

 

そして、適材適所にスターを配しながら

緩急のついた飽きさせない構成。

 

宝塚らしい夢々しさとドラマティックさがたくさん詰まった

実に王道のレビュー公演だと思います。

 

3年間王道レビュー公演がない異常事態

 

と こ ろ が 。

月組はこの『カルーセル輪舞曲』を最後に、

王道のレビュー公演を行っていません。実に3年間も。

 

『BADDY』は上田久美子氏により意欲作で

話題性は高かったものの王道を外した世界観でしたし、

 

『クルンテープ』は藤井大介氏らしく構成は王道的だったものの、

テーマが「タイ」でどちらかと言えば飛び道具的。

 

続く『WELCOME TO TAKARAZUKA-雪と月と花と-』は

公演解説にもある通り日本物レビュー。

 

そしてその隙間を埋めるのは全て一本物公演。

ここまで王道レビュー公演をやらないなんてハッキリ言って異常事態です。

(星組が『Bouquet de TAKARAZUKA』から5作連続でやってることを思うと余計に。)

 

ここでは月組の一本物の多さについて

語りたいわけではないので除外しますが、

 

由々しき問題であるのは、

2番手スター・月城かなとが月組に来て以来、

まだ本公演で一度も王道レビュー公演をやっていないことでしょう。

 

彼女は『カルーセル輪舞曲』公演時まだ雪組生でしたので、

さらに遡って『Greatest HITS!』以来、

王道レビュー本公演に出演していないことになります。

(全ツで『CRYSTAL TAKARAZUKA』をやっていますが2017年秋ですからね…。)

 

2020年後半の外箱公演の行方

 

2020年後半の月組別箱公演は、全国ツアーとバウ公演。

バウ公演は100期の風間が主演でしょうから

順当で言えば珠城りょうが月城・鳳月・暁を率いて全国を回ることになります。

 

ところが、もし珠城りょうが任期8作であった場合、

最近の風潮(柚香・礼・彩風)でいけば

全ツの主演は珠城ではなく、月城が務めるという可能性も考えられるでしょう。

 

と、言うは易しなのですが

それってつまり約1年後に月城が珠城の後任になるというわけでして、

果たして本当にそうなるのかなぁと懐疑的だったりします。

 

一番気になるのは、

前述の通り月城自身のレビュー公演の経験の薄さ。

 

彼女はその圧倒的な美貌と高い芝居力が強みのスターなわけですが、

唯一苦手なダンス、もとよりレビュー公演の経験が薄いままトップに立って、

果たして大丈夫なのか?と少しばかり心配になります。

 

もちろん劇団はトップには立てせると決めたらそうなるでしょうけれど、

トップに立てても舞台を興行として成立させられるかどうかは別の話でして。

 

スターとして大いなる飛躍が出来る貴重な2番手時代に

レビュー公演の経験が薄いままトップに立たせるなんて

彼女の成長起点を奪うようなものですから、

それってとても勿体ないことだなと思うのです。

 

と、これが月城かなとこのまますんなり

トップに上がらないんじゃないか説に繋がってくるのですが、

これはまた別の機会にて。

 

レビュー公演は組子の育成にも必要不可欠

 

そして、トップスターを支える月組生たちにとっても

王道のレビュー公演経験不足は大きな痛手だと思います。

 

何より2017年度に配属になった103期生以降の月組生

一度もその経験が無いわけで…って自分で書いて驚いてしまいました。笑

 

少なくとも一本物公演って下級生、

あるいは娘役に役が回らないことが多く、

ほとんどの生徒がモブ扱い。

 

それで舞台人としての経験を積め、

あるいは観客にアピールしてファンを捕まえろと言っても

それは酷だと言うものです。

 

実際、これは完全に私事なのですが

超絶ライトファンである私が現在、

中堅(98期くらい)以下のスターを最も知らない組は月組でして。

 

その理由を考えたら、やはり一本物偏重主義による

路線スター以外の出番の少なさがゆえかなぁと思ったりします。

 

ふとした一言、ダンスや歌でのたった一場面。

それに全てをかける若手スターの努力と輝きがあってこそ、

宝塚というピラミッド方式の舞台興行は成り立つと思いますし、

何よりも本人たちのモチベーションに繋がる根本的なものです。

 

月組ファン以外の人たちに、

路線スター以外のジェンヌたちの存在をアピールするには

王道レビュー公演は不可欠。

ぜひその原点に立ち返って欲しいものですね。

 

珠城任期8作目に求めるもの

 

冒頭で取り上げた『カルーセル輪舞曲』。

その一番の見どころは、フィナーレに向かう群舞でしょう。

 

燕尾服でのキレのある男役芸、

白いドレスを着た娘役たちとのダンスを魅せ、

そしてその中央に立つ若き新トップ・珠城りょう。

「若き皇帝爆誕!!」というオーラが本当に凄まじかったです。

 

珠城りょうの魅力って

宝塚の王道的男役像としてであって、

海外ミュージカルの主演者として難曲に挑む姿では決してないはず。

今の王道レビュー避けは実に勿体ないです。

 

そして、残念ながら公演中止となった『出島小宇宙戦争』も

フィナーレが非常に評判が良かったと聞きます。

 

つまり月組生たちは、チャンスさえあれば

それを表現出来るだけの素養を当然持ち合わせてるわけで。

 

何が言いたいかといいますと、

単純に珠城任期8作目で

王道レビュー公演をやって欲しいなって話なんですよ。

 

円熟期を迎えつつある珠城を筆頭に、

鳳月、紫門、千海、輝月の熟練の男役芸、暁はじめ若手組の瑞々しさ、

海乃、晴音、楓あたりが適材適所に輝く娘役芸に、

美園さくらのゴージャス感と白雪さち華のねっとり歌唱。笑

 

そんな王道的レビュー公演、想像するだけで楽しくないですか?

私の大好きな野口幸作氏とか登板してくれないかなー。(小声)

 

目先の利益に捕らわれて一本物ばかりやるでなく、

そろそろ月組の王道を見せて欲しいなーと思っている一ファンの戯言でした。

 

蛇足:ところで『ピガール狂騒曲』の主な配役が発表されていないのですが、これって配役で何かスパイスを仕込ませてたりするのかなぁと思うのですが、どうなんでしょうね。

 

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コメント

  1. YS より:

    今の月組は前代までの遺産を使い果たし、更に将来から借金までしてる、と思ってましたが、改めて考えるとバッディは前代の遺産(別箱でコスプレショーをやりまくった経験)の浪費だし、二番手は勿論若手にも本格ショーの経験を積ませる機会を与えないのはまさに将来からの借金だよなぁ、と思います。
    現トップも「おとめ」とか写真集とかでようやく終わりが見えてきた、かと思いますが、このまま月城さんに後を任せるのは余りに酷…。
    劇団に何か対策があるのか、主さんと管理人さんのご意見を伺いたいです。

  2. こんちゃん より:

    蒼汰様
    いつも楽しみに拝読しております。ライビュ専科の地方民です。

    王道レビューってつまり、カルーセル輪舞の原点、モン・パリから90年以上続くパリレビューの系譜ですよね。それって大事ですよ!

    東宝や四季のミュージカルを見て、主要キャストのみならず、アンサンブルの歌やダンスのレベルの高さに惚れ惚れするのですけどね。王宮の舞踏会みたいなシーンになるとねえ・・・上手い下手より、貴族のロイヤル感が薄い方が多くて夢が覚める(汗)おフランスのかほりが薄いのよ・・・

    歌舞伎だってそんなところがあると思います。香川照之は海老蔵より演技力があると思います。でも、動きや所作については、海老蔵と比べると、ああ現代人だなあと思う。海老蔵のような子供の頃から三味線に合わせて踊り続けてきた人は、江戸の匂いがぷんぷんする。

    タカラジェンヌはひょっとしたら、2020年のリアルパリジェンヌよりも、レトロな西洋菓子のパッケージのような、古き良きおフランスのかほりを現代に伝えている稀有な存在だと思うんです。そこが宝塚の他にない魅力の根源でしょう。

    それも王道パリレビューで「踊る紳士・淑女」という、イマドキどこにいるのかという存在を客の前で演じる経験を積んでこそですよ。王道レビュー大事!

    蛇足
    ピガール狂騒曲って、シェイクスピアの十二夜原作なら「男と女と男装の麗人」の複雑な三角関係の話でしょうけれど、ポスターの美園さんに男装の麗人感が薄いのが気になっております。まさか珠城さんが男装の麗人?

  3. 和世 より:

    『カルーセル輪舞曲』は博多座版しか観ていないのですが、それも
    2017年の春ですもんね。
    月城さんは『Greatest Hits』以降ないということに、私ですら驚いております。何せ、これが宝塚初観劇のショーだったので…。

    王道のレビューって、いわゆる”宝塚を観た”感をストレートに味わえるだけでなく、初観劇の人間にも「これが宝塚です」と分かりやすく魅せてもらえるものだと思っています。その意味でも意義は大きいかと…。
    トップさんがショースターでなくとも、下の方(月組さんの場合は上の方も)の見せ場が生まれるのがショーだと思います。

    2006年の大劇場および全国ツアーで上演された『レ・ビジュー・ブリアン』は王道中の王道と呼べると思います。
    大劇場は轟さんが出演されたので変則だったのでしょうが、
    大空さんや北翔さん、龍さんや明日海さん等、後のトップさんが
    多数いらっしゃいました。
    それを思うと、仰る通り組子さんの成長のためにも、”王道”も重要ですね

  4. アイコ より:

    いつも楽しく拝見しています

    輝海さんじゃなくて、輝月さんですよ。ファンなのでつい気になっちゃいました。

    たまきさんはどちらかというと、芝居よりもショーのひとだし、レビューもやればいいのに、と思うけど、他組に比べてどうしても正直集客に難があるから、他と違うことをやらせて何とか目を引くようにしなければ、という首脳陣の苦肉の策なのではないですか?それがうまくいくかどうかは、また別の話ですが。

    実験的なことを、という試みは、ひととおりなんでもきちんとできることが大前提で、ちゃんとできるひとがやってみせる遊びの部分に色がつくのであって、目先だけ変えて見せようとされても、見る側もそのあたりはわかってしまうから難しいものですね。

    • 蒼汰 より:

      コメントとご指摘ありがとうございます‼
      大変失礼いたしました…訂正させて頂きました。
      まさしくおっしゃる通りです。お披露目、小池氏一本物、ウエクミショー作品デビュー、愛希のためのエリザ、ここまでは分かるのですが
      だったら藤井氏に王道のショーを作ってもらえたら良かったのに(美弥の退団作品だから余計に)と思うのですが、
      次のIAFAが実に王道的な雰囲気の作品なので、あえて外したのかなぁとも思います。
      果たして8作目が今までの流れ通り一本物になるのか、それともどうなるのか、注目ですね。

  5. はる華 より:

    初めてコメントします。
    いつも興味深く楽しませていただいております。

    今回の記事、納得です。
    と申しますのも、先日の「赤と黒」フィナーレが素晴らしかったのです。
    安寿ミラさんの振り付けで、美園さんが娘役たちを引き連れ颯爽と踊り、その後、黒燕尾(スーツかも)の男役たちを率いる珠城さんは威風堂々としてオーラに満ちていました。
    一本物特有の短いおまけ的ショーではありましたが、地方公演だからこそ、宝塚らしさを凝縮して伝えるのだという意気込みが感じられ、大変見応えありました。こういうオーソドックスな宝塚らしいショーを、月組でもっと観たいと思わされました。

    それがなかなか叶わないのは、このブログでこれまでも言われている、近年の宝塚の計画的な事業企画ゆえでしょうか。
    若きトップに月組を託すことを決めた時、海外ミュージカル、奇抜なショー、と、援護射撃のつもりで、あれもこれも仕込みすぎたのかもしれませんね。それが今さら、変更できないと…笑

  6. 海苔巻き より:

    月組で王道のレビュー、いいですね。
    アンチの方が多い印象の珠城さんですが、私はどの組にも嫌いなジェンヌさんがいないので(大好き、〇〇が素敵、あまりよく知らない、の3種類に分類)個人的には体格にも恵まれてるし若々しくて素敵だなぁと思っています。

    博多座でカルーセル〜を数回拝見したのですが、本公演の半分の人数でも素晴らしく、あの公演で月組良いなぁと思いました。

    せっかく歌えて踊れる美園さんがお相手なので、まだ時間の猶予があれば今後はど真ん中の王道レビューを期待したいです。