2018年大劇場本公演の個人的ランキング ~ルネサンス宝塚大賞①~

実はわたくし、今年初めて

東京大劇場公演全制覇を達成いたしました!!

 

そんなわけで、昨日の記事の通り

「輝く?!個人的・ルネサンス宝塚大賞」と題し、

私の独断と偏見をもとに、ランキング形式で感想を綴っていきたいと思います。

 

 

 

ルールとしましては

 

・2018年に東京宝塚劇場で行われた公演が対象です。

・第2位~最下位、からの第1位(ルネサンス宝塚大賞)という順番に発表します。

・順位は私の好みだけではなく、芸術性や大衆性(主観)を加味します。

・あくまで私の独断と偏見によるランキングです。

 

詳細は昨日の記事をご覧ください。

(ランキング形式ですので、そういうのが苦手な方はバックをどうぞ)

【告知】輝く?!個人的・ルネサンス宝塚大賞なるものを連載します。

 

ということで、発表していきます!!

 

2018年本公演 ノミネート作品感想

第2位:星組『ANOTHER WORLD』

 

実はポスター発表等の段階では全く期待していなかったのですが

これがまさかの大当たり!!

現・星組体制だからこそ成立した佳作だと思います。

 

トップスター・紅ゆずるのキャラにぴったりな、

華やかで、面白可笑しくて、ちょっぴりホロリとさせられる「小噺」という

新たな和物を確立したといっても過言ではないでしょう。

 

粋な江戸男・礼、ワイワイ元気な七海、チャキチャキ看板娘の有沙だとか、

ジェンヌたちもピッタリ&新たな魅力が引き出されてたし、

冥途歌劇団などの面白い小ネタもてんこ盛り。

 

華やかなチョンパに始まり、

結局「女が強い」「オカンが強い」という、いかにもナニワ的なオチまで

最後まで息つく間もなく楽しむことができました。

 

あと、舞台そのものだけでなく

2枚目:イケメン、3枚目:道化、といった歌舞伎になぞらえた配役など

伝統にキチっと乗ってるのも面白いですよね。

 

深く考えずに見ているだけで楽しくなれる作品

紅ゆずるの代表作になっただろうと思うと同時に

やっと本人のキャラに合った作品が生まれて良かったねぇ、と思った私なのでした。笑

 

第3位:花組『MESSAIA』

 

いかにも「THE・宝塚的オリジナル作品」なわけですけど

その中でもだいぶ良作の部類に入る演目だったと思います。

 

カッコ良くてちょっぴりワルなトップスターが

ヒロインに影響を受け改心(?)し、

やがて多くの人々をまきこんで騒乱を起こしていく・・・という

 

超王道ストーリーながらも、それでも退屈せずに見られたのは

ひとえに明日海りおの、花組生の熱演によるところだと思います。

 

もうね、いつから「芝居の花組」になったんだろう?と聞きたくなるぐらい

舞台上のパワーが凄すぎて、

劇場ではもちろん、ライビュで見た時も圧倒されてしまいました。

 

絶望の淵にいた民衆が明日海の呼びかけに応え

「メサ~イア~♪」と歌いながら心を一つにしていくところだとか

まさに圧巻の一言。素晴らしい。

 

総決戦での民衆たちの十字架のシーンだとか、

最後、黄金の理想郷にたどりついたみんなの微笑みだとか、

そういう演出面も素敵で、とても見応えのある作品でした。

 

第4位:雪組『ひかりふる路』

 

ワイルドホーンの素晴らしい楽曲に対し、

超絶技巧で歌いこなすトップコンビのお披露目作品、ということで

本公演で見てたときは素直に「面白いなー」と思っていました。

 

が、今改めてあらすじをよーく考えてみると

結構ご都合主義ですよね。笑

 

まさに逆恨みでしかないマリー・アンヌのロベスピエールへの怒りの動機も、

それをあっさりひっくり返しちゃう愛もよく分からんし、

最後は「ハッピーエンド・・・なのか?」という、なんだか腑に落ちないオチ。

 

というわけで、これは雪組メンバーが

その実力とスター性で

「そこそこ面白い作品」に引き上げた公演だったと思います。笑

 

あと付け加えますと、彩風咲奈の2番手としての成長や

朝美絢のスターとしての開花など、

路線スターが大きく飛躍した作品となったことを考えると、とても意義深い作品だったなぁとも思いますね。

 

第5位:月組『エリザベート』

 

やっぱり面白いですよね、エリザ。

 

どんだけ「歌えていない」なんて否定的な感情を抱いても

それでも一つの舞台作品として成立しちゃうのがエリザベート。

本当に恐ろしい作品です。笑

 

個人的に今回の月組公演は、目新しさを求めず

今までの演技に重点を置いたエリザ公演の良いとこ取りをした、

という解釈でいます。

 

私としては変なアレンジを加えられるよりよっぽど良いと思いますが

古くからのファンの方からしたら

「見飽きた」と思ってしまうのも仕方ないのかもしれませんね。

 

まぁ、長年トップを張った愛希れいかを送る作品としては

素晴らしい公演になったのではないかなと思います。

 

第6位:宙組『異人たちのルネサンス』

 

個人的にはすごく好きな作品でしたが、

多くの宝塚ファンたちが理解しやすしストーリーだったかと言われると

うーん…どうなんでしょうねぇ。笑

 

やはり題材が難しすぎたことと、

バックグラウンド等の説明が足りなかったかなーと思いますが

下手に説明セリフが増えるのも情緒に欠きますし、バランスが難しいなぁと。

 

ただ、今作の一つの大きなポイントとして

御曹司である愛月と、蒼羽、澄輝、凛城の上級生トリオから

御曹司である桜木と、和希、留依、瑠風の中堅トリオに比重が移ったのが気になるとことです。

 

それから最高過ぎるフィナーレ。

感想には書きませんでしたが、あれめちゃめちゃカッコイイですよね!!

 

それでちょっぴり加点され、この順位です。

 

第7位:宙組『天は赤い河のほとり』

 

宙組20周年記念公演であり、かつ真風・星風のお披露目公演として、

非常に「正解」な演目だったと思います。

 

とにかくカッコいい真風と、可愛らしい星風と

運命に翻弄されながら愛しあい、互いに支え合っていく群像劇・・・。

 

が、裏を返すと「それだけ」の作品と言えなくもないし

何回も見返したいかと言われれば、うーんだし

今振り返って何が印象的かと聞かれても、うーんという感じ。笑

 

しいて言うなら、舞台冒頭の

主要キャストが全員舞台上に上がって、ポーズを決めるところ。

 

あのシーンを見た瞬間は、真風のあまりの神々しさにひれ伏したくなったと同時に

新生宙組体制の眩しさに目頭が熱くなる思いでした。

 

が、そのシーンがピークだったかなぁというのも本音です。笑

 

第8位:月組『カンパニー』

 

なんだろう、別に悪い作品ではないけれど

すごく面白くて感動する作品かと言われれば、そうだとは答えづらいという、

「毒でも薬でもない」公演だったなぁというイメージです。

 

個人的に、珠城の良さは

その「イイ人そう感」だと思うんです。

 

でもそれは『カルメン』や『BADDY』みたいに

「悪い人」を演じることで相対的に「イイ人」感がより際立つから魅力的なのであって

本人のイメージ通りイイ人を演じると、

本当にただの「イイ人」でしかないなぁ、ということを改めて実感してしまいました。

 

あと、一企業人として生きる30代の男としては

野暮と分かっていても、あまりにファンタジー企業過ぎるのが

気になって気になって仕方ありませんでした。笑

 

それから月城・暁の出番の作り方も結構ムリヤリでしたよね。

路線のため仕方ないとは言え、なんとかならなかったもんなのか・・・。

 

第9位:雪組『凱旋門』

 

私、雪組大好きなんです。

そして初演『エリザベート』を見たことが私の宝塚ライフの始まりなので

轟悠さんもめちゃめちゃ好きなんです。

 

が、やはり理事の本公演はキツかった・・・

 

というか、歌っている姿を見ると正直悲しくなってしまった。

だって声が出てないんだもん…。

 

ただでさえ作品が物悲しく、盛り上がりに欠ける作風にも関わらず

主演に悲壮感がただよってしまっている結果、

「私は宝塚に何を見に来てるんだろう・・・」って思っちゃいました、正直。

 

こういう暗くて誰もが救われない作品って個人的に大好きで

映画や小説でもよく見るのですが

舞台ではそのバランスの取り方が難しいんだなぁと感じました。

 

あと、この公演に関して思うのは、普通にラヴィックを望海が演じ、

ボリス彩風、ヴェーベル彩凪、ジャルダン朝美、ハイメ永久輝、と

順当通りに役をふって、通常の雪組公演として見たかったなぁということです。

 

結構ハマったと思うんですけどねぇ。

 

 

 

と、ここまで2018年上演作品をまとめてきました。

皆さんいかがだったでしょうか?

 

それでは、お待ちかね

ルネサンス宝塚大賞の発表です!!

 

ルネサンス宝塚大賞・ミュージカル部門 発表!!

 

ルネサンス宝塚大賞:花組『ポーの一族』

 

まぁ、ほとんどの方が「でしょうね」と思ったことでしょう。笑

(久しぶりに使った!!)

 

この作品の凄いところは、

前提として一つの物語として完成度が高いということ。

 

それだけでなく、明日海をはじめ仙名、柚香、瀬戸、鳳月、水美、華、と

主要キャストがみんながみんな超適役であること。

 

さらに、トップと2番手の結びつきが強い花組全盛期の頃の芸風、

つまりヤンミキ的なことを明日海、柚香でリフレインさせたこと。

 

そしてトップ娘役のはずの仙名をあえて義母という役にし

正統派ヒロインとはまた違う、気高き女性という役でその魅力を生かし

新たなトップ娘役像を確立したこと。

 

しかも、この作品の物語性や演出はいかにも宝塚的であり

「宝塚」という土壌でこそ成り立つ作品であったこと。

 

まとめると、『ポーの一族』はまさに

2018年宝塚花組の明日海体制でなければ成り立たない公演であり、

その奇跡を具現化した作品であったなぁ、というのが総評です。

 

・・・まぁここまで褒めちぎっておいてなんですが

私はそのこってりした作風に、一回見て満足だと思った公演ではあったのですが

それでもやはり宝塚の歴史に名を刻んだ作品であることには間違いないと思います。

 

そんなわけで、今年の大賞は

花組『ポーの一族』に送りたいと思います。

 

2018年も素敵な作品ばかり!!

 

振り返ると今年も素敵な作品ばかりでしたね。

 

ランキング形式にはしましたが、どの作品も普通に楽しめましたし

改めて宝塚歌劇のレベルの高さを実感致しました。

 

来年の本公演もとても楽しみです!!

全部見られるといいなぁ・・・。

 

明日はレビュー部門の発表です!!

 

☆★☆★☆

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コメント

  1. しろん子 より:

    こんにちは、年末に楽しい企画をありがとうございます!
    1位2位は他にありえないですね。
    いずれも、トップスターが(他の主要キャストもですが)はまり役を高いレベルで熱演して「これは再演できないのでは」と思わせられました。
    「ポーの一族」は原作クラスタとして、もう本当に夢を見ているかのようでした。
    宝塚と落語、両方愛する者としては「ANOTHER WORLD」は(ビジュアルのとんでもなさに驚きつつも)発表当初から紅さんと上方落語の親和性を感じ期待大でしたが、その期待を上回る素晴らしさだったと思います。
    「凱旋門」は新人公演のみウエクミ先生演出だったと最近知って、むしろこっちを見たかったと思っています。

    • masa 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます!!
      そうですね、まさに「今でなければ上演できない作品」だったと思いますし、
      それを見られたことがファンとしてとても嬉しく、また単純に楽しい公演だったと思います。

      原作好き&落語好きな方からも支持される公演だったとは・・・。
      きっと役者冥利につきるというものですね。笑

  2. skyblue より:

    昨日の告知を受けワクワクしながら更新お待ちしてました!
    私も『でしょうね』の通り、「ポーの一族」がNo.1です。
    2位の星組だけ観てはいないのですが。
    蒼汰さん仰る通り、「ポーの一族」はあの時の花組だからこそ完成した作品だと思います。
    原作のエドガーを3D化した、明日海りおの人間離れした美しさには、もう溜め息しか出ませんでした。笑
    本当に奇跡を観た!と思いました。
    フィナーレ、パレードの衣装も素敵で、大好きな作品です。
    と色々思い出していたら、急に観たくなりこれからブルーレイ観賞します。
    明日も楽しみにしています。

    • masa 蒼汰 より:

      コメントありがとうござます!!
      まさに、奇跡の公演でしたよね。あの3か月間はまさにお祭り騒ぎというか、
      神聖な儀式が行われているかのような、ファンの皆さんも厳かな気持ちで毎日迎えていたような気がします。笑

      DVDをお持ちだなんで羨ましいです!!
      私は1月のスカステ放映までお預けです。笑

  3. みんとん より:

    面白く読ませていただいてます!

    小石を投げるように思ったことを正直に言うと、必ず他のファンの方の誰かに当たってしまって謝る羽目になるので、宝塚に興味のない家族にだけ所見を述べる状態です。

    胸のすく思いでブログ読ませていただいてます。毎回楽しみです。

    • masa 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます!!
      そのお気持ち、非常によく分かります・・・。
      想像もしない方向から石を投げ返される時もありますので、慎重に頑張ろうと思います。笑

      これからもよろしくお願い致します!!

  4. 青い鳥 より:

    ブログ更新を毎日楽しみにしています。

    凱旋門の理事の件

    よくぞ言ってくださいました
    と思っている一人です。

    宙組公演の松本理事も
    なんとかして欲しい。
    若い人達に場を譲って欲しい。

    蒼汰さんのようなランキング1位の方が ユーモア溢れる文章で
    チクチク語ってくださると
    劇団にも伝わるのでは?と
    希望を持っています。

    これからも よろしくお願い致します。

    • masa 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます!!
      まぁ、お偉い方にもときどきポジションを作っておかねばならない、ということも
      社会に生きる身としては非常によく分かるんですけどね・・・。

      なんだかお褒めの言葉をいただき恐縮です。
      私にはもちろん何の権限もパワーもないのですが・・・笑
      これからもよろしくお願い致します!!

  5. めー より:

    日本レコード大賞‼️ではなくて(爆)
    ランキングはさておき、ひとつひとつの感想に、うんうん。えーそうかなー。そう言う捉え方もあるのか。などなど楽しく拝読。また、それぞれにいい点、良くない点とを並列されているので、嫌な気持ちにはなりませんよ?

    私もナンバーワンは、ポーの一族だと思っています。みりおさんなくしては、あり得なかったと思いますし、宝塚だからこその作品。

    ただ、ファントムがエントリー?されていたら何位だったのかが気になります(笑)

    • masa 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます!!
      よかった、誰にも元ネタ気付かれなかったらどうしようかと思っていました。笑

      ファントムは楽しみ過ぎてヤバイですよねー。
      来年は「ファントム越え」の公演が現れるかが鍵な1年になりそうです。笑

  6. 飼馬佳苗 より:

    いつも更新されるのを楽しみにまっています✨ 皆様のような深い意見は述べられませんが、あっこの気持ちわかる~、そうそうそれそれ❗とか【最近では金の鳩賞】共感できることもあるので、楽しんでおります 
    ありがとうございます&がんばってくださいませ

    • 蒼汰 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます‼
      共感していただけて嬉しいです!!これからもマイペースに更新していきますので、どうぞよろしくお願いいたします。^^