「輝く?!ルネサンス宝塚大賞2023」と題し、
今年も私の独断と偏見をもとに2023年の宝塚を振り返っています。
本日は最終日ということで
スター個人を勝手に表彰していきたいと思います。
もちろんこれは、あくまで当ブログの独断と偏見によるものですが、
個人の好みだけではなく芸術性や大衆性を加味し決定しています。
なお、今回も以下の3つに分けて表彰して参ります。
■最優秀新人男役賞/最優秀新人娘役賞
入団7年目までのスターの中で、この年に最も飛躍・活躍し、
その高い将来性を強く感じたスター1名ずつに送ります。
■金の鳩賞
この年に飛躍・活躍し、その芸術性と独創性を高め、
大衆の支持を得たと感じたスター複数名に送ります。
■最優秀スター賞(大賞)
この年に最も目覚ましい活躍をし、大衆の強い支持を得たと同時に、
その年度をまさに代表する存在だと強く感じたスター1名に送ります。
詳細はこちらからご覧ください。
【ルール編】
それでは発表していきます!!
注目の若手スター:最優秀新人賞発表!!
■最優秀新人男役賞:稀惺かずと(星組/105期生)
宝塚歌劇団・正真正銘のスーパー御曹司が、
ついに『1789』新人公演で鮮烈のデビュー。
いや、正しくはこれまで大事に大事に大事に大事に育てられた彼女が、
『ディミトリ』で新公2.5番手格を任され、『Stella Voice』で顔を売り、
天飛華音の新公卒業で「今こそ好機!!」と言わんばかりに一気に上げられるという、
まさに人事上手の星組の計画的育成に乗っかった1年でした。
そしてその期待、すなわち、105期の顔兼、有名人の娘兼、偉大なる血筋という、
まさに超大過ぎるプレッシャーに見事に応え、主演として新世代星組を引っ張り、
『1789』新人公演は今年を代表する素晴らしい一品に。
まさに新スター誕生の瞬間と言えるでしょう。
■最優秀新人娘役賞:音彩唯(雪組/105期生)
華の105期生4人娘の首席入団者にして初詣ポスターモデルである彼女。
今年は『海辺のストルーエンセ』で東上ヒロイン、『Lilacの夢路』 で新公ヒロイン、
『ジュエル・ド・パリ!!』では本公演&全ツともにエトワールを務めるなど、
まさにスーパー猛プッシュの1年でした。
その過大なるハードルに見事に応え続け、
特にエトワールでの見事な歌唱は「天使の歌声」そのもの。
105期首席入団の実力は伊達じゃありません。
宝塚らしい可憐なビジュアルにヒロイン声、
そして破綻のない舞台技術と、
まさに逸材と呼ぶに相応しい存在感をアピール。
大混戦の次世代娘役戦線で一歩リードする存在となりました。
飛躍の中堅スター:金の鳩賞発表!!
■金の鳩賞:礼華はる(月組/101期生)
101期のスーパーダークホース。
『応天の門』ではシスコン藤原常行を魅力的に演じ、
そのまま『月の燈影』でまさかのバウ単独主演。
さらに『万華鏡百景色』では階段単独降りを果たし、暫定4番目に鎮座。
彩海せらの風よけ枠?と思うなかれ、
まさかの月組微妙路線系正路線(矛盾)に位置付けられ、
2023年は破竹の勢いでスターの階段を駆け上がりました。
男役らしい体躯と令和な顔立ち、
そして不思議に温かみのある芝居を武器に、一気に注目の的へ。
人事におけるダークホースとして、今後のさらなる飛躍が期待されます。
■金の鳩賞:鷹翔千空(宙組/101期生)
101期生首席入団&初詣ポスターモデルの彼女。
色んな意味で時が止まっていた(現在進行形)宙組で、
なかなかチャンスが掴めずいましたが、
今年『夢現の先に』でついに悲願のバウ単独主演を実現。
そのまま『カジノ・ロワイヤル』 ではまさかの大ボス役に大抜擢。
『大逆転裁判』では2番手格としてシャーロック・ホームズを演じ、
ついに『PAGAD/Sky Fantasy!』で暫定4番目に昇格しました。(たぶん)
スターとしての自覚も充分、最近はねっちょりオラ芸も板につき、
ビジュアルも研ぎ澄まされ大安定。
アンダー100期が面白くなるか否かは彼女にかかっている気がします。
これからの活躍が色んな意味で楽しみです。
■金の鳩賞:野々花ひまり(雪組/99期生)
99期生、雪組生え抜き娘役である野々花ひまりは、
ラッキー娘2格として八面六臂の大活躍でした。
『BONNIE & CLYDE』ブランチ・バロウ、
『Lilacの夢路』 ディートリンデ、
『双曲線上のカルテ』クラリーチェ・マルチーノ…。
全部が全部「結局、幸せになれない脇ヒロイン」系ですが、
きちんと物語り上の嫌味っぽさを持ち合わせながらも、
いじらしく、魅力的に、そして最も重要な一切の悲壮感もなく演じられるのは、
彼女の技術力と、好感度の高さゆえでしょう。
これぞまさしく「トップ路線でない別格系娘役の理想形」の一つ。
その存在感を魅せつけてくれた1年だったと思います。
■金の鳩賞:紫門ゆりや(専科→花組/91期生)
実は2度目の受賞である彼女。
星組『Le Rouge et le Noir』では敵役ながら、
不思議な哀愁のあるムッシュー・ド・レナールを好演。
そのまま専科から花組へと組替えし、まさかの副組長就任が大決定。
『鴛鴦歌合戦』 では蘇芳役を演じ、
元路線系でありながらガツガツ前に出るわけでもなし、
けどよく見るとやっぱりロイヤルでイケメンという面白い立ち位置に収まりました。
永久輝せあ率いる新生花組を睨んでの登板だと思われますが、
現在の彼女の立ち振る舞いや、
花組での馴染み方と異質さのバランスを見るに、これは大正解。
来年以降のさらなる活躍に期待大です。
さて、ここまで2023年を私なりに振り返って参りましたが、
皆さんいかがだったでしょうか?
それではついに、最優秀スター賞の発表です!
2023年の顔:最優秀スター賞発表!!
ルネサンス宝塚大賞・最優秀スター賞:舞空瞳(星組/102期生)
今年、2023年は、宝塚ファンにとって苦境の1年でした。
けどそれは、中の人にとっても、
想像以上に辛く厳しい1年だったのかもしれません。
その中で、なぜか全く語られることのない、
だけどたぶん2023年最も苦労して、それを全く表に出さず、
まさに「裏支え」として必死に走り抜けたのは、舞空瞳じゃないでしょうか?
なにせトップ娘役であるにも関わらず、
この1年で礼真琴、凪七瑠海、水美舞斗、暁千星と4人の相手役を歴任。
…トップ娘役であるにも関わらず、ですよ???
こんなこと、宝塚110年の歴史の中でも相当レアな現象ではないでしょうか。
そして個人的に非常に興味深いのは、
誰の相手役になろうとも相性抜群に魅せてしまう彼女の実力の高さです。
礼真琴の相手役としての最適解であることを、
私は『Le Rouge et le Noir』で感じてしまったのですが、
むしろ舞空瞳の方は、誰が相手役であろうとしっかりヒロインに見える。
それは歌の上手さとか、芝居の上手さとか、そういう次元を超越した、
令和感とクラシカルとが混在した、
普遍的なヒロインパワーなのかもしれません。
その返す刀で、圧倒的なダンス力はもちろん、
『パッション・ダムール・アゲイン!』では素晴らしいエトワールを披露し、
『1789』ではオランプ役でしっかりヒロイン像を魅せつけ、
欠けた礼真琴を舞台でしっかり待ち続けた彼女。
そんな舞空瞳の実力と功績を湛え、
2023年のルネサンス宝塚大賞を送りたいと思います。
ルネサンス宝塚大賞2023・まとめ
ミュージカル部門:星組『1789』
レビュー部門:月組『万華鏡百景色』
最優秀スター賞(大賞):舞空瞳
ということで、3日間かけて2023年の宝塚を振り返って参りました。
皆さんいかがだったでしょうか?
前述の通り、今年はファンにとって苦境の1年だったと思います。
私も単純に公演当日中止を2回くらいましたし、モチベも下がる一方…。
ですが、こうして1年を振り返ってみると、
なんだかんだ楽しかったなぁと思い出せますね。
来年は宝塚110周年。果たしてそれがどのようなものになるか、
今の情勢的に全く想像出来ませんけれど、
それでも素晴らしい作品が1つでも生み出されて、
そしてファンが楽しめる空間が帰って来ることをひっそりと祈っています。
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コメント
いつも楽しく、興味深く拝見しております。
大拍手!
ルネサンス大賞・最優秀スター賞、「舞空瞳」さん受賞!おめでとうございます。
おっしゃる通り、
まったく語られることなく、まったく苦労を表に出すことなく…、で。
優秀すぎて、出来て当たり前感があり(礼さん同様)、あらためて、素晴らしいトップ娘役さんだと、気づかされました。
博多での「ミーマイ」観劇は、花色に星色に変幻自在な舞空さんを堪能できて、本当に楽しかった。
明年、礼×舞空トップコンビで飾る大劇場は、きっと晴れ晴れと幕開けできることでしょう。楽しみです。
蒼汰さん。ルネサンス大賞発表、ありがとうございました。
(金の鳩賞も、嬉しい楽しい内容でした)。
今年もこの企画で年末の気配を感じております。
最優秀スター賞、スクロールして思わず涙が出そうになりました。
何かと軽視されてしまいがちな娘役ですが、今年の舞空さんはトップ娘役として本当によく組を引っ張ってくれたと思います。
就任から4年、稀代のスーパートップスター礼さんがこの厳しい環境で背中を預けるに相応しい相手役になったのではないでしょうか。
また、その一方でCASTsideA/Bで星組同期たちと楽しく過ごすリラックスした等身大の姿も印象的でした。
今年も素晴らしく興味深い総括をありがとうございました。
なるべく多くのファンや生徒さんたちが少しでも心穏やかに過ごせる時間が持てるよう祈るばかりです。
金の鳩賞は絶対礼華さんだろうな〜という予想が的中!月組からの受賞、嬉しいです!
月組はコロナ前まで礼華さんと彩音さんの間で揺れてるな〜という様子でしたが、礼華さんに大胆に舵を切った結果、いまのおもしろい立ち位置になれてて面白いですね。大人数の場面でも強制的に目に入ってきて、超スタイルは正義!と実感します。
鷹翔さんはカジロワ・逆裁で明らかに一皮剥けたなと感じていましたが、蒼汰さんは逆裁ご覧になっては無さそうだし、パカドも…だから挙がらないかなぁ…と思っていたので、嬉しかったです。スカステ番組なんかでもやっっっと「鷹翔のおもしろい使い方」を掴んできたように見えるし、なんとな頑張って欲しいなぁ…
星組は中々ご縁がないものの本当に舞空さんの活躍は頼もしい限りです。トップコンビファンにとっては辛いことかもしれませんが、トップの立場になってからも色んな相手役と組めるのは刺激的で少し羨ましいです。
翌年以降に持ち越す問題は山積みで気持ちが滅入りがちになりますが、舞台に立つため日々努力されている方たちを、どうか負担にならない形で応援出来ればなと思う1ファンでした、良いお年を!
p.s.
日プ、セミファイナルくらいで脱落かと勝手に予想してた某天寿そっくり美女や某脱クラシックちゃんたちがファイナルまで上がっていけてめちゃくちゃ楽しいですね!!お互い最終日まで駆け抜けましょう!
蒼汰さん
毎日更新ありがとうございました!
今年も楽しませていただきました。
別格系娘役の理想系になるには、トップ娘役との相性の良さも関わってくるのかなと個人的に思っています。あとはスカステ等での路線男役との絡みも大事なのかなと。
そういった意味で私は遥羽ららが最強だったのですが、ひまりちゃんもそのポジに入ってきた1年だったなと。2人とも嫌味なく可愛くて、わざとらしくない感じ。
「あやひま」が好きなんで、少しでも長く2人の絡みを雪組でみていたいです笑。
大賞は舞空瞳で異議なしです!
そこまで好みの娘役ではなかったのですが、今年1年で「応援させてくれ!!!」となりました。本当に大変な年だったと思うのですが、その分彼女の魅力が花開いたと思います。どんな相手役とも合わせられるのは、さすが花娘出身という感じがします。
来年は退団公演が続く1年となりそうですが、応援できる時間を大切に観劇できたらなと思っています。
ルネサンス大賞ありがとうございます!
作品については、本当に好みは人それぞれだなぁと興味深く拝見させて頂きました。
つまり蒼汰さん(前回漢字を間違えてしまい申し訳ございません)とは、わかる!ところもあれば、違うなというところもあり、それがまた楽しくもありました。
が、この個人賞には激しく同感致します!!
特に舞空瞳ちゃん!トップ就任時にはまだ自信なさげなところもありましたが、もう貫禄のトップ娘役です。
私はたまたま暁千星がロナン役の1789の観劇となりましたが、彼女の存在がどれだけ心強かったか。
礼さんが相手役でなくても、礼さんの相手役として1人で立ってみせるという心意気が伝わってきました。
宙組で観劇納めとなるはずでしたが幻となってしまい、なんとなーく締められなかった気持ちをルネサンス大賞で締めさせて頂きました。
ありがとうございます。
いつも楽しく拝見しています。
舞空瞳さん、圧倒的な『トップオーラ』を先日、ミーマイの配信を観た時に感じました。
キャラクターは違うし、全然似ていないとおもうのですが、かつての真彩さんを彷彿とさせる男気?を併せ持つ娘役さんだなと思っています。
本当に、誰と組んでもしっくりくる。しかしながら主演を食ってしまうことはなく…と、娘役としてのプロ根性も完璧。そしてとにかくタフですよね。
毎年恒例の楽しい記事をありがとうございます。
まだまだ色々と長引きそうな残念な状況ですが、また心置きなく素敵な演者さんと舞台をこれまで以上に一緒に楽しめる日を静かに応援しながら待ち望む次第です。
更新ありがとうございます。
舞空さんは人気も高く人望も厚く(下級生で憧れと名前を挙げている人が多い)、すごいなと思ってます。彼女には”応援したくなる”天性のヒロイン力があると思います。
安定した舞台姿を見せてくれつつ、
その笑顔の下の血の滲むような努力が、ある意味”見える”。完璧すぎない。だからこそ応援したくなる。アイドルのようなスター性が、しっかりある方だなと思ってます。
※以下はただの独り言です。
天華さんにも賞とって欲しかった!今年はディミジャガで暁さん参入後も自身の立ち位置を全うされ、ステラボイスでは若手を引っ張り、1789では舞台クオリティを底上げし、(内部のことなんて我々には分かりませんが)内部でも舞台でも星組を支えていたように見えました。
贔屓ではないのですが、まだ退団が受け止められていない私です。
そして柚香さんが最優秀賞を取る世界線が来て欲しかったなあ…という気持ちです。稀有なスターさんなのに、やっぱり素材を活かしきれてなかったよなあ…なんて。
来年も楽しみにしています、と言いたいところですが、来年もブログ主様の関心が続いているといいなという今日この頃です…。
舞空瞳ファンとして舞い上がるのに気が引け(笑)、かなり時間差でのコメント失礼いたします。
下級生の頃から舞台度胸を買われ、堂々としているので、できて当たり前のように扱われがちですが、裏ではど根性であろうところが、ファンとしては応援したくなります。(優等生の礼さんもかなりスポ根だと思うので、方向性が合っていていいな、とも。笑)
相手役という名の上司が変則的に変わり、礼真琴の休演という未曾有の事態、代役を勤めた暁さんも大変だったでしょうが、最も動揺してしかるべきは舞空さんだったことでしょう。
それをデュエダン含め破綻なく保ち。
千秋楽のコメントで声を震わせながら礼真琴の帰還を讃えた彼女に、礼さんが「心配かけてごめんねぇ」と言ったシーンが、その声のトーンが、心からといった素の様子でとても印象的で…これまで体育会系の先輩後輩感が強かった二人ですが、バディになってきたなあと、頼もしく思ったものでした。
1789も賞に選んでくださり、嬉しかったです!宝塚らしさの範疇という意味では、フリューゲルと悩まれるお気持ちもとてもよくわかります。それでもなお、ミュージカル作品としての完成度、歌唱、若者の熱き血潮が猛るような星組1789を評価してくださったこと、嬉しく思いました。
蒼汰様、masa様、どうぞ良いお年をお迎えください。