星組『眩耀の谷』感想

前回に引き続き、

芝居『眩耀の谷』の感想を書いていきます。

 

【配信放送を見ての第一感想はコチラ】

 

【『Ray』感想編はコチラ】

 

2回目&生観劇による効果

 

まず最初にハッキリ言うと、

配信放送を見ての第一感想編ではボカシて書きましたが、

正直、初見はだいぶ眠かったです。←

 

ところがどっこい、2回目&生観劇したところ

8割増で面白く感じました。

なぜ?と聞かれると難しいのですが…。笑

 

言っちゃえばこの作品って、

礼真が様々な経験を通して成長し人生を切り開いていく壮大な物語であり、

それが礼真琴がトップスターへ辿り着くまでの物語とリンクしているわけですから、

そういう雰囲気が楽しめればそれでオッケーなのだと思います。

 

ゆえにこの作品は「俺たちの戦いはこれからだ」的な終わりになるのですよね。

だって礼真琴の戦いはまさしくこれからなのですから。

 

登場人物や地名などの細かなことは追わず、

「少年誌の中国伝記物」っぽい雰囲気で見ていれば、

あーら不思議、本当にそう見えてきました。

 

あとは全体的に布がヒラヒラしていて、いかにも中国物という感じがしたし、

礼真琴が歌い、舞空瞳が踊り、

愛月ひかるがドヤって、瀬央ゆりあが溌剌としてる。

それだけで見どころ充分というものです。

 

キャスト別さっくり感想

礼真/礼真琴

 

やはり彼女は少年ジャンプの主人公属性がよく似合う。

爽やかで、熱血で、無鉄砲で、困っている人を放っておけないような、

そんな礼真は礼真琴にピッタリな役。

 

若さゆえの向こう見ず感、それが物語を動かしていく様が、

まさしく少年誌のようで面白かったですし、

彼女が演じると無理なく感じられるので良かったと思います。

 

そんな爽やかな少年なのに、

歌いだしたり踊り(剣舞)だすと途端にプロになるのが面白いところ。

研12とは思えぬ安定感ですね。

 

「渋い役が出来ない」という懸念もありますが、

逆にこういう役は今しか出来ないと思いまので、

この爽やか路線を今は目いっぱい楽しんで欲しいですね。

 

瞳花/舞空瞳

 

お披露目に関わらず激重設定の瞳花。

やっぱり彼女は踊りだすと生き生きとするのが芝居的にも良いですね。

 

目が見えない女性の役なわけですが、

冒頭の舞姫として踊る彼女、あるいは終盤で覚醒したかのように踊る彼女の、

これまでとの表情の違いが印象的でした。

 

スーパー娘役として評価の高い彼女ですけれど、

やっぱり課題は歌かもしれない…。

 

もちろん綺麗な声で発声も良く、今のままでも十分なんですけど、

現時点ではダンスと芝居で精いっぱい!!って感じがするので

もう少し学年が上がると余裕が出てくるかもしれない…応援してます。

 

管武将軍/愛月ひかる

 

1 人 だ け 体 格 が 違 う !!

頭身バランスが良すぎて芝居中、何度も何頭身か数えてしまいました。笑

 

星組に混ざると体格の良さ、

ムンムンとしたオーラがハッキリ出て良いですね。

そしてそれは、礼真琴と相対する立ち位置にいるからこそ、

余計にその魅力が際立っていたと思います。

 

相変わらず何を歌ってるのか分からない箇所がありましたが、笑

(個人的に銀橋上で礼真と言い合いしてる所とか怪しかったです)

全体的に組替により一皮剥けたというか、腹をくくった感があって良かったです。

 

謎の男/瀬央ゆりあ

 

出ました「謎の男」、皆さんその正体に薄々気付いていたようですが、

私は瞳花と管武将軍の間の子

成人後の姿で礼真の前に表れたものだと勝手に推測していたので、

正体が明かされた時の「え、そっち?」感が半端なかったです。笑

(自分で書いといてなんですが相当な鬱展開ですよね、それじゃあ。)

 

語り部・春崇とはまた違う方向で物語を引っ張るキーパーソン。

美味しいポジションでしたねぇ。

 

彼女もまた、礼真琴と相対することによって

真逆のスター性が映えて見えるので良かったと思います。

 

春崇/有沙瞳

 

語り部として麗しく物語を引っ張っていました。

彼女もさすがの安定感とオーラ。

いわゆる娘2ポジとして舞台を締めていました。

 

そしてやっぱりビジュアル的に若返りましたよね…?

果たしてこれがトップ前特有の輝きなのか、

それとも娘2ポジとして腹をくくってるがゆえの輝きなのか…。

 

瑛琳/小桜ほのか

 

『Ray』でもですけど、美味しい目立つポジションでしたね。

明らかに彼女の上げが始まっている印象。

 

彼女お得意の歌が生かされているだけでなく、

踊り(布ヒラヒラ)でも活躍していたのが印象的。

 

そして彼女の持つおっとりとした雰囲気が、

中国王朝のたおやかさと似合っていて良かったです。

 

新生星組にエールを送る!!

 

そんなわけで今作は、芝居とレビューともに

礼真琴&舞空瞳お披露目公演感全開のお祭り的な作品でした。

 

そして新しい血が多く混じったことで、

だいぶ口当たりの良くなった

新生星組の魅力がよく分かる公演でもありましたね。

 

次は名作『ロミオとジュリエット』。

果たしてどんな公演になるのか、今から非常に楽しみです!!

 

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コメント

  1. まりまり より:

    いつも楽しく拝読しております。
    ジャンプの主人公…のくだりの真上に表示されている広告がちょうど大人気ジャンプ系鬼退治アニメだったので、今の宝塚なら間違いなく星組!と思わずキャストを妄想してしまいました笑
    過去にるろ剣もやっていますし、もしかするといつか宝塚で舞台化される日も来るかも…?

  2. こんちゃん より:

    蒼汰様

    いつも楽しみに拝読しております。ライビュ専科の地方民です。

    まあ、高いお金を払って見ると、「元をとらねば」という意識が働くのか、多少の難あり作品も面白がって見られますよね(おいおい)

    ”出ました「謎の男」、皆さんその正体に薄々気付いていたようですが、私は瞳花と管武将軍の間の子が成人後の姿で礼真の前に表れたものだと勝手に推測していたので、”

    そっち!? 瞳花何歳? あ、殺された子の幽霊が成人後の姿で現れた、ということですか?

    まあ、中国の歴史ものや歌舞伎の古典名作では、親が主君の為に我が子を殺す話だらけで、

    歌舞伎座でも、そういう子殺しがテーマの芝居は、女性客が嫌がって客足が落ちるのだが、古典名作だからレパートリーに入れざるを得ない、という記事を読んだことがあるのですが、

    謝先生、なんで大劇場で、少年ジャンプ的な礼君のお披露目公演に激重な(女性客が一番嫌がるだろう)子殺しのテーマを入れてくるのでしょうねえ。

    最近ムーランのプロモーションを見ていると、中国マーケットを意識しているのか、「忠」「考」「義」といった、ディズニーではあまり見ない概念を強調しているなあ、と思ったのですが、

    謝先生も、中華系のルーツを持つ方が、初めて宝塚で自作脚本を書くにあたって、東洋の歴史劇の王道の要素をきちんと盛り込んで、後輩に中華ものの伝統を伝えていかねば、と思われたのでしょうかね?(愛月さん京劇の舞台にも立てそうなガタイと貫目がありますよね)

  3. さむ より:

    大劇場で観劇した際、後列のおばさま方が「ヒロインが経産婦だなんてっ!」と言い合っていたのを思い出しました。
    まぁ確かにお披露目なのに重い設定すぎて、かわいそうではありました。

  4. 通りすがり より:

    体格が違う…私も思いました。
    愛月さん登場すると「ん?本物の男が居る?」と思ってしましました。笑

  5. ぽんさん より:

    蒼太さん、眩耀の谷感想ありがとうございました。とても楽しく読ませていただきました!
    礼真琴が少年ジャンプ系。ならば鬼滅の刃、星組でいつの日か上演してほしいですよね。天王洲アイルの劇場で鬼滅の刃観劇しましたが、宝塚でもハマりそうだなーと思いました。
    炭治郎は礼真琴、禰豆子は舞空瞳、鬼舞辻無惨は愛月ひかる、富岡義勇は瀬央ゆりあ、胡蝶しのぶに有沙瞳…わ!めちゃくちゃハマりますね、コレ!

    話が外れましたが、またもや愛月ひかる様の体格に触れていただきありがとうございましたw やはりあの肩幅のせいなのかな、、、とにかく大っきいっていろんな場所で言われてます。星組に来てからは、愛ちゃんといえば体格ネタですw

    あと有沙瞳、たしかに若くなった?かた思います!
    初々しい表情や聴き取りやすい声など、いい娘役さんですよねー。

    私も観劇日まであと2週間となりました!早く生舞台が観たいです。