雪組『はばたけ黄金の翼よ』感想

というわけで雪組公演『はばたけ黄金の翼よ』の感想なんですが、

前回の考察編を書いたら満足してしまった感があり…笑

メタ的面白さに感動・雪組『はばたけ黄金の翼よ』感想の前に

個人的に思ったことをさらりとまとめていこうと思います。

『はばたけ黄金の翼よ』ざっくりあらすじ

 

感想を書く前に、再演物とはいえ

いかんせんこの全ツは相当なチケ難公演だったために

多くの方が(まだ)ご覧になれていないと思いますので

まずはあらすじを勝手にまとめてみました。

 

※2/3までですがネタバレ含みます。

※読み飛ばしても何も問題ありません。

 

中世イタリアの小国・イルラーゴの

若き領主であるヴィットリオ(望海)

宿敵である隣国ボルツァーノの領主カンポ公を暗殺。

 

和平のため、そのカンポ公の娘である

クラリーチェ(真彩)と結婚する事となりました。

 

他の女たちと違い、自分の道は自分で決めたいと語る

クラリーチェに興味を持ったヴィットリオは、

アラドーロ家に伝わる世継ぎの短剣を彼女に渡します。

 

ヴィットリオの腹心の部下・ファルコ(朝美)

そんなクラリーチェの存在を危険視し、彼女の殺害を計画。

 

ヴィットリオがクラリーチェに

護身のため剣の手ほどきをしている隙間を縫い、

彼女を誘拐するのでありました。

 

一方、ヴィットリオを深く愛する

ファルコの妹・ロドミア(朝月)も、

世継ぎの短剣をクラリーチェに渡したことを知るや否や、

激しい嫉妬の念に駆られます。

 

兄妹の思惑が交錯する中、

ヴィットリオはクラリーチェを救出。

 

怒りが収まらないヴィットリオは、

自らの手でファルコを斬ろうとしますが、

「自分のために人が殺されるのは嫌だ」と庇うクラリーチェ。

 

ファルコは国外追放となり、

自身の行動を恥じたロドミアも一人、

国を離れるのでありました。

 

一方、クラリーチェの兄で

ボルツァーノの新領主であるジュリオ(永久輝)

ヴィットリオ殺害のため彼を自国の騎馬試合に誘い込みます。

 

彼とその仲間たちは、森で彷徨うフォルコを仲間に引き入れ、

さらにこの計画のために実の妹であるクラリーチェまで利用するのでした。

 

罠だと知りながら、ボルツァーノに足を踏み入れたヴィットリオ。

予想通り敵に囲まれてしまいましたが、

クラリーチェを救うため剣を捨て、地下牢に幽閉されてしまいます。

 

ジュリオから激しい拷問(みんなお待たせ鞭打ち)を受け、

意識を失いかけたその瞬間、

一人の「少年」が彼に呼びかけます。

 

その少年とは、世継ぎの短剣で髪を切ったクラリーチェ。

彼女は「借りを返しに来た」ファルコにより助けられたのでした。

 

牢獄から逃走した後、ヴィットリオとジュリオの決闘で全てを明らかにするため、

クラリーチェは「ある人」の元へ手紙を持って訪ねます。

そこには、意外な人物もいて…。(続きは秘密です。)

 

『はばたけ黄金の翼よ』所感

 

物語の内容については、

再演物ですし今更何も言いません。

80年代少女漫画的な、ファンタジーラブストーリーの王道です。

 

ヴィットリオとクラリーチェだけではなく、

ファルコとジャンヌ(星南)結ばれない愛や、

ジュリオとビアンカ(彩)参謀に揺れる愛など、

様々な恋愛模様が織りなす、切ない愛憎劇となっています。

 

展開的にご都合主義だったり、

「身内で恋愛し過ぎだろ」という突っ込みは、無粋というもの。

(中世ヨーロッパ的には当たり前の日常ですし。)

 

最終的にはみんなハッピーになってめでたしめでたし…って感じですから

全ツという公演の特性を考えれば、

無難な内容だったなぁと思いますね。

 

 

個人的な感想を述べるとするならば、

「確かに鞭は取られちゃったけど出番的には充分美味しかったよ」

と、全国の朝美絢ファンにお伝えしておきたいと思います。笑

 

超絶ライトファンである私は、

初演『はばたけ黄金の翼よ』を見たことありませんし、

原作ももちろん知りません。ノー知識で見に行きました。

 

どこがどう改編されたのか分からない前提で思ったことは、

「一体この流れでどうすればファルコが鞭を打つ流れになるだろう」ということ。

つまりそれだけ自然にリアレンジされていたということでしょう。

 

もちろん、今作で組替えが発表されている

ジュリオ永久輝の出番も非常に多く、

しっかり餞別が送られていました。

 

前半は朝美の、後半は永久輝の出番を多くして、

上手にバランスを取っている印象でしたね。

 

 

逆に気になったのは、

望海、真彩、朝美、永久輝、朝月の

主要5キャスト以外の出番がビックリするほど少なかったことでしょう。

 

黒幕の久城あす、咬ませ犬の彩海せら

専科的役どころの奏乃はると&舞咲りんはまだしも、

綾、星南、彩なんかは、一応役名があるにも関わらず

15分も出番あった?という印象…ファンは悲しいかもしれませんね。

 

キャスト別ざっくり感想

 

最後に、キャスト別ざっくり感想をまとめていきます。

 

ヴィットリオ/望海風斗

 

散々カツラの具合を心配されていましたが、

出来上がりは想像以上にイイ感じ。笑

スタイリッシュ過ぎずクラシカル過ぎず、思いのほか似合ってました。

 

望海と言えば歌唱力なわけですけど、

今までの公演と比べても明らかに歌う分量が少なくて

その分、彼女の芝居力の高さを感じることが出来たと思います。

 

常に高笑いで現れ、高笑いで消えていく面白キャラなわけですけど、

前の記事の通り、この古臭い男役像を本人がノリノリで演じているので

見ているこちらも楽しくなります。笑

 

一歩間違えるとただのネタキャラになっちゃうわけですが

それをギリギリのところで「男役」に踏みとどまって魅せられるのが、

彼女のスターとしての実力なんだと思います。凄い。

 

クラリーチェ/真彩希帆

 

ぶっちゃけ言いますけど、ほぼ主役。

 

歌唱力はもちろん、

ころころ変わる表情やセリフを発する声色の違い等、

80年代少女漫画のヒロインを自然に表現できる芝居力

さすがだなぁと思いましたね。

 

そして彼女も望海同様、

この古臭い芝居を楽しんでいる感が伝わって

見ていて非常に面白かったです。

 

個人的には、ビジュアルも安定してんなーと思いながら見ていました。

『20世紀号に乗って』リリー同様、

ゴテゴテしたファッション&ヘアスタイルが似合いますね、彼女。

 

ファルコ/朝美絢

 

事前情報では「ただのサンジュスト」だと思っていたのですが、

意外や意外、ちゃんと愛する人(ジャンヌ星南)がいたんですね…。

 

ただのヤンデレゲイかと思いきや、

クラリーチェ真彩にしっかり借りを返したあげく

「あいつ(ジャンヌ星南)には、俺を忘れろと伝えてくれ」(意訳)

自分のペンダントを渡しながら去っていくなんて

カッコイイー!!って叫ぶしかないでしょう。笑

 

ビジュアルはもちろん、芝居も歌も安定していて、

2番「目」格として舞台をしっかり引っ張っていたと思います。

 

そして宝塚ファンの禁句を言ってしまいますけど、

歌、上手になりました?

(たいがいはファンの贔屓目なので信用ならないフレーズ。笑)

 

明らかに発声からして変わっていて、

会場中に声が響き渡っていてビックリしてしまいました。

さらなる成長に大いなる期待です!!

 

ジュリオ/永久輝せあ

 

餞別ポジションであることを含め、

非常に出番が多かったものの、役柄的には結構なクソオトコなので

美味しいかと言われると微妙なような…笑

 

黒幕である久城あすに操られていたとはいえ、

妹どころか許嫁をあんなかたちで

ヴィットリオ望海に差し出すなんて…ねぇ?

 

とはいえ、ビジュアル的には完璧。

扮装ではなく、THE・宝塚男役スターとして存在出来るのは

彼女の正統派なビジュアル・存在がゆえだと思います。

 

そして彼女は立ち位置的に

キラキラ王子様ど真ん中なイメージを持たれがちですけど、

実は今作のような「苦悩する」役が似合うスター性だなぁと再認識。

ぜひ、花組に行っても次世代エースとして頑張って欲しいです。

 

ロドミア/朝月希和

 

たぶん、一番美味しい役どころでしょう。

愛に生き、愛に尽くし、愛に果てた女。

 

最後の最後で愛する人のために役割を果たし死んでいくなんて

なんて古臭い展開なんだと突っ込みたくなりますが、

ここは宝塚、そういう王道展開が逆に新鮮だったりするものです。

 

個人的には、酒場の女に成り果てて踊り狂うシーンなんて

研10の中堅娘役だからこそ魅せられるシーンだなと思いましたね。

 

場末でありながら気品がある。

その繊細なバランスを表現できるのは、

望海体制雪組で娘役2ポジを張っただけあるなぁという印象でした。

永久輝同様、花組でもぜひ活躍して頂きたいです。

 

 

以上、感想編でした!!

どうか全国ツアーが無事千秋楽を迎えられますように!!

 

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コメント

  1. GIN より:

    私も雪組全国ツアー公演を観ました。
    「はばたけ~」は初演は映像で観て原作を読んでいますが、両方がミックスされその上で新しい設定を設けていたと思いました。

    話の流や台詞などは確かに「古臭い」んですけど、それが逆にハマると言うか…。宝塚ファンって結局はこういうのが好きなのかなぁ~と思いました(笑) 
    終幕で「告白」する場面がありましたが、ああいうのはファンにとっては大好物だと思います(*^^*)

    個人的にですがきいちゃんのクラリーチェ、観る前は彼女には合わないのでは?と思ってました。(初演の一路さんが初々しかったので。)
    でも、とっても可愛くて原作のクラリーチェのイメージに近かったです。
    改めて彼女の演技力の高さに驚かされました。
    あーさは明かに歌唱力がアップしてますね。彼女の努力もあるのでしょうけれど環境も良い影響を与えているのかと。
    ひらめちゃん・ひとこちゃんは花組への良いお土産が出来たかなぁ?と。

    この全国ツアー公演、チケットがあればまだまだ観たい公演です。

    • 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます‼
      真彩さん、似合ってましたよね。ああいうブリブリ演技でも、やっぱり技術があるからか嫌味なく見えるのが良かったです。
      今の雪組は彩風さんも永久輝さんも、歌唱力アップしてますもんね。恐るべし望海風斗…。
      私も願わくばもう1回くらい見たかったのですが、おとなしく映像化を待とうと思います。笑

  2. きりん より:

    こんにちは。
    私は新潟公演を観劇しました。まさかの新潟公演も完売でビックリでした。
    原作を読んでから観劇したのですが、ストーリーもキャラクターもだいぶマイルドになってるなと私は感じました。
    特にファルコとジュリオです。
    ファルコは、原作を読んだ感じだと、ヴィットリオへの愛憎が激しく、そもそも女に興味あるのだろうか?でしたし、ジュリオは宝塚向けにかなり書き換えたなー!と感じました。コテコテの王道少女マンガを宝塚で見せられると、こんなに目がチカチカするのか…と素晴らしい体験でした。

    • 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます‼
      やっぱりマイルドになってるんですねー。いろいろと表現的にアレな部分がありますから、食べやすくしたというところでしょうか。笑
      最近こういうコテコテ王道無かったので新鮮ですよね!!私もチカチカしました。笑

  3. pomeshima より:

    お芝居&キャスト別感想、ありがとうございます!
    自分でも全ツを見たあと、お芝居の考察を拝見し、なるほど〜と改めて興味深く拝見しました。確かに、このお芝居はトップコンビ二人がある意味「遊べる(楽しんでる)」余裕があるからこちらも楽しめる作品なのかもしれませんね。
    ツッコミどころも含め(本当に死体が転がったまま和解してる〜と思いながら見てました(笑))、楽しく観劇しました!

    ショーのミュレボは、個人的には全ツバージョンの方が好きかもしれません(大劇場はワチャワチャしすぎてて…)。それにしても別箱、全ツは、人数が減ってそれぞれの見せ場が増えることで、各組子の成長が目の当たりにできてすごく楽しいですね!!私もハマりそうです!(チケット取れるかは別問題ですが)

    • 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます‼
      2人の遊びの部分を含め、まさしく円熟期だからこそそして外箱公演だからこそ出来る内容だったなぁという感じでしたね。
      ミューレボに関しては、実は自分も全ツの方が楽しかったクチです。笑
      少数精鋭な分、スポットライトが当たるから面白いですよね!!また全ツ来てくれないかなぁ。

  4. はる より:

    「はばたけ黄金の翼よ」は劇場中継で観ていて好きな作品でした。
    トップ娘役がクラリーチェを演じる今回は原作に寄せてきたな、とジュリオの出番が増えて見せ場が増えたなと言うのが感想でした。その分、それぞれの家臣&クラリーチェ、ロドミア以外の娘役の出番がグッと減った印象でした。原作に寄せて各スターを魅せるなら大劇場1本ものの作品だったかも知れません。中世のヨーロッパの世界観を初宝塚の方に見てもらうには早足なので少々キツいのかも?とも感じました。
    ショー作品は先に決まっていたでしょうし、初演は麻美れいさんの退団公演で和物のショーの後の「はばたけ‥」だったはずですので色々と致し方ないのかも知れません。

    しかしながら心配されたビジュアル問題も難なくクリアしてキラキラ輝いているトップコンビの実力であそこまで魅せてくれたのには感動しかなかったです。ショーも全ツバージョンの方がスッキリして好きですね。

    理事長のおっしゃっていた『温故知新』ですが、作品再演もありながらスカイステージでも「戦争と平和」「忠臣蔵」など放送してましたからそこも含めてなのかなぁと思っておりました。

    • 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます‼
      なるほど、原作を読んでいないので分からなかったのですが、そういうバランスのとり方をしていたのですね…そしたら娘役の出番が少ないのは仕方ないのかな。
      そのあたりの大作再演はありそうでなさそうでありそうでなさそうで…笑
      見てみたいのですが、果たして今のトップ陣で出来るんですかねぇ?と思っちゃいます。

  5. しゅてふぁん より:

    マイ初日を終え、やっとこちらを読ませていただきました!
    お芝居は原作も初演も予習せずに観劇して、とても楽しめました。一番心配していたのは主役の望海さんとザ・少女漫画の世界との相性でしたが、思いのほか違和感なく、この世界観と大芝居を楽しんで演じておられる感じが伝わってきて、そこが今回の成功のカギだったかなと思います(他の方は最初から合いそうだなと思ったのですが、望海さんだけがなにか心配でした)。
    たしかに最近は見ないお話の内容で、つっこみどころは満載で古くさいのかもしれませんが、雪組さんを見て初めてきゅんきゅんし、「望海さん、こんなお芝居もされるんだ。」「ああ、宝塚を見た♪」という感想を持ちました。女性の生き方の描かれ方についていろいろ考えると今とは合わないところもありますが考えるきっかけにもなりましたし、たまにはこういう内容のお芝居も悪くないなと思ったしだいです。私の隣になった方はこの演目が懐かしくて久しぶりに宝塚を見に来た方で、楽しかった~♪とおっしゃっていました。
    ただ、やはり今のトップコンビにはもう少し歌ってもいただきたい。宙組に「アナスタシア」が来ましたが、雪組さんも来年か再来年、もう1本海外ミュージカル来てほしいですね。

    個人的には朝月さんロドミアが素晴らしくて、花組に戻られるのがとても残念です!
    まとまりなくだらだらと失礼しました。

    • 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます‼
      おっしゃる通り、今の時代には即さない表現(特に女性の立場的な)が多々あるのですが、
      それがまた良い意味で「古い」表現で、いかにも宝塚らしくて良かったなぁと私も思いました!!
      今回は歌を少なくしている印象でしたけど、残り数作は全力で歌って駆け抜けて欲しいですよね。果たして来年2作目がどんな公演になるのか。
      ちなみに私も朝月さんの評価がうなぎ登りだったので組替えは残念ですが、花組での活躍に期待したいです!!