星組『バレンシアの熱い花/パッション・ダムール・アゲイン!』感想

 

ライブ配信にて、

星組『バレンシアの熱い花/パッション・ダムール・アゲイン!』を拝見しました!!

それぞれについて、さっくり感想を書いていきます。

 

『バレンシアの熱い花』さっくり感想

 

令和ももう5年だというのに、ビックリするほどレトロで昭和な味付けでしたね(褒めてます)。柴田作品って再演される度にどんどん現代ナイズドされていっている印象なのですが、今回は逆に「昭和そのまま!!」という感じでした。それはセンターに立つのが凪七瑠海という在団している最高学年の路線スター(つまり当時を生きる数少ない人材)であり、かつ美稀千種、大輝真琴、輝咲玲央、紫りらと、『Le Rouge et le Noir』チームに振り分けられた白妙なつ以外の高学年組が軒並み顔を揃えていたからかもしれません。驚くほど濃厚で、これぞザ・タカラヅカ。最初のプロローグの総踊りから最後の独白まで、柴田ワールドを全力で魅せてくれました。

内容は再演ものなので改めて語りませんが、前回の主演が朝夏まなとというチャラ味が持ち味のスターで、今回は凪七瑠海というクラシカルな持ち味のスターだったがゆえに、話の筋として結構印象が変わったなと思いました。前回が青年貴族の一夏の通過儀礼だったのに対し、今回は街を上げた全力の復讐劇。結構ドロドロしていて面白かったです。

凪七瑠海は品格あふれる貴族様がよく似合うし、瀬央ゆりあの下町青年感も良かった。何より極美慎と天飛華音の成長っぷりに驚かされましたが、極美慎は出番が増えれば増えるほどどんどん紅ゆずる仕様に、天飛華音礼真琴仕様になっていくのが面白いですね。2人とも芝居に指導が相当入ったのか、本来の持ち味からだいぶ宝塚ちっくになっていました。天飛華音は器用に自分のものにしていました(声質の勝利!!)けど、極美慎は…うーん、とりあえず顎をしゃくって発声するクセは辞めた方が良いと思う。ビジュアルは大勝利ですけど、やはりクラシカル路線じゃない道に活路を拓いた方が良いと思うんだけどなー。ま、今は苦手分野にも果敢に挑戦タイムということで、貴重な経験になったように思います。

娘役でいうと、これまで芝居の棒っぷりが逆に持ち味だった水乃ゆりが、硬質な役どころにハマッたのか意外な好演っぷり。そしてニュースター・乙華菜乃の素晴らしさよ!!可愛らしさ、ヒロイン声、歌唱力と全てを揃え、見事なデビュー戦を飾りました。

別格路線で言えば、美稀千種、大輝真琴、輝咲玲央、朝水りょうという上級生から4人はさすがの上手さで柴田ワールドにベタハマり。星組はこういう男役が揃っているから強いですよね。そして何より、個人的MVPは紫りらでしょう!!元から上手いのは知っていましたけど、貴族らしい優雅な身のこなしと威厳、母として垣間見える愛情など、素晴らしい表現力に舌を巻きました。あと個人的にはもう1人、ルーカス大佐役を務めた98期生の夕渚りょうの活躍っぷりも良かったです。元からスーパーダンサーだったがゆえに、動きが素早いこと素早いこと!!倒れるところも見事な身のこなしっぷりで、『アルジェの男』の礼真琴の機敏な動きを想起しました。笑

話のオチ的には「…え?」という感じでしたけど、この釈然としない感じも柴田ワールド。凪七瑠海と星組が魅せた古き良き宝塚を堪能出来ました。

 

『パッション・ダムール・アゲイン!』さっくり感想

 

続いてレビューの方ですが、前回上演した雪組『パッション・ダムール』と同じノリのハズなのに、全く違う作風になっていたのが面白いです。雪組版は気品とクラシカルを湛えていたのに対し、こちらはやっぱり星組パッション!!全体的な圧と熱が凄かったです。

第一印象として、芝居の方は大して出番のなかった舞空瞳が大活躍!!得意のダンスはさることながら、とにかく歌えていて良い意味でビックリしました。特に「ノスタルジア」の場面では伸びやかなソプラノを披露。衣装も良く似合っていたうえに、ついに彼女にも長期トップ娘役らしい貫禄がついてきましたね。

そしてかの有名なジゴロの場面(正しくは「愛の誘惑」)、最初見た時はあまりのダサさに衝撃を受けたのですが、今や一番の見どころに大変貌!!たぶん、全体を通して一番盛り上がってたんじゃないですかね?前列に美稀千種、大輝真琴という平成の不動産営業マンみたいな2人が居たもんだから笑っちゃうほどレトロだったし、うっふんソロ担当の音咲いつきも圧強めで良かったです。もちろん、瀬央ゆりあのシャカリキ感も最高!!

で。本当はあまり人事の話をしたくないのですが、フィナーレの黒燕尾が終わったと思ったら、瀬央ゆりあが男役4人を引き連れて出て来て、白燕尾で涙ぐみながら歌っている姿を見て、「あ…」って思っちゃいましたよね、正直。実は梅田で先に見ていた管理人が同じことを言っていて、私は瀬央ゆりあは『1789』では退団しない派だったのですが(チケ難確定の公演で退団するわけないし、一度くらいはタカスペで95期祭りしないと!!)、この演出を見せられるとさすがに「う~ん???」って感じだし、そりゃザワつくよねっていう。ついでに、芝居でも大活躍だった夕渚りょうも…実はひっそり星組で推してたんだけどなぁ。わりかしマジで杞憂であることを祈ってます。

最後に、凪七瑠海の活躍について。冒頭のとんでもないスタイルのシルエットに始まり、その居住まいで宝塚を、そして男役を表現出来る技量はさすがの一言。専科異動を経て一皮も二皮も剥けた結果、いまや貴重な男役の伝道師としての見事な活躍っぷりでした。ってか、正直若返りました???なんか肌艶や動きが良くなった気がするし、発声は独特ですが良い感じでコントロール出来ていて聞き易かったです。まだまだエネルギーに満ち満ちていて、圧巻でした。これからのさらなる活躍に期待したいです。

 

羽根論争については…

 

以上、ライブ配信を見ての感想でした!!

久しぶりに特濃な宝塚成分を摂取できて満足です。笑

 

羽根論争については『1789』の集合日を経て、

答え合わせをしてから考えたいと思います。

 

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コメント

  1. ジャスミン より:

    更新ありがとうございます!
    私は、予定の関係で「バレンシア」の全部、ショーはジゴロとフィナーレのみ、観ることができました。
    確かに良くも悪くも大変クラシカルで、個人的にはもうちょっと現代風な方が好みかな(でもこれは真逆の意見もあるでしょう。)

    水乃さんはドレス姿もダンスの裾さばきも美しく、「水乃ゆりの正しい使い方」を堪能できました!
    乙華さんは、場数を踏めばさらに開花できる人だと思うので、次回新公も楽しみです。
    瀬央さん・綾音さん兄妹、あの兄妹感がサイコーだなと!

    舞空さんは、本当に「トップ娘役」としての自信が出てきたなと思います。今回のようなお役でも、可憐さを感じました。

    極美さんは、スターオーラが更に凄くなりましたね!でも、蒼汰様の仰る通り、ニンかどうかでいうと、クラシカル路線ではないのかも。
    天飛さんは来年あたりにはバウ主演が来るはずですし、このまま精進してほしいです!

    そして…ジゴロとフィナーレだけでも見られたことで、瀬央さんの輝きを浴びれてよかった。
    色々感じますが(そして近々答は出てしまいますが)、それでもやはり大羽根おめでとう、と思っております!

  2. さちこ より:

    更新ありがとうございます!
    絶対に観ていただきたかったので感想を拝読できて嬉しいです。
    今回のお芝居で1番驚いた?関心した?のが紫りらさんが凪七さんの母親として全く違和感のない親子関係を醸し出していたところでした。お二人とも素晴らしいお芝居力をお持ちなのは知っていましたが学年差もなんのそのでハマっていたのがやっぱりすごいなと思って観劇しておりました。
    パッションダムールも舞空さんがのびのび楽しそうで長期の味変には大成功だったのではないでしょうか?
    次の1789も楽しみですね!