縣千・素材感だけで突き進めるのはあと何日?

 

お気付きの方もいらっしゃると思いますが、

実は次世代アンバサダー特集としてプチ連載しておりまして、

本日は最終日の雪組・縣千編です。

 

※なお、宙組は以前に101・2・3トリオとして書いたので今回は除外します。

 

アンダー100期でも逸材感の強い縣千について、

個人的に思うことを綴っていきます。

 

アンダー100期の雪組御曹司として

 

縣千は「男役の期」と謳われた101期生、入団成績4番。

雪組配属直後から新人公演では番手役を回され、

本公演で目立つ様になったのは『ひかりふる路/SUPER VOYAGER!』からでしょう。

 

続く『凱旋門』にて研4で新公初主演にして、

結果的に宝塚男役の象徴たる轟悠の最後の継承者に。

 

同公演『Gato Bonito!!』から階段降りにも登場しますが、

なぜかここで抜擢ストップ、一人っ子政策の雪組にしては珍しく、

綾凰華、彩海せら、諏訪さきと路線を分散し、

これは望海風斗退団公演まで続きます。

 

結果的に一度も望海風斗トップ時の新公主演を果たさなかった、だけでなく、

本役・望海風斗を演じたのは『幕末太陽傳』のみ。

 

彩海せらが逸材だったこと、99期救済として諏訪さきが選ばれたこと、

という外的要因もありますが、

歌が不得手な縣千を守る方針だったとも思われます。

 

しかし、ここで想定外のコロナ禍モードに突入。

同時に政権が彩風咲奈に移るタイミングに重なり、

このままではマズイと猛プッシュが再スタート。

 

凪七瑠海主演『パッション・ダムール』にて2番手格に、

朝美絢主演『ほんものの魔法使』でも同じく2番手格に抜擢され、

『CITY HUNTER』にて2度目の新公主演にして、公演ポスターにまで登場。

 

名実ともに雪組4番手に昇格、

『Sweet Little Rock ‘n’ Roll』にて単独バウ主演を果たし、

最後の新人公演『夢介千両みやげ』にて雪組御曹司として和物で総仕上げと、

アンダー100期の顔として一気にスターの階段を駆け上がったのでした。

 

素材感だけで上がれるのはあと何日?

 

縣千といえば、舞台映えする容姿と圧倒的なスター性、

大柄な体躯から生み出される巧みなダンスと、まさにTHE・宝塚な存在。

 

これまで「期待の若手」として高評価を集め続けてきたわけです、が。

番手が上がってくると、この素材感だけで良しとは言えなくなってきます。

なぜなら、出番が増えると舞台技術としての粗さが目立つようになり、

「見栄えが良い」だけでは済まなくなるからです。

 

実は当記事を書くための布石として、

前回「スターの人気を構成する4要素論」について書きましたが、

 

縣千はビジュアルとダンス力を持ち合わせているものの、

歌と芝居に関しては、まだまだ粗削りであることは確か。

 

これに関しては、教えを乞うてきた相手が

同じ生え抜きスターである彩風咲奈からばかりというのも問題な気がします。

(『ONCE~』以来4作連続で本役:彩風咲奈という恐ろしさ)

 

番手上、前後の朝美絢、和希そら、諏訪さきが、

いわゆる小柄だけど比較的何でも出来る系であり、

後続の御曹司である華世京もまた、歌と芝居もそこそこ出来るスターのため、

比較されることが今後増えていくことでしょう。

 

裏を返すと他とは違うスター性であるからして、

良い意味でも目立つ武器とも考えられますが、

少なくとも歌と芝居のどちらかは「そこそこ」になっても損は無いわけで。

 

目指すは同じビジュアル派でも芝居上手な柚香光か、

あるいは並みに歌えるようになった真風涼帆か。

 

今の全力フルスイングな歌唱力、

何を演じても縣千感強めな新鮮素材感も良いですが、

本人は上昇志向が強い様子が伺えますので、

自身の弱点を振り返り、立派なトップ候補生として成長していって欲しいですね。

 

並びの良い雪組2・3・4番手

 

と こ ろ で。

「TAKARAZUKA REVUE2022」の雪組ページ、見ました?

 

朝美絢、和希そら、縣千の並び、

最 高 で す よ ね !!

 

種類の違うジャニ系美形が居並んでいて壮観ですし、

誰がセンターでも見栄えが良くて、もう、最強。

 

私は基本的に組替え希望論者なわけですけれど、

しばらくこの並びを見ていたいので、

縣千に関しては「雪組に居なよ」と思ってしまうのは、

やはり雪組ファンだからでしょうか。笑

 

まぁ雪組って御曹司でもひょいひょい外に出してしまう組ですし、

もしかしたらどこかの組へトップ前提で組替えする可能性もありますが、

これは100期御三家事情、ならびにアンバサダー縛りの問題もありますので、

しばらくはこのままの体制なのかなと思います。

 

朝美絢、和希そらの達者さを少しでも身に着ければ、

最強のスターになること間違い無し!!

素材感だけに頼らない、だけど新鮮さを失わない縣千の進化を期待したいです。

 

☆★☆★☆

ランキング参加始めました!!

ぜひポチっとお願いします↓↓

にほんブログ村 演劇・ダンスブログ 宝塚歌劇団へ
にほんブログ村

コメント

  1. はる より:

    縣さん、私も思ってました。ひとこちゃんが組み替え後、若手筆頭の雪組御曹司ですが、自身は組み替えはなくても他組から組み替えをしてくる方から十分な刺激はもらってるはず。苦手な歌も成長を願ってか?ここぞとばかりによく歌わせて貰っています。新人公演も卒業でこれからどんな縣千を魅せてくれるのか?非常に楽しみです。大人な役があまり想像つかないので是非、頑張って貰いたいです!

    今の雪組は私も2、3、4番手がとてもバランスが良い組だと思いま~す。

  2. こんちゃん より:

    蒼汰様

    いつも楽しみに拝読しております。ライビュ専科の地方民です。

    全編、おっしゃるとおりです。縣にはなんとかなってもらわないと、雪組の未来がかかっている!

    お芝居に関して、身体の使い方や、心理の持って行き方など、観察眼があると思いますし、感性が鈍いとか、勘どころを外している下手さでは無いと思うのです。

    「何やってもキムタク」の宝塚版みたいな「何やっても縣」。キムタクも大根では無いと思うのですが・・・でもキムタクは、同世代の達者な俳優たちが一線から引いても、まだ真ん中にいる。

    縣は風間的なカメレオン役者を目指す修行は、あんまり合わない気がします。

    何やっても縣が出るのは殺さずに、作品ごとに違う縣になって、「できる役の幅は狭いけど、ハマる役をやらせたら絶品」タイプになれたら御の字。

    柚香さんにとっての明日海りお的な、縣のキーとなるのは凪七 瑠海さんとの共演ではないかと。

  3. おかず より:

    お世話様です。
    縣さん、巷では歌が…と言われているようですが、オデッセイのライビュ見たときに思ったよりうまく感じたんですが…これがウワサのガタガタって歌詞か。と思いながら。その日は日曜日だったので、私の耳もお休みだったのかな?でも、縣さんは、どこにいても見つかるというか、目を引きますよね。やっぱりスターなんですよ。これからますますの成長を期待して楽しみにしたいと思います。

  4. こころ夫人 より:

    いつも楽しく、拝見しております。
    振り返れば、「ファントム」新公主演の綾さんは、心情で歌う(いや語る?かな)ものだから、歌云々はどうあれ、感動したのを覚えています…。
    縣さんは、縣さんのままが魅力なのかも。で、お芝居に少し力を注いでいただき、歌はテーマ曲をしっかり歌いきる位で、よいのかも、と思ったりします。
    次世代、華世さんが超御曹司まっしぐらのようなら、縣さんの組替が頭をよぎりますが、余計な心配ごとですよね(ない、ない)。

  5. 五條 より:

    縣はライブビューイングを見た人の感想「歌だけだなこの子」ってのが多いですねえ…本人も自覚してるようで、芹香みたいに覚醒してくれると嬉しいんですが…。芹香が歌ウマになれたのは、朝夏と望海が個人レッスンしたから、とどっかで見たのですが、似たような事和希あたりやってくれないかな…。

    レビュー本雪組、なんかこう、並びが色彩豊かですよね。流石いろんな組からガンガン取り入れる組だけあるなーと。綾が退団したら即星からまた入れてますし、朝月が退団したら花から誰か来るんじゃないかな?と期待しています。
    あと距離近いですね雪は。他組と比べて明らかに。朝美がいじられキャラだからか、和希と縣が遠慮なく突っ込んでいる感が。朝美もニヤニヤしつつそれを受けてるのが目に見える。他組はまだ先輩に対して遠慮めいたものを感じる(当たり前なんですけども)のですが、雪はまあなんといいますかw 朝美さん可愛いですよね、テンポ遅いですね、スベってますよね、みたいな。それ他組だったら絶対先輩に言わないよなーってw

  6. Shingo より:

    華はある、踊りはそこそこダイナミック、芝居はもう一息だけどまぁ及第点、でも歌がダントツに頼りないですよね。上手くなくても「下手じゃない」レベルにはならないと、なかなかこの先は厳しいと思います。
    何かにつけ「歌が下手だ」と言われてきた柚香もここへ来て「下手じゃない」レベルの歌を聞かせてくれるようになってきてると思うので、懸にも頑張って欲しいですね。
    (「トップになっても最後まで歌が痛々しいと、OGになってもコンサートでは人が呼べないんだね」と感じる今日この頃…)

  7. あの時、私は若かった。 より:

    セン アガタはの歌は‥、耐えられません。
    最近よく歌っているので、余計つらいです・・。
    ファの方、ごめんなさい。
    麻路さきを思い出します・・。古いが・・・。
    意外とダンスも癖あるような・・。
    お芝居が一番良いと思います。