希望と不穏の宙組娘役事情

 

宙組公演を西で1回、東で3回見て印象に残ったのは、

男役のあまりの混戦具合、ではなく、実は娘役路線事情の方だったり。

 

本日はそんな、宙組娘役路線事情について、

私の思っていることを書いていきます。

 

宙組娘役事情・2022年冬

 

月組が男の娘偏重主義だったり、

雪組が長く娘役不毛の地であったり(結局潤花も長期ならず)

娘役路線事情は組によって様々ですが、

宙組って、地味~に娘役に冷たい組だなぁと思っています。

 

それは大きな原因があって、常に男役が路線過多状態であるからして、

男役に女役をさせがち→娘役の出番が下がっていく、

という現象が続いているからではないでしょうか?

 

例えば『アナスタシア』のリリーに和希そら、

マリア皇太后に寿つかさ、はそもそも役が少ないから仕方ないにしても、

『Never Say Goodbye』のラ・パッショナリア役に留依蒔世、

『プロミセス・プロミセス』マージ役に性転換直後の愛海ひかる、

からの代役はやっぱり留依蒔世、『アクアヴィーテ!!』の秋音光の女装、他…。

生粋の娘役育ちへの役がちょっと渋くありませんかい?

 

その結果がどうかは分かりませんが、宙組は特に中堅娘役が相次いで退団。

宙組は副組長の美風舞良の組替えにより、

最上級生がなんと97期の花菱りず、次が98期の小春乃さよ、

さらにその次が、一応次期トップ娘役最有力候補の天彩峰里ときたもんだ。

 

とはいえ、『Capricciosa』を見る限り、

この「りずさよ」は上級生としての自覚がありありと感じられるし

圧めのワイキキ系×おかめ顔ほっそりという相反する組み合わせが面白くて、

私は結構好きなんですけどね、このコンビ。

 

さらに中堅が一気に抜けたことはそこまで問題でなく、

むしろ水音志保、春乃さくらといった新星が次々芽吹いていますので、

新陳代謝が一つの売りである劇団としても、そこまで問題ではないと感じています。

(しかしながら花宮沙羅の扱いの悪さは気になりますが…。)

 

特に水音志保の台頭は面白いですね。

以前から妙に立ち位置が良く、

『夢千鳥』にて第3の女に選ばれて以降の勢いは凄まじいものがあります。

 

新公主演orヒロを経験していないけど妙に扱いの良いスター、って、

以前は結構居たのに最近はあまり見かけない印象でしたが、

これはこれで一つのポジションの在り方だなぁと思ったり。

 

海乃パターンか、有沙パターンか。

 

ところで『Capricciosa』の中詰めで、

いわゆるトリプルデュエダンをする場面があるのですが、

その時の娘役選抜が、トップ娘役の潤花、娘2ポジの天彩峰里、

そして3人目が水音志保なんです。

これ、絶妙に路線戦線の今を示唆していますよね。

 

例えば、105期4人娘で最初に新公ヒロを務めた山吹ひばりが取っても良いのに、

ここで選ばれないということは「まだその時期じゃない」ということ。

 

同様に、春乃さくらも全編通して歌ウマ枠として使われまくってますが、

それはあくまで別格路線としての登板ですよね。

 

この退団を控えたトップ娘役、強過ぎる娘2ポジションが居て、

その下がなんだか良く分からずけん制し合ってるなーという体制、

どこかで見たことあると思ったら、そう、前体制の月組と星組だわという話です。

 

この強い娘2ポジに君臨しているのが天彩峰里ですが、

彼女は果たして海乃パターンになるのか、

有沙パターンになるのか、気になるところ。

 

海乃美月はとにかく別箱ヒロインを独占状態、

トップ内定直前期であろう『ピガール狂騒曲』で一瞬天紫珠李と並んだものの、

結局月城かなとと全国巡ってトップ娘役の座に就きました。

 

一方の有沙瞳も別箱ヒロイン無双状態、

池銀パワーか紅政権4作目までしっかり娘2ポジを死守していたのに、

礼真琴の全ツを音波みのりに取られたと思ったら、舞空瞳が降ってきたという由。

 

どちらも可能性としては充分有り得ますが、

既に他の組の娘役が『カジノ・ロワイヤル』に合流する、

いわゆる次期トップ娘役の1作前組替えが難しくなった今、

落下傘就任が久しく起きていないことを考えると、

やはり天彩が上がるのかなぁとうっすら思ったり。

 

芹香斗亜×天彩峰里の不可解なデュエダン

 

で。

 

ずっと書こうか、書かまいが、悩んでいたのですが、

これはしょーもないウワサではなく、

実際に私もこの目で見たことなので書きますが。

 

SNSで、中詰めのトリプルデュエダンのシーンで、

なぜか芹香斗亜と天彩峰里が一切目を合わせないのが不穏、

というものを何度か目にしまして。

 

んなアホな、と気にも留めていなかったのですが、

東の1回目公演で、完全にそのことを忘れながらデュエダンの場面を見ていたら、

マ ジ で 一切目を合わせていなくでギョっとしてしまいました。

(で、そういえばそんなこと書いてあったな、と思い出したという。)

 

その後、2回目も3回目も観察していると、

天彩峰里がニコニコ目線を合わせようとしているのに、

芹香斗亜が目を伏せたり、遠くを見たりで、

明らかに視線を外すフリをしてるもんだから、うーーーん?と思ったのでした。

(周囲の人もその場面だけ異常にオペラグラスを上げるもんだから、みんな人様がギスギスしてるの見るの好きねぇ…という気持ちになったり。笑)

 

陰暴論好きで無駄に裏を読んでしまう私としては、

「次期はキキじゅりとSNSで言われまくるのが面倒だからわざと冷たいフリしてんのか?」

なんて思いましたけど、普通そんなことしませんよね…?

 

これがたまたま1日そうなら別に何ともですが、3回観劇して3回ともそうだから、

どういう演出意図なのよ???と激しく気になっております。

有識者の皆様のご意見をお待ちしてます。笑

 

希望と不穏が入り混じる感じ

 

人事の流れ的には天彩峰里当確!!という感じなのに、

『Capricciosa』の扱いは娘2というより純矢ちとせポジだし、

芹香斗亜の様子的にもなんだかすんなりいかなそうという、

希望と不穏が入り混じる、なんだか妙な気持ちになる公演でした。

 

その一方で、新陳代謝の結果、

娘役の実力派中堅以下に出番が増えているのは、良いことだなぁとも思ったり。

 

新体制に向け、現在は体制変革中なのだと思われますが、

果たして宙組娘役戦線の結果やいかに?

 

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コメント

  1. さぁこ より:

    初めてコメントいたします、天彩峰里ちゃんのファンです。

    いちファンとしての語りになってしまいますが、「夢千鳥」のディレイ配信を観てから潤花ちゃんが真風さんとの同時退団を発表するその日まで、別箱含めた全ての公演をいわゆる「お餞別」であるという覚悟で峰里ちゃんを応援しておりました。

    ところが残って芹香さんと組むものと思っていた潤花ちゃんが去ることになり、組内のヒロイン経験者も蒼汰さんがおっしゃるように上がる気配がなく、他組の組子のボンドでの合流が困難なまで情報解禁がなされ……
    気づけば(峰里ファンの願望ではなく)客観的に考えても落下傘or天彩峰里なのでは……?という状況となっており、呆然としています。

    その混乱に拍車をかけるのが、件のトリプルデュエダン。私も東西合わせて二桁観劇した結果、お二人が舞台上でのコミュニケーションをとれていないような……と感じています。
    一方で、お二人の間に何かあるにせよ、芹香さんはそれを舞台上に持ち込む人ではないと思うんだけどなあ……という思いもあり。

    まとまらない感情をコメント欄にぶつけてしまい、申し訳ございません。
    ファンにできることは、スターの退団発表がある日まで、本人を信じて応援し続けること。
    それを肝に銘じて、真風コンのチケット確保に勤しもうと思います(笑)

  2. 五條 より:

    噂は聞いてました…マジなのですか…。怖いなあ。潤花の演出もですが、宙組娘役戦線カオスですね。
    なんでしょう。構図的にはキキ側が嫌がってるようにしか見えませんけども、芹香はそーいうことしなそうなタイプだと思ってました。真風と同じくそれはそれとしてザックリ割り切ってこなせるタイプというか。潤花と組むつもりだったんですかね。
    トップコンビがギスると組人気にも影響しますが、劇団はこうと決めたら絶対決行しますよね。ジェンヌに客が求めている事なんて本人達100も承知でしょうに(彩風は朝月へのコメントで評判上げましたね)それでも態度に出すってのはよほどの事。演出?である事を祈りたいです。この演出に何の意味があるのか不明ですがw
    しかし考えてみると、現在は人事が安定してる組のほうが少ないんですね…

  3. おさかな より:

    蒼汰さん

    完全に主観なんですけど、宙組の娘役って美人が多い&個性があるなとショーを見ながら思ってました。私が宙組贔屓になりつつあるのは娘役のおかげでもあるので、新世代になってもみんな頑張って欲しいです。
    (次回公演での卒業が少ないといいなと願ってます、、、)

    話題のデュエダンですが、私は潤花をオペラで追っていたので実際には見ておらず…笑
    蒼汰さんまで仰るのであれば本当なのかと驚きつつも、3人と踊る中で魅せ方を変えているのかなと好意的に捉えておきます。

  4. おすぎ より:

    久しぶりにコメントさせていただきます。

    トリプルデュエダンの件、私は生では観ていないのですが、蒼汰さんがあえて書くなら相当異様だったのだと思います。

    以前望海さんが、トップ内定出た時に真彩さんの組替え&相手役と聞いて、嬉しいけどほかの組子の手前どう接したらいいかわからずによそよそしい態度になった…みたいなことをスカステか雑誌で話していた記憶があるのですが、そういったよそよそしさとも違うのでしょうか。

    最初の頃の彩風朝月コンビのように、お互い一組子なら気楽に仲良くできたけど、トップコンビとなるとちょっと距離感がわからなくて突き放しちゃう。みたいな。
    蒼汰さんやほかの方も仰るように、私にも芹香さんが自分の感情をそんなにわかりやすく表に出す人には思えなくて…
    ちょっとあんまり意外だったので思わずコメントしちゃいました。

  5. ちくわ より:

    公演感想、娘役事情と宙組の記事が見られて嬉しいです。ありがとうございます。(ショーの感想をリクエストしておきながらリアルタイムで反応できずすみません。)

    山吹さんは上げる気なのかそうでないのかよくわかりませんね。コロナの影響でゴール(組ませたい男役の就任時期)がずれているのか、それとも単に時間をかけて育てる方がよいと判断したのか?
    いずれにしてもうまく育ててほしいなと思います。(何せ宙組なので……)

    キキじゅりの場面は、結局何だったんだろう?で済むとよいのですが。でもやっぱり、塩対応でも甘さたっぷりでも、とにかく組んでいる双方が素敵に見える演出が見たいです…

  6. こころ夫人 より:

    いつも楽しく、拝見しております。
    「無駄にうらを読む…」には、思わず笑ってしまいました…(すみません)。
    「希望と不穏…」ですし。
    もう、さもありなんですので胸中ザワザワします。

    時期トップが芹香さんであるなら、安心安定でしょうから、相手役さんはベテランではなくともかまわないのか、と。待機期間を考慮して、芹香さんの意向にも添える度量が劇団にあるなら、なお良しですが。
    ただ、短期就任ゆえの大作お御披露目とかで始まる…なら、天彩さんなんでしょう。
    少し、圧は感じますが。ずっと潤さん残留かと思っていたもので。

    その節の有沙さんも、存在感が強かったような。海乃さんは『出島…』でのかぐや役はさすがに無理があったようにみえましたが、なぜか相手男役さんを選ばない、しっくりと収まる、たおやかな娘役さんではと感じます。
    自身が人生の友人としたいのは断然、有沙さんですけど(信頼感があるから、かな)。

    宙組がどう変わるのか。少し遠目から、みていたいとおもいます。

  7. あしな より:

    以前トリプルデュエダンについてコメントに書きまして、実のところ本当に良かったのか管理人様的に問題あったら申し訳ないなと思っておりました…。

    天彩さんを応援している身ですのでああして活躍する場面が多いのは嬉しいですが、あのデュエダンは怖くて。同じくらい水音さんも好きだからそっちを見ることにしたり覚悟決まらずオペラ反復横跳びしたらしてました。
    仮にキキじゅりが確定で、トップ就任してどれだけ仲の良さアピールされてもカプリチョーザのことは忘れられないですよね。プロプロとかデリシューのオーディオコメンタリーみる分には雰囲気悪くなさそうだったので本当に演出であって欲しいです。

  8. 399 より:

    長期政権下の男2と娘2と男3が代替りでそのまま各々繰り上がることには懐疑的でしたが、これまでキキじゅり推しの方の声が大きくてあまり言い出せませんでした。
    ただここに来ての芹香さんの塩分多めの対応。これは本当に演出だけなのでしょうか。
    峰里ちゃんが上がって芹香さんがステイなんていうありえない恐ろしいことが決まっていたから、なんていうことはないですよね。さすがに。

  9. ジャスミン より:

    今回も興味深く読ませて頂きました!!

    水音さんの台頭は本当に嬉しいです。美しいのに勿体ないなぁと思ってきたので!!
    あと、私は花組の都姫さんの退団がショックなので、花宮さんのことは本当にもうちょっと大切にしてくれ!!と改めて感じています。

    しかし、次期トップ娘役は本当にどうなるのでしょうね。
    私は天彩さん推しですが…やっぱりちょっとうーん、とも。

    もしかしたらですが「波線上」とか「一作前合流」のルールが破られる、という事態が発生するかも(勿論可能性が低いことは承知していますが、全てに100%もない)、と…。

    私個人は、ここで春乃さんが芹香さんディナーショー出演の意味を深読みしてしまうんですよね…
    “プレお披露目”的演出をして、そのままトップ昇格、という可能性も“絶対無い”、とは言い切れない気がして。
    (少なくともキキさくら似合う!!という声は上がってくるのでは…と思うのです)

    あるいは。花組で聖乃さんが「舞姫」主演とのことで、おそらく難役のエリスは星空さんでしょうし、ここでダメ押しの波線上ヒロインを取ってお嫁入り、という可能性も0とは言えない。

    まだ発表はしばらく先でしょうが、どうなることやら…と。
    しばらくちょっとハラハラ(?)眺める日々が続きそうです(笑)

  10. せち より:

    トリプルデュエダンの芹香、本当に目を合わせていなかったですね。
    私が観劇した際は、ちらっと見ている場合もありましたが、どうしたどうした?と思ってしまいました。
    仮にオフステージでの仲違いがあっだと仮定しても、芹香がそれを表に出しますかね?それはないだろうと感じてます。
    なので、演出だと思うのですが…どういう演出?ツンデレなの?(ラスト、キスしますし)

    天彩はニコニコ見つめる中での目を合わせない芹香。この演出、誰得なのでしょう?芹香は塩対応とか器が小さいとか、まるで芹香自身の対応と思われてる人もいるようですし。男役としてカッコよく見えないですよね。
    謎演出ですね。

    この演出を次期トップ娘役選出における影響と考えたなら、天彩のトップ就任はない=退団、と考えるべきか…天彩のトップ就任=就任決定前から芹香とのイメージを定着させたくない、と考えるべきか…。

    発表までモヤモヤですね。

  11. kobara より:

    個人的な願望としては、天彩さんが他組でトップ娘役就任の予定があるから…が理由になっていて欲しいです。
    芹香さんと天彩さんのトップコンビ就任を希望している人は多いので、こんな取沙汰されることもなく天彩さんが他組で就任するとしたら芹香さんとのほうが良かった!となってしまいそうなのであえて険悪っぽさを出しているとか…。
    もしこのままトップコンビになるとしたら、この場面が演出だとしても「2人は険悪」と一定数でも感じてしまう人が出てしまうのはかなり悪手ですよね。コンビ仲は組人気にも影響してしまうので演出のミスにも程があります。
    芹香さんと天彩さん、トップコンビになってもそれぞれ他の相手役とでもとりあえずは無事トップ就任していただきたいものです。

  12. 美椒 より:

    いつも興味深い記事、楽しみに拝読させていただいております。
    少々コメントさせてくださいませ。

    私の感覚ではありますが、このまま組み替えも無く、同じ顔ぶれのまま、トップコンビにキキちゃん天彩さんトなった場合、持ち上がりで、フレッシュさや目新しさは無いなぁと思ってしまいます。
    それでなくても宙組は、長期の真風さん体制で、番手が全く変わらずガッチリ固定、安定と言えばそうなのですが、新鮮味は無いなぁ、と私は感じていたのですが。
    その方が安心して観られるのでしょうかね?

    トップお披露目にはよほどの大作か、目玉人事や何かしらのカンフル剤が必要な気がします。

    さて、宙組Pの手腕や、いかに…
    と、楽しみに待っています。

  13. こいと より:

     芹香さんと天彩さんの仲が良いか悪いかなんて誰にもわかりませんし、仮に不仲としても、舞台人のお二人がそれを舞台上で観せるなんてあり得ませんから、演出設定なんでしょうね。私はお二人のファンですから、クールでカッコいいデュエダンだと思っていましたが、見る目が違うと色々な意見がありますねぇ。今回のショー、天彩さんが別格寄りな演出が多く、潤さんの退団が発表されるまで、天彩さんのファンは心穏やかでは無かったでしょう。しかし退団が発表された後は、少し落ち着いたかなw
    トップコンビが発表されるまでは色々な憶測が飛び、ざわつくのは毎度の事。
    芹香さんと天彩さんなら、可愛い系もクール系も、色々な顔を見せてくれるトップコンビになれると思っていますよ。私はw

  14. そも より:

    いつも楽しみに読んでます。
    さて東京の千秋楽、観てきました。
    今日も話題のお二人、視線絡まず終いにみえました。
    気になるのは、話題のシーンだけてなく、この公演でのキキさん、なんだかクラい気がするのは私だけかなぁ。
    ま、ま、まさか『同時卒業』なんてことは「馬鹿言ってんじゃないよ」ですよね?
    私の目がヘンなんです、はい。