娘役から見る各組体制2023・宙組が直面する問題

 

娘役から見る各組体制シリーズ、

『カジノ・ロワイヤル』新公全キャスト発表もありましたし、

本日は宙組編をお送りしようと思います。

 

実は、最後まで書いたうえでこの部分を加筆しているのですが、

現在の宙組娘役体制って結構なカオス。

組ファンの方からは「余計なお世話だ」と言われそうですが、

忖度無しで、現在とこれからについて書いていきます。

 

春乃さくら就任の裏で

 

宙組の次期トップ娘役は、ダークホースであった春乃さくらに大決定。

これにより涙を飲んだのが約2名。

 

一人は100期生の天彩峰里。

報われ人事発動でトップ就任かと思いきや、まさかの空振り…。

果たして彼女は娘2格を謳歌するために「残る」選択肢をするのでしょうか?

 

そしてもう一人が102期生の花宮沙羅。

成績も、初新公ヒロも、初エトワールも彼女の方が先だったのに、

気付けば同期にあっさり抜かされた結果に。

既に一度潤花に降られた経験を経てですから、その心境はいかばかりか…。

(立ち位置的には華に抜かされ星風に降られた音くり寿に似てますね。)

 

さらに、しれっと娘3格で登用されていた101期生の水音志保。

彼女の場合は同じくしれっと別格枠に戻れる好位置ではありますが、

ともすれば今後は下級生本命路線に抜かされていくことになります。

 

こう考えてみると、春乃さくらのトップ娘役就任の裏で、

地味に組内で軋轢を生みそうな気配であるのが、

これまでのシンデレラストーリー系の人事とは違う構図に見えます。

 

下級生枠を見ると、本命枠は105期生の山吹ひばり。

そしてニューヒロインは、抜擢度的にも身長的にも目立っていた同期の愛未サラ、

…でなく、小柄キュート系の美星帆那に白羽の矢が立ちました。

 

愛未は娘役にしては高身長過ぎるので果たしてヒロインを取れるか、

と確かに懐疑的ではありましたが、

まさか成績下の同期に攫われるとは…と、こちらも微妙な感じ。

 

まぁこの残酷さこそがエンタメ興行の宿命であり醍醐味でもあると思いますが、

最近の宙組はトップ人事含め、なんだか不思議な、

というか突貫な抜擢の仕方をしている印象です。

 

中堅どころが居な過ぎる問題

 

そして、それ以上に宙組娘役事情で最も深刻なのが、

中堅どころがバッサリと居ないこと。

 

これは原因が3つあると考えています。

「真風涼帆の長過ぎた春」「男役路線が常に過多」

そして「しかもほとんど動かない」という点です。

 

男役路線が多過ぎて出番が分散されてしまううえに、

メンツ固定により鮮度が落ちてしまう場合に劇団が取る対処法、

それは女役をさせることです。

 

芹香斗亜の女装…は半分ネタですが、

桜木みなと、和希そら、留依蒔世と、主要路線組が全員女装経験済み。

 

まぁここまでは仕方ないとしても、

例えば秋音光が『アクアヴィーテ!!』で真風涼帆と一場面組んで踊ったり、

例えば愛海ひかるが娘役転向してすぐにスカイフェアリーズに抜擢されたり、と、

中堅枠すらも男役が出張ってくる有様です。

 

さらに上級生枠として美風舞良、純矢ちとせの2枚熟女看板が長く幅を利かせ、

そのおこぼれを花音舞、瀬戸花まりあたりが拾う感じだったので、

そりゃその下にまで役や出番は回って来ませんよね。

 

その結果、中堅どころの娘役が相次いで退団。

美風舞良を花組に取られたとはいえ、宙組は90期代の娘役が、

97期の花菱りず98期の小春乃さよの2名になってしまいました。

 

まぁ私はパワー系の花菱りずと、歌ウマおかめ系の小春乃さよという

この「りずさよコンビ」が本当に大好きで、

なんなら『Capricciosa!!』もこの2人をずっと見ていたくらいなんですけど、笑

とはいえさすがに心許ない気が…。

 

ま、中堅が居ないということは、下級生にチャンスが有るということ。

芽吹く春の前には吹き荒ぶ冬の季節があるように、

今後はりずさよコンビが中心となって、

宙組下級生娘役を育成していく感じでしょうかね。

 

気になる下級生枠について

 

そして新公学年を見て見ると、

歌ウマ下級生として期待の星だった104期生の朝木陽彩が退団…。

この損失はマジで計り知れません。

 

そして路線的に気になるのが、宙組は106期生の文化祭ヒロインを経験した、

渚ゆり、風羽咲季の両名を取ったにも関わらず、全く使う気配が無いこと。

 

次回『カジノ・ロワイヤル』の新公キャストを見る限り、

一応、風羽咲季>渚ゆきという序列はうっすらついているようですが、

それ以上に宙組は105期の3名を重用する気満々に見えます。

 

また、107期でも比較的美形な梨恋あやめ・花恋こまちという、

名前の似ている2人が居るのですが、

果たしてこちらも使ってくれるのかどうか…。

 

そんなわけで、こと宙組の娘役事情だけは全く読めない私なのですが、

いずれにせよ中堅育成は急務でしょう。

代替わりでどう構図が動いていくのか、今後の動きに要注目です。

 

☆★☆★☆

ランキング参加始めました!!

ぜひポチっとお願いします↓↓

にほんブログ村 演劇・ダンスブログ 宝塚歌劇団へ
にほんブログ村

コメント

  1. こけし より:

    ついこの前、宙組「王家に捧ぐ歌」の新人公演のスカステ録画を見ていました。新公主演は桜木さんと星風さん。出演はちょうどいまの中堅どころと思われる、95〜100期。
    投稿の内容から想像するに難くないと思うのですが、王家の新公に出演していて、かつ今現在宙組にいる娘役は、「りずさよ」のみ。
    いつになるかはわかりませんが、娘役体制が安定するまでおふたりには在籍していて欲しいものです。

    まだ始まってないのでわかりませんが、今回おそらく出番比率的に春乃さん天彩さんは同じか、春乃さんが少し出番が多いのかなくらいに思ってるので、娘役ワンツースリーの役が新公105期総なめって感じですよね。

    使われない下級生…でもこれって、宙組特有の「めっちゃ推したい娘役下級生」がいないよ〜というものなのでしょうか、それとも抜擢方針を昔と変えたのでしょうか。(推したいメッセージが強すぎる例:花乃まりあさん、星風さん、夢白さん)。

  2. ずんだもち より:

    宙組ファンですが、余計なお世話どころか頭の中にモヤっていたものが明文化されて苦しいくらいですw

    毎公演ごとの大量退団に週刊誌ネタ。宙組なくなったりしないよね?と不安にもなります。
    真風長期と決まった時点で、下の路線スターを早く組替えすれば良かったのにもう席はなし。
    宙Pは劇団内の発言権低い?
    路線スターが立ち位置不明なので別格枠の生徒はもっとはっきりしない。「私必要?」と思ってしまうのじゃないですか?退団理由なんて分からないですが。
    愛未と花宮は実力高い故の別格移行だと思います。そちらも育成急務です。それを彼女たちがどう受け止めるかですね。
    105期以外の娘役で私が注目しているのは、栞菜ひまり と葉咲うらら
    ひまりちゃんは「カプリチョーザ」で紫藤×ひまり 鷹翔×愛未 瑠依×ひばり の3組で銀橋渡りしてました。
    うららちゃんは芹香DSメンバーでした。水音志保に並ぶ美人だと思うのは楓姫るる です。

    組を超えた娘役人事で何か不測の事態が発生しているのでしょうか。
    星空美咲爆上げからの休止、芹香の相手役に突然の春乃さくら、山吹ひばりは他に想定する相手役がいるのかも。 密かに組み直しが図られている気がします。

  3. コスモスハート より:

    蒼汰様

    興味深い、この娘役の分析シリーズ、何だか少しハッとさせられました。
    歌うま好きとしては、和希そら、留依蒔世の女役であっても、活躍するのを喜んでいました。

    プロミセスプロミセスの時、愛海ひかるが休演、その代役が、やはり留依、という、美味しい役が男役に振られるということになっていました。男役と女役を演じる、芹香さんの台詞が、そこをついて、面白い展開にはなっていましたが、しかし、これは娘役が取れる見せ場を失った、ということにもなりますね。喜んでいた自分を少し反省しました。
    宙組の娘役が、見せ場をもらえた作品は、夢千鳥のバウ公演、残念ながら全日程を消化できませんでしたね。
    私の個人的な法則ですが、主人公か、主要キャストの子供時代役、主人公の息子役を演じる娘役はトップになる可能性が高い?!
    注目してます。美星帆那もその一人。

    宙組は比較的高身長の娘役が配される感じですが、桜木みなと、トップにもし就任したら、その並びが似合う人ってことですかね。
    今105期から、次期スターを探しているのかな。そういえば、花、月、雪、106期の知名度?起用、はピンときますが、確かに宙組は??考えてみると、月組のエトワール役がわり作戦は、大歓迎なことだなぁ、と思いました。なんだったら、フィナーレ始まる時の男役がソロで銀橋で歌う場面も、いっそデュエットの日、て設けてくれない?しないかな。なんて思いました。

  4. すー より:

    こんにちは、興味深いシリーズで楽しく読ませて頂いております。
    宙組には詳しくありませんが107期で注目していた恋恋コンビが
    揃って宙組配属になったもので内心悔しがったものです笑
    しかしこうして見ると本当に有望な娘役さんが沢山配属されているにも関わらずうまく抜擢できていない…?
    宙組Pには頑張っていただきたいものです。

  5. もも より:

    娘役人事なんて急拵えでどうとでもなるのは先日学んだばかりです。
    早くから露出して飽きられ叩かれるくらいなら研5あたりから一気に上げればいい
    って事ではないかと、美羽さんの上げぶり見て思います。
    どうせ席もしばらく空かないし。

  6. より:

    中堅とは研いくつくらいだとお考えなのでしょうか。確かに雪組の杏野さん研15に比べると、りずちゃん研12、さよちゃん研11と若いですが、研8〜6あたりは水音・ここさく・花宮・夢風・有愛と、実力ある娘役がいます。実咲・伶美・彩花の退団が研8か9だったことを考えると、この辺りが中堅と思えばまずまずかと…。
    そしてスカイフェアリーズに関しては、本来99期がやる時期に宙組は既に娘役不在で、100期の愛海が娘役転向して務めたのではないかと…。(当時、天彩がいましたが新公ヒロした子は基本的にフェアリーズやらない方針?雪組99期はイレギュラーかと。)
    アクアヴィーテ秋音も、じゃあ他に適任いたか?と言われると、いない時期でした。
    真風就任後90期代娘役が激減し、男役が穴埋めもしましたが、下級生娘役にも出番が増えました。
    105期(研4)で話題になるのは、他組は新公ヒロの星空・音彩・詩ですが、宙組では愛未・山吹・美星全員が話題に上ります。(新公ヒロなしで名前が売れた愛未、凄いな…)
    春乃就任が意外で、ヒロイン育成という点で迷走しているように見えるかもしれませんが、宙組娘役は実力は間違いないので、舞台は安心して観られます。
    ヒロイン人事が読めないのは確かですが、組体制はそう悪くないと思います。

  7. ジャスミン より:

    興味深い記事をありがとうございます。

    春乃さんの昇格が決定した今だからこそ、できるならば、花宮さんには宙組で頑張っていってほしい。と外野の自分は強く思っています。
    実力もあるし、「支えつつ自分も輝く」ことができる方です。
    そして、劇団側にも、もう少し配慮をお願いしたい。
    と思いますが、結局はご自身のお気持ちやご予定次第ですよね…

    愛未さんは、粘ってやはりどこかで一度は新公ヒロを経験してほしい。ゴージャス美女で、かつ「ビジュアルだけじゃない!」わけで、まだまだ粘ってほしいです。
    私は鷹翔さんと愛未さんの並びが大好きなのですが、瑠風さんとも似合うと思います。今のうちに、別格的な役もどんどん経験しつつ、成長してほしい。

    ほかに気になるのは、栞菜さんや風羽さん。
    宙娘、なんだかんだ皆様ビジュアルも実力もスゴツヨだと思うので、頑張っていってほしいです!