実はレアかもしれないトップのオリジナル外箱公演

 

宝塚ファンとしてあるまじきことを言いますが、

実は私、外箱のオリジナル公演が好きなんですよね。

 

小さい箱だからこそ演出家の技巧が光るし、

少人数だからこそ若手にまで役が行き渡って見どころも多く、

何より主演を張るスターの持ち味が色濃く出るので、それが実に面白い。

 

…んだけれども、ふとしたきっかけで調べ始めて気が付いたのですが、

トップスターになるとむしろ、オリジナル外箱公演って少なくなります?

え、もしかして今更ですか???

ってことで、本日はそんな話です。

 

トップのオリジナル外箱公演を振り返る

 

ここで言うオリジナル公演とは、

宝塚在団の演出家による完全オリジナル作品、

すなわち、既に上演済みの海外ミュージカル作品は含まない前提で考えます。

(そして当然ながらショー形式の公演は含みません。)

 

では、ここ最近のトップスターで振り返ってみましょう。

 

■柚香光(オリジナル作品無し)

・『NICE WORK IF YOU CAN GET IT』:海外ミュージカル

 

■月城かなと(オリジナル作品無し)

・『DEATH TAKES A HOLIDAY』:海外ミュージカル

 

■彩風咲奈(オリジナル作品無し)

・『BONNIE & CLYDE』:海外ミュージカル

 

■礼真琴(オリジナル作品無し)

『ロックオペラ モーツァルト』:海外ミュージカル

『Le Rouge et le Noir〜赤と黒〜』:海外ミュージカル

 

■真風涼帆(2作)

・『FLYING SAPA』

・『Hotel Svizra House』

 

■明日海りお(1作)

・『ハンナのお花屋さん』※これ以外がオール宝塚内の再演物ということに驚き…。

 

■珠城りょう(1作)

・『幽霊刑事〜サヨナラする、その前に〜』

・『アーサー王伝説』:海外ミュージカル

・『ON THE TOWN』:海外ミュージカル

 

■望海風斗(オリジナル作品無し)

・『20世紀号に乗って』:海外ミュージカル

 

■紅ゆずる(3作)

・『オーム・シャンティ・オーム-恋する輪廻-』

・『Thunderbolt Fantasy』

・『鎌足』

 

■北翔海莉(オリジナル作品無し)

■朝夏まなと(オリジナル作品無し)

 

これ以外は再演物か、ショー形式公演のはずです。いかがでしょう?

(ざっくり調べたので誤りが多数あるかもしれません…ごめんなさい。)

 

実はレアかも?トップオリジナル外箱公演

 

さて、調べて気が付いたことは、最近の外箱オリジナル公演って、

海外ミュージカル作品に頼り過ぎでは?ということ。

 

お披露目が控えている芹香斗亜主演『エクスカリバー』も、

海外ミュージカルなので、その傾向は顕著。

 

何が驚きって、長期を張った明日海りお1作しかなく、

その前のトップオブトップたる柚希礼音も、

『ロミオとジュリエット』『太陽王』が海外ミュージカル作品ですから、

中日&台湾に持ってった『怪盗楚留香外伝-花盗人-』だけ?

 

一方で、なぜか紅ゆずるが映画や漫画原作とはいえ、

オリジナル作品だらけで最多3作なのが面白いですね。

 

で、なぜこれを調べ始めたかと言いますと、

「柚香光のオリジナル代表作が欲しい!!」という、

ここ最近繰り返し述べている個人的主張が叶うかどうかが始まりだったんですよね。

 

というのも、彼女の場合は、

コルドバ→(トプハ)→フィレンツェ→二戦と古臭再演が続いていて、

「座付き演出家を抱えてるなら再演じゃなく、

似たような設定でもオリジナル作品で勝負しようよ」と思っていたのですが…。

 

外箱オリジナル作品が欲しいというのは、

相当ハードルの高い要望なのかもしれないなと気付いたのでした。

 

外箱オリジナル作品が観たい

 

むしろ、柚香光の場合は2番手時代に外箱公演にて、

『はいからさんが通る』『花より男子』と、

代表作を2作も生み出したことがラッキーなのかもしれませんね。

 

そう、トップ未満時代の外箱公演は、

バウ、東上と「トップへの試験」的な意味合いが強いわけですが、

単純にファンとして楽しむことこそ吉なんだとも思います。

 

も、ち、ろ、ん、再演作品もとてもとても素晴らしいんですけれど、

せっかく座付き演出家がいるわけですから、

劇団にはもっと積極的にオリジナル作品を作って欲しいなーと思ったり。

 

コロナ禍だとさらに贅沢な要望なのかもしれませんが、

一ファンの願望的つぶやきってことでご容赦下さい。

 

☆★☆★☆

ランキング参加始めました!!

ぜひポチっとお願いします↓↓

にほんブログ村 演劇・ダンスブログ 宝塚歌劇団へ
にほんブログ村

コメント

  1. より:

    漫画にしろアニメにしろ原作があるものは個人的に2.5次元系だと解釈しているので厳密には『オリジナル』とは呼べないのですが、なおのこと柚香さんにオリジナル代表作、欲しいですよねぇ……。
    とはいえそもそもオリジナル脚本をきちんと書ける座付き作家、いるかなぁ?というのが本音です。
    脚本家ではなく演出家でしかないと思う作家もいますし、それでも頑なに脚本演出は1人に担当させますし、1人に担当させても人手不足感が否めない辺りシンプルに「脚本を書くのって本当に難しいし、書ける人が減っているんだな(おそらくヅカに限らず)」、と。
    わかってはいるんですが、面白いオリジナル舞台、観たいなぁ~!と思う日々です。

  2. こけし より:

    ちょっと古いデータになるのですが、記事より1,2代前のトップさんの別箱ポスターを持っていて、自分も気になったので、調べてみました!間違いがあるかもしれません・・・もしよかったら参考になさってください。ショー、コンサート形式は勿論、ご自身でやった大劇場公演の別箱再演も入れておりません(星逢、銀英伝など)。

    真飛さん→1作「相棒」(外伝ベルばらは入れてません)
    蘭寿さん→1作「戦国BASARA」
    霧矢さん→1作「STUDIO 54」
    龍さん→0作
    壮さん→0作
    早霧さん→2作「伯爵令嬢」「ローマの休日」
    安蘭さん→1作「ヘイズ・コード」(外伝ベルばらは入れてません)
    大空さん→1作「シャングリラ・水之城」
    凰稀さん→0作(ロバートキャパは2番手時代別箱主演セルフ再演なので入れてません)

    最近は別箱海外ミュが当たり前になってきていますが、昔は全然無かったようですね。

    • 蒼汰 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます!
      本当は調べたかったラインまで教えて頂き…こう見ると歴代トップも外箱オリジナルって少なめなんですね。やはり本公演がオリジナルだからってことなんでしょうか。

  3. S より:

    すみません、更に更に遡った情報ですが、(以下敬称略)

    安寿ミラ→1作「ラストダンス」
    真矢みき→1作「ブルー・スワン」
    天海祐希→ 3作 「夢の10セント銀貨」「LE MISTRAL…鏡の中に消えた男…」「ある日どこかで」
    久世星佳→1作「銀ちゃんの恋」(初演)
    真琴つばさ→1作「Practical Joke―ワルフザケってことにしといてくれよ―」
    一路真輝→ 1作「2人だけの戦場」(初演)
    麻路さき→ 2作 「Action!」「イコンの誘惑」
    稔幸→ 2作「聖夜物語」「Love Insurance 」

    海外ミュージカルは安寿さんが2作「フラワー・ドラム・ソング」と「ワン・タッチ・オブ・ヴィーナス」をトップコンビ主演バウで上演されていました。
    高嶺ふぶき&花總まり主演バウ「晴れた日に永遠が見える」はアメリカのミュージカル映画が元なので海外ミュージカル扱いですかね…。
    誤りあったらすみません、昔はもっとオリジナルあったなぁと思い、ついコメントさせて頂きました!

  4. しめさば より:

    外箱公演は、大劇場を各組平等なローテーションを回さねばならない歌劇団にとっては実質ロングランとしてコスト回収する場でもあるので、トップ外箱についてはなかなかオリジナルは難しいですよね。

    紅ゆずるのサンボルは、この後台湾に持っていくための公演だったりして、そういう調整弁にもなるのが面白いところですが…。

  5. コスモスハート より:

    蒼汰様

    最近、チャレンジ新作披露の場であるバウも再演物。
    トップのオリジナルを次々と生み出す前段階はバウですよね。それが再演物なので、益々オリジナルは生まれにくいような気がします。
    でも、2012年、2013年あたりはバウ新作が生み出されて活発だったのかな。ウエクミ、原田、とバウでも作品を生み出していた頃。二人ともいない。。思うに、韓国ミュージカルは、宝塚のようなキラキラ感はないけれど、オリジナル作成に意欲的。でも、同じ作品のリピートも多い。
    マタハリは、OG柚希礼音さんがやってましたが韓国ミュージカル。しかも、以前にEMK代表挨拶で、オリジナルを作って売れる作品を海外へ売る、売って儲ける、と決意表明されていたので、有言実行でした。宝塚歌劇団理事の決意は???

    以前に、大劇場でやって、それを全ツへ回すことを考えて舞台のセットを決めると、聞いています。それなら、全ツや、別箱など、そこをオリジナル初で上演するのは、自ずと少ないのかな、と思いました。
    とにかく、原作ありきでも何でも、やったことのない作品、これは嵌る、みたいなの、待ってます。

  6. mayo より:

    下手なオリジナル来るくらいなら海外ミュージカルや原作ありの方が全然嬉しいです。柚香さんに唯一の外箱新作をくれた、バウ主演のノクターンも担当した原田氏は本当に残念です。その2つが素晴らしかっただけに。絶対大劇場も担当する予定だったでしょうし、よく調べもせず追い出した劇団はあとの大劇場1本物どうするつもりなんでしょうね。ヅカオタは面白い物さえ見れれば本人の人柄なんて気にしてないです。あとここまで小柳先生続いたら、退団公演誰がやるんだろう?

  7. でこかっぱ より:

    初コメントします。
    いつも楽しく拝見してます。

    そういえば…と思い出してみました。
    順不同です。

    匠ひびき…カナリア
    春野寿美礼…不滅の棘
    瀬奈じゅん…A-LEX
    朝海ひかる…睡れる月
    水夏希…カラマーゾフの兄弟
    音月桂…Samourai

    柴田作品の掘り返しもさすがにネタ切れっぽい気がするので、魅力的なオリジナルが制作されるのを期待します。

  8. もそ より:

    オリジナルが来る人はスター期間の長い人・固まったイメージのない人・キャラが濃い人のイメージがあります(個人的なイメージです)
    オリジナル脚本を大劇場やバウ以外でやるほど、作家の数も少ない気がします
    (うけるかどうか分からなくてもトップスターなら売るのでしょうけど)

    ところで『鎌足』って原作ありますか?
    宝塚新作オリジナルだと思っていました(誤認でしたら申し訳ありません)