宝塚における「ディナーショー」考

ディナーショーとは?

「歌手などのショーを楽しみながら、フルコースの食事をする有料の晩餐会」

だそう。(コトバンクより引用)

 

私の偏見丸出しな考えを言うならば、

「昔売れてたアイドルや歌手が、当時から応援している残り少ないファンに対して行う、高額な囲い込みイベント」

だと思っていました。笑

 

が、宝塚における「ディナーショー」は

それとは少しばかり違うようです。

 

というわけで本日は

そんな「ディナーショー」にまつわる私見を。

 

変わらないディナーショーの性質

 

ディナーショーで主演をはれるのは、

それこそ選ばれし人気スターしか出来ません。

その種類を大まかに分けるとすれば、こんな感じでしょうか?

 

①退団を控えたトップスター

(直近例:紅ゆずる・綺咲愛里)

※トップ娘役は「ミュージックサロン」という名称になります。その理由は…なんでだ?

 

②路線スターが本公演の隙間を縫って主演し、劇団的小遣い稼ぎ

(直近例:礼真琴・鳳月杏)

 

③退団を控えた人気スターの餞別

(直近例:美弥るりか、七海ひろき)

※退団発表前に開催される場合もある。

 

 

ところで、私は当ブログで長らく主張し続けている通り、

現在の宝塚歌劇団は「収益増加」を第一に考えており

非常に「企業的」な事業運営を図っていると思っています。

 

が、ただ一つずーっとそのスタンスを変えていないのは

このディナーショーなんじゃないかと思うのです。

 

凄く下品なことを言えば、

例えば美弥るりかや七海ひろきの餞別ディナーショーなんて

もっと日程増やしたって絶対に売り切れたはず。

 

これを1週間やれなんて話であれば

公演の隙間を縫って行うというイベントの性質を考えると無理な話ですが

少なくとも1,2日増やしてもいいと思いません?

 

そうすれば、最後くらいは一目みたいと思うライトファンだって足を運べるし

これまたSNSで「転売ガー‼」等阿鼻叫喚を見なくて済むはず。

 

だがしかし、劇団的には

そんなディナーショーを拡大する気持ちは無い模様。

一体なぜでしょう?

 

誰のための「ディナーショー」なのか

 

もうね、結論から先に書いちゃいます。

 

宝塚における「ディナーショー」って、

一般で例えるなら「ファンクラブイベント」なんだろうなって思うんです。

 

さて、この「ファンクラブイベント」という言葉を

そのまま鵜呑みにできない点が2つあります。

 

1つは「ファン」とは誰を指すのか。

それは、そのスターを応援している人たち全員のことではありません。

 

足しげく入出に通い、会服を購入し、もちろん会チケで観劇し、

スターのために大量の時間・お金・感情を割いた人たちのことを指します。

 

例えば、美弥るりかのディナーショーのキャパは

ざっと計算したところ1500~2000くらいのようですが、

上記のような「ファン」と、そのお友達だけで

もはやそんな数なんてすぐ埋まってしまうと思いません?

 

しかも会場にはスターのお客様(関係者や同期など)もいるわけで

それを抜いたとしたら、一般販売なんてもはや雀の涙くらいしかないですよね。

 

 

そして2つ目はスターの会は公式のファンクラブではないがゆえに、

いわゆる「ファンクラブイベント」が宝塚では開催されないということ。

 

例えば有名な「お茶会」は、

あくまで有志のファン(会)が勝手に主催しているだけであって、

あれは宝塚歌劇団が運営しているものではありません。

 

ですから、お茶会で何かトラブルが起きれば

それは宝塚歌劇団の問題ではなく、

スターと有志のファンが勝手に起こした問題ということになります。

 

劇団公式のスターのファンクラブが無い。

だからスター自身が自然体でファンと触れ合える機会が、公式では無い。

その受け皿を担っているのが「ディナーショー」なのかな、と。

 

 

まとめると、宝塚における「ディナーショー」とは

長くスターと苦楽をともにし、ずっと一緒に歩んできた人たちに向けた

感謝のプレゼント的なものであり、非常に内輪的なイベントなのだと思います。

 

はっきり言えば、私のようなライトファンなど

最初からお呼びじゃないんだろうな、って話なワケです。

 

宝塚のディナーショーは独自な文化であると思う。

 

そんな「ディナーショー」に関して

管理人masaさんが非常に印象的なことを話していたのでご紹介します。笑

 

我々ファンは、普段タカラジェンヌと接することができる機会は

舞台・ショーを通してしか無いわけで、

そこに映る姿は「何かを演じるスター」でしかないですよね。

 

だけどディナーショーでは、

まさにスター本人がありのまま目の前に立っていて

我々ファンとスターが、face to face で感動を分かち合うことができるのよ。

 

 

ほう、なるほど。

 

だからこそ、ある一定以上の人しか基本見ることができないのかもしれないし

劇団的にもそもそも利益を追求するような事業企画ではなく、

ただの内輪な感謝祭的な意味合いが強いのかもしれません。

 

というわけで、宝塚におけるディナーショーとは

いわゆる昔のアイドルが少ないファンから金をせしめるイベントとは全く違う、

宝塚独自の事業として根付いている物なのかなぁと思う私なのでした。

 

 

 

ちなみに、

 

個人的に以前から「ディナーショー」に非常に興味がありまして

最近スカステでたくさん放映されているのを見たのですが

全 く 面 白 く な か っ た のですよね。笑

 

つくづく、私はタカラジェンヌの中の人への興味よりも

あくまで「高クオリティな舞台芸術」を楽しんでいるんだなと実感しましたね。

 

というより、やはり主演のスターがよっぽど好きじゃないと

1時間見てるのってキツいのかもしれません。

そういう意味でもまさに「ファンクラブイベント」っぽいなーと思ったのでした。

 

…という、超蛇足な内容で〆ます。笑

 

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