雪組『海辺のストルーエンセ』キャスト感想

 

朝美絢主演『海辺のストルーエンセ』の初日を観劇して参りました。

 

 

雪組生の素晴らしい芝居に感動!!

全キャストに役を振ってくれた指田先生に敬意を表しながら、

本日はそんなキャスト陣の感想を書いて参ります。

 

【全体の感想編はコチラ】

主人公コンビ:朝美絢&音彩唯

 

まずは主人公:ヨハン・ストルーエンセを演じた朝美絢。座長として素晴らしい演技でしたし、2番手スターとして旬を迎えている彼女に相応しい難役だったと思います。

町医者として不条理な扱いを受け野心に萌える冒頭に始まり、チャラ男モード、成り上がり医者モード、王妃と恋の予感モード、闇落ちモード、そして最後のボロ雑巾のようなモード…。一人の男の中に眠る多彩な顔を見事に演じ切っていましたし、色んな彼女が見られてファンは大満足なことでしょう。笑

私はゴールド短髪な彼女が好きなのですが、暗めな長髪も実に似合っていましたし、派手な顔立ちをより魅力的に見せるゴージャスな衣装との相乗効果も良かったです。

 

ヒロイン:カロリーネ・マチルデを演じたのは105期生の音彩唯。知っていましたけど、改めて彼女の天才的ヒロイン資質は本当に凄いです!!

まず衣装が凄く似合っていた。超小顔な上に首も長く、王宮に閉じこもるブルーのドレス、恋の喜びに震えるピンクのドレス、そして最後の質素なドレス…、どれも抜群に着こなしていましたね。さらに天使のような声質も、そこから紡がれる歌も芝居も、マジでヒロインそのもの。硝子細工のような繊細で静謐でありながら、だけどきちんと感情も通っていて、カロリーネという人物を魅力的に見せていたと思います。

 

そ、し、て、何より朝美絢×音彩唯の見栄えの良いこと!!顔立ちがどちらもゴージャスなだけでなく、いわゆる「作画が合ってる」ってヤツ?少女漫画的というよりむしろ西洋絵画から抜け出たような、そんな雰囲気が良く似合っていました。

音彩唯は超小顔なことが男役の中だと身長が低いという朝美絢の唯一の弱点を見事にカバー。それでいて2人とも歌もダンスも平均以上に出来るからこそ、芝居から最後のデュエットダンスまで、まさに夢を見させてくれます。特に最後のデュエダンのキスは見ものですよ!!

 

路線陣:縣千&諏訪さき&華純沙那

 

2番手格を演じたのは縣千。たぶん本作の一つの目的として「縣千の育成」があると思われ、情緒不安定なクリスチャン7世役に大挑戦、しかもめっちゃ歌いまくります。

前半の破天荒モードはいつもの調子でブイブイいてこましてくれてましたけど、個人的にはドロドロ三角関係モード以降の彼女に要注目。友として信じていたストルーエンセと、愛してはいないが所有欲はある妻カロリーネとの間に挟まれるという、そんな複雑な心境を頑張って演じております。逆立てた赤髪がよく似合っていましたし、立ってるだけで絵になる様はさすがスター‼︎

 

続く諏訪さきは、ストルーエンセを王宮に誘うブラント役。最初はただのお友達役かと思いきや、オチ付近で重要な役どころへと変わっていくわけで(ネタバレ回避)、本人はそれを器用に、そして楽しそうに演じていました。

個人的にはキャラの立ち位置が脚本的に中途半端だったかなぁと思います。最後の立ち回りなんてもっとカッケー‼︎ってなっても良いはずなのに…なんだ朝焼けが綺麗だったからって。まぁこれは指田先生への文句なので彼女は何も悪くありません。別格枠として手堅い仕事でした。

 

そして敢闘賞なのがヒロインの侍女・エリザベート役を演じた華純沙那でしょう!!ハッキリ言います、実は私は彼女が好みの娘役ではありませんでした。なぜなら典型的キツネ顔だから(私は目がぱっちりした狸顔が好き)

だ、け、ど、とにかく芝居が上手かった!!発声から立ち振る舞いまで、まさに侍女なんだけれども、ちゃんと路線役の人が演じているそれで、その絶妙な加減が良かったのです。なるほど、これから雪組の実力派別格娘役路線として育成していくのかな?と見ていて思いましたが、とはいえ朝月希和というパターンもありますからねぇ…まだまだ先は分かりません。

 

上級生チーム・雑感

 

続いて、上級生チーム。今回は皆さん、本当に良い役を貰っていたと思います。

まずは王太后ユリアーネ役の愛すみれ。これまで福福しい役が多かったですけれど、ここまで立場的に悪い役は新境地なのでは?知略に長けた大人の女らしい抑えた芝居で、物語を上手く引っ張っていたと思います。さすが朝美絢の相棒!!

ストルーエンセを王宮に誘う役その2でもあるランツァウ伯爵役の真那春人。イイ人かと思いきや実は腹底の知れない計算高い男の役ですけれど、良い芝居してましたね。彼女もまた最近似たような小悪党役が多かったですけれど、久しぶりにガッツリ芝居している姿が見られて良かったです。

そして個人的MVPはスサンナ役の白峰ゆりでしょう!!雪組95期の最終兵器が、素晴らしい芝居をしてくれました!!演じたスザンナはただの「役者」役。ですが、実はクリスチャン7世(史実では大の舞台好きだった)のお気に入りの女優の一人であり、たぶん愛人?にして、心の底からクリスチャン7世を心配している数少ない人間の一人。これまた洋画にありがちな、やさぐれた場末の女役なんですけど、彼女のゴージャスな見た目も相まって本当に似合っていました。素晴らしい!!

それから継母ユリアーネのお付きの一人、神学者グルベア役の叶ゆうりも目立っていたかな。彼女らしい「立っているだけなのに妙な異物感がある」絶妙な役どころですが、今まで以上にセリフが多くて組ファンとしては嬉しかったです。

そして王宮を常に心配している宰相ベルンストッフ役の奏乃はると、常に煌びやかなホルスタイン伯爵夫人役の妃華ゆきのと、手堅く舞台を支えていました。

 

中堅下級生チーム・雑感

 

中堅下級生チームで一番目立っていたのは、ブラント(諏訪さき)が追い出されたことで侍従長に昇格していたホルク役の日和春磨でしょう。いわゆる小悪党役として生き生きと芝居していたと思います。出番の多さ的には学年的に順当なんですけれど、彼女もついにこういう役をやらせて貰えるようになって…と謎の感動がありました。しかもフィナーレの群舞では一瞬センターに‼︎こりゃービックリ、縣千の同期枠としてこれから重用されるのでしょうか?

逆に一禾あお、壮海はるまといった、いわゆる知名度の高い下級生チームの出番は渋かったですねぇ。基本は白峰ゆりの同僚である「役者」役で、一禾あおは目立つバイトとして他にも数役有り、という感じ。しかし冒頭の教師役をするには少し声が高過ぎる気が…。

そして花の105期生路線候補である紀城ゆりやが、ビミョーに美味しかったです。王宮の官吏の一人(役名:ベルンストッフ・アンドレアス・ピーター)ですが、たぶん年齢設定的に少し若いのでしょう、主人公たちの啓蒙主義的社会改革に同調してくれる役です。めちゃめちゃ目立つという訳ではないのですが、群衆の中で一人違うことをするため、ちょっとばかり目立ちます。メガネっ子ですし。

それから冒頭から登場している召使と男爵役に登板しているのが、雪組期待の下級生枠である白綺華&苑利香輝。特に白綺華は冒頭からソロ歌唱はあるので大抜擢ですね。さすが首席入団、とても安定していました。

あと、104期生のビジュアルクイーンである麻花すわんが、王宮の象徴として登場する三夫人の一人としてちょいちょい芝居しているのが見どころポイントでしょうか?

 

雪組キャスト陣の熱演に期待!!

 

以上、『海辺のストルーエンセ』感想でした。

いやーたくさん書いた。笑

雪組生の素晴らしい熱演が、無事千秋楽まで迎えられることを祈っています。

 

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コメント

  1. 五條 より:

    おおっ!白峰に陽があたるとは…配信見るのが楽しみです。

    100期の話になりますが。
    眞ノ宮活躍、キララ活躍、かりあんもそこそこ。あれ?羽織は?と思ってたら退団、という流れがあったもので。白峰もそろそろ退団なのかな、と感じてたんですよね。彼女見た目が派手な美人さんですし、残ってくれるといいなあ。もう95期がここまで残ってる組なんて雪だけですし、年齢考えると厳しいのもわかるのですが…