【業務連絡】前回の記事では温かいコメントをたくさんくださり、ありがとうございました。まさか皆様からそんな反応を頂けると全く予想しておらず、涙がちょちょ切れそうです。笑。しばらくはストック記事でお届けして参ります。
月組公演、さっそく観劇して参りました。
まずはレビュー作品『Deep Sea』の感想から書いていきます。
不思議な清涼感『Deep Sea』
「ダンスが不得手な月城かなとがラテンショー?」というのが演目発表時の第一印象だったのですが、蓋を開けてみたら素直に楽しめるレビュー作品でした。月城かなとはがっつり踊っていないけれど、他の月組メンバーがガシガシ踊るのでノープロブレム。最後まで飽きずに観劇出来ました。
不思議なのは、黒塗りラテンショーのはずなのに、全体を通してなぜか清涼感があったこと。その理由はたぶん2つあって、1つは血と汗の匂いが立ち込めるような中南米ではなく、海中が舞台、すなわちリゾート感が押し出されていたこと。暑苦しい熱波のようなノリでなく、気品が有ってゴージャス。それは今の月城かなと率いる月組だからこそ醸せる雰囲気なのかもしれません。そして2つ目は組体制の圧倒的な若さです。
確かにトップ娘役は五組で唯一の二桁生である海乃美月、さらに上級生2番手として研18の鳳月杏がいまだ君臨中にも関わらず、3番手は100期生の風間柚乃。しかも思いのほかバリバリ前に出ていて、歌うわ踊るわの大活躍ぶり。さらにその下に礼華はる&彩海せらが配され、こちらも驚くほどにプッシュモード。全体的に高齢化している今の宝塚において着々と世代交代を進めており、それがフレッシュ感に繋がったのかもしれません。
ちなみに、最近の稲葉先生お得意の若手ピックアップ場面であるS6「Groovy Grove」にて、そのセンターを務めたのが礼華&彩海なのですが、彩海は既に『Fire Fever!』で芯を取っていたので見慣れていますけど、礼華の謎の舞台掌握力には驚かされました。令和の時代では逆に目新しいスタイル特化の男役、素敵です。そしてこの選抜メンバーに個人的にビミョーに気になっている涼宮蘭奈が居てビックリ!!その他の男役メンバーが、礼華、彩海、柊木、瑠皇、彩路、七城、天つ風ですから、大抜擢でしょう。このメンツが月組期待の若手枠なんでしょうね。
もちろん上級生も大活躍で、本作で退団となる光月るう、千海華蘭などは目立つ場面がたくさんありました。副組長の白雪さち花も含めみんな歌ウマなので、出てくるだけで謎の安心感。月組の立役者たちの最後の花道にも要注目です。
恐るべし、海乃美月。
ちなみに、本作を通しての一番の感想は「海乃美月、強いな…」ということ。笑っちゃうくらい、最初から最後まで出ずっぱりでした。
冒頭ではトップ娘役として、続くS2「Cool Lady」では鳳月杏の相手役として人魚姫に、かと思いきや月城かなとの相手役として真珠の女神に、続く中詰めでも当然トップ娘役として活躍、フィナーレ前のS8「Mantle Energy」では蝋燭を持ちながら銀橋を渡ってレクイエムを捧げる…。唯一外れていたのは中詰め後のS7「Sanctuary」ですが、ここで月城かなとの相手を務めたのは女装した鳳月杏。凄くない?普通一場面くらい娘2格に譲るでしょうに。
そしてこれには大人の事情があって、月組は現在娘2格を彩みちると天紫珠李で綺麗に分割中。本来はその下の本命若手が出てくるべきなんでしょうけれど、ここが現在プッシュモードが落ち着いてしまったきよら羽龍のため、そもそもその枠を取れる人が不在状態なのです。そりゃ海乃美月の出番が増えるというもの。もしかしなくても海神って海乃美月のことなのでは…?とひっそり思ってしまいました。
とはいえスーパーダンサーとして月城かなとを上手くフォローしながら、自身もキラキラと発光しているあたりは、さすがの一言。ショースター不足の今の月組において、もしかしたら一番のショースターは彼女なのかもしれません。
踊らせない作戦・大成功中
前述の通り、本作には不思議な清涼感があって、稲葉先生らしいアクの強さは少し控えめ。月城かなとがおどけるコミカルな場面も有り、結果としてとても見やすいお気軽ラテンが完成した印象です。
月城かなと率いる月組の魅力は「大人っぽさ」かもしれませんが、返す刀でこういうノリの作品も出来るんだぞ、というのは強いですよね。全体的にザ・宝塚な持ち味のスターが多く、しかも実力も高安定維持なため、今の月組はまさに初心者向けの組なのかもしれません。
ちなみに、ジャズにラテンにと変化球レビューが続く月城かなと。激しいビートを横揺れで誤魔化しながら、次は東京を舞台にした栗田先生デビュー作品が控えていますので、劇団の「踊らせない作戦」は実に計画的に遂行されていて面白いです。
個人的には今の月組で野口先生のスペクタキュラーレビュー作品が見たいんですけど、やってくれませんかねぇ?過去作品を振り返るとトップが踊らなくても成立しそうですし、唯一月組でまだやっていませんから。ムーンキャッスルで繰り広げられる夜の舞踏会…とかありそうじゃないですか?(笑)ま、月城かなとは王道こそ一番だと思うので、そういうノリの作品は最後まで取っておくのかもしれません。
以上、レビュー感想編でした。
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コメント
月組公演の感想、笑いながら拝読しました。
確かに月組は、トップスターがダンスが苦手な方ですから。
ガンガン踊っているかのように見せかけて、実は横揺れだった!
「踊らせない作戦」はナイス️
一番踊っているのは海乃さんでしょうね(笑)
れいこさんが海乃さん意外の娘役さんと組んで欲しい。ショーの一場面で良いので。
ぱる君が急成長。彼女の魅力は、さて、どこかな?
長身でKポップ系アッサリ顔ですから。
ちょっとコッテリはあみちゃんですね。
二人が対照的だからショーで面白いことになるのです。
配信視聴組です。
そう言えばラテンショーだった 解説にもそう書いてあったし、袖・裾フリフリの衣装もあった。
基調色が青系だったせいもあるかと思いますが、爽やかでした。
月城&女役鳳月 は「珠ちゃんともやったのに、また?」と疑問だったのです。
本命娘2がいない!そういうことだったんですね、理解。
野口先生は良質なコメディを作れそうな気がします。
根拠薄いですけど。HiGH&LOWも見方を変えるとコメディにも思えて。
コメディ芝居がいいな。BADDYのような芝居仕立てのショーでもいい。
(なら、自分で先生に手紙でも書け!ですね)
でも根っこはショー作家なのでしょうね。
蒼汰様
ありがたいブログ、いざ書けないかも、知ると、有り難み?が増すというものです。これからもお願いします。
ちなつさんが、女装登板がやはり、男役中心であることの裏返しかなと思っていたのですが、蒼汰さんの意見を読んでいると、何だか、劇団はどうしても、娘役2番手、みたいな?はっきりした形を示さず、変に期待はさせないのが良策??と思えできました。
とは言っても、トップスターに無いもの、いかに輝かせるか、それによって、組む相手が決まるのかなぁ、何でもござれ、の鳳月さん、やっぱり好きです。海乃さんのダンスも特にドレス捌きが、ツボ。なんか愛の告白タイムになってしまいました。
いつも楽しく拝読しております。月組レビューの感想、同意することばかりでなんか嬉しかったです。
自分はCONGAみたいな熱いラテンショーが好きなので、爽やか過ぎるショーの開幕にこれ本当にラテン?と疑問に思いましたが、スターの見せ場が沢山あり初めての月組生観劇でしたが楽しめましたまあテーマ曲の雰囲気が某アンダーザシーと被っていたのは気のせいでしょう(笑)
あと礼華はるのスタイルの良さから舞台映えが凄いのにも脱帽で常に目で追ってしまいました。対極的に彩海せらは本当に細くて可憐な男役で良かったので、このニコイチは更に人気になりそうですね!
外からすみません。
文面を読ませていただきました。
れいこさんはトップになってから
好きになりましたが、納得かつ
全くもって同じ感想です。
Deap Sea舞踊団は本当に素晴らしいです!彼らのダンスは、まるで深海の生物たちが泳ぐかのように美しく、迫力があります。彼らの技術と創造性は驚くべきものであり、常に新しい驚きと感動を与えてくれます。良い感動されました。
蒼汰さんの1つ1つの意見に同感するばかりです。
「Deep Sea」というタイトルが発表された時に、
「これは『海』に引っ掛けて海乃美月退団か?」
と思ったりしましたが、どうしてどうして大活躍。最後のデュエットダンスも大階段上であまり動かないれいこに彼女が舞台を小走りに駆け寄って行ったり、投げ飛ばされて睨み返したり、とにかく大忙しでしたね。
個人的には礼華はる、彩海せら、天紫珠李の3人で銀橋、の場面が感慨深かったですし、私も全ツ以来注目の涼宮蘭奈の活躍も嬉しかったです。(先日スカステで挨拶してた素顔の彼女は話し方もすごく幼い感じで、今後がまだまだ見えませんが…)
ただ芝居に比べて瑠皇りあがあまり目立たなかったのは残念でした。