さて、お次は 『Lilacの夢路』の感想編です。
【前回のレビュー編はコチラ】
「蒼汰さんが観てどんな感想を抱くか楽しみ」というコメントを何度か頂き、
心して劇場に向かいました。
はい、噂に違わぬ(愛を込めて)クソっぷりでした。
私はトータル4回見たのですが、
2回目まではあまりのつまらなさに客席で呆れ返り、
3回目は「どうやったら面白くなるんだろう?」と赤ペン先生気分で見たら意外と楽しめ、
4回目で「やっぱりしょーもないな」という気持ちになって幕を閉じました。笑
個人的感想を綴って参ります。
支離滅裂な逸品
この作品を一言で表すなら、「支離滅裂」です。とにかくエピソードを詰め込み過ぎていて、しかもそれが物語の進行上全く必要のないものばかりで、起承転結が成立していません。謝先生はご自身の政治的思想を観客に押し付けるその前に、まずは一度「脚本の作り方」的な本をお読みになったらいかがでしょう?
そもそも、この作品は「5人兄弟が力を合わせて鉄道業を立ち上げる物語」という前提から始まっています。今年は宝塚の生みの親である小林一三氏の生誕150周年。そしてご存知、阪急東宝グループの始まりは鉄道事業ですから、なるほど、アニバーサリーイヤーに掛けながら会社を立ち上げるうえでの苦悩やアクシデンド、そこから生まれる人間模様が話の中心だと、普通の人なら思うはずです。
では、1時間半の上演時間の中で何が起きたかというと、令嬢を巡る長兄と次兄の三角関係、父の不義と隠し子騒動、女性に対する社会的抑圧、クリスマスから見える貧富の格差、愛らしい末弟の死、いまだ戦争第一主義の国家に対する批判、痴情のもつれの果ての銃殺騒動、そして魔女と呼ばれた女の悲哀…。ねえ、鉄道は?鉄道はどうした???半沢〇樹をやれとは言いませんけど、企業物語を描くならもっと色々あるでしょう?
唯一、資金難というのが企業経営におけるエピソードとして登場しましたけれど、その解決方法が「株式会社にしましょう!!」「さすが兄さん天才だ」で、どうカタルシスを感じろっちゅーねん!!!!!!!!ここから無駄に蛇足な展開が続いて、最後の大オチが「アクセサリーを売って稼ぐわ!!」って、それで融資や株式化以上の財源になるんですか???(正しくはアクセサリーへの資金投資とその見返りとして株の所持って話なんですけど、一見で分かりやすく説明出来てない時点で大減点です!!)これが謝先生が思いつく精一杯の起業物語なんでしょうね。差別的な表現ですけど、いかにも一般社会で勤めたことのない女性が想像する企業活動という感じで、私はげんなりしました。
一体何の物語?
もちろん、劇団オリジナル作品としてキャストを増やしたいという意図はよく分かります。けど、風呂敷を広げ過ぎて物語の展開や言葉選びのディテールがおざなり過ぎます。例えば「アントンは製鉄のスゴい技術を持っているのに仕事にありつけないの」の、スゴい技術ってあーた、小学生ですか?「アントンは子供のころに親を亡くして、生計を立てるために各地の工房を渡り歩いた腕効きの職人なの」とか、そういう言い回しが出来ないんですか?他にも、「兄さんは天才的な資質を持っていて、僕はずっと嫉妬していたんだ」って、日常会話で成り立つと思います?せめてその天才的な資質をちゃんと舞台で見せてくれないと、観客は納得出来ません。
さらに酷いのが、たぶん魔女たちが話していることこそ謝先生が一番伝えたいメッセージだと思われるんですけど…、あまりに高尚過ぎて私は4回聞いても言葉を理解することが出来ませんでした。それは「内容」でも「意味」でもなく、音として理解出来なかったという意味です。光と闇がどうだとか、自尊心がどうだとか…みんなちゃんと覚えてます?モノローグ手法は端的に分かりやすくが基本なんですよ。「私の正体が誰なのか、教えてあげましょう」「登場人物たちの行く末は?」とかマジでこっ恥ずかしくなるから辞めてくれ…!!
謝先生って、普段のエピソードを聞く限り竹を割ったようなサバサバとした性格の持ち主なのでしょう。「戦って負けるくらいなら逃げよう(from眩耀の谷 )」「ヴァイオリンがダメならアクセサリーを売ればいいじゃない」と、脚本からもその直情的な雰囲気は伝わりますし、それこそが彼女の人間的魅力であることも十分分かります。けど、それをそのまま脚本に反映してしまったら、ただ行き当たりバッタリなだけで、残念ながらエンタメではアウトです。せめて作品としての一定水準をクリアして貰わないと、頑張っている雪組生に対して酷過ぎます。それを劇団は校正を入れるなりチェックして欲しいし、このクオリテイを世に出すというなら謝先生は演出にだけ専念して頂きたいとしか申し上げられません。
キャラ萌えすら無い作品
で、4回見て私が考え至ったこの話の主題は、たぶん「分断」なんじゃなかろうかと思うのです。この世界には、男女の、兄弟の、貧富の、社会的地位の格差がある。だけど人々が融和した時、どんな困難にも立ち向かうことが出来る…的な(株式の話も本当は「賛同してくれる市民と力を合わせること」がミソなんじゃないかな?なので「株式にしましょう」の瞬間を際立たせるような演出は、私はミスだと思います)。だとしたら、というか一番最初に見た時からずっと不思議だったんですけど、なんで物語の重要人物かつ「分断」の象徴であろう不義の子=アントンを困難解決の一番最後の鍵にしなかったんでしょう?
例えばですよ、資金調達は上手くいったものの工場はハインドリヒが善意で雇った困窮者で溢れかえり、元々居た職人たちと衝突するようになってしまい、部品製造がストップ。危うく分裂しかけたところを、ハインドリヒとアントンが熱く説得を試みたことによりみんなの心が一つになり、そしてついに高度な技術を要する重要な部品を作ることに成功する…(めでたしめでたし)、とかさ。こんな素人でも思いつくような、分かりやすいカタルシスじゃダメだったんですかね?
これを踏まえ、私がもし演出家であれば、アントンはあんな子羊のような可愛らしい子ではなく、無骨でツンデレな職人系(『クラシコ・イタリアーノ』の北翔演じるマリオみたいな)にすると思います。自力で生計を立てるため腕を磨いた、職人としてのプライドと熱い心を持った、だけど他人を簡単には信用しない男。そんな彼が、ハインドリヒの思いに動かされて一肌脱ぐ、的な?とすれば三男ゲオルグとの妙なイチャイチャ(絶対謝先生狙ってたと思うなぁ…全く話題になってないけど)も踏まえ、キャラ萌えに繋がると思うんですけど、いかがでしょう?
考えれば考えるほど、末っ子の死、エリーゼの職業問題、いまだ争いを辞めない国家批判、アントンの血の繋がりなんかは、マジでいならい要素過ぎるし、その分もっと登場人物の心情描写を書き込んで欲しかったですね。本作は完全に登場人物の心理描写で魅せるのではなく、エピソードの羅列を見せられただけでしたから。
色んな意味で宝塚らしい逸品
最後に少しだけ褒めときます。笑
やはりダンスの場面は綺麗でしたし、衣装や視覚的演出が春めいていて良かったです、以上。
雪組ファンとしては、漫画→和物→中華と続く中で久しぶりの洋物でしたから見映えも良く楽しかったですし、下級生が目立つ使われ方をしていて良かったです。個人的には紗蘭令愛、蒼波黎也あたりのダンスピックアップが嬉しかったし、琴羽りりの「子供を奉公に出さなくっちゃ」のワンセリフだけで上手さが感じられたのは、さすがだなぁと親目線で感心してしまいました。笑
ま、物語性としてのクオリティより、ダンス場面を創出することで舞台上に何人乗せられるかを競うあたり、二昔(100周年)前の宝塚らしい作品と言えるかもしれません。つまり、良くも悪くも「古き宝塚を堪能出来る、究極の逸品」と評したいと思います。雪組&美穂さんは本当に本当にお疲れ様でした…。
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コメント
ヅカオタ歴が浅く、まだ理解が出来ていないのですが、何で宝塚って脚本と演出を分けないんですかね?
外部だと脚本家と演出家は普通別ですよね。
宝塚固有の制約が何かあるのか…まだ私は理解できていません。
もちろん両立出来る方は良いですが、両立出来ているといえる作品がここ数年で何本あるのか?(原作ものを除く)
両立出来ないなら分業した方が良いのではと、本作品で強く思いました。
私も雪組が好きなのですが、この作品は、観てて苦しかった。脚本がプロとは思えなかったです。
あまりにもご都合主義で、鉄道を作るという大変な事業を立ち上げるのに、ハインドリッヒが何をしたのかわからず、私からは魅力的に見えない。(彩風さんは蒼穹の昴は素晴らしかったです。したがって、演者の責任ではない。)
融資を得られず、「広大な土地を持っているからそれを売って資金を作ろう、だけど領民が困るようなところは売らないでおこう」って言葉では配慮しているようですが、通常、領民が農地として耕していないような土地は高価に売れないだろうと思います。使用されていない土地を売ったとすれば相当広大な土地を売らないとならないはずだけど・と思ってしまいました。
最後の最後、一人の女性が徹夜で作った鉄のジュエリーが売れて融資の補強になるって、どんな事業よ。町のみんながつけるジュエリーならばそんなに高くないでしょうし、一点が数百万円とかのジュエリーならば、みんなにいきわたらないでしょう。(そんなところで引っかかってしまった。)
仮に、資金を作るために領地を売ることを決意するのであれば、兄弟間で、もう少し苦悩して、頭を下げて領民に理解を求め、また、買ってくれる人を探してくるなどの場面が欲しい。
若いアントンがとてつもない技術力をもっていたというくだりも、蒼汰さんが書かれているような、それなりの性格の実力者を持ってこないと薄いと私も感じました。
エリーゼについていえば、終演後、小学生くらいの子どもがエリーゼはバイオリニストの夢はあきらめたの?と母親に聞いている声が聞こえてきました。都合よくジュエリー作家に転身か?それでよいのか?
ディートリンデ嬢もプライドだか何だか知らないが、脅すだけだったとはいえ、借金苦の人にピストルで狙わせるようなことをするって、人を犯罪者にしたのであり、(つまり、犯罪の教唆)駄目でしょ。
フランツとあんなに簡単に大団円というのには、ひっかかってしまう。彼女自身が働いてつくったお金ではなくて、金持ちの親にだしてもらったお金ですよね。せめて、彼女も何か汗水たらした働きをしたという設定にしてもらわないと、祝福し難い。
書き出すと、どんどん出てくるのですが、これくらいにしておきます。
装置(これはよかったと思います。)や衣装は素敵でしたし、魔女達については、あまり考えなくてよいので、美穂さんや娘役たちは歌が上手だなあと、見とれていました。歌とダンスは(正直言って、それぞれが効果的とは感じませんでしたが)、考えなくてよいので、その場面はほっとしました。
私の友人でミュージカルをよく見ている人に、この作品を観せたのですが、あらかじめ、「絶対に考えないでね。」とハードルを低くして置いたところ、「普通に面白かった。そんなにひどい作品ではなかったよ。」とのこと。私の方がひねくれているのかとも思いましたが、蒼汰さんの感想を読んで、そうだそうだと思ってしまった次第です。
繰り返しますが、私は雪組が好きですので、残念でした。劇団には校正をしていただくことを、ぜひお願いしたいです。
ライラック酷かったですね。。。
私は普段大野先生、石田先生、齋藤先生あたりにもよく文句を言ってしまうのですが、ベテラン演出家の皆さんはあくまである一定ラインは超えた上で作品を出しているんだなと知りました。(もちろん好みの問題はありますけど)
ストーリーの支離滅裂さはまあ宝塚のあるあるで片付けられるレベルだと思えなくもないですが、個人的には台詞の文章が意味分からなすぎて普通に分かる言葉喋ってくれないか、、となってしまいました。本当に振付演出に専念してほしいですね。。。
3年目に突入したばかりのライトファンです。
新人公演を含め3回観ましたが、雪組生と美穂圭子さんが気の毒だなぁ、と思っていたのは私だけじゃなかったんだとホッとしてます。
ウエクミさん作品がきっかけで宝塚を見るようになってので、この落差をどう考えたらよいのやら…、と戸惑ってました。
トンチキ系の楽しみ方を伝授いただき、ありがとうございます。
いつも楽しく、拝見しております。
毎回ではありますが、今回の記事にもまた、学ばせていただき、気持ちがすっきりしております。
歌とダンスで展開にスピード感を与え(?)、この筋書きでゆくんだと、強引(!)に推し進めたのは、謝先生。
花香る季節に宝塚で観劇した時よりは、今日の東宝大千秋楽の配信で、うっかり眠らずに観ていられたのは、敷かれたレールを、雪組生の丁寧な役作り、お芝居あってこそ、なのかもしれません…。
いっそ、脚本を一般公募して、大賞や優秀作を演出家先生が請け負い、公演するなりすれば、路が拓けたりする、かもです。
夢ものがたり、です。
(雪組生の金髪、茶髪、衣裳、よく似合っていて魅力的でした)
あまりにもトンチキすぎてツッコミどころが多いので、最後は笑いを堪えながら見ていました。
個人的には少女漫画と夢小説とBL漫画を足して割らなかったようなフィクションさ(?)があって逆に2回目以降は楽しめました。(1回目はうとうとしていた)
ラストのシーンで十分考えられるんですよね
彩風×夢白、朝美×野々花は少女漫画
和希(と華世)は夢小説
一禾×縣はBLであり得そうだなぁ…と(もちろん兄弟それぞれの夢小説があっても面白いと思いますが)
なんだか思考が狂っているとは思うのですが、逆にそこ以外考えていて面白いところが見つからないぐらいつまらなかったですね。あとは雪組生の顔面を見て暇つぶし。舞台装置と衣装もよかったのでそれで誤魔化された感あります。
次の生田先生の新作…まぁ今回ほどにはならないようにと思いたいですね。
辛辣っ!でも完全同意です。もう謝氏は脚本書かないほうがいいですね。
逆に、雰囲気は良かっただけにショーの演出家やったらいいんじゃねえの?そっちも足りてないから、と思いました。部分部分の煌びやかさはなかなか大したもんでしたし。
流石に劇団にも感想届いているといいんですけどねえ…。どうかな。
特に女性の権利がーみたいなくだりはクラクラしましたね。お前それ宝塚で言うか?とw
宝塚歌劇団はどう足掻いても男性は出れないのだから、ある意味女性の権利を主張するには世界中で最も適さない劇団と言えます。こんなに女性が尊重されている劇団ないでしょう。
そこで超ありがちな女性の権利が云々…マジで?大丈夫?今ご自身がどこにいるかわかってる?って感じで。
蒼汰様
いつも楽しみに拝読しております。ライビュ専科の地方民です。
全文同意です。わたくしの抱いていたもやもやを言語化してくださりありがとうございます。
謝先生が本作のインスピレーションを得られたという新書を拝読しましたが、「分断していたドイツ諸領邦を真に統合させたのは、戦争の勝敗ではなく、鉄道であった」というテーマの論文集でした。
なぜ、文学ではなく、歴史学・経済学の範疇の書籍を、宝塚歌劇の元ネタにしようとしたのか?三谷幸喜さんでも料理が大変そうなネタに手を出して、技術不足で手も足も出ずに、素材のぶつ切りをお皿に乗せて客に出したような代物ですよ。
魔女のモノローグだけでなく、登場人物が言っていることも、ことごとく綺麗ごとのお説教を聞かされているようで、「血の通った思い」に聞こえなかったです。
謝先生も、OL経験は無いのかもしれませんが、舞台創作の現場ではチケット販売やらキャスティングやら、一般企業の社員では経験できない泥沼をはいつくばって生きてきた方だと思うのです。でもその経験を脚本執筆に生かせないのであれば、振り付けや柴田作品の再演の演出に専念されたほうがよろしいかと思います。
ライラックについては、かなりもやもや脚本でしたが、ロジカルに解説・言語化くださって、ありがとうございます。
個人的には、5人兄弟の並び(特に彩風、和希、一禾、華世)と、別の立場のアントン(縣)という構図も既視感が強く、蒼穹の昴で見たことあるやつ…と残念に思いました。
貴重なスーツものの1作、本当に衣装とダンスばかりを眺めていたので、次回は雪組生の魅力が生かされた作品を、と願うばかりです。
いつも楽しみに読ませていただいています。
ライラック夢路 ツッコミどころ満載ですね。
蒼汰さまのご意見にほぼ同意です。
宝塚での公演を主に、今回の東京千秋楽の配信を見ました。
舞台のセットや照明が素晴らしくて お衣装も華やかで もったいないなあ、つくづく思います。
天井の高い 大きな窓と 階段のある居間、部屋の窓から ライラックの咲く庭に続いていて。階段が色々な場所につながり、広がっていく。
照明が 登場人物の心情にあわせて 舞台の上手から下手に色合いを変えて染まっていく。
美しい舞台なのに。
心臓の弱いこの頃の女性が5人もの子どもを産むことができたとか、ユンカーと呼ばれる貴族のお屋敷なのに執事もメイドもほぼいなくて、早くに亡くなった母親や父親の代理となる親族も見かけず。
主人公の恋愛はあっという間に成就するけれど、身分違いの恋とはならず。
次男の恋は相手の自尊心ゆえに終わったはずなのに、兄の恋人のおせっかいであっさり復縁。
腹違いの弟を探していた三男が話をしている途中で、長男が「アントン」と先に名前を言ってしまう。え?知ってた?
台詞を聞く度に、突っ込んでいました。
鉄のアクセサリーがその頃のドイツでは貴重なものだったとか、ドイツの関税同盟とか、自分で調べてみてわかったこともありましたが、やっぱりそれだけでは、舞台を見て納得できなかったことがあります。
謝珠栄さんの、天翔る風とか、大好きだったので、もっと物語の芯になるところに ぶれない大切なものを作ってもらえたらと 思いました。
私も「盛り上がりに欠ける」「何が言いたいのか分からん」「台詞がださい」と思っていたのですが…ライブ配信を少し離れて観ていた大学生の息子が『曲がいいね』『演出がおしゃれだね』と…え、えっ?!
私は観劇歴30年くらい、息子は数回。もしかして、宝塚をそれほど見慣れていない人には、悪くない作品なのかもしれません。
いや、私の見方がむしろ古いのか…?とちょっと疑い始めました(笑)
これからはできるだけ新鮮な気持ちで観劇してみようと思います。
蒼汰様
宝塚には番手やスター序列があるから、大変なのかな。と一応納得させてはみましたが、蒼汰さんの感想を読んで、でしょ〜、と同意します。題材も人物の衣装やそれぞれ単体では魅力があるのに、残念です。
何としても路線スターを目立たせる作戦だったかもしれませんが、モブにも使命があり、モブとしてと見せ場があるのが海外ミュージカル。
路線スターをモブの中に入れていたとしても、あの人誰?と発掘することも楽しみの一つ。
伝えたいことは多くても、1作品に詰め込みすぎると、まとまらないのかと。新人の作品なら、次回期待してますと、応援しますけど‥、何とも複雑な心境です。
いつも楽しみに拝見してます。ライラックの夢路の感想すごいお待ちしてました(笑)私も何故か3回も見る機会に恵まれてしまったのですが、1回目の観劇後に「メタルのアクセサリーで投資資金不足の穴を埋めれるわけないだろ!鉄道舐めるな!」とツレにキレ気味にコメントしたら、お隣の席のお姉さまに爆笑されてしまいました汗。脚本は酷いなぁ、早くショー始まらないかなぁとの思いで一杯でしたが、華世京くんの研4とは思えない推されぶり&期待に応えぶりと夢白あやの綺麗さで何とかプラマイゼロに無理やりしてました(笑)。正直謝先生とこの脚本を許した宝塚幹部(親会社は鉄道だよ?)に猛省を促したいですね。駄文失礼しました。
そろって貶してらっしゃるところ、空気読まないようで申し訳ないんですけど、私はこの作品気に入っております(笑)
漫画や小説や映画の原作があったり、海外ミュのお墨付きがあると理解しやすくてそれなりの評価は間違いないところ、そもそもはじめから不安視されていた謝珠栄先生作演出、振付だけやっとけよ、という意見も大多数。
かたや、興味を持ってはじめて宝塚を観た人や、比較的ライトファンの楽しかったと言う感想も直接間接、聞いています。
どちらかと言うとこだわりのある歴の長い方の方が拒否反応が強めな印象もあります。
感性や好みの違いがあり、中には楽しかったという感想をお持ちの観客も少なからずいて、自分が気に入らないから駄作、二度と演出に携わるなでは、座付き演出家が育たず、結局110周年だというのに小池、正塚、植爺…御大にいつまでも頼らなくてはならなくなるように思います。
管理人の意見に異論があればわざわざここで言わなくてもスルーすべきかな、とも思いましたが、あえて、こんな意見もありますと言うのを述べさせていただきました。
お気にさわったら申し訳ございません。
コメントありがとうございます!
人の好みは千差万別色々ありますから、もちろん本作を好きだという方がいることも分かりますし、その気持ちは是非大事にして欲しいと思うところなのです、が。謝先生って結構なベテランですよね?しかも演出家の頭数が足らないからこそ、劇団が急遽オファーしてるような気配がする(逆裁の鈴木先生しかり)采配っぽいので、今更「育たない」っつーのはどうなんでしょう?
個人的にはELPIDIOは楽しめたんですけど、先生の思想感の強さはどうにも気になるところでして、それを収めずちゃんと「万人受け」との両立を図る気が無いなら、正直私はノーサンキューですね。
masaさま
わざわざ管理人さまから返信いただけるとは思いませんでした。
ありがとうございます。
万人受けとの両立を図る…については、私もそう思います。
商業演劇ですから、観客の満足度は大事。
そこを理解せずひとりよがりの作品は私もノーサンキューです。
育つについては、私の言葉足らずですが、謝先生個人についてではなく、一般的な話のつもりでした。
謝先生にしろ小柳先生にしろ、すでにご自分の世界観や手法をお持ちのベテランだと思っています。
以上を踏まえて、『Lilac』については賛否両論あり、おっしゃる万人の測定方法が分かりませんが、直接間接得た反応から、それなりに多くの観客から満足度が得られている作品だったと、私は思っています。
謝珠栄先生、また、これからの時代を担う新進の演出家の活躍をこれからも期待しています。
遅ればせながらコメントします。私はこの作品、嫌いじゃ無かったです。入り切らなかった部分は予想して下さい。的な作品だったなと今更ながら思います。どうも謝先生は風呂敷をひろげて尺の問題で描ききれなくてごめんなさいな作品が多いように思います。本来なら1本立ての作品だったかもしれません。結果、ファンが見たいだろう部分だけ見せてみた。のように感じました。前に蒼汰様が正塚先生の作品を誉めてらっしゃいました。私が宝塚を知った時は「テンダーグリーン」を大劇場で公演して賛否両論激しかったと記憶しています。新しい作風でしたのでちょっとした革命児の印象あります。そこから男のロマンやテロに関してお考えをお持ちのようで良く取り入れて賛否両論になったようですが、10年以上前の作品になりますが、みずさんの退団公演「ロジェ」や「はじめて愛した」は私は好きな作品です。ちなみに「愛するには短すぎる」は私はまだ見たことがないので楽しみにしております。すごく謝先生に怒ってらっしゃるようでしたのでこちらを楽しみにこの猛暑を乗り切って参りましょう!!
入り切らなかった部分は予想して下さい、って計算してやれてれば良いんですけど、たぶんただ技術的にまとめられてないだけのような…。もちろん色んな経験を踏まえ、評価されるような作品をぜひ生み出して欲しいと応援しています。