綾凰華の退団発表に思う

 

いやあああああああああああああああああああ!!

 

という声が出てしまう第一報でした。

雪組公演『夢介千両みやげ』にて

98期生の綾凰華が退団するとの発表がありました。

 

綾凰華・退団発表に驚く

 

誤解を恐れずに言うならば、

綾凰華は相当なラッキーボーイだったと思います。

 

星組に配属後、同期である天華えまと競合してしまい、

新公主演学年中に雪組へと組替え。

 

強い同期に飲まれたまま消えていくタカラジェンヌも多い中、

細い糸を手繰り寄せたその先に待っていたのは、超人気組たる雪組でした。

 

望海風斗のお披露目公演である『ひかりふる路』と

大作たる『ファントム』で2度新公主演を果たし、

縣千の風除け登板でありながら着々と番手を上げ、

彩風咲奈新政権下では暫定3番手にまで昇格。

 

もちろん、本人の努力の甲斐もあってですが、

全ツ『ヴェネチアの紋章』では全ツ2番手、

『CITY HUNTER』では本公演ポスターにまでインと、

他の98期生路線チームに比べても破格の扱いを受けることになります。

 

だがしかし、和希そらの雪組への組替えが決まり、

自分の直下にいた縣千もバウ単独主演が決まった。

 

このまま暫定3番から一気に5番手にまで降格してしまうの?本当に?

と思っていた矢先での、今回の退団発表。

 

引き際という意味では、実に美し過ぎる瞬間だと言えますが、

うーむ、やっぱり勿体ないよなぁ。

このまま残っていたらポスト彩凪翔的な別格枠として、

美味しく使われるifがあったかもしれないのに。

 

また、もしかしたら大餞別があったかもしれない、

『ODYSSEY』が中止になってしまったことも地味に痛い…。

 

とはいえこれは、私が勝手に思っている「勿体ない」であって、

本人の中では何か納得があっての退団への決意なのでしょう。

 

「惜しまれるうちが花」という言葉があるように、

今この瞬間こそが、彼女にとって宝塚を去る時なのだなと思うと、

本人の意思を尊重したいという気持ちが沸き上がります。

 

どうか最後の瞬間まで、彼女らしくいられますように。

 

綾凰華の思い出語り

 

ここからは個人的な思い出語りです。

綾凰華で思い出すのは、やはり『SUPER VOYAGER!』ですかね。

 

私が大人になって久しぶりに見た宝塚は星組公演の『こうもり』ですが、

本格的にハマったきっかけが雪組公演の『ひかりふる路/SUPER VOYAGER!』。

そう、綾凰華が雪組合流した1作目の公演です。

なので不思議な同志感、みたいなものを勝手に抱いていたりします。笑

 

確かこの作品には組替えご祝儀で、綾凰華には相当な見せ場があったはず。

その中の一つが、いわゆるロケットガールだったのですが、

当時の私にはただの娘役の一人にしか見えず。

 

スカステで放送された際に見返した時も、

正直まだ顔が認識出来ておらず、「これが綾凰華?」という感じだったのに、

いまやどっからどう見ても綾凰華にしか見えなくなったあたり、

自分がいかに宝塚の沼に深く足を踏み入れているかを自覚してしまいます。

 

望海風斗政権化の路線陣は、全体的に圧強めなスターが多かった中、

綾凰華には独特な清涼感や優美さがありましたよね。

 

大野千秋、ニック、ルドルフ大公、マルコ、槇村秀幸。

どれもこれも、荒涼とした舞台の中に灯る小さな火のような温かさがあり、

見ていてやすらぎを覚えたものでした。

 

そして98期トリオね。

このブログをご覧になっている方は薄々お気づきかと思いますが、

私は相当な3人組フェチ(御三家だのスリートップだの)なわけでして、

その中でも望海風斗時代の98期、99期トリオが大のお気に入りだったりします。

 

99期トリオ、つまり諏訪さき、野々花ひまり、彩みちるは、

みんなが優等生的なしっかりもので、

きちんと団結しているパワーが感じられるところが素敵だと思っていましたが、

98期トリオはいい意味でバラッバラで、

協調性とか無さそうなのが良かったですよね。笑

(この色の違いが一番よく表れているのが、ザ・宝塚雪組特集の学年ページですよ!!)

 

快活な真彩希帆、バナナ大好きマイペースな星南のぞみ、

それを後ろからフフフと見守る綾凰華、という組み合わせが実に面白かったし、

真彩、星南の美女2人を引き連れてセンターでドヤっていても

きちんと絵になる綾凰華は本当に素敵だと思っていました。

 

結果的に真彩希帆を見送り、星南のぞみを見送り、

そして98期最後の一人として去っていくことになる綾凰華。

うーむ、実によく出来た物語だなと思うと同時に、

どうか何事もなく、千秋楽の日が迎えられることを今から祈っております。

 

『夢介千両みやげ』の配役は?

 

蛇足ですが、星組から雪組への組替えが決まっている咲城けい。

流れが完全に綾凰華と同じやん被ってるやんけ、と思っていた矢先に、

今回の退団発表の報を聞き、なるほどな、と思ってしまったのでした。

やはり宝塚人事は後で見返すと点と点がしっかり結ばれていて面白い。

 

ところで、退団者の発表があったのに、

『夢介千両みやげ』の配役は発表になりませんねぇ。

 

こりゃ劇団内部はコロナの影響で相当混乱しているのかもしれません。

早く何事もなく舞台を楽しめる日が戻ってくるといいなぁ。

 

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コメント

  1. 五條 より:

    和希そらの移動&縣バウで挟むって、あやなに辞めろ言うてるようなもんやんけ!…と妻が劇団に対して怒り狂っております。5番手に落ちてでもそれでも粘れば、一度くらいバウやれる未来もあった、かもしれませんね。もしくは2度の新公で歌に希望が見出せればもしくは…いや言うますまい。

    真彩が卒業、その次で星南が卒業、で次が綾、次々と1人づつ98期が卒業。妙に綺麗ですが、結構前から決まってたのかもしれませんね。本人納得ずくの上での卒業であることを望みます。

  2. こんちゃん より:

    蒼汰様

    いつも楽しみに拝読しております。ライビュ専科の地方民です。

    中止となった「オデッセイ」、たとえ後日再出航したとしても、野口先生が綾さんに宛てて書いた芸名歌いこみソングは、日の目をみることは無いのですね。

    幻の公演のパンフレットに、綾さんへ宛てた歌詞は掲載されているのでしょうか?そこがわからなくて、自分のブログで芸名歌いこみポエムを書いたりして気を紛らわせました。何か楽しいことを考えて気をそらしていないと、心がどうにもしんどくて。

    それでも、船は、綾凰華号は行く。ファンのみんなで、それぞれの舟歌を心で歌って見送りましょう。

  3. カフェラテ より:

    衝撃の発表でしたね。
    23時の今も、Twitterのトレンドに、「あやなちゃん」が入っています。
    今は、入り出もお茶会もないため、本人から理由をきく機会もなく、ファンの方は、なかなか気持ちの整理がつかないと思います。
    私も、決断されたご本人の想いを尊重したいと思いますが、彩風さん朝美さんのブリリアントドリームなどスカイステージの番組を見ていて、爽やかで優しくて、可愛らしい雰囲気の綾凰華さんが、大好きだったので、淋しいです。

  4. AKIRA より:

    出世レース厳しいすね!
     綾さんは正直地味な印象でしたが、別格枠で生き残っていけばそれなりのポジションが与えられると思っていましたが。。。やはり和希さんや咲城さんの異動が大きかったのですかね。そもそも各組40人枠の中で、トップを頂点としたピラミッド型の新陳代謝は必要不可欠という事でしょうね。綾さんの新しい船出にエールを送ります。

  5. こころ夫人 より:

    いつも楽しく、拝見しております。
    そうゆうこと、だったんだなぁ、と、また寂しくなるなぁ、との感想です。
    雪組に組替え後、「ファントム」の新公主演抜擢には、驚きました。が、大劇場で舞台を観たときに、歌唱云々よりも気持ちが、感情が、こちらに伝わり、素敵な役者さんだな、と実感。
    「夢介~」で、和物の綾さんを存分に魅せてくださるでしょう。最後まで、見守りたいです。

  6. ねこまさ より:

    トップになれなさそうだからと早めに退団を選ぶ人もいるかもしれない。

    でも、試験対策+音高+新人公演時代と10年以上も歌劇優先生活だったろうから、
    路線落ちというだけで早期退団は無いと思うし、
    劇団もあやなと契約しないと判断するには早すぎると思う。

    だから本人はやりきった感があるんだと推察する。

    和希そらの組替えは影響したかもしれないし、
    逆に、あやなの退団があったから和希と咲城けいを回したかもしれない。

  7. 12がつ より:

    驚きました!
    状況を考えれば、想像できなくはないけど…
    皆さんおっしゃるように、彩凪翔さんのような別格的なポジションで残っていくのかなと思っていましたから…
    でも以前書かれていたと思うんですが、タカラジェンヌとしての人生だけでなく、ご本人としての人生もあるので、コロナで身動きが取れない今のような状況では卒業を選んで自由に活動する方が活躍の場が拡がるのかもしれないなと思ったり…
    宝塚ファンとしては残念ですけど、OGの方がSNSで近況が伝えられたりして正直うらやましく感じることもあります。

  8. orange芋 より:

    綾さんは地元宝塚のご出身で高校も地元なので特別な思いで応援していました。
    私は「ひかりふる路」で宝塚沼に落ちた人間ですが、SUPER VOYAGER!で、このスタイルのいい人は誰!?と目を奪われました。

    ご贔屓とはまた違った思いでずっと応援していました。
    なので今回の報せには本当にショックで悲しくて。全然思ってもいなかったので一日落ち込んでいました。
    和希そらさんも縣さんも好きなので(まぁ、みんな好き)、綾さんが間に挟まってどんな気持ちでいるかなど全く考えもつかなかった。

    スカステの雪組98期の真彩さん・星南さんとパーソナルカラーを調べてもらう回は本当に好きで何度も見ました。

    もうこうやって発表もあったことなので綾さんのご決断を尊重して今後も活躍される場を見れたらいいなぁと思います。

  9. Kz より:

    わたしも発表を見てひぇええ!と声を上げた1人です。
    ただ、実は最近もしかして終わりが近いのかなと彼女の発言から感じていました。
    今月号の宝塚グラフで同期がいなくなってはじめての演目で学年の近い生徒さんが優しくしてくれるけど寂しくなって星南さんに連絡しちゃいましたとの綾さんのコメントが。
    基本的に生徒の皆さんは誌面では前向きなコメントをされるのでこれには何かあったかなと少し驚きました。

    彩凪さんは何かのインタビューで望海さんの時代になる前から退団を考えていたと話していましたし、沙月さんは望海さんがいたから思いの外長く在籍した、望海さんのいない雪組に自分がいることは考えられず一緒に退団するか見送るか非常に悩んだとインスタに投稿されてました。
    立場と同期と綾さんにとっては昨年非常に大きな分岐点だったかと思います。
    正直ファンの皆さんの心の内を考えるとうまく言葉が出てこないのですが、彼女が悔いなく最後の日まで休演なく走り抜けられますように。

  10. 真風の女S より:

    蒼汰さん、こんばんは。
    あやなちゃんの退団、とても寂しく思った1人です。キラキラな笑顔、あふれ出る舞台上でのオーラ、色気、唯一無二の男役さんです。
    コメントされている方がいらっしゃるように、私も、あやなちゃんの退団が決まっていたからこその、そらくん、けいくん異動なんだと思いました。

    物静かで、しっかり考えられる方にお見受けしますので、きっと彼女がタカラジェンヌ人生かけて選んだタイミングが今だったのだろうと、思っています。

    とても儚くて、彼女らしい幕引きに感じます。あと数ヶ月ですが、あやなちゃんを最後まで見守りたいと思います。