舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』アルバス×スコーピウスのキャスト感想/藤田悠・福山康平・門田宗大・渡邉聖斗

 

現在上演中の舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』ですが、

管理人とどハマリ過ぎて、全部で4回観に行きました。笑

 

なぜ、そんなに観に行ったかというと、

アルバス×スコーピウスの全組み合わせを制覇したかったから。

(藤田悠・福山康平×門田宗大・渡邉聖斗の4パターン)

 

外部公演の役替わりを初めて見ましたけど、

やはり演じる人間によって

内容も全然違ったもののように感じられて面白いですね。

 

本日はそんな、アルバス×スコーピウスについて、

私たちの情感たっぷりに感想を書いていきたいと思います。

 

※一部ネタバレしていますのでご注意下さい。

 

【全体感想はコチラ】

 

藤田悠と福山康平・門田宗大と渡邉聖斗の違い

 

アルバス演じる藤田悠君(ロンドン生まれの慶應ボーイ!!)は本作がデビュー作らしく、実に瑞々しくフレッシュに演じています。一方の福山康平君は、2015年の映画デビューに始まり、ドラマに舞台にと一定の活動歴が有る模様。よってある種プロに徹してアルバスを演じているように見えました。その結果、何が違ったように見えたかと言えば、藤田アルバスは彼が主人公に見え、福山アルバスはハリーが主人公で、あくまで登場人物の1人のように見えた、ということです。そしてそのアルバス像も微妙に違っていて、藤田アルバスは「陽キャに憧れてるのに素直になれない反抗期中二病」で、福山アルバスは「正真正銘の陰キャくん」という印象でした。私は最初、この作品を見た時に「アルバスが主人公」の「上質なBL」と評しましたが、それは藤田アルバスが持つ圧倒的主人公感と、圧倒的受け臭が原因だったようです。笑

そしてスコーピウスを演じた門田宗大君渡邉聖斗君ですが、これまた全く違うスコーピウス像で面白いです。そもそも本人たちの持ち味も、門田君は声が高めで薄顔、渡邉君は彫り深めな顔で低音ボイスと真逆。これにより、門田スコーピウスは中学野球部のような爽やかさがありながら、藤田アルバスと同じく本当は陽キャに憧れながらも境遇がゆえにカースト最下位に据え置かれたように見え、渡邉スコーピウスはオタクチームの中でも妙に面白いことを言えて、ウェイチームとも仲良くなれるような社交性があるタイプのように見えました。

これら絶妙に違う持ち味を持ったアルバスとスコーピウスだからこそ、毎回違った楽しさを感じることが出来ました。これぞダブルキャストの醍醐味ですね。

 

アルバス×スコーピウス論

 

では、ここから4種類のアルバス×スコーピウス像について語っていきます。

 

藤田アルバス×門田スコーピウス

 

私たちが一番最初に見た組み合わせ、そして最もBL濃度が高く見える組み合わせでした。2人とも、根が陽キャ(に憧れているけど境遇がそうさせてくれない不条理)ないじめられっ子属性がゆえに、共鳴し合い、一緒に過ごし、そして互いに大切な存在になっていく、という流れが実に自然に見えたのです。そして4回見て感じたのは、愛の重さがアルバス→スコーピウスなのが特徴的かもしれません。あまり魔法使いの少年たちのようには見えませんけど、ノープロブレム。だってこの世界は、そして世界の危機は、この2人を結びつけるためにあるのだから!!と拳を突き上げたくなるくらい、体育会系で距離近めな爽やか学園BLでした。笑

 

福山アルバス×渡邉スコーピウス

 

この組み合わせは、逆に最もBL濃度が低い組み合わせのように見えました。2人とも彫りが深くて声も低いから、いわゆる「作画が合っている」という印象で、まさに洋画のような世界観。陰キャ×陰キャのコンビがゆえに、本当に救いようがない程のいじめられっ子で、そりゃあぶれ者コンビとして対になるよな、というのが納得出来てしまう感じ。そして2人とも全編通して影が薄く、これにより本作は「ハリー・ポッターが主人公の物語」という大前提が色濃く前に出ているように感じました。なのでハリーこそ主人公!!というハリー原理主義の方にとっては、一番理想的な組み合わせかもしれません。

 

藤田アルバス×渡邉スコーピウス

 

意外な化学反応を見せてくれたのがこのコンビ。陽キャに憧れる藤田アルバスと、陰キャ属性なのに陽キャとも上手くやれる系の渡邉スコーピウスが組み合わさるとどうなるか。はい、これまた学園BLの出来上がりです。笑。印象的なのは、この組み合わせだとアルバス←スコーピウスに見えること。たぶん、このスコーピウスは相当な変態くんですね、偏執的な愛をアルバスに傾けそうで面白いです(by管理人)。また、門田スコーピウスとだと青春一直線で全力で駆け抜けちゃう藤田アルバスが、落ち着き払ってる渡邉スコーピウスと組み合わさることで少しセーブがかかり、作品が持つダークな世界観が前に出てくるのも印象的でした。

 

福山アルバス×門田スコーピウス

 

この組み合わせが、良い意味で一番「普通」なコンビだったように思います。ハリーの物語でありながらアルバスの物語でもあり、魔法冒険譚でありながら青春群像劇でもあり、BL過ぎず、モブ過ぎず、というナイスな塩梅。たぶん、根暗な福山アルバスを、爽やか門田スコーピウスが明るい世界に引っ張っているようで、けど振り回しているのは福山アルバス、という互い違いな関係性がそう見せているのだと思います。あくまで良き友情としての少年たちの冒険譚の中に、ふと香るBLの気配…という、なんだかジャンプアン〇ロジーな世界観でした。

 

デルフィー論(岩田華伶×宝意紗友莉)

 

最後に、もう一人の重要人物であり、アルバスとちょっとイイ感じになるデルフィー(岩田華怜・宝意紗友莉)について。彼女もすっごくイイキャラ大好きなんですけど、これまたダブルキャストがゆえに全く違うデルフィー像で面白かったです。もちろんカップル萌えする私たちとしては、ちゃーんと藤田&福山アルバスとの4パターンになるよう見に行ってきました。笑

 

※ここから少しネタバレします。

 

一言で表すと、岩田デルフィーは「歪」で、宝意デルフィーは「闇」というイメージでしょうか。例えば初めて彼女が登場するポッター家の場面、宝意デルフィーは幽霊のように闇からヌッと現れて近づいた感じがしたのに対し、岩田デルフィーはありふれた男女の出会いのように見え、それは裏を返すと計算高くアルバスに近づいたような印象を持ちました。また、アルバスとの関係も、岩田デルフィーとは本当にときめいた瞬間があった(つまり心で誑かした)気がしたのに対し、宝意デルフィーはそれすらも最初から魔法の一つで心を操っていたように私には見えたのでした。

宝塚ファンとしては男女の「並び」が非常に気になるポイントなのですが、結果として嗜虐心が煽られる藤田アルバスとは岩田デルフィーがお似合いで、福山アルバスと宝意デルフィーは同じ闇属性同士共鳴し合う様が似合って見えたかなと思います。もちろんそれぞれの良さがあるんですが、私の好みの話でってことで。

 

これから気になること

 

そして、ななんと、現在嘆きのマートルで大活躍中の美山加恋が、6~7月中のみデルフィー役に登板する模様。むむむ、それは絶対見たいぞ!!なのに全然キャスト一覧が更新されないぞ!!はよ教えてくれー。

ってことで、我が家もハリー・ポッター熱はまだまだ冷めなそうです。

 

☆★☆★☆

ランキング参加始めました!!

ぜひポチっとお願いします↓↓

にほんブログ村 演劇・ダンスブログ 宝塚歌劇団へ
にほんブログ村

コメント

  1. まんだはん より:

    私は途中降板された斉藤莉生さんのスコーピウスしか観劇していないんですが、全キャストで一番印象に残るくらい愛おしいスコーピウスでした。
    降板は残念でしたがロングラン公演にはトラブルが付き物なので難しいものですね。
    もし観劇されてたら彼の感想についても教えてもらえると嬉しいです。

    • 蒼汰 蒼汰 より:

      残念ながら見られてないんです…評判良かったみたいですし一度くらい拝見したかった…。

  2. くろねこ より:

    いつも宝塚のブログ拝見しております。
    私は関東住みではないのでなかなか観劇に行けず、先日宝塚関連で東京に行った際にようやく観劇できました。
    「呪いの子」は未読で行った為驚きのストーリー展開に舞台演出にめちゃくちゃ面白くてハリポタ好きとしても大満足だったのですが、何よりアルバスとスコーピウスの2人ぼっち感、お互いの大切さと距離の近さに「えっめっちゃBLやん」と衝撃を受けました。
    ブログを見て納得、自分が見たのは藤田さんと門田さんのアルバスとスコーピウスでした(笑)。
    男女でも同性でもカプ萌え大好きなので大変素晴らしいものを見れてラッキーでしたし、蒼汰さんのブログで他の組み合わせも気になりました。また機会があれば見たいですね。

    • 蒼汰 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます!!
      私も初見が藤田門田コンビだったので、あまりのBL具合に度肝を抜かれました。笑
      けど、本作は男女のカプ萌えも良きですよね!!デルフィーとの関係性も4組4様で面白かったです。
      ぜひぜひ、機会がありましたら別のバージョンも見てみて下さい!!

  3. May より:

    なるほどー!!自分は福山門田コンビ+岩田回で観たので、一番大切な人!とか言っていても不思議とBLみはそこまで感じなかったのですよね…蒼汰様、アン◯ロジーとかおっしゃってしまわれるのですね(ニヤリ)。
    一緒に観た配偶者は「なんかすごいBLじゃない?」と言っていましたよ笑
    観劇しながらこう、親子の確執…某ジャンプのヒーロー作品のようだ…と思いを馳せてしまったので、ジャンプを例にとられるととても頷いてしまいました。
    いい作品ですよね。ロンドンでも観ておけば良かったな…チケットなかなか取れなかったのが悔やまれます。

  4. じゃにー より:

    ちょうど昨晩、藤田アルバス×渡邉スコーピウスを観劇したばかり(昨夏見るはずがコロナで公演中止(雪組ODYSSEY帰りの新幹線で中止を知る)、昨日にリスケ)でこちらの記事にビックリし、久々にコメントさせていただきます(ストルーエンセKAAT初日を私も見に行ってたのでその時にコメントしようかと思っていたら機を逸し、まさかのハリポタでコメントします(笑))。
    以前の全体感想記事で「BLだった」という内容は覚えてたんですが、開幕5分で「ホンマや!」と納得してしまいました。他バージョンを見てませんが、渡邉スコーピウスの偏執的な愛という表現はまさしく…!という感じです。
    元々宝塚の男役同士のネットリダンスも楽しく見れますし、何よりストーリーにしっかり引き込まれ、あっという間の3時間45分でした。宝塚ファン(雪推し)としては早霧さんや白羽さんも拝め、大満足な公演です。