宝塚版『エリザベート』全作レビュー・1990年代編(第一夜)

特別連載企画・宝塚版『エリザベート』全作レビュー、

第一夜は、黎明期・1990年代編です。

 

レビューにあたっての諸注意は

前の記事に序論ともにまとめていますのでご確認下さい。

 

※6点満点の採点付きでご紹介していきます。
感想とはあくまで個人的なものですので御容赦下さい。

★★★★★★:後世に語り継がれるべき、伝説の一作。
★★★★★:誰もが楽しめるであろう名作。
★★★★:普通に楽しめるであろう佳作。
★★★:なんとも言えない凡作。
★★:残念ながら駄作。
★:ノーコメント、ある意味伝説の一作。

 

1996年雪組版/主演:一路真輝

【1996年雪組版・主な配役】トート/一路真輝、エリザベート/花總まり、フランツ・ヨーゼフ/高嶺ふぶき、ルイジ・ルキーニ/轟 悠、ルドルフ/香寿たつき・和央ようか、少年ルドルフ/安蘭けい、ゾフィー/朱未知留、ヴィンディッシュ嬢/毬丘智美、マダムヴォルフ/美穂圭子、マデレーネ/星奈優里

 

初演にして傑作。この作品の成功の鍵は、

「役者が揃っていたから」に尽きます。

 

特にトート役の一路真輝は、数々の難曲を歌いこなしながら、

死という概念を男役として成立させており、

まさに偉大なる初演を引っ張った立役者となったことは間違いありません。

 

他キャストも、まさにパズルがピタリと嵌ったかのような選出である中で、

やはり傑出の出来栄えであったのは、ルキーニとシシィでしょう。

 

轟ルキーニは、現地スタッフに

「一人だけ本物の男性が居るようだ」と言わしめたビジュアルだけでなく、

腹に一物ある曲者感、どす黒い感情が渦巻きながらも不思議な気品があり、

ストーリーテラーとして飄々と経ち振る舞う姿を、魅力的に表現。

 

後に数多のスターたちがこの難役に挑戦し、

そしてその成功の引き換えに得られるトップの座、

すなわち「ルキーニ伝説」が生まれたのも頷けるというものです。

 

シシィを演じた花總まりは、当時まだ新公学年でありながら、

その佇まいの荘厳さ、静謐さはもちろん、

女王の孤独と自由への渇望を見事に表現。

まさに女帝への「片鱗」が見え隠れしています。

 

高嶺フランツのノーブルな佇まい、香寿ルドルフの実在的な儚さももちろん、

彼女たち含め主要キャストが全員「歌える」のが、

この作品を成功に導けた鍵であることは間違いありません。

 

最高の物語に、最強のキャスト。

それにより紡がれた最高の公演は、大反響のうちに終幕し、

平成宝塚の代表作として、大いなる一歩を踏み出したのでありました。

 

オススメ度:★★★★★★

 

1996年星組版/主演:麻路さき

【1996年星組版・主な配役】トート/麻路さき、エリザベート/白城あやか、フランツ・ヨーゼフ/稔 幸、ルイジ・ルキーニ/紫吹 淳、ルドルフ/絵麻緒ゆう、少年ルドルフ/月影 瞳、ゾフィー/出雲 綾、ヴィンディッシュ嬢/陵あきの、マダムヴォルフ/鈴奈沙也、マデレーネ/眉月 凰

 

初演から、わずか半年後の再演。

この再演の報に、当時のファンは驚きを隠せなかったといいます。

 

なぜなら初演『エリザベート』の成功の鍵は、歌唱力。

でありながら、当時の星組スター陣に歌上手が一人も居ないどころか、

トップスターである麻路さきは歌が不得手な部類。

とてもじゃないが、あの難曲を歌いこなすことは出来ない!!

 

それは本人たちも思っていたことなのでしょう。

初演版とは全く違うアプローチで『エリザベート』に挑みました。

 

初演版が完成されたミュージカル作品であるならば、

今作のテーマはトートとシシィの愛憎劇。

すなわち、宝塚的美意識による恋愛物語の成立に注力をそそぎます。

 

闇から手を覗かせる、銀橋の上でシシィを見つめる、棺の上に座る、など、

死という概念であったはずのトートの感情表現がより豊かになり、

(これらは全て麻路の発案なのだそう。)

シシィを欲する様がよりダイレクトに伝わるように変容。

 

シシィも、自由を渇望しながらも、

フランツとトートの間で揺れ動く女性としての気持ちが強く表現され、

2人の愛の宿命性がより際立った印象に。

 

特に第15場「エリザベートの居室」の場面。

扉を開けてと望むフランツ、それを辛く拒むシシィ、

そんな彼女を闇から誘うトート、という三角関係の様相は、

歴代『エリザベート』の中でも屈指の名場面でしょう。

 

シシィを闇に誘う黄泉の帝王か、シシィを愛する一人の男性か。

初演と再演は似ているようで全く違う双子的な作品であり、

再演の成功こそが『エリザベート』の可能性をさらに押し広げたからこそ、

宝塚の歴史に名を刻む名作となったのです。まさに、再演にして傑作。

 

オススメ度:★★★★★★

 

1998年宙組版/主演:姿月あさと

【1998年宙組版・主な配役】トート/姿月あさと、エリザベート/花總まり、フランツ・ヨーゼフ/和央ようか、ルイジ・ルキーニ/湖月わたる、ルドルフ/朝海ひかる・樹里咲穂、少年ルドルフ/初嶺麿代、ゾフィー/出雲 綾、ヴィンディッシュ嬢/陵あきの、マダムヴォルフ/鈴奈沙也、マデレーネ/夏河ゆら・華宮あいり

 

東京宝塚劇場の通年利用化に伴い、1998年に創設された宙組。

幕開きはオリジナル作品である『エクスカリバー/シトラスの風』。

 

さらに軌道に乗せるため、大切な2作目に選んだのは、

飛ぶ鳥を落とす勢いとなった平成宝塚の代表作『エリザベート』。

 

ということで、実に計画的な上演だったのでしょう。

トートは歌上手な姿月あさと、シシィは花總まりの続投、

その他、ゾフィー役の出雲綾含め、過去2公演に出演していたキャスト多数。

 

絶対失敗出来ない公演だからこそ、

絶対失敗しないキャストを厳選した。

当然、ハイクオリティな舞台が出来上がるはず、だった。

 

ファンとは勝手なもので、

想像していたものが想像通り出てきただけでは、

「こんなものか」と思ってしまうものらしい。

 

もちろん私は当時を生きていないので分かりませんが、

少なくともこの作品で名を上げたのは、

ルドルフに抜擢され大成功を納め、のちに雪組へ組替え、

新公主演未経験ながらもトップスターになった朝海ひかるだったことからも、

ファンは予定調和を嫌うことがよく分かります。

 

このままではいけない、もっと面白い、新たな『エリザベート』を!!

劇団と小池氏はそう思ってしまったのかもしれない。

その情熱が、2000年代に入るとあらぬ方向に空回りしていきます。

 

後世の人間が今この公演を映像で見たとき、

「普通に見られる」というのがいかに安心材料かを知っているので、

大人たちの無駄な徒労に悲しまざるを得ません。本当、普通で良いのにね。

 

オススメ度:★★★★

 

1990年代『エリザベート』・総括

 

偉大なる初演の雪組、その可能性を広げた星組、

その良いとこ取りをしようとして凡庸に終わった宙組、と

非常に分かりやすい系譜を辿った1990年代『エリザベート』3作。

 

今回のレビューを書くにあたり、

この3作のBlu-rayを購入し改めて拝見したのですが、

古い映像ながらも当時の莫大なエネルギーが画面からありありと伝わって来て、

改めて「ただ事では無いな」と思いました。

 

初演、再演に比べて宙組版を「凡作」と表現しましたけれど、

2000年代のカオスっぷりを考えたら

全然マシというか、むしろ良い方の作品なんですよね。

宙組版Blu-rayはカメラワークがアレでしたけど。笑

 

次回はそんな、迷走の2000年代編です。

 

【第二夜:2000年代編はコチラ】

【第三夜:2010年代編はコチラ】

 

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コメント

  1. みかん より:

    明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。
    初演雪組と98年宙組を観劇したことがあります。
    母に連れられ観に行った初演は幕間や帰路での観客の間の、「何が起こったかわからない」衝撃に、いつもと違ってしんとしながらもなにか熱っぽかった空間をよく覚えています。
    どなたかがその時ぽつりと呟いてらっしゃった、宝塚でもこんなミュージカルができるのね、という言葉は、蒼汰様のご感想にもありますように宝塚の在り方が変わったことを表していたんだな、と思います。
    宙組観劇時の感想は正直に申しますと、手の中にあるものが砂のようにサラサラこぼれていってしまったようでした。エリザベートを確かに大劇場の席に座って観たのに、何も心に残らず、時間が経って日が暮れた中をとぼとぼ帰る、そんな感じでした。蒼汰様のご感想を読んでずっとわからなかったモヤモヤが晴れていくようです。
    2000年代エリザベートは花組しか観劇していないので、蒼汰様のご感想楽しみに待っています。

  2. ちょっこー より:

    僕。あんまり差がわからなちんですけど、宙組って凡庸なんですね!

    姿月あさとがむちゃくちゃ好きで、96年と同じくらいのクオリティだと思うし、全作見たけど個人的にはトップ3に入るくらいの素晴らしさだと思うんですよねぇ。
    ただの姿月あさとのファンなので好き嫌いなだけですが笑

    僕ももっと見る目を養お。

    ブログ、今年も楽しみにしてます!
    今年もよろしくです!

  3. こんちゃん より:

    蒼汰様

    いつも楽しみに拝読しております。ライビュ専科の地方民です。

    以前ウイーンに旅行した際、「エリザベート」ウイーン版を観劇したことがあります。ウイーンの街中では、お土産屋やカフェに皇帝と皇后の顔のマグカップがあふれ、

    カフェでエリザベートのパンフレットを広げていたら、見知らぬ方から「お、シシィ!東洋人もシシィ好きなの?(たぶんそんなニュアンス)」的に声を掛けられたり、

    今はアルプスの小国で、ドイツの弟分みたいな立ち位置のオーストリア人にとっては、シシィは古き良き時代のアイコン的な位置づけなのかなあ、と感じました。

    ミュージカル観劇では、ドイツ語で聞いていても頭の中で勝手に日本語版の歌詞で自動翻訳される不思議な体験を味わいました(笑)

    で、ミュージカルのドイツ語版の輸入CDの歌詞カードの翻訳を見ると、ルキーニの口が悪い!

    「おまえらの好きなシシィはなあ、可哀想な女性、自立した女性じゃねーよ。

    公務も子育てもほったらかして、王侯貴族を馬鹿にしながら血税で旅行三昧、革命に備えてスイス銀行に隠し口座作って、別荘を複数建ててるヤな女だぜ! あいつは国民のことも、子供のことも思っちゃいねえ。自分だけしか愛せないんだよ!」

    どうもウイーン版の作者は、この「エリザベート」というミュージカルを、あまりにもアイコン化したシシィの闇をえぐる、前衛的ミュージカルとして作ったのかな、と思う。

    そんなぶっとんだ前衛的作品を、大衆演劇である宝塚の価値観に収めるために「愛と死のロンド」の物語にした小池氏の潤色!

    花總シシィの分身、シシィの闇(タナトスにエロスを感じる起死願望)が生んだ影的であった一路トート、

    シシィから独立した別人格としてのトート像を打ち出した、麻路トート、

    宙組なあ・・・シシィがフランツにラブラブのまんまで、トートのこと、アウトオブ眼中じゃありません?感が・・・

    ちなみに映像監督は、ウルトラマンの監督で有名な実相寺昭雄監督

    (第23話「故郷は地球」ジャミラのエピソード(宇宙開発競争の犠牲となって見捨てられた宇宙飛行士が、怪人になって国連を襲う話で有名)

    極端なドアップと引きの使い方が前衛的と評価され、ロカルノ国際映画祭とかカンヌCM映画祭グランプリを受賞したすごい方・・・

    え、そこはフツーでいい?・・・そうですね。

  4. abbie より:

    昭和ベルばらからのファンです。
    宝塚ファンというと「あぁお嬢様たちの学芸会ね」と揶揄されること屡々でした。

    私は「巨星ジークフェルド」や「会議は踊る」に魅せられてからのミュージカルファンなので、宝塚ももちろん大好きでした。
    でも、この雪組初演エリザベートは本当に全てにおいて宝塚を超えてましたね。擦り切れるほどビデオを観たものです。一人一人がまさにはまり役で素晴らしい完成度でしたね。私のなかではやはり今でも1番のエリザベートです。

    当時、まりこさんファンだった私は恐々観に行ったものでしたが、マリコさんのトートも有りだなと思ったのが我ながら不思議でした。蒼太さんの解説で成る程!と今更ながら納得です。

    そして、ズンコトートには最初から最後までなんだかガッカリした記憶しかありません。最前列で観たのに感動出来なかったのは、なぜかトートが駄々っ子にしか見えなくて、妖しさも切なさも無く、魅力的に見えなかったからでした。歌はうまいのに…それだけじゃないんだなと思ったものです。

    いろんな人が演じたトートですが、やはりイチロの硬い声質が1番トートに似合ってるなと思います。

  5. コスモスハート より:

    蒼汰様

    新年から、宝塚代表作の考察、すご〜卒論みたい。
    私は明日海さんのトート以後ファンなので、こちらのブログを読んで過去のも見てみたくなりました。
    本当は韓国のエリザベートを見たかったのですけれど、もういつ行けるやら。

    韓国のトートは黒天使の羽がめちゃでかいし、左右に従え、羽がわさわさして、迫力が凄い、宝塚版は黒天使はクラシカルバレーのようで、歌舞伎の黒子的なこともやりつつ踊るけれど、全員集まってトートの羽になることはしない。(私が見たものは)
    全然違うのね。

    そうそう、私は多分、明日海さんのトートが良かった(映像)望海さんのルドルフに感動した。から宝塚歌劇団のファンになった、ような気がします。

    こちらのブログの続きが気になります。

    追伸:
    轟さんのドクトルジバゴをやっと映像で見ることができ、やはり、凄い。歌声は年齢による衰え?は否めませんが、ラストシーンに余韻すら感じる。心にぐっとくる何かがある。轟さんの当時のルドルフを見たかったです。

  6. ○ツコデラックス より:

    一路真輝のファン歴30年の者です。

    中学生と小学生の娘二人が今春の長期休校期間中に
    宝塚の沼に落ち、ほとんど処分した宝塚関連グッズの中で
    唯一残していたエリザベートの初演VHSビデオを
    夫が学生時代に使って実家に残っていたビデオデッキで再生し
    まさしく20年以上の時を経て、観劇しました。

    娘たちの感想
    「こりゃあ勝てないわ。初演が最高で最強って言われるの分かる。」
    とのこと。
    文句のつけようがないらしいです。

    各組の過去の映像は断片的にした見たことがない娘たちですが
    「歌が下手でもマリコさんのトートは、やっぱりトートだなって
    ところが流石だね」とのこと。

    エリザベートのすごい(酷な)ところは、歌が歌えるだけでは
    駄目で、実は演技力が試される演目なんですよね。

    歌が上手いだけじゃ駄目なんだと、姿月あさとのトートを
    観ながら「なにかが違う、しっくりこない」とずーっと
    頭の中に?マークが飛んでましたから。

    それでも1990年代はよかった。
    迷走の2000年代には納得です。今後の更新も楽しみにしています。

  7. あんがすちゃん より:

    はじめまして。エリザ好きなので初投稿です。

    90年代なら私は宙エリザです。
    私としては歌が聞けることが絶対条件なので、マリコトートはまず外れます。一路トートも好きですが、歌唱の癖が強いのが難点。ズンコトートは私としては文句のつけようがなかったです。

    とはいえ、エリザを語る上ではやはりこの3作が好きという人が多い気がします。

  8. たまねこ より:

    蒼汰様

    新年早々、エリザベート全作レビュー有難うございます!
    特に大好きなマリコさんの星組版を評価して下さり嬉しい。あの指、麗しかった。

    ラストの「カメラワークがアレでしたけど」に大爆笑させて頂きました。分かります〜。

    残りのレビュー楽しみにお待ちしています。

  9. みき より:

    あけましておめでとうございます。今年も楽しみにしています。

    星組エリザベート・・・歌が不得手なまりこさん自身も、歌上手な一路さんの後の再演でプレッシャー、そしてこの作品でなかったら、お相手の白城あやかさんも退団しなかったのでは、と、当時は複雑な思いだったようですが、それらを乗り越えて、かつ初演と異なる魅力を作り上げた素晴らしい舞台でした。その年の「ミュージカル」誌でも、年度の優秀作品に挙げられていて、「ミュージカル」舞台ながら、歌でなくビジュアルでねじ伏せたまりこさんには感無量でした。
    白城さんも気品がありました。退団後のウィーン絡みのエリザベートイベントでは、ウィーン側が白城さんを招いたと聞いたことがあります。

    宙の再演は、花總さんも、新公学年での初演抜擢のプレッシャーが良い意味でシシィの緊張感を表現していたように思うのですが、再演では、経験を積み重ねた余裕が少し仇になったように思います。

    私は宝塚上演発前に、ウィーンで偶然この作品を見ていますが、装置も含め、前衛的なロックミュージカルという感じで、トートもロックスターという感じで、乾いた舞台でしたが、宝塚版を見て、宝塚らしいロマンチックな舞台に仕上げたなと思いました。

  10. みき より:

    感想読み応えありました!
    私が見たのはこの3作品だけなのですが、
    ほぼほぼ同じような評価です。

    正直、エリザベートを上演するまでの雪組はチケットの取りやすい組でしたが、
    このエリザベートだけは初めて見て、
    これが宝塚?!と衝撃でした。
    何回もビデオを見ました。

    キャストが素晴らしく、すべてのキャストが本当に素晴らしかったです。
    あまり話題になりませんが、マデレーネは星奈優里さんを超える肉体美と怪しい色気の人いるの?って思います。

    星組は、トートは千秋慎の影ソロになるなんて噂が流れるぐらいでしたが(笑)
    フタを開けたら、宝塚のトートは麻路さきが作ったと小池先生がおっしゃった程の出来。

    人間的との評が多いですが、
    逆に私は存在そのものが魔、というような
    人でないものとして舞台に存在していたと思います。

    手から出たり、棺桶の上に座ったり、足音のないような動き、
    人間ができない、しない在り方がベースにあり
    その上で男役らしさや感情が発露されているように思います。

  11. Ken より:

    やっぱり雪組初演が原点にして頂点かと思います。個々のキャストで言えばもっと素晴らしい人がいた時もありますが、全体的な水準としては圧倒的だなと思いました。

  12. 泊レラ より:

     初めまして。2021年秋に偶然動画サイトで初演を観て以来衝撃を受け、意向毎日CDや動画を視聴、ウィーン版CDも購入しました!初演ばかり観ていたので他の上演は演出構成含めて違和感感じてしまい困る状態です笑。一路トートの在り方は「恋物語の恋人達」ではなく、「死という概念的存在」を強く出している所が深みがあり、良いなと思います。単に死の擬人化なら、ここまで神々しい舞台にならなかったのではと思っています。舞台構成も、ウィーン版CDには無いシーンが多く、潤色構成演出が素晴らしいと感嘆しています。一幕のラストとか特に素晴らしいですし、最後の審判、カフェ、ルドルフ、戴冠式、結婚式、見せ場の羅列+圧倒的歌唱、空間、舞台ならではの演出・・。毎日どこかしらのシーンの動画を観ては新しい発見をしています。
    最初にプロローグを観た時、すごいミュージカルだ!と興奮しました笑。特に轟ルキーニの顔芸にくぎ付け・・。他のキャストのルキーニを観ると、轟さんの歌唱力、演技、表現力の凄さが滅茶苦茶わかるだけでした。変に日本的お涙頂戴になっていないところも好きです。何度も観るうちにゆきさんの演技力に刮目するようになり、観る度感服している次第です。男性の声にしか聞こえないし、演じている年代のフランツが喋っているようにしか聞こえません。凄すぎです。舞台って面白いんだな!と強く思わせてくれる作品です。