海外ミュージカル症候群

星組の演目発表が引っ張られたからか

最近続々と大劇場公演の演目が発表されますねー。

 

と、いうことで本年2作目の月組公演が発表されました。

 

月組【宝塚大劇場/東京宝塚劇場公演】

日本オーストリア友好150周年ミュージカル

『I AM FROM AUSTRIA-故郷は甘き調べ-』

作曲・作詞/ラインハルト・フェンドリッヒ

脚本/ティトゥス・ホフマン、クリスティアン・シュトゥルペック

オリジナル・プロダクション/ウィーン劇場協会

潤色・演出/齋藤 吉正

 

演目が発表され、まず第一に思ったことは

たぶん皆様が思われたこととほぼ一緒だと思います。

「また海外ミュージカルかよ‼」

 

宝塚で上演する海外ミュージカルの意義

 

そもそも、宝塚で海外ミュージカルをやるのはなんででしょう。

 

劇団お抱えの脚本家も演出家もいるわけですから

ひたすらオリジナル作品を地産地消していればいいとも言えるわけで

なんでまた高い金を払ってまで海外ミュージカルを上演するのか。

 

私が思う、主たる理由は3つ。

 

1つは、単純に知名度の高い、あるいは話題性の高い海外ミュージカルを上演することで

客足を簡単に繋げることができるからです。

 

普段宝塚を見ない、舞台好きな人を取り込めることはもちろん、

関連商品(DVD等)の売り上げも見込めることを思えば

簡単に事業利益を出せるわけで、上演しない理由は全くありません。

 

それではなぜ、そんな利益に繋がるかと言えば、

海外ミュージカルという質の高い「演目」を

ハイクオリティ舞台団体である宝塚が上演することで

相乗効果が生まれるからに他ならない、というのが2つ目の理由です。

 

外部の寄せ集め団体とは違い、宝塚という場所は

タカラジェンヌという舞台人を基礎から教育し続けてきた団体だからこそ

魅せられるクオリティがあることは、皆さんご存知の通りでしょう。

 

その上で、細部に渡って作りこまれた小道具や舞台セット、

女性が男性を演じることに始まる巧みな演出も相まって

宝塚でしか魅せられない「海外ミュージカル」が生み出されるわけですね。

 

この2つの理由だけ見ても、

宝塚で海外ミュージカルを上演し続ける理由は非常によく分かると思います。

 

海外ミュージカルを上演するタイミング

 

で、す、が。

かように簡単に売上に繋げられるからとはいえ、

最近は乱発し過ぎだと思いません?

(数だけで言ったら変わらないのか…?一本物が多いだけ?)

 

そもそも、宝塚で海外ミュージカルを上演するのって、

もっと希少価値があったと思うのです。

 

上演するタイミングというのはいくつか種類がありまして、

分かりやすいのは、トップスターの船出に相応しい華々しい演目をあてがい

お披露目公演として多くの人に見て貰いたい時でしょう。

 

(最近の例)

明日海りお『エリザベート』

蘭寿とむ『ファントム』

霧矢大夢『THE SCARLET PIMPERNEL』

龍真咲『ロミオとジュリエット』

音月桂『ロミオとジュリエット』

紅ゆずる『THE SCARLET PIMPERNEL』

(柚希礼音『太王四神記 』大空祐飛『カサブランカ』はここに含まれるのか…?)

 

 

あるいは、6作以上の長期トップ者が

カンフル剤のため任期途中で話題作をぶっこむパターンもあります。

 

(最近の例)

明日海りお『ME AND MY GIRL』

龍真咲『1789』

柚希礼音『ロミオとジュリエット』

 

 

そして最近多いのは、この2つのまさに間を取り、

暫定5作程度の普通任期スターが中間の3作目で上演するパターンですね。

 

(最近の例)

朝夏まなと『エリザベート』

望海風斗『ファントム』

 

 

これを踏まえて珠城りょうの経歴に当てはめるとすれば

お披露目で『グランドホテル』

長期トップ娘役の墓標として『エリザベート』

満を持しての初演作品『I AM FROM AUSTRIA』と、

まさに柚希礼音コースなのね、っていう感じですよね、きっと。

 

…いやいや、何が問題かと言うと、

彼女に関しては別箱公演ですら『アーサー王伝説』『雨に唄えば』

『ON THE TOWN』と、海外ミュージカル続きであることなわけですよ。

 

劇団は珠城りょうをどうしたいのか?

 

劇団は珠城りょうをトップに据える際、

わざわざ研9という超異例の若さ、

かつ第2の天海祐希という触れ込みで就任させたわけですよね。

 

そんな彼女のサクセスストーリを計画するにあたり、

こんな海外ミュージカル漬けにさせることが「戦略」だとすれば、

はっきり言って、志が低すぎると言わざるを得ません。

 

何度も言いますが、珠城の魅力ってまさに男役らしい体躯であったり、

自然かつ実在的な演技力と包容力であったり、

悪人を演じることで内面の「イイ人」感が際立つところだと私は思っています。

 

決して難曲を歌いこなしたり、海外的演出でドヤることじゃなく、

もっと人間の内在に焦点を当てた作品の方が絶対に合うはずです。

 

劇団としても、不慮の若すぎるトップ就任を

演目で一生懸命バックアップするのはよく分かります。

(上記の通り、みんな最初は似たような扱いをされますしね。)

 

けど、安易に客寄せパンダ演目として海外ミュージカルを乱発し

とりあえず目先の利益だけ出せればそれでええんか?

スターとしての適性に合った、劇団としてオリジナル作品でヒットを生み出そう‼

みたいな、そういう志の高い目標を設定しなくていいんかい‼

 

と、聞いてみたいくらいですよ、ホンマに。

 

劇団が追い求める「青い鳥」

 

冒頭で、劇団が海外ミュージカルを上演する理由は3つある、と書きましたが

最後の1つは、はっきり言いますけど

第2の『エリザベート』という青い鳥を必死に探しているんですよね、きっと。

 

皆さんご存知の通り『エリザベード』は、宝塚が日本初演。

その大ヒットにより日本を代表するミュージカルとなったことはもちろん

上演すれば絶対に超満員御礼になるドル箱です。

 

劇団としては、そんな「やれば必ず儲かる」作品を探し求めるのは当然のことで

そのためにはどんな結果になるとも分からないオリジナル作品よりも

既にある程度の成功を踏まえて上演できる海外ミュージカルに求めるのは、

事業として非常に理にかなっていると思います。

 

その結果が、ロミジュリ、スカピン、1789であり

リフレインさせて成功したのが雪組『ファントム』なわけですけど…ねぇ。

 

そもそも、この海外ミュージカル偏重は

超ニワカの私ですらそう思うのですから

昔ながらのファンは果たして何を思うのでしょう…。

 

もはやその安易に客足を伸ばせる「麻薬」に手を出し

抜けられなくなっているのでは?と言えなくはないと思うのですが…。

 

そして正直なところ、心の汚い私には

とりあえず海外ミュージカルやっときゃ客は入るし

「国交樹立150周年」なんてそれっぽい言葉を散りばめといて、

ゆくゆくは東宝や帝劇で上演させよう、という

汚い大人たちのしたり顔が見えて仕方ありません。笑

 

ただ一つ希望があるとすれば、

どうやらこの『I AM FROM AUSTRIA』という作品が、

非常に明るい作風であるようなので、

今の月組との親和性が非常に高いと思われることだと思います。

 

というか、ゴージャス系で歌もダンスも安定してこなせる

美園さくらが抜擢された理由も今ならよく分かります。

 

スカピンよろしく、幕が開けば名作だ‼と評価されるような

素敵な作品に仕上がっているといいなーと思います。

 

果たして、珠城りょうの代表作になるのでしょうか。

こうご期待ですね‼

 

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コメント

  1. 和世 より:

    海外ミュージカルが悪いとは言いませんが、珠城さんが歌の方ではない(どれも同じ歌い方な)ので、個人的には微妙です。
    美園さんばかりがお歌いになるというわけでもないでしょうし…。

    雪組の『ファントム』から間がないので、やっぱり…ということに
    なるのでは。

    宝塚って、基本的にはお芝居の劇団なんだなと(外部の歌が主役の舞台を観て)感じました。
    月組さん全体が歌より、お芝居に強い組である気がするので
    その特色に合った演目にすればよいのにと思います。
    (これはトップさんには関わりようのないことですが…)

    • 蒼汰 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます‼
      スターには個性があり、その長所が生かされるような演目が一番なんですけどね…
      月組って歌売りの歴代トップってほとんど出ておらず、「芝居の月組」の異名の通り演技の組だと思いますが
      なぜかミュージカル多いんですよねー。芝居売りの組があっても良いと思うのですが…。

  2. ys より:

    私も「ま た か よ !」と思いました。

    他の組ならそこまで思わないと思います。雪組だったら手放しで喜んだでしょうね。
    タマキで海外ミュージカル…一人で何作やらせる気なのでしょうか。私は「正気の沙汰か?」と思います。

    分からなくはないです、何とか箔を付けてやりたい劇団の意向は。古典も2.5次元も合うとは思えない、ウリである男性らしい体躯は、スレンダーでスタイリッシュな男役が人気の昨今ではむしろ短所だと思います(外部で女優をやるに当たっては致命的ですらあります)。海外ミュージカルの主演は対外的にも実績になりますし、手っ取り早く観客動員も見込める(動員実績にもなる)というのでしょう。

    でも、本公演で本格海外ミュージカルの日本初演というのは、トップに相当な実力と組力の充実が求められるはず。今の月組にそんなものがあるとは思えません。更なる緊急補強があるのでしょうか?それでも無理だと思います。

    • 蒼汰 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます。
      昨今のミュージカルブームもあり海ミュって非常に食べやすい作品である中で、
      一定の組ばかりに重用するのはやはり疑問ですよねー。って実は初演は月って結構な頻度なんですが。笑
      初演物をやるにしたって、作品選びの段階で本人の任に合うかよりも、
      予算や今後の使い方(再演や外部)などで決めてる感バリバリなのがねぇ…。果たしてどんな仕上がりになるのでしょう?

  3. KAO より:

    私は珠城さんが闇堕ちする演目が観たいんだ!!(_`・ω・)_バァン

    …失礼、取り乱しました。
    実は常々そう思っていたのですが、先日「月雲の皇子」をみて確信を得たところでした。
    純粋さ、人の良さがゆえにダークサイドに回ってしまう、そんな役どころが非常に似合うと思うのですがねぇ…

    それはさておき、海外ミュージカルに頼らざるを得ない理由としては、オリジナル作品の再演性の低さもあるかと思います。当て書きが悪いとは言いませんが、このメンバーにしかやれなさそうと思ってしまう演目が多すぎるのかな、と。その点、海外作品は誰が演じても成り立つという利点があります。
    ちょうど復刻上演中のエルベは味があって良かったので、そういう誰が演じても成立するオリジナル作品が増えるといいのかもしれませんね。

    • 蒼汰 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます‼
      まさにおっしゃる通り、闇落ちが似合うスターさんなんですけどね。トップ就任後の本公演はイイ人系ばっかりなのが気になります。
      あー確かに、当て書きオリジナル作品は再演し難いですもんね。例えば昨年のメサイアとかを将来どっかでやるかと言われたら…。笑
      そんな中でも復刻エルベは画期的なのかもしれません。まさに古典復古なわけですが、こういう作品抜擢があっても面白いですよね。

  4. ran より:

    ファンにとってももう海外大作ミュージカルは必要ないです。
    また色々と好きなこと言われるのかと覚悟しています。3年目にもなると慣れましたが。

    戦略的に過去オリジナル作品マイスターにでもした方がマシなんじゃないですかねぇ。それもそれで微妙ですけど。

    • 蒼汰 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます‼そうですよねーファン的にも微妙ですよねー。
      本人の任に合う作品が当て書きされるのが一番良いと思うのですが…。
      別箱再演に関しては、第二の花總目指す愛希から美園に代わったことで、別のアプローチがありそうですけどね。

  5. めー より:

    友達と海外ミュージカル初演について話したのですが、ランダムに思い出しただけでも海外ミュージカル初演の組は、ほぼ月組と星組でした。

    こちらのブログを拝読しなかったら全く気づいていなかったです。
    もちろん、調べてみたわけではないので、思い出すままに8作品ほどしか確認してませんがf^_^;

    にしても楽しい話題をありがとうございます

    • 蒼汰 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます‼
      確かにおっしゃる通り、特に月組初演が本当に多いですよねー。
      確か有名な作品、ベルばらも風共も月組初演ですから、こういう実験的なことの受け皿組なのかもしれません。
      いえいえ、これからもよろしくお願いしまーす‼

  6. ハーフムーン より:

    相変わらず、蒼汰さんの論調は小気味いいですね。かなり最近の『宝塚』にモヤモヤしていたので、スカッとします(笑)

    『エリザ』の成功は(他にも『ガイズ』『ミーマイ』『スカピン』『グラホ』等有りますが…)、長年宝塚を見てきた者としては、相当小池先生が実験や観客の反応を見極めてgo! を出された作品だと思います。

    東上しなかった剣・こだま・涼風大劇場作品『天使の微笑み 悪魔の涙』で暗い題材、自分の世界に引きこもるヒロイン・彼女を心から愛する青年・それをただ静観する悪魔。今では『有り』でも当時の宝塚では挑戦するのに難しい題材だったのでは?と思います。

    次にバウの涼風主演の『ロストエンジェル』は完全に堕天使です。そして…ここで、『エリザ』の曲が歌われているのですが…そこは版権の問題?で削除されていますね…。
    ただ、『ロストエンジェル』自体好評のうちに幕となったので、小池先生の中では宝塚で『イケる!!!』という自信になったのかも知れません。

    『エリザ』という演目は、ただ無闇矢鱈に版権を購入した訳では無く、宝塚ファンのニーズに応えられるか演出家自身が何度も反応やチャレンジを行った上でgo!!! が出せた地道な作品です。

    最近の『宝塚海外μだらけ』を見ると…そういった熱意や観客のニーズとはかけ離れているように感じます。

    『エリザ』は計算され尽くした上演であるが故に、老若男女、宝塚を愛する人に受け入れられた作品なのです。
    劇団側にも、そろそろ海外μの2匹目のドジョウを狙うのは止めて頂きたい…。

    『宝塚』は座付き作家のオリジナル脚本と、座付き音楽家のレビューやショーの構成が『売り』であり『味』なのだから…。そろそろ初心に戻って貰いたいと熱望します。

    • 蒼汰 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます‼
      『エリザ』の背景にそのような流れがあったとは知らず、驚きましたー。
      それこそ計画的な意図をもっての公演でないと、そりゃ後世に残る作品にはなり難いですよねー。
      レビューに関しても、ぶっちゃけマンネリ感ありますよね…なんか全部似たような構成な気がするのですが、
      佳作駄作は別にしても、前はもっといろんな作風があったような…?
      もうちょっと脚本&レビューという二部構成がゆえの楽しみ、みたいなものを大切にして欲しいですよねー。

  7. サリー より:

    青い鳥、とはうまい表現ですね。
    エリザベートは、たま様の為、というよりは、ちゃぴの卒業の為?みたいに感じました。
    ベルサイユのバラがヒットする前は阪急グループのお荷物的な存在だった宝塚歌劇団だったとか…
    エリザベートの上演タイミングが、ホテルの売上が落ちる時期かなと思ったりします。スかピンも。
    正に売上確実を狙ってる?!
    下手にオリジナルで今一になるより、実績重視?な気がします。
    ちなみに、たま様とみやさんのダルタニアンとアラミスが好きです。
    オンザタウンのミュージカルが7月に兵庫県立芸術劇場でありますが、良い席からでなく、後ろから売れていて、宝塚とは全く逆。
    興味深いのは、老婆を男性が演じるってこと。行ってみようか考え中。

    • 蒼汰 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます‼
      おっしゃる通りで、博打のようなオリジナル作品よりも実績重視なんでしょうねーきっと。
      それでも売上にはきっちり貢献し、宝塚の盛り上がりにつながるわけですから公演自体はやむなしだとは思いますけどね。
      『ON THE TOWN』は今の月組を十二分に味わえる作品ですので、もし行かれるようでしたらどうぞ楽しんできてください‼

  8. みほ より:

    蒼汰さま

    こんにちは(今日は3回目。笑)
    私も今回の月組演目発表に、「また~?」と思ったうちの一人です。

    最近「元・宝塚総支配人が語る「タカラヅカ」の経営戦略」という本を読みました。
    初版が2015年でさほど古くはない本ですが、その中で宝塚歌劇ビジネスの特徴として「垂直統合システム」が挙げられていました。

    「企画制作」「制作」「販促営業」が通貫して行われる「垂直統合システム」で、

    制作日数や経費の削減
    宝塚独特の美意識・世界観の構築
    著作権管理による容易な再演

    が可能になり、ビジネスとしての「タカラヅカ」が成功する要因になっているそうです。

    この本に照らし合わせると、外から持ってくる海外ミュージカルは、基本的には「タカラヅカ」のビジネスモデルにはそぐわないように感じます。

    それなのにここ最近の海外ミュージカル全盛、歌劇団の戦略の変更か、蒼汰さまのおっしゃる「青い鳥探し」(笑)なのか……。
    (個人的には、内部の演出家の方々の力不足も一因なのではないか、と思ったりもします。笑)

    今後の傾向がどうなるのか、興味を持って見守ろうと思っています。

    また蒼汰さまが何かお気づきのことがありましたら、ぜひ記事にしてくださいませ。
    どうぞ宜しくお願いいたします。

    • 蒼汰 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます‼
      そ、そんな本があったのですね‼さっそく調べて楽天で購入致しました。笑
      貴重な情報をありがとうございました、繁忙期が落ち着いたら読もうと思います。

      海ミュの増加、とはいえ、最近は再演(エリザ・ファントム・オーシャンズ)ものばかり。
      新作はといえば、ドーブ・アチア氏やワイルドホーン氏といったもはや半分身内?みたいな作品が多いことを思うと
      完全新作(ロミジュリとか?)を持ってくるよりは製作費がかからなそうですよね。
      なんせロミジュリは元を取ろうという劇団の強い意志があったのか、あんな短期間で3回も再演してますし。笑

      それでも上演が続くのはきっと、宝塚オリジナル作品でコケるよりも、海ミュの方が最終的な収益が上なのかもしれませんね。

  9. pineapple より:

    蒼汰様

    ご意見興味深く拝見しました。

    私個人としては珠城さんにエリザベートを当てたことは、就任当初は想定していない事態だったと思うので(あれは愛希さんの退団後を考えた演目ですね)、次に海外ミュージカル初演がくることは不思議でもなんでもないのです(ちなみにI am from Australiaの楽曲は主人公ジョージに関してはポップス系が中心です。)。

    珠城さんの持ち味が実在的な演技力という点はまさに同意ですが、それを生かした蒼汰さんがおっしゃるような作品を書ききれる方が、上田先生もしくは正塚先生以外に現状思いつきません(もしくは大野先生ですが、大野先生は大劇場公演でその系統の作品を扱ったことはないですね)。
    おそらく、上田ー珠城の再々タッグは退団公演かその一作前になると思うので、やはり妥当だと思いますよ。
    正塚先生に関しては、来年1作目の初舞台生公演の時に当たるのではないかなと思っています。

    海外ミュー再演の是非云々というより、オリジナルで破綻のない作品をかける演出家が減っているのが問題といえば問題なのではないかと思います(そういう演出家を育てるのは劇団経営の観点から考えると博打のような気もしますが。)。

    いずれにしても長期トップの宿命として全ての演目が、完璧に持味に合わせたものでないのは仕方のないことです。
    また、雨に唄えばは美園さん育成のため、OTTはIAFA上演にあたってのテストの側面も強い気がします。IAFAはダンスのレベルがかなり高いですから。

    • 蒼汰 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます‼
      おっしゃる通り、劇団お抱えの演出家によるオリジナル作品はなんせ当たり外れがありますから
      当て書き作品のクオリティを求めるのもなかなか難しいのかもしれませんねー。
      とはいえ、美園育成であれば雨唄である必要もないし、IAFA見てないので分かりませんけどOTTはブロードウェイだし毛色が違うのでは、と思わなくはないですが…。
      礼がアルジェの男を引っ張ってきたように、過去の劇団オリジナル作でも良いわけですしね。

  10. ねこ より:

    「青い鳥」ですか?なるほど・・。
    珠城さんの本来の持ち味が出ている本公演は「カンパニー」の青柳さんかと思っています。あの、リアルサラリーマン。続編も見たいと思いました。海外ミュージカル多いですね?でも「OTT」は脇役が面白くて、主演は食われている感じが否めない感じでした。 私は彼女に、『良心の呵責、ある一線を越えた愛情』などを演じてもらいたい。突き詰めれば悲劇が似合うと思っています。「カンパニー」では、すでに妻を亡くした設定でしたが、病気に侵され余名短いその妻を看取るまでの過程などをうまく演じられる役者だと思っています。
    この年末にはTOPで最長任期となります。どっしりと落ち着いた包容力と哀愁、愛情深く演じることに没頭できる作品に出合えることを切に願います。

    • 蒼汰 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます‼
      私個人としても、これまで5作振り返って一番のハマり役は青柳さんですかね。ただちょっと良い人過ぎちゃうんですけど…。
      トップ期間をのぞいたら『舞音』の2番手役が一番好きなのですが、トップであんな役はなかなか難しいですよねー。
      彼女のスターとしての資質に合う役が7作目に割り振られることを祈りたいですが、果たして?