新生雪組のカラーと彩風咲奈の「売り」を考える

 

最近は「今起きていること」ばかりを書き過ぎて、

前身ブログでのスタイルであるエッセイ風の記事を書いていないなぁと思い立ち、

ネタも溜まっていることですのでちょくちょく綴っていこうと思います。

 

本日は彩風咲奈率いる新生雪組の方向性について、です。

 

壮・早霧・望海と繋いだ雪組人気

 

「壮一帆、早霧せいな、望海風斗の時代は新しい風が流れたイメージ」(意訳)

と、「ザ・タカラヅカⅧ」で語っていた彩風咲奈。

 

中の人間がそう感じるように、外から見ていても、

音月桂までの雪組と壮一帆以降の雪組とでは、

明らかに時流が変わったように思います。

 

彩吹真央の2番手退団に始まり、

トップ娘役不在体制での『ロミオとジュリエット』、

96期の夢華あみの抜擢、東日本大震災、伝説の駄作『仮面の男』と、

小林理事長時代の悪い流れを一身に受けていた音月桂トップ時代の雪組。

 

そこから、和物の雪組の復興とともに混乱期を治めた壮一帆から、

トップ娘役との夫婦芸&和物の雪組と二次原作の統合を果たした早霧せいな、

高い歌唱力を全面に押し出した望海風斗と良い流れで繋ぎ、

雪組は押しも押されぬ人気組へと躍り出ます。

 

特に早霧から望海へのバトンタッチは、

真反対なカラーへの転換が余儀なくされたわけですけれども、

新たな客層を取り込むことにより、人気の高さを維持。

 

そしてそこからスムーズに引き継いだのが、

雪組の御曹司として大切に育てられてきた彩風咲奈。

 

そこで気になるのは、劇団は今後彼女を

どのような点を「売り」として押し出ていくのか、ということです。

 

彩風咲奈の「売り」を考える

 

雪組新トップスター・彩風咲奈の「売り」は何か。

最初に個人的見解を書いてしまうと、

私は超絶スタイルと、それを生かすスーツ姿だと思います。

 

舞台の上での彼女を思い返した時、一番カッコ良く見えたのは、

後に団体賞を受賞した『SUPER VOYAGER!』より

「海の見える街」の場面(通称「ララランド」)かなと思ってまして。

 

カラフルなスーツ姿が都会的で、小粋で、スタイリッシュ。

男役らしい重厚なオーラではなく、少し肩の力が抜けた、

都会的なシャレた男という陽的オーラが良かったと思います。

 

そもそも彼女はスタイルが良いので、

劇団は彼女にコスチュームものをさせたがる印象です。

 

ある時は船長、ある時はローマの剣士、ある時はメキシコの青年貴族。

『fff』では柚希礼音が来たナポレオンの豪華衣装を見事に着こなしました。

 

どれも素敵だったけれど、やはり一番似合っていたのは、

1920年代のハリウッド黄金期の衣装を着こなした、

『ハリウッド・ゴシップ』のコンラッドの姿だったかなと思ったり。

 

他にも、『ファントム』キャリエール、『20世紀号に乗って』ブルース、

『ONCE UPON A TIME IN AMERICA』マックスなど、

スーツ姿をパリっと着こなす彼女の素敵な姿が思い浮かびます。

 

宝塚の男役と言えば、スーツ。

それを都会的でクールにカッコ良く着こなせるだけのスタイルと、

長い手足を生かしたスタイリッシュなダンスという、

100周年直前のカッコ良い男役像こそが、彼女の「売り」なのかなと思うわけです。

 

都会的でスタイリッシュな雪組はいかが?

 

スーツを着こなす都会的でクールな男と言えば、

先人の例で例えると、水夏希路線と言えばいいでしょうかね。

(あとは海外ミュージカルではなくオリジナル作品での春野寿美礼など。)

 

奇しくも彩風咲奈は水夏希トップ時に雪組に配属され、

『ソルフェリーノの夜明け』『ロジェ』と新人公演主演を経験しています。

 

朝海ひかる(あるいは轟悠)から続き、音月桂で途切れてしまっていた、

クールでスタイリッシュな雪組を3世代の時を超え踏襲する、

そう考えると面白いんじゃないかなーと思ったり。

 

そういう意味では『CITY HUNTER』って

早霧せいなの二次原作路線を踏襲しながらも現代の都会を舞台にした作品で、

面白い選択だなぁと感心します。

ポスターではこれでもかと圧倒的スタイルを見せつけてますし、ね。

 

そしてこの路線、実は誰でも出来るわけではなく、

例えば柚香光、礼真琴の95期ツートップには出来ない芸風だと思いますし、

月城かなとと真風涼帆だと、ちょっと重さが(良い意味で)出てしまう。

 

そして現在の雪組には、

綾凰華、縣千、諏訪さきとダンサースターが揃っていますし、

朝美絢、彩海せらも「踊れる」レベルでダンスが出来る。

 

全体的に圧の強く無いスタイリッシュなスターが揃っていますから、

都会的でクールな路線、良いと思うんですけど、いかが?

という雪組ファンの呟きなのでした。

 

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コメント

  1. こんちゃん より:

    蒼汰様

    いつも楽しみに拝読しております。ライビュ専科の地方民です。某所でちょっとふざけすぎたかもしれません。すみません。

    そういえば、彩風さん、思い出再演で「ロミオとジュリエット」はしないのかなあ、という気がしてきました。「ベルばら」もちょっとタイミング的になあ・・・「仁ーJINー」・・・お披露目がマンガ原作ですし。

    彩風さん、首から下は「現代的な、スーツが似合う、スタイリッシュ」でいいんですよ。

    柚香さんの「久遠の風」や、月城さんや真風氏の「クラシックな男役の色気」は、TV俳優で被る芸風の若手俳優ってちょっと思い浮かばないのですが、

    「現代的な、スーツが似合う、スタイリッシュ」なモデル出身の俳優さんはたくさんいて、TVで無料で見られますからねえ・・・宝塚にお金を払うからには、無料の地上波では見られないものが見たい。

    そういえば、彩風さん、なぜに紅さんもしなかった「ビンタされても、ハンマーでどつかれても、なおイケメン」画像を、公衆の眼に触れるポスターや公式HPのトップ画像に持ってくるのか(笑)

    実は、望海さんの芸風では舞台にかけずらかった「喜劇」をやりたいのかな?

    ウケを取りに行くコメディでなくて、ピガール狂騒曲とか、「NICE WORK~」的な、20世紀前半が舞台の、上品な可笑しみのある喜劇はどうでしょうね。

  2. りた より:

    礼真琴さんに柚希さんを感じるように、彩風さんにも水さんを感じていました。
    (二期違いの月城さんには壮さんを感じるので、新人公演ってやっぱりすごいんだなと思ったり。)

    少しクラシカルな香りのする、でも洒脱なスーツもの、期待したいと思います。

  3. MS より:

    SUPER VOYAGER!の「海の見える街」は湯船につかりながら何回もリピートして見るくらい好きです。あと、Music Revolution!の「Jazz Sensation!」も繰り返し見ます。
    望海さんは歌、咲ちゃんはダンスと、雪組のショーは、しっかり役割分担をして、聴かせて魅せてと、見応えがありました。
    咲ちゃん政権では、踊って踊ってって感じなんでしょうかね。ひとこちゃんが花組へいき、かりさん、鳳華はるなちゃんといったダンサーが退団し、下級生ダンサーの活躍の場が増えそうですね。
    お芝居は、2.3作目あたりにくる目玉が何の演目になるのか、版権の関係もあるし、ロミジュリを続けるかとも思ってましたが、星組の後はちょっとプレッシャーですね。でも敢えて、思い出新公主演をもってくるかなあ。縣くんあたりに死を演ってほしい気もしますが。
    ララランドの舞台化は、コロナ禍で海外ではしばらく実現しないとなると、宝塚がまさかの初演とか……なんて夢のような事が起こらないかなあ。

  4. おかず より:

    こんにちは。
    彩風さんの超絶スタイル、いつも見るたびに子供がよく書く頭が丸で体が棒の棒人間を思い出します。頭の下から足がある位に見える…ホントスタイルいいですよね~。
    スミマセン、どうでもいい感想でした~。失礼しました~。

  5. ぽんさん より:

    ララランド、良いですね。(番手もごまかせる)
    映画で観た時に宝塚の世界観に合うなーと思いました。もしかして実現するかもですね!海の見える街が本当に素敵でちょっと大浦みずき時代の花組を思い出しました。

    彩風咲奈さんメイクをもう少し研究したらよりスーツものが似合うスタイリッシュさが出ると思います。
    新生雪組も楽しみです。

  6. こころ夫人 より:

    こんにちは。
    いつも楽しく興味深く、拝見しております。
    彩風さん、素敵ですね。
    スーツもの、絶対きまりますよね。
    和物の雪組でもあるので、青天の侍ものではなく、雅な公家さん、を演じてもらえないかな、とも思います。
    月組の月城さんも、和物もお似合いですね。
    そして、近い将来、花組の永久輝さんでも、和物(元禄バロックも楽しそうですが、あえて正統なもので)を演じてくだされば、と期待しています。
    雪育ちのスターさんが、どの組でも活躍されているのが、ひと頃の雪組を思うと、なんとも不思議な気持ちもあり、素直に嬉しさもこみ上げ、見続けてきて良かったと、しみじみ…します。
    祖母と姪は、アーサの魔法にかかったままで、微笑ましくて、梅雨空でも楽しくなります。
    彩風さんの雪組、どうなってゆくのか、楽しそうですね。

  7. さくら より:

    いつも、納得納得と思いながら、楽しく拝読しております。

    ロミジュリって一度上演されると、しばらくは上演されませんよね。
    版権の問題だと思いますが、星組の後だと、少々プレッシャーですが、版権のあるうちに是非雪組でやって欲しいです。ティボルトを朝美様で。そして出来たら、短期間でも良いので朝美ロミオを是非是非観てみたいです。その時ジュリエットが夢白様だったら最高です。

    前に月組で上演された時、明日海ロミオが観たいとまわり(スタッフ?)が思い(うわさです)、準主役などという訳のわからない肩書きをつけてダブルキャストにしましたが、結果、素晴らしい作品が出来、映像にも残ることにもなり、未来の私達の目を楽しませてくれています。
    その後、明日海様は長きに渡りトップを続けましたが、ロミジュリの再演はなし、ということで、結果オーライということでしょうか。

    今、この版権があるうちに是非とも雪組でもロミジュリが観たいです。次のチャンスはなさそうなので。可能なら、朝美ロミオを切に。単なる一ファンのお願いでした。

    これからも楽しみにしております。

  8. より:

    彩風さんの印象的な舞台姿といえば、私は誠の群像の山南さんとキャリエールです。穏やかで落ち着いた、芯のある人物像が似合い、意外とピュアな空気をお持ちだなと感じています。うたかたの恋とか似合いそうで、悲劇の雪組を継いでいけそうなんですが…なぜギャグなのか。月組BADDYで珠城さんが銀橋でガーン!ってやっていた時のように、微妙に笑いに振り切れない感じにならないか心配です。ネモもハリゴシもイマイチピンとこなかったので、いい作品に恵まれてほしいです。