暇なので娘役人事について考えてみましたシリーズ、
一応前回の続き的なものになります。
宝塚のトップ娘役人事において、
つい最近まで蘭乃、愛希、夢咲、実咲という
5組中4組が長期政権を張るトップ娘役人事硬直化時代がありました。
ところがここ最近は
妃海、花乃、咲妃、仙名、綺咲、真彩と3作~6作でトップ娘役を回す
風通しの良い人事に変わりつつあります。
これが意図的な変化かと言われれば決してそうではなく、
トップ人事の都合に合わせた
偶発的なものだと個人的には思っておりまして。
それでは、次なる長期トップ娘役が現れるのか、
本日はそんな読みづらい娘役人事についてまとめていきます。
星風まどかの任期を読む
真彩希帆が退団発表したことにより
100期生の星風まどかが
現トップ娘役の中で最長任期になります。
つい最近就任したばかりのピヨピヨ娘役かと思いきや
時の流れとは本当に早いものですね。
彼女は中卒研4就任。
直近だと同じ年齢で就任した愛希れいかが
6年近い超長期政権を張りました。
過去の研4就任の娘役陣を見ると、
彼女も同様に長期政権を張るタイプになるかと思いきや、
そうは問屋が卸さない状況になりつつあります。
そう、103期生・夢白あやの存在です。
夢白も星風同様、初詣ポスターに研1で新公ヒロ「格」。
研2でバウヒロインを務め、
『アクアヴィーテ!!』では露骨に芹香との並ぶ場面が多くありました。
ここまで早いと「輸出用?」と思うところですが、
桜木主演の東上公演『壮麗帝』でヒロインはさせずステイ。
ここに来て調整モードに入りつつあります。
真風任期が7~8作で、かつ後任が芹香だとすれば、
最近のトップ娘役生抜き傾向から考えると
相手役最有力候補に違いありません。
あと2年待っても夢白はまだ研6。
彼女はどちらかといえば大人っぽい芸風が魅力ですので
熟するのを待つというのも一つの選択肢なのでしょう。
とはいえ、夢白ほどの早期抜擢娘役が
研6まで待つかと言われればそうとも言えないわけで、
次に気になるのは月組の娘役事情です。
美園さくらの任期を読む
個人的に、美園さくらの任期は4作だと思っていました。
これは花乃と仙名という明日海の後妻2人がともに4作任期であり、
かつ、愛希と実咲が2人目トップの相手役を務めた任期が4作だからです。
美園の任期が4作だと仮定すれば、
『ピガール狂騒曲』 の次の公演になるわけですが
現在、月組は本命娘役の育成をしていません。
天紫珠李と結愛かれんをどちらも目立ち過ぎないよう調整しつつ、
でも外箱ヒロインの経験を積ませないよう海乃を重用。
娘役転向させた蘭世惠翔は特に抜擢はなく、
本命かと思われたきよら羽龍は新公ヒロせず白河りりの登板。
考えられるのは
・美園さくらの任期が4作より長い
・珠城の次のトップが落下傘で受け皿要員で海乃がトップ娘役になる
・トップ娘役が外から組替えでやってくる
という、この3つくらい。
仮に一番最後の「トップ娘役が外から組替えでやってくる」場合、
その最有力候補は、現状最も経験値の高い夢白あやでしょう。
もちろん彼女が単身月組へ組替えする可能性もあれば、
芹香と一緒に落下傘する可能性だってあります。
とはいえ、この一緒に落下傘ケースは
大空&野々以降起きていない超ウルトラC人事ですので
個人的に可能性は低いとは思いますが…。
また、月組は美園といい愛希といい
1年ちょっとの急ごしらえでトップ娘役に就任させるという
さすがのサイコパス人事をやってのけてますので
きよら羽龍を今から1年で育成する可能性もあります。笑
いずれにせよ、夢白が月組に来る可能性は低いと思いますので、
もし組替えするなら別の組かなと個人的には思います。
華優希の任期を読む
舞空は星組に就任したばかり、
雪組は順当で潤花だろうしこちらも若い。
ということで消去法的に考えられるのは、
花組で柚香の後妻、つまり華優希の後任です。
個人的に柚香と夢白の組み合わせは
なんと言ってもビジュアルが美しいし
芝居が得意な2人なので見ごたえのある公演作りが出来そうな気がします、が。
問題は華が短期で退団するのかということ。
花組は蘭乃、桜乃と
技術難な娘役ほど長く居座る傾向があるので、
個人的に華が長期政権を敷くのではないかと戦々恐々だったりします。笑
前の記事にも書きました通り、
私は彼女の芝居力と華憐な娘役力は素晴らしいと思いますし、
柚香と組むことになったことも一定の理解はしているつもりです。
とはいえ、それは花乃・仙名と
前任たちが4作で潔く退団していき
その流れを華も組むのではないかという前提があるから。
これで華が柚香を見送り、
さらに後任であろう永久輝のトップ就任公演が『エリザベート』で
シシィを演じてから辞めるなんてなったら…。
まさに「歴史は繰り返す」になりそう。笑
そんなわけで個人的には
華が宝塚の歴史に美しく名を刻むためにも
「引き際」はぜひ見極めて欲しいものだなと思います。
再・星風まどかの任期を読む
冒頭に戻ります。
少し前、星風まどかが『アナスタシア』で退団するのでは説が
まことしやかに囁かれてましたが
個人的には「絶対無いでしょ」過ぎて触れさえしませんでした。笑
それは彼女ほど若く、実力もある娘役が
たった5作で辞めるなんて
これまでの宝塚人事的にあり得ないと思ったからです。
とはいえ、夢白の育成状況を見るに、
今の流れだと真風と添い遂げ退団しそうかなぁと予想しています。
具体的に言えば、任期7~8作。
愛希ほどではないとはいえ、
トップ娘役としては充分な長さだと言えるでしょう。
ですが、個人的な想像よりは短く、
やはり劇団的には「トップ娘役を多くの人に就任させる」という
風通しの良い人事に方向転換しつつあるのかもしれませんね。
長期任期スターのメリット
個人的には、1人に対して長期的な事業計画が立てられることを思えば、
5組中1人くらい長期任期のスターがいた方が良いと考えています。
振り返っても、柚希礼音、明日海りおをはじめ、
春野寿美礼、瀬奈じゅん、和央ようかと、
長期スターの宝塚への文化面、収益面での貢献は多大なものです。
そしてそれは娘役も同じで、
花總、愛希と規格外な娘役たちは宝塚に利益をもたらすだけでなく、
退団後の舞台興行への貢献度の高さを思えば
長期政権も悪くはないかなと思わなくはなかったり。
とはいえ、長期政権を張るには
それ相応の実力と評価が伴わなければ批判の元になるわけですから
その重圧は想像を絶するものです。
そんな中、そんな長期スターになるべく
配置・育成されるであろう娘役が現れました。
そう、星組トップ娘役の舞空瞳です。
星組は代々同時退団が多く、
特に安蘭から4代続けて同時就任同時退団。
そして皆さんご存知の通り、礼真琴は早期就任の実力派スーパースター。
劇団が礼&舞空コンビを
次のドル箱にしようと目論んでいそうですので
長期政権待った無しだと思われます。
とはいえ、娘役人事はいつだって水物。
トップ娘役たちのスター人生がどのようなものになるのか、
今後の推移を見守りたいですね。
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コメント
いつもながら興味深い考察、ありがとうございます!
個人的には、2021年の東京宝塚劇場の長期休館がポイントではないかと考えています。
休館時期は未発表なのでほとんど妄想レベルですが、リニューアル幕開け公演で宙組トップコンビお披露目。
もしかしたら、休館前ラスト公演が月組トップコンビのサヨナラかな、などと。
今回の新型コロナウイルスの件で宝塚歌劇団も売上減は避けられない状況なので、休館も先延ばししかねませんが、「設備の老朽化に伴う工事」が理由となればあまり先送りもできないはずなので、予定通り実施するように思います。
ちなみに宙組次期は芹香さん夢白さん。月組は、月城さんに十分な時間を用意するために他組から短期前提でトップスター落下傘、相手役は海乃さん、と予想していますが、なにしろサイコパス人事の月組ですので、何があってもおかしくないですね…
美園さんの残留は賢明ではないと思います。現トップ色の払拭は急務になるでしょうから。
あの「アンカレ」を見た人なら誰もが羽龍さんの娘1就任を願いもし確信もしたと思いますが、月城さんの相手には早いのかな?サイコパスの月組ですから彼女も飼い殺しにする悪夢のシナリオもあり得そうで怖いです。
長期を張ると大したことない娘役もさぞ凄いみたいに外部売れるので(誰とは言いませんが怒)、劇団の寵愛の深い娘役が長期になるのだと思います。今は特にいなさそうですが…
こんにちは。いつも興味深い&楽しい記事をありがとうございます。
こちらの記事を読んでいてふと、
柚香さんが主演作品を重ねて大人の魅力を兼ね備えていく→それに併せて大人っぽさが魅力の夢白さんが相手役に就任…というストーリーはありそうかな。とちょっぴり思いました。
宙組のトップコンビは、真風さんの背中を追いかけて若い星風さんが成長していく、というコンビ物語が紡がれつつある感じがするので、私も添い遂げかなぁと思います。
美園さんの任期はまっったく想像がつかないというか想像しても当たる気がしません笑
舞空さんは、ちえねねコンビの再来を期待されている雰囲気があるので長期でしょうと私も予想します!
蒼汰様
本公演もないと、人事の話も今一つ気持ちが盛り上がらず、最後の公演だった方々がどうか大劇場で迎えられることを祈っています。
月組、どうなるのでしょうね。
最近は年功序列なのかな…
娘役はさっぱりわかりません。
赤と黒も見たかったですが、見られず、見ていたら、また思うところあったかも。
星組はロックオペラモーツァルトで、トップ娘役以外の力量が発揮され良かったです。いやはや、全く別の組を見ているのかと思いました。
次の新人公演の発表が気になります。
こんにちは。
確かに桜乃さんは、歌が少し難だったと思いますが、あの佇まいや雰囲気、トップに寄り添う美しさという点で私はとっても「まとあや」が大好きでした。今も「かすみ草」のように男役を引き立てる、花組理想の娘役ではないでしょうか。長くいると評価されがちというのはうなずけますが、彼女は春野さんの時より格段に成長して、退団されたように思います。彼女が好きなので、ちょこっと言いたくなりました。
蒼汰様
いつも楽しみに拝読しております。ライビュ専科の地方民です。
華さんのエリザ・・・(妄想中)
「エリザベート」って、今では長期トップを張った娘役さんの退団餞別演目ですけど、相当特殊な役ですよね。そもそも史実のエリザベートって、当時のハプスブルクの臣民から見たら、現代のメーガン妃と似たような存在だったと思うんですよ(笑)
宝塚で男役さんファンにも愛される娘役であることって、ゾフィーや現エリザベス女王にも好かれそうな「出来過ぎた嫁」であることで。エリザベートの「救済を求めて彷徨う魂」とか、「自我をこじらせて」とか、そういう特性と相反することだと思うのですよ。
私は華さんが青薔薇~で演じたシャーロットが好きでしてね。お話全体はビミョーだったんだけど(汗)他人とは世界の見え方が違っていて、それゆえ生きづらくて、でも屹然と「私は私」を貫くところがねえ、なーんか私の身に染みたんですよ、他人事でなかった(笑)
あ、いや、別に華さんの歌う「私だけに」をぜひ聴きたい、というわけではないけれど(汗)、華さん演じる史実ベースのエリザ像を見てみたい気がする。
1991年に宝塚で「恋人たちの肖像」という、「エリザベート」と「ルードヴィヒ2世」と「うたかたの恋」を足して割らない芝居を上演して、当時のお客は「( ゚д゚)ポカーン」だったらしいんだけど(笑)あのへんの事情について客の知識もだいぶ蓄えられた今、外箱でやったらどうだろう。
初めて書き込みさせていただきます。
ヤンみき以来のゆるゆるファン、まかキキも好きな私は宙組次期は芹香夢白希望です。
芹香さんが宙組に来た時のラムセス「嫁に来いよ」ソングを見たときはまどかちゃんと可愛くお似合いでこれは引継ぎと思っていましたがそれも昔のこと。
真風さん長期後となれば即、大人の男で魅せなくてはなりません。
夢白さんは美しさが見ているこちらの胸を不安にざわつかせる(笑)雰囲気があり
芹香側とすれば願わしい相手役ではないでしょうか。
柚香さんは非常に目立つビジュの反面、子どもが泣き出しそうな顔という点が大トップの鳳蘭さんみたいと思っていて、でも幼い人や初見の客席にはとっつきにくいので
(歌舞伎も好きなので舞台では尋常に整った顔立ちよりも大きすぎる目やとんがった鼻とかの破格なものの持ち主のほうが大きく華やかに見えるのは理解しています)
遥くららさんのようなおでこのまあるい娘役が宝塚の世界へ優しく導いてくれる、
華ちゃんはその役目にぴったり、芝居もいいので頑張ってほしいです。
長々と失礼しました。
礼舞空は芸達者なのに若くて陽性で現代的なコンビでかなり珍しいですね。舞空は花ならともかく、星での就任経緯やここ数年の星の動向含め礼と添い遂げだろうなと思うので、舞空が長期かは礼次第かと。コンビで星組だけじゃなく今後の宝塚の空気を担うやら言われすぎなので、計画どおりならここは長期だとおもいますが勿論イレギュラーが起こっちゃうのが宝塚です。
華はなんだか蘭はなっぽい雰囲気あって読めません。柚香がいいならすごくお似合いなので添い遂げまでいっても大変良いとは思いますが、まさか永久輝までいって蘭はな再びがありえるか。
こんにちは。いつも楽しく読ませていただいてます。
私もはっちゃんさんと同じように桜乃さんは娘役として理想的だったと思います。太王四神記や虞美人などでの演技力は素晴らしかったですし、いつも男役さんを立てる奥ゆかしさは美しかったです。それなので技術難とか蘭乃さんと一緒にされるのは正直ちょっとそれはないな。。。と思い思わずコメントしてしまいました。。。。
蘭乃はなちゃんも歌は苦手でしたがダンスはとても良かったですし、スタイルも良く蘭とむと似合いの陽の雰囲気のある娘役で良かったと思いますけどね……引き際を間違えた、という印象は私にもありますが。