雪組公演を大予習!!『ONCE UPON A TIME IN AMERICA』あらすじ

2020年のお正月公演となる

雪組公演『ONCE UPON A TIME IN AMERICA』ですが

予習のため映画版をamazonプライムで見ました!!

 

この映画にはいくつか版があり、

私が見たのは「完全版」、229分の大作です。

 

正直なところ、グロかったりエグかったりなシーン満載で

品格を重んじる宝塚過激派の皆さんは

絶対に受け付けない作風だと思いましたので、笑

予習のために、私なりにあらすじをまとめてみました。

 

宝塚的には誰が何の役をするのか、

もとい出番がどれだけあるかが論点になると思いますので

登場人物の動きを中心にまとめてみたので、参考にしてみてください。

 

『ONCE UPON A TIME IN AMERICA』あらすじ

 

映画版では

青年期(約20分)→壮年期(約10分)→少年期(約60分)→青年期(約120分)→壮年期(約10分)

と進行し、隙間に壮年期のシーンがパラパラと差し込まれる形式を取っています。

 

最初の青年期と壮年期の伏線を最後に一気に回収する展開のため

話の流れが複雑で分かりづらい部分があるのですが

時代ごとに分けることで理解しやすくなるのではないかと思いますので

時間軸で整理しながらあらすじをご紹介します。

 

※がっつりネタバレしてますので要注意

 

【幼少期編】少年たちの出会いと挫折

 

時は禁酒法時代のニューヨーク。

ユダヤ系移民の子であるヌードルス(望海風斗)

同年代のパッツィー・コックアイ・ドミニクとつるむ不良少年でした。

 

また、ユダヤ人向けの大衆レストランで働くペギーや、

店主の息子・モーとも友人であり

その妹・デボラ(真彩希帆)に淡い恋心を頂いていました。

 

ある日、ヌードルスはブロンクスからやってきた

マックス(彩風咲奈)という少年と出会います。

最初はいがみ合う二人でしたが、やがて不思議な友情が芽生えます。

 

マックスが仲間に加わったことで、

より過激な犯罪に手を染めていく少年たち。

 

稼いだお金は、誰かが独り占めしないために、

コインロッカーの鞄の中に入れることを約束しました。

 

しかし、地元のチンピラのボス・バグジーに目をつけられたヌードルスたちは、

銃で襲われ、最年少のドミニクが目の前で殺されてしまいます。

 

これにヌードルスは激高。

バグジーを刺し殺し、止めに入った警察にも襲い掛かります。

この罪で、ヌードルスは刑務所に送られてしまうのでした。

 

【青年期編】すれ違う2人の友情

 

6年後、出所したヌードルスをマックスが出迎えました。

 

マックスたち不良少年は大人になり、

表向きは葬儀社、裏では酒の密売で稼いでいました。

また、モーは酒場の支配人に、ペギーは娼館の主となっていました。

 

久しぶりの再会に喜ぶマックスたち、

そこに美しく成長したデボラも現れ、出所を祝いました。

 

マックスは大物マフィア・フランキーたちから

仕事を請け負うようになっており、

ヌードルス加入後の初仕事は、宝石店の襲撃。

 

襲撃の手引きをした店員のキャロル(朝美絢)

自らヌードルスに自分を性的暴行(スミレコード)するよう懇願、

すったもんだありながら、無事任務を終えます。

 

しかし、マフィアの手下たちに成果のダイヤモンドを渡す際、

マックスは彼らを皆殺しにしてしまいます。

 

さらにフランキーを出し抜こうと、

労働組合のリーダー・ジミー(彩凪翔)にも貸しを作ります。

 

ヌードルスは仲間を簡単に裏切るマックスのやり方に難色を示し

2人はだんだん対立していくのでした。

 

 

そんな中、ヌードルスは海辺のレストランを貸し切り、

デボラに不器用ながら愛を伝えます。

 

2人はお互い愛し合っていましたが、

デボラは女優としてのキャリアを求め、

翌日ハリウッドへ行くと決めていたのでした。

 

そのことにショックを受けたヌードルスは

帰りの自動車の後部座席で

デボラを無理やり性的暴行(スミレコード)してしまいます。

 

ヌードルスとマックスは気持ちを新たにするために、

それぞれの愛人・イヴとキャロルを連れ

フロリダで過ごすことにしました。

しかし、そこへ禁酒法廃止のニュースが届きます。

 

これまで通りでは金は稼げない。

マックスは、警備の厳重な連邦準備銀行を襲うと言い出します。

 

この無謀な計画を止めるため、

キャロルはヌードルスに「警察に情報を流して欲しい」と頼みました。

 

禁酒法が廃止された夜、

ヌードルスは仲間の命を救うためだと決意し、警察へ電話をしました。

 

(ここで映画の冒頭に戻る)

しかし、マックスたち3人は現場に向かう車中で警察に射殺されてしまいます。

炎上した車から運び出されたマックスの遺体は損傷が激しく、

顔の識別ができないほどになっていました。

 

ヌードルスは仲間を売ったことで命を狙われ、

その途中で愛人・イブは射殺され、モーも酷い拷問を受けます。

 

逃亡資金としてコインロッカーに貯めてきた共同基金を当てにしましたが、

トランクの中にお金はありませんでした。

 

誰が盗んだのかわからないまま、

ヌードルスは一人ニューヨークを後にします。

 

【壮年期編】解き明かされる真実

 

35年後、ヌードルスがモーの店に姿を現します。

 

これは届くはずのない墓地改装通知が送られてきたためで、

真相を確かめるため、マックスたちの墓へ行きました。

 

墓にはコインロッカーの鍵が吊るされており、

そのロッカーを開けると、大金の入ったトランクと

殺人依頼のメッセージがありました。

 

ヌードルスはモーの店で見ていたテレビで

汚職に揺れるベイリー長官のニュースを見ます。

 

その見覚えある顔にピンと来たヌードルスは

彼が立ち上げた財団で働くキャロルに会います。

そこに飾られた写真にはデボラの姿があり、今度は彼女を訪ねます。

 

久しぶりの再会に、差しさわりの無い会話をする二人。

しかしヌードルスが「ベイリー長官からパーティーに招待された」と話をすると

デボラは明らかに動揺し「パーティーに参加しないで」と懇願します。

 

そこにベイリー長官の息子がやってきます。

彼は若い頃のマックスに瓜二つであり、

ヌードルスはデボラがベイリー長官の愛人であることを察したのでした。

 

ベイリー長官のパーティーに出向いたヌードルスは、

ベイリー長官として生きているマックスと再会します。

 

35年前の一連の出来事は

すべてマックスや組織が仕組んだ罠で、

あの焼死体も替え玉だったと告白するマックス。

 

そして今、汚職事件により窮地に立たされているマックスは、

ヌードルスに「自分を殺してくれ」と頼みます。

 

しかしヌードルスはその申し出を断り、

マックスのもとを去ります。

 

外へ出たヌードルスを追ってきたマックスは、

動き出したゴミ収集車とともに姿を消し、

対向車からはありし日の美しい禁酒法時代の幻影がすれ違うのでした。

 

気になるのは改編点とキャスト予想

 

ということで、この作品は非常に宝塚らしからぬ世界観なわけですが、

作中では抽象的な表現が多く、

それにより様々な解釈・考察がなされています。

(よって私のあらすじまとめも誤りがあるかもしれません…。)

 

私が勝手に思うこの物語のキモは

少年時代のまま、友の世界の中だけで生きたかったヌードルスと

大人になるにつれ、全てを捨てても上り詰めたかったマックスの

すれ違う友情物語、だと思うんです。

 

ポイントは、望海風斗と彩風咲奈って

一見キャラクター的に逆っぽく見えるわけですから

だからこそ舞台では面白く映えそうな予感がすることでしょうか。

 

その他、このままではスミレコード的にマズイところや

そもそも長尺のこの映画を時間内に収めるため

小池氏が原作をどう料理するかが非常に楽しみですよね。

 

ということで、舞台化にあたる改編点の考察と

キャスト予想は、後編でまとめたいと思います、が。

皆さんもこの土日でぜひ原作映画を見てみてはいかがでしょうか?

 

ということで(長くなってしまったので)大予想編へ続く!!

 

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コメント

  1. 和世 より:

    ネタばれ気にしない派なので拝読しました。ありがとうございます。
    私はファンが思う「宝塚はこうあるべき」論には与しないので、脚本担当の方や組の皆さんが良いと思う作品になればと思っています。
    (チケット、頑張ります(笑))

    今までにも結構「すみれコード」をぶっち切ったと言われる作品がありますが、気になりません。もちろん劇団側が原則とするものは
    尊重されてしかるべきだと思いますが、そこでGoが出たものについては、あれこれ言わなくて良いと思っています。

    今の雪組さんは、組全体が安定して技術的に質が高いので、
    多少のことはねじ伏せてしまえる気もします。
    (脚本の潤色、『エリザベート』の方ですよね?)

    • 蒼汰 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます‼
      そうです、あのエリザを演出した小池氏ですし、その初演も当時の「雪組体制の集大成」として上演したわけですから、
      色んなリフレインが起きて名作になること期待したいです。笑
      小池氏のことですからしっかり宝塚的世界観を構築してくれることでしょう!!

  2. 海苔巻き より:

    私もネタバレは気にならない派、どころかちゃんと知ってから行きたい派なのでしっかり読ませてもらいました。
    なるほど、私は好きな内容です。

    今のトップ二人になってからは生で雪組を観劇したことないのですが、1月の公演は色々と手を尽くして3回観に行けることになりました。
    今から楽しみです(^ ^)
    その前に月組と宙組も楽しみです笑

    • 蒼汰 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます‼
      話の筋だけみると結構王道な男の友情ものなんですけどね。表現がエグいのでそのあたりがどうかと。笑
      3回もご覧になれるなんて羨ましいです!!自分もチケ取り頑張りますー。

  3. ロット より:

    私は映画はリアルタイムで見ております。当時はデニーロが出ている映画なら片っ端からみていましたので。

    私は宝塚を知る前はそれなりな映画ファンだったので、一般的な人よりもそこそこは見ていた方だとは思いますが、その中でも、これは宝塚向きでは?などと論ずる以前にどの映画よりも過激ですよね(笑)。アマポーラの美しい曲にだまされてはいけませんね(サントラ買ってましたよ当時)。

    『カサブランカ』や『華麗なるギャッツビー』の脚色とは、全然レベルが、違いますよね。

    でも蒼汰さまが、すっきりあらすじを改めて書いてくだすったおかげで物語の骨子みたいなものは見えてきました。ありがとうございます。ああ、キャロルの宝石店の店主は愛人か夫だと当時は思っていました。むっちゃ悪女やんって。。。。

    私はスミレコードは守っていただきたい派です。
    過激なものはよそで充分見られるので、そこは求めていませんね。

    • 蒼汰 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます‼
      凄い、リアルタイムでご覧になられてるんですねー。普段あまり映画を見ないのでここまでエグイのは初めてでしたが、確かに曲だけ聞くと本当に美しい世界観を構築してますよね。
      実は私も最初キャロルは「宝石商の妻」だと思ってたんですけど、そのあと夫と娼館に出入りしてるくだりから、違うのかな?と勝手に推察したのですが…どうなんでしょうかねぇ。
      小池氏のことですからしっかり宝塚的世界観に美しく構築しなおしてくれることでしょう!!今から楽しみですー。

      • ロット より:

        そもそも論といいますか、まあ、雪組の皆さまは全員見られている訳ですよね。望海さんも感想を述べてらっしゃいますし。ええわかってますよ。トップさんともなれば、まありっぱな大人ですし、何でもご存じですし、ジェンヌが本当に霞食べてるなんて思ってませんけどね。よく公演前に組子たちで一緒に見てみたなんて話あるわけじゃないですか。雪組の生徒さんは全員見ていく訳ですよね。いや、いいんですよ、そりゃあ見てるでしょ(笑)、普段の生活でも。でも中卒の研1さんだったら18歳で未成年ですよね。R指定映画ですよね。(私はギリ成人でしたので、言えた義理ではありませんね。。笑。)
        駄文でした、失礼いたしました。

        • 蒼汰 蒼汰 より:

          た、た、確かに…笑
          18歳以下は台本しか読んでいないということにしておきましょう。笑

  4. YUKIMARU より:

    映画を見ようと何度かトライしたのですが、残酷な場面が多くて、進みません。
    このようなあらすじを書いていただいて、ほっとしました。
    とても助かりました。
    ありがとうございました。

    • 蒼汰 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます‼
      そういう方がいらっしゃるかなぁと思ってまとめさせていただきました。
      中盤以降は比較的過激表現が減っていくので、無理ない程度に再挑戦されても良いかもしれません。

  5. うみひこ より:

    蒼汰さん
    私もAmazon Primeで見ました。(このためにお試しに入った。マスカレードホテルも見たかったが無くて残念)
    昔見たんですが、筋が分からんところが多くほぼ忘れていまして。

    なるほどそういうテーマですか。ゴッドファーザーPartⅡのマイケルと親父のドンとの対比に似てますね。

    キャロルが朝美さんの先行画像にそっくりだったのに驚きました。小池先生やるなー。

    恐らく次の記事で触れられると思うのですが、ペギーを誰がやるのかに興味津々です。
    一緒に見た嫁は、ペギーはキャラから外されるはすだ!と主張してます。

    • 蒼汰 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます‼
      次の記事で触れますが、キャロルそっくりでしたよね。笑
      ペギーを外すって全然想像してませんけど、確かにいなくなっても困らないかもしれませんねー。
      とはいえ娘役の少なさ的には比重は変えつつ存在はしそうですが。
      個人的には舞咲さんか愛すみれさんか、あるいは幼少期編と分けてくるか、と勝手に思っています。

  6. ねこ より:

    蒼太さん、わかりやすいあらすじ解説をありがとうございました。
    なかなかの長編映画と聞いてたので、原作見るかどうか悩んでたので、助かりました。
    今の雪組がというよりも、小池先生の手腕が好きなんです。その小池先生が今の雪組でやりたいと思った作品。パンフの小池先生のコメントで、思い入れの深さが分かる。深いと段組が増える。 ギャング❌望海は 当たるに決まってます。過去の作品で実証済み。
    さあ、どんな料理になるのか楽しみです。

    • 蒼汰 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます!!
      そうですよねーぜひ名作へと上手に料理して欲しいところなのですが、たまにすさまじいヘンテコ(ナポレオン)を生み出すときもあるので少しばかり心配です…笑
      雪組ギャングとかまさに眼福!!今から楽しみですねー。