世間は『NOW! ZOOM ME!!』の公演開始、
あるいは『FLYING SAPA』東京公演で話題が持ち切りですが、
こちとら今更ながら雪組公演『炎のボレロ』の感想を掲載します。笑
様々な発表により鮮度が落ちてしまったし、
状況が変わり過ぎてほっとんど書き直しになったのですが、
せっかくなのでお付き合い下さいませ。
彩風咲奈の驚くべき安定感
現在、圧倒的人気と実力を誇り、
『NOW! ZOOM ME!!』にて集大成を見せている最中の望海風斗。
彼女が退団することで「今後色々と大丈夫か?」と心配の声が上がるのに対し、
当ブログでは繰り返し「心配ないよ」と太鼓判を押してきましたが、
今作を見て改めて思いました。「ほらね、全然大丈夫!!」と。
8頭身の超絶スタイルをこれでもかと見せつけるような衣装の連続で
望海なら歌ったであろう心情表現場面でひたすら踊り続ける。
望海風斗とは敢えて全く逆のアプローチで、
彼女のスター性をこれでもかと見せつけてくれていました。
カッコ良いじゃん彩風咲奈!!
また『ハリウッド・ゴシップ』の感想編でも書きましたけど
彩風と潤の並び、良いですよねー。
彩風咲奈ってスタイル先行、ダンス得意、歌はギリ合格点という感じが
いかにも昭和のスター的良さがあるわけですけど、
それが若い潤相手だと頼れるトップ様感が増幅して良い雰囲気でした。
潤花は相変わらず声美人であることと、
常にニコニコ&臆せずガンガン踊り狂う様子が
「私がヒロインです!!」という押し出しとオーラとして感じられて
とても良かったと思います。
物語はいかにも柴田という世界観であり、
「男にはやらねばならないことがある」だの、
アルベルトとジェラールの歌の応酬だの、まさしく古き良き宝塚という感じで
彩風のキャラクターに良くハマっていたと思います。
とはいえ内容的にはアルベルトが炎のような男である様子は特に無く…。
「一生懸命生きて、生きて」と言うわりに
お前結局何したん?と突っ込みたくなりますが、
そこは再演物、ご愛敬ということで。笑
そして最後の場面でアルベルトは「新しい世界を作ろう」と誓い
周囲の人々は「君こそ新しい星・アルベルト!!」と祝福し…
と思いっきり次期トップを暗示するような演出でエンド。
ハッキリ言って、これがやりたかっただけやろっていう。
彼女の地元である愛媛での凱旋公演でもあったわけですし、
つくづく中止になってしまったのが惜しいなぁと思ったのでした。
彩風新体制の幻のifを思う
彩風×潤の相性の良さだけでなく、
彩風×朝美×縣の組み合わせも眼福でしたねー。
朝美絢に関しては別記事で書きますが、
とにかく縣千の成長っぷりに感動してしまいました!!
あの骨太でありながらスタイリッシュな「イケメン野郎」感、
研6にして凄くないですか?
線の細いアイドル系スターが多い中で、この資質は貴重だと思います。
そして歌ね。彼女は歌が苦手という印象があったのですが、
想像よりも大丈夫でした。笑
彩風新体制における彼女の成長が楽しみな一方で、
この公演の主要キャストを振り返った時、
トップ彩風、相手役潤、2番手朝美、娘2彩、3番手縣と、
彩風新体制における幻のif番手だったんだなぁと今更気付きました。
さながら宙組『黒い瞳』における
芹香斗亜が組替えしなかったifとしての真風宙組体制と同様の、幻のif。
(こちらはトップ真風、相手役星風、2番手愛月、娘2夢白、3番手桜木、でしたね。)
もちろん、彩凪、綾、諏訪、彩海と主要メンバーが複数人不在であり、
朝月、夢白と組替えでやってくるスターも決まっていますから、
今作はもし仮に潤花がそのままトップ娘役に上がった場合としての
幻のif体制を楽しむ作品と言えるのかもしれません。
とある雪組ファンの叫び
ここからは超私的な内容です。
やっぱり生で見たかったよおおおおおおおおおおおおおおおお。
実は当初、管理人masaさんと(全ツを)遠征しようと計画してたんです。
『はばたけ黄金の翼よ』で全ツの楽しさを実感しましたし、
何より少しでも雪組の売上げに貢献したいなと思っていましたのでね。
そこに管理人の両親が「ウン十年ぶりに宝塚を見たい」と言うもんだから
じゃあ温泉でも楽しみながら愛媛か高知に行こうとウッキウキだったんです。
しかも今作はいかにも宝塚!!な柴田作品ですし、
彩風率いる雪組の体制も安定していることから
久しぶりに宝塚を見る高齢者には調度良い公演だなと思っていたんです。
配信で見て、改めて思いました。
やっぱり見せて差し上げたかったなぁと。
そして朝美絢の小羽根ね。
外箱公演での羽根が人事的になんの意味もないことは重々承知ですが、
でもファンとしては生で見たいじゃないですか。
好きなスターが羽根を背負っている姿を!! 生 で !!(重要)
配信放送でも十分楽しめたのですが
いち雪組ファンとしては色々と悔しさが残る公演となりました。
腹いせに久しぶりにBlu-rayを購入しようと思います。笑
下級生を楽しめる外箱公演の良さ
最後に、雪組公演感想編ではお馴染みとなっている、
個人的に下級生で推している望月篤乃について。
役どころは星南演じるアリシアに絡むチンピラの1人で、
ポンチョみたいな恰好したフリオ役だったのですが、
冒頭からセリフが多く、出番もちょこちょこあって嬉しかったです!!
ちなみに『MR』の方では、
確か最後の群舞?で後列ドセンターに立っていたのでめちゃめちゃ目立つ!!
映像でも抜かれ、ファンとしては嬉しい限りでした。やったぜ。
下級生の出番が増えるのが外箱公演の良さだなと改めて思いましたね。
…うん、やっぱり生で見たかったなぁというのが
個人的最終感想なのでありました。
キャスト別感想とショーの方の感想は、記憶が薄れつつあるので割愛します。泣
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コメント
わたしは、自粛明け後は生で「はいからさんが通る」「FLYING SAPA」後の「炎のボレロ」観劇でしたが「あー、宝塚みたなー」という感で胸がいっぱいになりました。
主題歌のあの感じ、とりあえず悪そうな悪役、とりあえずかっこいいヒーローとひたすら可憐なヒロイン。
「なんかよくわからんかったけど、かっこよかったなー」みたいな動物としての人間の説得力って舞台やライブならではなのかと思いました。
久しぶりに男役のあーさをみて内臓が喜んでいるのがわかってびっくりしてしまいましたね♪
その後初演を映像で観ましたが、セリフ回しの古臭さが感じられず「この当時はこれが古くなかったんだもんなー。」と勝手に時の流れを感じてしまいましたね。
このご時世でいろんな工夫も必要だと思いますがやっぱり宝塚は生でみたいなーと再確認しました^ ^
いつも楽しく読ませてもらってます!って、、
えー!!キャスト別、ショー感想も楽しみにしてたから残念っす!(T^T)
とはいえ、私も公演から時間たって、人事的にも色々ありすぎて記憶が薄れつつ、、、笑
彩風さん朝美さん縣さんの並びが、互いの持ち味をじゃませず、とても素敵だな~ってのは本当思いました!!
私、、この席超超超神席の予定だったのです(T^T)幻、、とは言え公演自体が幻にならずよかった。
御贔屓の小羽根~涙しました。ブルーレイ早く出て欲しい。
蒼汰様
いつも楽しみに拝読しております。ライビュ専科の地方民です。
リクエストにお応えいただき、ありがとうございます。
まあ、管理人様の親御様も、四国に遠征予定だったのですね。
愛媛はライバル県ですが、同じ四国と考えると、彩風さんの就任は徳島出身の瀬戸内美八さん以来の慶事ですのでね。地元の皆様もさぞ心待ちでしたでしょう。
(四国は、全ツは高松と松山は4年に1回くらい、高知は10年くらい無い時もある。徳島は兵庫に半端に近くて全ツがこない)
アルベルトに「お前結局何したん?」www
蒼汰様の、こういうびしっとしたツッコミに痺れます(笑)
私感想に困って、マクシミリアン可哀そう、って舞台に出ていない人物に一番感情移入していました(おいおい)
まあ、世間の方がぼんやり考える宝塚のイメージを、さらに10倍返しにヅカヅカしさ全開でお客様にお見せして、「カッコいいい!」と言わせたら勝ち、ですからね。
これでもいいのだ。(全ツでSAPAやったらどうなるのでしょうかね)
蒼汰さん、炎のボレロの感想楽しみに待っておりました。
振替の日程で行けなくなった知人のお陰で観れてしまったラッキーな私です。
ただただ面白かったですよね。状況悪い中、全員ポジティブなところとか。
柴田先生らしい要素だらけだけど、最後に主人公死ななくてよかった、でしたし。
プロローグからずっと踊り続ける展開に、「私、今からショーを二本観るのかしら?」と不安になりつつ、やっと芝居始まって咲奈ちゃんの歌が始まる段で前奏から「泥に〜まみれた〜」て歌うのかと思ってしまった、のですが(最近アルジェばかり見てました)、展開早くてすぅって観れました。
プログラムに記載されている場のタイトルも面白かったのです。「〇〇は今日も□□だった」みたいな書きっぷりで劇画ぽくて。
サパーが実験的な外箱でしたので(私は大好きです)、久しぶりに宝塚らしい外箱の芝居を観た感で、やっと宝塚戻ってきた、て思えました。
早く全ツも戻ってきて欲しいですね。
以前、雪組は娘役育成が下手だという記事を書かれていましたが、男役も大概下手だと思います。
ここ最近の雪組人気は外様トップの活躍で、結局生え抜きは御曹司3人のうち月城と永久輝を出して彩風をトップにするセンスのなさに呆れてしまいますね。
彩風が成長したと仰ってますけど、確かにトップスター及第点はあるのかもしれませんが、新公5回もして、散々抜擢してもらっておいて、この程度かよと私はいつも思います。劇団もそれが分かってるから超異例人事で朝月をフォローにつけたのでしょう。たぶん雪・月・宙が代替わりして93.95期トップが揃ったときでも1番人気ないのは彩風でしょう。
炎のボレロの感想記事、楽しみにしてました。千秋楽は1週間前のことだったのに、人事や真彩希帆さんミュージックサロン配信、トップスターコンサートNOWZOOMME初日と立て続けのニュースラッシュに、ボレロの夏はもう遠い日の花火のようです。
日向薫さんの星組トップお披露目公演、柴田先生の作品、32年ぶり初の再演と聞き、スカステでの初演の放送を予習し、イメージしていた通りの内容でしたが、その古くさい…古き良き宝塚的世界観が彩風さんにまるであてがきのように似合っていて、この人が次の雪組を率いて行くんだなとすんなり納得して見ていました。
雪組トップコンビはあまりにも偉大で、次期は誰がなっても不足なところ(特に歌唱力)が気になってしまうと思っていましたが、新しい星、と囃し立てられる彩風さんには、それはそれで彼女なりの新しいトップスターとしての輝きがあると思います。
ちょうど花組が去年明日海りおさんを送り出し、次期が柚香光さんでどうか?と言われていたけど蓋を開ければそれなりに、トップスターとして役割を果たしているのと同様に。
加えてボレロチームの2番手、3番手役を担った朝美絢さん、縣千さん、プロ上級生の久城あすさん、真那春人さん、下級生ではゆめ真音くん、有栖妃華さん、希良々うみさんの活躍も目立ちました。
組子の半分で行われたボレロチームの活躍を目にし、相性のいい朝月希和さんのトップ娘就任が決まり、世代交代もうまくできそうだと私は感じました。
ただ、潤花さんはとても可愛くて美しく、彩風さんとの並び(それ以上に縣さんとの並びが良かったですが)も良かったので、組替えも、この公演での扱いも、彩みちるちゃんの扱い方同様モヤモヤしたものがあったのはとても残念でした。
結果は同じでも、もっと気持ちよく優しく送り出せなかったのかとは思いました。
千秋楽のご挨拶で彼女の健気さや素直さ、美しさが伝わって来たので、宙組でも活躍されることを願ってこれからも応援したいと思います。
最後に、朝美絢さんの羽根姿、とても嬉しかったです。
蒼汰 様
いつも楽しく拝見しています。
炎のボレロ、
30年以上前の作品でしたが、
柴田先生の世界が広がっていましたね。
今回の配役で印象的だった方たちを
ちょっとご紹介。
ローラン 叶ゆうり
ブラッスール伯爵(久城あす)の息子。カテリーナ(潤花)の婚約者ですが、実はブラッスールは息子の嫁を狙っているかも、ということも承知の上で、カテリーナを思っている様子が、台詞のないところや態度で伝わってきました。
軍服姿も凛々しく、立ち居振る舞いもゆったりとしていて、育ちの良さを感じさせます。
はじめの場面で、「まだカテリーナにお返事をもらっていないので」と控えめに言うところや、お別れを言いに来た場面で「残念だけれど」という時のタメの中にカテリーナへの思いが溢れていました。
「ローランは実に立派なひとだ」という台詞に負けない魅力的な人物に見えました。
今まで、ショーで歌手やダンサーとしての場面は目立っているところもありましたが、ファントムのマダムカルロッタの横で短い場面でいつも歌を歌っていたコメディなイメージがあったので、今回のような正統な二枚目的な役どころもできるのだと感心しました。
奏乃はると ドロレス伯爵
髪型がメキシコ人でした。あのクリクリな癖毛が、フランスの人たちと違うところが、細かいところだけど、さすがだな、と思いました。
ゆめ真音 テオドール
自分のスタイルを崩さず、乳母の家に隠れている姉カテリーナを見守る弟の役ですが、色々心配している様子が伝わってきて、家族思いな一家なのかな、と。ちょっと笑いを取る間も心得ていて、こんな弟がいたら、ほっこりするだろうなと思いました。
千風カレン オノリーヌ伯爵夫人
ブラッスール伯爵の愛人ですが、出過ぎず控えすぎず、大人の女性の思慮深さを感じさせました。どんなふうにブラッスール伯爵と出会い、どんなふうに愛人となったのだろう、ちょっとサイドストーリーを考えてみたくなりました。
星南のぞみ アリシア
不良な弟の姉ですが、とても可愛くて、真っ直ぐなひとに見えました。
久城あす ブラッスール侯爵
ねちっこい台詞まわし。ひとを見下げた言い方。悪党と呼ばれるにふさわしい人でした。
アルベルト〈彩風咲奈)に闇討ちされる想像の場面の腰の引き方や最後撃たれた時の撃たれ方がとても上手でした。
「はばたけ黄金の翼よ」の宰相グリエルモも悪い人でしたが、それぞれ別の人に見えるところがすごいなぁと思いました。
今回公演が終わってから、もう一度星組の「炎のボレロ」を見返してみましたが、彩風さんのアルベルトは、炎のような情熱的な人には見えず、フランスに対抗した大農園主の息子で、周りから持ち上げられて、メキシコの星になったのかしらん、と思ってしまいました。