各組体制の今のカラーを「TAKARAZUKA REVUE」から読む

宝塚の今が分かるイヤーブック「TAKARAZUKA REVUE」

2020年版を無事ゲット致しました!!

読んでの感想を何回かに分けて書いていこうと思います。

 

この「TAKARAZUKA REVUE」は

その年の組体制により本の構成が毎年変わるのですが、

今年の主要ページは各組のトップ・2番手・3~4番目のインタビュー&プチ対談。

さらにそのメイキング映像がDVDとして付いています。

 

見て読んで、改めて今の各組のカラーが良く出ているなぁと思いましたので、

本日はあくまで「感想」として書いていきます。

 

花組:匂い立つ花組全開の香り

 

メンバー:柚香光×華優希×瀬戸かずや×水美舞斗

 

「ザ・宝塚」というか「ザ・花組」感が物凄いですよね。

それは当然、この4名は全員花組生え抜きジェンヌ。

上から数えて4人が全員生え抜きなんて、

平成以降の宝塚史でもスーパーレアケースな組体制です。

 

慣れ親しんだメンバーだからか、一番まとまっているというか

瀬戸かずやの号令のもと全員がレザーでキメてくるあたり、

さすが年功序列の花組だなぁという感じ。笑

 

あと、男役3人が花男感を全開で出しているからか、

華優希もシックな方向で撮影しているわけですけれども、

普段の夢々しい雰囲気とは違う色が出ていて良いですよね。

 

一番のツッコミどころは、撮影場所が高級車の展示場なのですが、

恰好も相まって瀬戸がやり手のディーラーにしか見えないところでしょう。笑

 

しかしこう見ると、若返った組体制の中で

上級生別格2番目の精神的支柱としての役割って

非常に重要なんだなぁと改めて思いますね。

 

月組:まさかの爽やか若返り?

 

メンバー:珠城りょう×美園さくら×月城かなと×鳳月杏

 

この4人は94期・99期・95期・92期と一番学年が近いからか、

任期最長トップがいるにも関わらず

和気あいあいとしたフレッシュな空気が漂ってますね。

 

撮影場所が結婚式場ということで、

メンバーもそういう雰囲気で揃えたようですけれど、

年齢が近いのもあって洒落た結婚式の2次会風景というか

ソリューションとかを提供する系の会社概要みたいな爽やかさ!!

 

どちらかというと珠城体制月組は「古き良き」、

言い換えれば「地に足着いた芋っぽさ」が強みだったと思うのですが、

今回は全体的にシャープでお洒落で新境地開拓!!って感じで良いですね。

 

DVDを見ると、退団発表で肩の荷が下りたのか、

珠城りょうが若返ったというか、

本来の可愛らしい素顔が全面的に出ていたのが印象的。

 

そして去年に比べ、極度の人見知りという月城かなとが

だいぶ打ち解けている様子が見て取れたのが面白かったです。笑

(去年は2番手昇格直後という一番プレッシャーのかかる時期でしたからね)

 

そして美園さくらはどんどん垢抜けていきますよねー。

退団を発表した娘役は何故みんなより綺麗になっていくんでしょう…。

 

雪組:最強チームもこれで見納め

 

メンバー:望海風斗×真彩希帆×彩風咲奈×彩凪翔×朝美絢

 

まず、花組と月組は衣装や撮影の雰囲気等を揃えてきているのに、

雪・星・宙組は特にそういうことはしていない模様。笑

(いや、別に良いんですけど…途中で劇団側が指定しなくなったのだろうか?)

 

雪組の話に戻りますと、本人たちも話していますが

なんとメンツが3年前と全く同じなんですよね。

それはつまり組体制がこの3年で全く変わっていないということ。

 

だからこその安定感というか、並ぶとオーラが圧倒的というか、

ラスボス感、もといロイヤルストレートフラッシュ感が凄いですよね。

「うちらが今大人気の雪組ですぜ、ドヤ!!」的な。笑

 

DVDでは3年前の撮影時の思い出を語る感じが

「もうこの5人で撮影することはない」という別れの予感が孕んでいて

ファンとしてはホロリとしてしまいます。

 

当時「TAKARAZUKA REVUE」の撮影が雪組生としての初仕事だった朝美が

手土産として持参したのが望海が苦手なカレー味(もちろん知らなかった)のお菓子で

「終わったと思った」by 朝美絢 とかね。笑

今だから話せる笑い話が涙を誘います…。

 

星組:愛月ひかるの異物感(誉め言葉)

 

メンバー:礼真琴×舞空瞳×愛月ひかる×瀬央ゆりあ

 

礼・舞空・愛月と3人並ぶとそれぞれの魅力が互いの個性を際立たせ、

全く違うカラーが映えてバランス良く見えるのに、

この4人で並ぶと愛月ひかるだけ極端に異色に見えるのが面白いですね。

 

ハッキリ言うと、礼・舞空・瀬央の若い3人がキャッキャしている横で

愛月が落ち着き払いながら俯瞰しているというか、

一人だけ昭和宝塚感が漂っているというか…。

 

ちなみにDVDを見る限り、

愛月ひかる、他の3人にめちゃめちゃ気を遣っております。

宙組時代の自由人な印象が強いのですが、もう立派な上級生。

やっぱり組替えって人の価値観を変えるんだなぁと思ったり。

 

そして95期の中だと一番クラシカルな魅力が出る瀬央ゆりあですが、

愛月ひかると並ぶとやっぱり若いなという感じになるのも面白い。

 

この愛月の異物感というか、デコボコ感こそが宝塚の魅力でもあると思うので

(そういう意味で花組の組体制と真反対ですね)

舞空・愛月の投入はやはり成功なのだなと個人的に確信したのでした。

 

宙組:やっぱり「古き良き宝塚の再現」

 

メンバー:真風涼帆×星風まどか×芹香斗亜×桜木みなと

 

以前から今の宙組の魅力は「古き良き宝塚の再現」と書いていますが、

この4人で並ぶとその良さがより際立つのだなぁと改めて思いました。

 

ザ・男役的魅力のあるトップ、オールマイティなトップ娘役、

いつでもトップになれる余裕がある2番手、勢い全開のガツガツ3番手。

 

しかも見開きの中央は真風・星風のトップコンビを芹香&桜木で挟むでなく、

真風・芹香のバディがどーーーんと真ん中でドヤってる感じ

ね、ひと昔前の宝塚っぽいでしょ?

 

ちなみにで一番印象的だったのは写真よりも対談内容で、

「きっと今は男役としての自分を出していくために

悩んだりもがいたりの時期なんだろうな」という真風による桜木評に注目。

 

桜木は現在3番手昇格に伴い新たなカラーを模索中で

ホスト芸という新たな芸風に舵を切った、と私は勝手に書いていたわけですが、

中の人から見ても色々模索中なんだなと分かったのでした。

 

後半は娘役編と若手スター編

 

今回はコロナで鬱憤が溜まっていたからでしょうか?

対談内容も結構濃密でいつも以上に見応えのある内容で

非常に楽しめた前半戦でした!!

 

ここまでで「TAKARAZUKA REVUE 2020」のちょうど半分。

残りは娘役編と若手スター編ですね。

こっちは人事を読むアレコレがよく出ていますので、

後半は考察半分感想半分でいきたいと思います。

 

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コメント

  1. 藤尾 より:

    美園さん99期です

  2. こんちゃん より:

    蒼汰様

    いつも楽しみに拝読しております。ライビュ専科の地方民です。

    ”瀬央ゆりあですが、愛月ひかると並ぶとやっぱり若いな”

    愛月さんはひょっとすると95期と同い歳か、場合によっては年下かもよ?

    私が宝塚を見だしたころは、愛月さんよりもっと濃ゆい方がごろごろいて、それでも先輩ファンは「今の男役は昔に比べて薄味になって・・・」とおっしゃっていたのですが、

    今や愛月さんが一人昭和風味と言われるようになるとは・・・

    思えば遠くにきたもんだ(遠い目)

    愛月さん、オールドファンの最期の砦として、星組下級生に昭和のエッセンスを伝えてね(笑)

  3. 優浜 より:

    初めまして。いつも心待ちに読ませていただいています。
    今回の内容とは少し離れてしまうのですが、雪組の公演が見合わせとなり、残念な思いとともに、潤花さんはどうされるのだろう?と気になりそわそわしています。
    雪組で最後までつとめられて、宙組で活躍されるお姿を楽しみにしていますので、潤花さんご自身のお気持ちが落ち着かれる形で事が運ぶよう願うばかりです。

    そして、先日のFLYING SAPAの千秋楽ライブ配信を観たのですが、このような状況の中、素晴らしい舞台を観させていただけたことに、ありきたりな言葉ですが尊敬と感謝の思いでいっぱいになりました。
    東京公演も無事に行われることを心から祈っています。

    これからも蒼汰さん、管理人masaさん目線の分析、そしてとても惹きつけられる展開の内容、文章を楽しみにしております!!

  4. あきら より:

    いつも楽しく拝見させて頂いてます。
    レビュー本を見て雪と宙はトップコンビでテイストを合わせているなと思いました。
    宙は2・3番手でも合わせている印象。
    全員で合わせる組やコンビで合わせてる組と分かれるのも今の組のカラーなんでしょうね。

  5. ぽんさん より:

    愛月ひかるの異物感てw
    まるでオデキみたいな、でも褒めてますよね?ウケます!
    私は愛ちゃん大好きで宙組時代の後半から応援してましたが、宙組にいた時の愛ちゃんは所謂かまってちゃんキャラで、いつも愛ちゃん愛ちゃんて声かけてもらってる印象でしたね。しかし星組に来てからはようやくその風貌に似つかわしいお兄さんキャラ、いや、お姉さんキャラに大変身!元々面倒見は良い方だから、星組の下級生にいろいろ教えてるんだろなと思います。愛ちゃん、出来ればトップになって頂きたいですが、、、。

  6. 昭和のおばさん より:

    お久しぶりです。久々のコメントです。
    先日NICE GUYの全国ツアーの映像をみて、ずんちゃんのホスト芸の意味がわかりました。
    最初、ホスト芸って蒼汰さんが書いていて吹き出しそうになっちゃったんですけどね(笑)
    Brilliant Dreams +NEXTとかみるとなんとなくそうかなあと思うけど、舞台ではあまり感じなかったんですよね。
    でもNICE GUYの全国ツアーを見て、初演のころの雰囲気を残しているのはずんちゃんだけでした。
    ゆりかちゃん、キキちゃんも爽やかかっこいい、そらもガツガツしてないし、
    ずんちゃんだけね視線の向け方とかかっこつけ方が初演の雰囲気を踏襲していて受け継がれてんだと思って感動しました。
    薔薇の精の誘惑のシーンもずんちゃん頑張ってましたね。ゆりかちゃんがあまりに雄々しくて作品がかわってた(笑)
    男か女かわかんないなまめかしい魅力が持ち味だっただけに、大介これはミスキャストだよって思いました。
    ゆりかちゃんとキキちゃんでスーツ物で絡むシーンが見たかったですね。
    そういえばプロローグのゆりかちゃんが来てる白のスーツの裏地は大空さんが来ていたのと違うの知ってました?