「御曹司慎重派」は完全に語感だけで決めたタイトルです。
この記事を書いている時にサブスクで
荻野目洋子の「六本木純情派」がかかったのでこのタイトルにしました。笑
ということで本日のネタは
97期生の路線スター代表格たる永久輝せあについて、です。
95期生に蓋をされている男(役)
ここ数年の95期生猛プッシュ体制により、
一番割を食っているのは実は永久輝せあなんじゃないかと思います。
いわゆる「蓋をされている」と言うやつです。
雪組時代、月城かなととトレードするようにやってきた朝美絢を
さっさと抜くかと思いきや、先にバウ単独主演を取られ、
そのまま結局抜かすことは出来なかった。
花組に異動し、路線スター最強のカードである御VISA様を背負い、
これまた水美舞斗をさっさと抜くかと思いきや、
階段降りも出版物でも抑えられ、さらに東上主演も取られた。
これまでの宝塚人事であれば、
微妙路線スターなど容赦なく抜ける程の御曹司育ちのはずなのに、
そうなっていないのが現状です。
これは裏を返せば、無駄に敵を作らない様に慎重に駒を進めている、
つまり守られているとも言えます。
97期生はやっと海乃美月というトップ娘役を輩出しましたが、
それまではトップ候補は永久輝せあ一人だけ、
しかも御VISA様を背負っていますから、絶対に失敗出来ない。
音月桂のトラウマも有りますから、
劇団が慎重路線に舵を切るのも、当然と言えば当然です。
永久輝せあ・花組に染まることなかれ
とはいえ、なんと恐ろしいことに、
永久輝せあが花組に組替えして間もなく2年が経とうとしています。
その間、私が彼女を見たのは、『はいからさんが通る』
『アウグストゥス/Cool Beast!!』『哀しみのコルドバ』
そして配信ですが『NICE WORK IF YOU CAN GET IT』の4作。
見ていて思うのは、彼女がビックリするくらい花組に染まらないこと。
あ、人間関係の話じゃないですよ、芸風の話です。
周囲がオラオラ花男芸をしている中、
良くも悪くもクールで、無色透明で、卒が無い。
そう、彼女のスター性は、
宝塚路線男役顔ど真ん中であることと、
何でも比較的出来て、穴が無いオールマイティスターであること。
質実剛健な雰囲気はまさに雪の御曹司なのですが、
花組の中に紛れると、
なんとも薄いなぁというのが正直な感想でした。
…が、全ツ『哀しみのコルドバ』を見て、
彼女のクールな佇まいは圧強めの花組の中では一種の清涼剤となり、
それはそれで魅力的に見えるのかも、と思い始めました。
考えてみれば、歴代の「人気」トップスターは、
明日海りおしかり、望海風斗しかり、組カラーに馴染みつつも、
それ以上に組を自分の色に染めてしまう力を持っていると思うんですよね。
なので今は、花組のカラーを自身に馴染ませつつも、
染まり切らずに自身の色を大切にして、
花組を自分の色に変えてしまうくらいの熱量を持って欲しいかな、
と一ファンとしては思い至っています。
そろそろ殻を破る一役が欲しい
だ け れ ど も 。
いかんせん本公演での出番が少ない、少な過ぎる!!
彼女ももう研11ですよ?
同じ雪組育ちの月城かなとは『エリザベート』でルキーニを演じ済みで、
彩風咲奈は『SUPER VOYAGER!』で正2番手就任し、
「海の見える街」という今後の方向性を決定づける名場面を生んています。
そして永久輝せあと一括りで語られがちな暁千星も、
『I AM FROM AUSTRIA』でパブロ・ガルシアという役に出会い、
スターとしての輝きが明らかに増しています。
そんなスターとして殻を破れるような役に、
本公演で(大事)出会っておかないと、
ただなんでも卒なくこなす無難なスター様で終わってしまう気がするのです。
このままだと、顔が宝塚的に綺麗で何でも卒なくこなし、
だけどイマイチ花組に染まり切らずに組の求心力を失った、
真飛聖のようになりそうよな、と思ったり(失礼)。
先日の花組公演制作発表での立ち姿は、
まさしくスター然としていて、とても華やかな存在感でした。
そして何よりも舞台度胸が凄い!これがスターとして一番大事。
だからこそ、舞台であと一歩押し出しが足りない印象なのが勿体ない。
見た目的には、今まさに旬を迎えようとしているにも関わらず、
驚くほど舞台経験値が少ないというのは、
完全に95期生猛プッシュ体制の弊害が出てるよな、と思うのです。
外箱ですが、『NICE WORK IF YOU CAN GET IT』のアイリーンの出来栄えを見るに
ぶっ飛んだ役も上手く出来そうな雰囲気ですので、
そろそろ無難という枠を越えた役に、本公演で出会えるとよいですね。
宝塚110周年の「顔」として
ところで。
VISAガールになると就任してから平均2年でトップに立つらしい、
よって柚香光は短期で永久輝せあがとっとと引き継ぐ、という理論について、
私は真っ向から否定しております。
そもそも宝塚の筆頭組である花組のトップが2年強で変わった例って、
平成以降は匠ひびきの持病悪化による1作退団を除けば、
初代VISAガールの愛華みれと、真矢みきの2人で、どちらも研15前後就任。
柚香光は研11就任の生え抜き中卒トップですから
早期で辞める意味が分からんですし、
最初の2番手が瀬戸かずやの時点ですぐに組体制が変わるのは自明の理。
さらに水美舞斗の正2番手フラグが立った以上、
永久輝せあが2番手を経てトップに立つまでもう少し時間があると私は考えます。
次作でついに彼女も3番手に昇格。
これまでの経歴を見れば遅いくらいですが、様々な経験を吸収し、
スターとして一皮むけるような役に出会って欲しいなと思います。
宝塚の顔たるトップスターとなり、
そして宝塚110周年を牽引する存在になってくれることを期待したいです。
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コメント
ひとこちゃんの雪組ラスト「はばたけ黄金の翼よ」の時 コメントさせていただいたものです
全文に賛同します!
慎重になりすぎて 旬を逃しやしないかと心配になったり( ̄▽ ̄;)
ファン心理はいろいろ複雑
この間の全ツでの活躍は嬉しかった 本公演でも殻を破るような役に出会えるのを心待ちにしています
彼女なら出来る!
ファン全開な企画も楽しいし
冷静に分析する記事もありで
だから 蒼汰さんのブログ好きです
これからも楽しみにしています
蒼汰様
いつも楽しみに拝読しております。ライビュ専科の地方民です。
『元禄バロックロック』の配役がでましたが、水美さんがコウズケノスケで永久輝さんがクラノスケ。忠臣蔵ベースで吉良上野介と大石内蔵助だとすると、もう本公演の役の比重は逆転したのか?と見えますが、コウヅケノスケが波線上。
谷先生がフツーの忠臣蔵をやるとも思えず、どうなるのでしょうね。
いつも楽しく、拝見しております。
そうなんですね、永久輝さんが花組へ組替して2年にもなりますか…。
先日の彩風さんの大劇場お披露目公演のショーで、あれ?ひとこちゃんは?と、つい探してしまって。他組に比べて、花組の公演をあまり観ていないな、と少し反省。
花組での永久輝さんが、決して印象が薄いわけではないんでしょうけど…。
全ツでも、柚香・永久輝・聖乃さんの並びの美しさは、さすがに華やかな花組ならではでした。
時期をみて、なんでしょうか。95期コンビが最強なんですよね(もちろん、大好きです。)
生え抜きスターのい並ぶ中で、どうか永久輝さんの秘めたる信念とゆうか、威光とゆうか、やわらかな笑顔のその向こうにあるものを、いつの日か、本公演でみてみたいです。その時期が、あまり先にはならないうちにと願いながら、待ちたいと思います。
ルネサンスさん♪
こんにちは。先日コルドバでひとこさんの、誰にも邪魔されない中での節度ある激しさを垣間見まして、ものすごく油がのっているなとワクワクしました。
組の色を具体的には申し上げられませんが、確かに花組に馴染んでいない、、わかります。それが雪組だったら今はしっくりきていたのか。
はたまたですが柳生星組を観劇しまして、愛ちゃんが抜けるポジションにひとこさんがはいったら、良い刺激で面白いかもなぁと思いながら観劇しておりました。
もちろん、星組には育つべき人が沢山いますので妄想ですが。
なんとなくひとこさんは星組路線の香りも感じまして、光寿たつきさん、安蘭けいさんの香りを感じるのですよね。
では星組はどんな色かと言われたら分からないのですが、なんとなく星組はベテランがトップになるイメージがあります。
永久輝 せあさんには、花組VISAの呪縛に囚われずに旬の時に大羽根を背負う日を楽しみにいます。
蒼汰様
興味深い企画?テーマ。
雪組で、壬生義士伝や、ミュージックレボリューションの時の方が目立っていたような気がするので‥‥花組では?
明日海さん時代、男役群、柚香、瀬戸、鳳月、が中心。で考えると、4番手の役割が強かったのは作品の台本によるのかなと。
メサイアで、松倉という悪役に衝撃だった。カサノバでは女役ながら個性強めの魔女的女。
うーん、ちなつさんの、あの存在感を思えば、やはり、組み替えしてきた時に、はいからさんの原作では主要な役ではなかった永久輝せあ。正直、そこからスタートして、コロナで上演調整もあったから、より薄い印象。
別箱でのアイリーンはぶっ飛んだ役だが、見事に変身していた。
宝塚歌劇団としてのクラシカルなど真ん中作品ではない感じの、次の本公演、なんかね、祈ってます。色々。
2番手3番手時代に当たり役?!人気の出る役に出会ってほしい。95期爆推しの中、宝塚歌劇団の看板スポンサー を背負わせることと、上手くバランスを取りつつ運営されているのかなと。
花組の組長が変わり、轟さんも来年はおられない。まさに、新しいスタートは来年から。成功を祈る。
こんにちは!
先日「元禄バロックロック」の製作発表で、永久輝さんの居住まい(雰囲気?)がとても明日海さんを彷彿とさせるな~と思いました。VISAさんはこういう雰囲気の方が好きなのかなぁと思いました。
明日海さんをご贔屓とされて退団後、一旦宝塚を離れた人も戻ってきそうな気がします。
雪組の壬生義士伝の永久輝さんがすごく好きで和物ぜったいいいじゃないの!と思ってたので花組での和物見てみたいです。
新公学年からの永久輝ファンの一人として、堪らずコメント送らせていただきます。
低学年のころから華、オーラはもちろん実力もきちんとありました。
ドン・ジュアンのラファエロでは彩風さんを
義経妖狐の頼朝、はばたけのジュリオでは朝美さんを
アウグストゥスのブルートゥスでは水美さんを凌ぐ存在感でした。
(映像ではなく舞台を観ての個人的感想です)
組替えすぐに正2番手、3番手となった明日海さんや月城さんと比べ、花での扱いが気の毒すぎるレベルで、上級生スター(のファン)への配慮が、そこまでするかの徹底ぶり。
次作も破線の下、大石内蔵助が主要な役じゃない忠臣蔵って何なの?
劇団はひとこを大成させたくないの?と心配が募ります。
「VISAを背負わせて失敗させるわけにはいかない」といっても、正統派御曹司が旬を逃すようなことになれば、宝塚にとって上級生ファンのヘイトよりずっと大きな損害だと思うのですが。
全ツ観劇と制作発表報道を通して、柚香さんに並べる2番手はひとこが最適だと思いました。正直れいまいは食傷気味だし、柚香さんがいつまでも同期の支えを必要とするヤワなトップさんとは思えません。
上に星組への異動を仰る方もいますが、個人的に星は最も似合わない、
なんなら水美さんの方が星と親和性が高いと思います。
ひとこは花(VISAだから)、他組の可能性があるとしたら雪しかないと思っています。
95期猛プッシュの弊害、ずっとそう思い続けています。
ひとこはじめ蓋されてる男役だけでなく、宝塚全体の停滞感が半端ないです。
私はクールビーストで「ひとこ立派になったな、すっかり花男だ」と思っていましたが、どんなに熱演しても高貴な気品を失わない貴公子ぶりを、花組に染まらない、無色透明・・・と見る方もいるのですね。
失礼ながら、蒼汰さんは95期推しでいらっしゃるし、ひとこは好きでないだろうなと勝手に拗ねていましたので、
記事にしていただき、うれしかったです。ありがとうございました。
最後に、おそれいりますが、差しさわりなければ教えてください。
真飛さんが
「顔が綺麗で・・・・組の求心力を失った」というのは、どういうことでしょうか?
蘭寿さんの花組は、「ダンスの花組」王道だったと思いますが、
その時代活躍した男役スターの多くは真飛さん時代からいらした方なので、
求心力云々とは?素朴な疑問としてお聞きしたいです。
これからもブログ楽しみにしております。
ずっと彼女を応援している方から見たら、きっと花組に染まったのだとお感じになったんだろうな、と思います。
おっしゃる通り高貴な気品を湛えていらっしゃって、私はそれが逆に変に花色に染まらず素敵だなと思ったのですが、もうこのあたりは各々の感想でしかないんじゃないですかね?
そして強烈な嫌味を頂いたのでお返ししますと、95期好きが全員永久輝さんや暁さんを目の仇にしているなんて思わないで欲しいです。笑
むしろ95期全員トップなんかハナから無理だろうに、このタイミングで抜かさないで劇団どうすんだろう…と逆に心配しています。
真飛さんの件は、絶対誰かツッコむだろうなと思ってました。後世から見ても、当時の彼女は超スーパー人気スター様ではなかった、という認識です。
当時を見ていた管理人いわく「オサアサが引っ張る強烈な花組感から薄れちゃって、本人も頑張ってたけど最後まで無難な感じで終わったよね」とのこと。
今見返すと素敵なスターさんですし、今も女優として活躍されている第一人者さんなんで、個人的には驚きなのですが…。これに対して私はそうは思わないと返されても、そうですか、としか言えません。
ご返信いただき、ありがとうございました。
強烈な嫌味と取られたのは私の書き方が悪かったのでお詫びします。
贔屓が自分の願うような活躍の場を与えられないことの不満を他人さまのブログにぶつけてしまい、申し訳ありませんでした。
真飛さん時代は当時の贔屓が他組だったので、花組をあまり観ていませんでした。
それで本当に素朴な疑問としてお聞きしました。
たしかに当時真飛さんが特別に人気の高いスターという感じはなかったですが、組の求心力とは、トップさん個人の固定ファンの多さとは違う意味なのかな?と、一代前の月組を思い出しながら考えたりしたので。
組長の交代が発表されましたが、花組の中の空気も少し変化があるかもしれませんね。
制作発表でも新しい花組と強調されていたようなので、色々プラスに働いてほしいと願うばかりです。
柚希→明日海と続いたトップオブトップの流れ。いわば代表的トップであり顔。
劇団もこの流れを続けられるもんなら続けたかったのでしょうが、次はいないと判断したのではないでしょうか。だからこその95期箱推しであり、割食ったのがそれまでは爆推しされていたのに突如待ったがかかった永久輝と暁なのかなと。
明日海長期からの柚香、朝美と月城のトレード、これが思いのほか上手くハマった為、本格的にじゃあ95期で行こうとなったのかなと思いました。
その後は永久輝と暁、聖乃風間縣と続きそう…と思うのですが、星と宙が全然わからない。若手の推しかたが半端なのか、推しても人気が出ないのか…。花月雪に比べると、若手が少々地味な印象です。テコ入れでトレードがあると面白いかもしれません。下手に長居させて取り返しがつかなくなる前に。
95期押しの弊害が90〜94期だけでなく、下級生にも及んできましたね。
ここで2番手に上がらないでどうするんだ⁉︎と、やや困惑しております。今抜かなかったら、後々余計に抜きづらくなるのに…。なんだか雪組100周年に合わせて雪組に帰るのかなあとも思ったり。まぁ、そんな荒技しませんかね。御VISA様の行く末やいかに。
さて、永久輝さんご本人は本当にノーブルで、影もあって美しいですよね。しかし今は、海老蔵と故團十郎の横に佐藤健を並ばせたような環境ですから、どうしても目立たなくなる気がします…。
本公演でいい役当たってほしいですね。次は大石良雄モデルのクラノスケで、メインでストーリーを動かす役らしいので、とりあえずそれを楽しみにしています。
先日の全ツの並びがすごく気に入ったので、このまま花組で清涼剤として活躍してほしいです。
おはようございます!
花組の退団者さんや異動者さんの発表を見るにつけ、一所懸命応援していた頃の花組さんが変わっていく寂しさをヒシヒシと感じています。
新陳代謝を続けながら進化していくのが宝塚だから仕方ないですね。
私は、勿論花組推しできましたが、余り、オラオラ系が強すぎる舞台は好きでないんです。
そんな中で、永久輝さんが入ってきて、控え目だけどやる時はやる、でも、どうしても品が漏れてくる姿に、花組の明るい未来が見えた気がしました。勿論、今のれいちゃんの花組も大好きですが。
劇団の育生を信じて、輝く日を待ちたいと思います。
上で書いてましたが、明日海さんにどことなく似ている永久輝さん、トップになるとファンが戻って来るかも!に賛同です。笑
コロナも少し落ち着いて来ました。来月、東京行きが楽しみです!ブログの更新も楽しみにしております。
では!
いつも楽しみに拝読しております。
ひとこちゃんは雪組時代から贔屓とまではいきませんが、応援しております。
コルドバを観て、ひとこちゃんは「気品溢れる雑味のない男役さんだな」とますます好きになりました。それが、人によっては無色透明と映るのかもしれません。これからの活躍もますます期待しています。
真飛さんは私は現役時代を観劇できていないのでわかりませんが、同時代のトップさんは個性の強い方が多かったのかな、と思います。令和の今の時代なら、また違っていたのかも、と。映像でしか見ていませんがエキサイターは花組の宝とも言えるショーですし、今まで見た中でも1、2を争うくらい(たとえスターさんの名前を知らずに見ても)ときめくショーだと思っています。
いつもブログを楽しく拝読しております。
確かにそろそろ当たり役が欲しいですね…。
次の公演くらいでエリザベートとかやって
ルキーニ(今の体制が続けば…ですが)とか
演じていただいて…という淡い希望です。笑
フランツ・ヨーゼフでも良いのですけど…。
花組でエリザベートはきっとするでしょうし
次のトップスターになられるのであれば、
今くらいのタイミングでも…と思ったり。
星風さんの退団公演まで取っておくのか…
ちょっとわかりませんが…色々と考えてしまいます笑