理事長新春インタビューに見る宝塚人気の理由

 

スカステで放送されていた

小川理事長の新春メッセージ、皆さんご覧になりました?

 

普段お偉い方の年頭挨拶なんて、眠くて聞いていられませんが・・・笑

とても興味深い内容を話していらしたので

今日はその内容について、私の思ったことを纏めようと思います。

 

止まらない「宝塚ブーム」

 

さて、小川理事長によると

2018年は観客動員数(ライブビューイング含む)が

300万人を越え、過去最高を記録したとのこと。

※この過去最高というのが人数なのか収益なのかは言及していませんでしたが。

 

ちなみに以前NHK「トップスターが語る宝塚」では

2017年の観客動員数(たぶんライブビューイング含まず)が119万人

過去最高人数であった、と放送されていました。

 

2018年は台風による休演や観客不在等があったため

もしかしたら本公演人数では2017年に達しないのかもしれませんが

 

いずれにせよ宝塚の人気は衰えず、収益は増し続け

事業企画として成功しているのは明らかでしょう。

 

これって凄いことですよね。

 

なぜならば、2018年といえば特に大きなイベントもなく

誰かトップスターが退団したわけでもなく(まぁ愛希が退団しましたが)

ただ通常公演を繰り返していた1年だったからです。

 

宝塚といえば「退団興行で稼ぐ」というイメージが強く、

2017年は早霧せいな、朝夏まなとの2名のトップスターが退団。

だからこそ昨年は「最高人数」を叩き出せたのだろうと言われていました。

 

また100周年特需が落ち着けば、動員も下がると予測されており

その中でさらに動員を伸ばしたということは、

まさに戦略勝ちと言えるのかもしれません。

 

理事長ご自身も「この勢いを止めてはならない」という強い気持ちを持って

企業運営の舵取りをしたと話されていましたね。

 

現在の理事長の方針に関して、

色々と思われる方もいると思うのですが

「観客動員数が増えている」という点で大成功なのは間違いありません。

 

宝塚の「integrity」

 

番組終盤、2019年の宝塚について

小川理事長は「integrityを高めていきたい」と話されていました。

 

integrityとは、ビジネス用語で「誠実、高潔、完全な状態」などを意味し

経営者や人事の世界で求められる重要な資質の1つであると言われ

かの有名なドラッガーによる著作「現代の経営」にも登場する言葉です。

 

宝塚における「integrity」とは何でしょう?

 

多くの人が想像する宝塚らしさを貫き、

企業としての品格を保つこと。

 

タカラジェンヌが「清く、正しく、美しく」あり、

自身の技術の向上に励むとともに、誠実に舞台に取り組むこと。

 

そして、公演の質を高めることにより

お客様により満足していただき、宝塚を愛して貰うこと。

 

理事長の話から読み取った現在の、そしてこれからの指標は、

たぶんこのあたりだと思われます。

 

この話を聞いた時、

私は正直「なるほどな」と思いました。

 

以前も記事で取り上げましたが、

100周年以降も続く宝塚人気の理由を考える

私が素人ながら思う現在の宝塚人気の理由は、端的に言うと以下の4つです。

 

・『アナと雪の女王』から続く日本のミュージカルブームにうまく乗っかった。

・ビジュアル偏重主義から歌唱力重視人事による舞台の質の向上。

・トップ1作退団や2番目切りなどの残酷人事の減少によるファン炎上防止。

・ライブビューイングの増加による新規顧客呼び込み(収益確保)。

 

つまりですよ、企業として「宝塚」というブランドのintegrityを高めることは

従業員(ジェンヌ)や商品(舞台)の質を高めるということであるわけで

 

つまり上記のことは偶然でも適当でもなく

「狙ってやってた」んだなということが言えるんじゃないかと思いますし

さらにそれがうまい具合にハマって事業企画が成功し続けているわけで…

 

うーん凄い。

そりゃ宝塚人気も不動のものになりますね。

 

そして何が恐ろしいって、理事長は最後に

「観客動員数に限界は無い」とおっしゃっていたことでしょう。

 

そしてそのためにも、公演の質をさらに高めていき

より多くのお客様に満足して頂きたい、と

現在の方針をより鮮明にしていくことを高らかに宣言されました。

 

いやー、営業経験者としてはこの発言、燃えますよねー。笑

ぜひこれからも宝塚のintegrityを高め、

素晴らしい公演を見せ続けていただきたいものです。

 

宝塚における企業方針の変容

 

宝塚は従来、その魅力を理解している一定層だけが盛り上がり、

ご贔屓のジェンヌを「支援」するという構図で成り立っていました。

 

そしてその「宝塚らしさ」を求める層にのみ特化し

企業経営の方針を取っていたのだと思います。

 

しかしながら現在は、より多くの人に宝塚の良さを理解して貰い、

より多くの利益を得るための企業努力を怠らない

という姿勢へと変化しています。

 

私はこの変化は企業として「正解」だと思いますし

だからこそあのハイクオリティな舞台が提供されているんだなと思うわけなのですが

それを受け入れられないファン層がいるのも事実です。

 

そのために「各組・スターの特徴を生かした舞台づくり」をしていくと理事長も明言されていましたし

事実、現在のトップスター5名もあえてカラーがバラされていると思いますが、

 

それでも受け入れられないというようであれば、

正直それは去り時なのかもしれません。

 

もちろん理事長が変われば方針も変わると思いますから

自分が楽しいと思えるときに楽しむのが一番だと思います。

 

私自身としては、 これからも多くの人に愛される宝塚へと進化し

2019年も素敵な舞台も見せて頂けることを祈るばかりです。

105周年がどんな盛り上がりを見せるのか、期待が高まりますね!!

 

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コメント

  1. 通りすがった人 より:

    あけましておめでとうございます
    年始から記事読ませて頂いています。
    理事長のコメントから、タニマチ文化からグローバルマネージメントと見据えたエンターテイメント文化への脱皮を感じますね。
    企業とは成長がなければつぶれてしまいます。
    伝統を継承しつつ成長し続ける努力をし続ける今の宝塚。
    生徒さんの自助努力だけでなく各生徒さんのマネジメントにも手厚くするべきですね。努力しない生徒はいないので、結果の出せる努力をさせるべきです。特にこれと選んだスターにはそうしたフォローを生徒間だけに任せきりにしないでほしいですね。
    理事長のがんばりに期待してます。

    • 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます‼
      伝承と成長、確かにおっしゃる通りだと思います。
      まぁファンクラブ(という表現でいいんですかね?)もご厚意として存在しているという、だいぶ他人任せな部分も多いですからね。笑
      生徒任せな部分もこれからどう変わっていくのか(変わらないのか)気になるところですね‼

  2. うみひこ より:

    なるほど。この記事内容に納得です。確かにビジネスとして成功していますね。
    自分が感じるのは「初心者にも分かりやすい宝塚歌劇」を念頭におかれてているのかな、ということです。
    例えば月組エリザベート、セリフが聴きやすく各人のキャラもライトな設定で初めての人にとっつきやすいお芝居に思えました。これまでのファンにしてみれば少し物足りないかもですが、新たなファン獲得には効果的です。

    また公演の演目・配役・演出家において、あまりギャンブルしなくなった気がします。以前は明らかに駄作or問題作というのがありました。

    あと小川理事長個人について思うのは、本公演や新人公演を実際に観劇されている姿をお見かけするので、自らの仕事に真摯に向き合われている方だなと。またトップ男役・娘役の退団発表会見を部下任せにせず出席され、原稿読みではなく自らの口で送別の辞を述べらるのはとても好印象です。

    プロ野球のオーナーで優勝を決めた試合にを見に来ていてよく胴上げされている方がいますが、トップが現場重視の姿勢だと、例えばそれがスタンドプレーであったとしても組織は一体感を増します。宝塚歌劇団もそういう状況なのかもなと思ったりします。

    • 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます‼
      人事采配に関しても事前に匂わせるというか、まさに「でしょうね」人事が増えましたし
      作品としても「トンチキ」作品比率がだいぶ下がったように思います。(完全に無いわけではありませんが。笑)

      小川理事長に関しては、責任を持って立場を全うされているようにお見受けしますので私自身も好印象です。
      トップがぶれないと全体ももちろんぶれないですし、一体感が増し活気が溢れるもになるのでしょう。
      105周年が盛況なものとなり、心の中で胴上げされるのを見てみたいものです。笑

  3. しろん子 より:

    あけましておめでとうございます。
    興味深い記事をありがとうございます。ビジネス面や経営の側面を考えるのが大好きなので、こうした記事は大好物です。笑
    インタビュー見ましたが、生徒さんや演目、今後のスケジュール等なんでも即答だったのも印象的でした。事前打ち合わせは当然あるにしても、付け焼き刃の回答ではないように見受けられました。
    意外に自社の製品やサービスをちゃんとわかってない経営者が多いですから、その意味では(今後の経営がどうなるかはともかくとして)好感度の高いインタビューだったように思えました。

    • 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます‼そう言っていただけて嬉しいです。笑
      小川理事長は言動も思考もまさにビジネスマン然としていて、個人的に好印象です。
      ああいう場面でブレブレだったりすると、従業員としては微妙な気持ちになっちゃいますもんねぇ。
      歴代理事長のインタビューを見ていないので分からないのですが、
      応援する側としてもああいう理路整然としたインタビューを見ると気持ち良いですよね。

  4. 三日月 より:

    宝塚からの去り時…

    いつも、興味深く拝見させて頂いてます。
    親子3代続くヅカファンでありましたが…、ある時期のワン切りや、新スター専科?等の狂気的人事から…宝塚に不信感しか湧かなくなり、足が遠のいておりました。

    現在は、そのような人事は無くなり、確かにファン炎上が無くなり、ある程度(余程突然では無い限り)ファンが安心して楽しめるという形態は賛成致します。

    ただ…、上演される演目に関しては『宝塚らしさ』はかなり時代と共に薄まってしまったな…と思います。
    それが、海外ミュージカルの演目であれ、名作と言われた作品の再演であれ…古くから知る者にとって『宝塚が市民権を得る事』に寂しさを感じる、我儘なファン心理かもしれません…。

    ビジネス的には、時代と共に成功ケースを体現し、『演劇界での成功例』となるのかも知れませんが…。矢張り音楽学校を持ち、座付き演出家さんを抱え生徒(役者)の個性をもっと生かす『宝塚オリジナル演目』が多く見たいのです。

    確かに、歌唱重視…悪くはありません。ただ『宝塚』という『夢の空間』だからこそ生かせる生徒、芸、芝居等の『初心』が今の宝塚からは見えなくなってしまいました。
    下手なりに努力し、それを暖かく見守る観客との一体感。あの劇場の中だけで許された数々の『夢』が今の宝塚からは感じられないのです。

    歌か聞きたい、素晴らし作品(演技)が見たい、迫力あるダイナミックなものが見たい、確実に楽しみたい…etc.それなら、帝劇やら日生、クリエ、オーブ…そちらへ行けばいい。今は若手の役者さんもどんどん活躍していますから、そんなに『ハズレ』を引くことは無いでしょう。

    ただ、宝塚は音を外すオケも含めて(学芸会でイイとは言いませんが…)売り物『商品』が違う様な気がするのです。
    女性が男役を演じる様な『あくまでも夢の世界』

    最近は、この部分より『クオリティ重視』『ビジュアル重視』(分かりやすい物重視過ぎて…)生徒さん個々の研鑽が甘いな…と痛感致します。
    (衣装裁きにはじまり、特に和物の所作化粧etc.)

    蒼太さんのブログを読んでいて、成程…宝塚は生き残る努力をしただけなのだから、去るべきは古い私の方なのだな…と、少し寂しい気持ちになりました。

    宝塚も慈善事業では無いので企業としての努力を重ねると…このような方向へ行くのだな…と。

    ただ、今は時代にマッチしているかも知れませんが…ここまで『宝塚らしさ』を削ぎ落とした『女性歌劇団』に、何が最後に残るのか。

    伝統や文化、知的財産や古くからのファン、今の流れについて行けない者は去れ(不要)との企業的方向転換で有るならば…創設者の思いとは、かけ離れたものになって行くのでしょうね…。

    • 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます。
      現体制で賢いのは、突然全てを「実力重視」に走らなかったことだと思います。
      それはやはり、三日月様のように従来の宝塚を愛するファンもいるからです。

      私個人的に思うのは、確かに実力重視に走っている(特に花と雪)ことは見えるのですが
      例えば星、月あたりは以前として「これまでの宝塚感」があるのですが、これらの組に「夢の世界」を感じないのでしょうか?

      小川理事長はインタビューで「温故知新の大切さ」を語っていましたし、私自身も古き良きを大切にしながらも進化しているように見受けられます。
      それを「今の流れについて行けない者は去れ」的な解釈にお感じになるようでしたら、
      やはり応援し続けるのは難しいでしょうね…見ていてもお辛いだけでしょうし。(もちろん私なんかが決めることはありませんが)

  5. めー より:

    ブログもみなさんのコメントも深く考えていらして凄いなと思いました。
    温故知新。特に今上演している星組のエルベはワンスアポンなタイム イン宝塚そのものだと感じました。
    古い作品だけど、私は過去の作品を知らないので逆に新鮮に観ました。
    個人的な感想ですが、トップも娘1も決して歌がお得意ではないけれど、そんなことは気にならないくらい引き込まれました。
    作品のエネルギーと当て書きかと思うほど、トップに似合っていたと思いました。
    各組の演目の振り幅は凄いと思います。宝塚の底力を見たような気がしました。
    実は私も過去に少しハマって、返り咲きしました。観なくなったさしたる理由もありません。ですが、100周年で出戻り(笑)‥話が逸れました。
    生き残るために企業は必死ですよね。多分、迷走もあるかもしれませんが、現代は存続することが難しい時代です。宝塚も変化するでしょう。観る側も嗜好の変化はあるでしょう。
    今は宝塚歌劇団という企業も舞台も大注目していますが、自分がこの先もずっと宝塚が好きかどうかは自分にもわかりません。

    • 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます‼
      おっしゃる通り、エルベはまさに温故知新の体現作だと言えると思います。
      なぜか紅さんはそういう「昔の宝塚」的作品を充てられることが多いのですが、やはり劇団の意向なんですかねー。

      時代とともに企業も愛好もブームも変わりますからね。
      好きになったり距離を置いたり、自分のテンポで愛するのが一番だと思います。