娘役から見る各組体制2023・月組は嵐の前の静けさ?

 

娘役から見る各組体制シリーズ、最終章は月組編です。

 

月組を最後にしたことに、実は特に意味は有りません。笑

さっくりと参りましょう!!

 

本命不在の月組娘役路線

 

現在の月組トップ娘役である海乃美月97期生。

朝月希和の退団により、もしかしたら、

90期代最後のトップ娘役かもしれないと思うと、実に感慨深いですね。

 

その下でW娘2体制を取っているのが、

月城かなとと同郷・雪組出身である99期の彩みちると、

生え抜きかつ娘役転向組である101期生の天紫珠李。

 

この2人は本当の意味で互角であり、

天紫は『ブエノスアイレスの風』、彩は『ELPIDIO』で東上ヒロインを分け合い、

さらに本公演では『FULL SWING!』『Deep Sea』の2作で一緒に降りて来て、

下級生娘役どころかアンダー101期の男役の蓋としても登板しています。強い。

 

こういう場合、本命下級生があっさり抜かすのが人事のセオリーですが、

その第一候補生だったはずのきよら羽龍が相次ぐ怪我により大ブレーキ中。

さらに下級生の花妃舞音も超プッシュという雰囲気でも無く、

まさしく本命不在状態となっています。

 

この場合に考えられるのは、海乃美月が長期体制を敷くか、

外から誰かがやって来るパターンなのですが、

ここで一つ検討しておきたいのは、

彩or天紫のどっちかがトップになる可能性についてです。

 

考えてみるとこの2人、

彩みちるの99期はトップ娘役が美園さくらのみで男役は全滅、

天紫珠李の101期は現段階でトップ娘役が出ていないという、

いわゆる「いわくつき」学年出身。

 

そんな中でも貴重なトップ有資格者としてこのチャンスは逃せない、

と大人の事情でトップ娘役になる可能性は、確かに有るかもしれません。

 

け ど 。

月組は97期生から海乃美月、99期生から美園さくらを出してるうえに、

月城かなとの相手役である海乃美月は、いわゆる「報われ枠」。

その後任に、またもう一度報われ枠を持ってくるかと聞かれたら、正直疑問です。

 

だけどもし上がるとしたら、

私は学年的にも出身組的にも天紫珠李の方が可能性は高いように思いますが、

うーん、でもやっぱり無さそうですよね、という。

 

そう考えると「なんで詩ちづるを出した???」って話になるわけですが、

果たして、その意図が分かる日は来るのでしょうか?

 

歌ウマ登用が続く月組別格枠

 

続いて、いわゆる非路線娘役チームについて見ていきましょう。

 

月組は長く別格のドンであった白雪さち花が副組長に昇格。

これで熟女路線に完全に移行する、と思いきや、

月組は役職者に手厚い組ですので、

たぶん引き続き美味しい役を取っていくような気がします。

 

そしてもう一人のドンであった95期生の晴音アキは正式に退団。

ここで繰り上がっていくのが、

これまで歌ウマ枠として登板されてきた麗泉里、桃歌雪あたりでしょう。

 

この2人は別箱で良い芝居してましたし、

麗泉里は『カルーセル輪舞』のエトワールも素晴らしかった。

本公演で重用されるのが実に楽しみな組み合わせです。

 

そして、それ以上にたぶん強い別格枠候補なのは、

103期生の白河りりだと思うんですよね。

 

そう、彼女は新公ヒロ経験者なので、

厳密には非路線扱いでは無いはずなのですが、

圧倒的な歌唱力だけでなく、気質的に本人が結構ガツガツ系なのも相まって、

舞台での使われ方や居住まいが完全に強い別格枠候補のソレ。

 

その気になれば月組の別格枠として覇権を取れる勢いなのですが、

本人にヒロイン志向有るのならば、

モチベ的に厳しいものが有るかもしれません…。

 

また、話題の役替わりエトワールにより、

天愛るりあ、咲彩いちごという中堅どころにも光が当たり、

さらに106期生から一乃凜が『グレート・ギャツビー』でエトワール経験済み。

 

こう考えると、歌ウマ枠に強く焦点を当てているように見えますが、

月城率いる月組は今や「芝居の組」。

平均的にみんな芝居が上手いからこそ、

プラスアルファとして歌唱力の有る娘役が登用されているのかもしれません。

 

娘役戦線は組替え前夜?

 

ということで久しぶりの各組体制考察シリーズ、

書いて参りましたがいかがだったでしょうか?

 

娘役のトップにかかる組替え人事は、

朝月、潤花、夢白の三角貿易トレード以降久しく起きていませんし、

(詩ちづるは直接的にトップ人事に関わっていないので除外)

今の若手陣のパワーバランスを見る限り、

そろそろ動き出す可能性は大いに有ると思います。

 

そしてそれは、長期の星風、高学年の海乃をトップに置き、

きよら、美羽、星空と役者が揃っている花組か月組を起点に起きるはず。たぶん。

 

木場理事長に変わって以降、

娘役人事のカードの意味も色々と変わってきている今、

それらの人事がいつどうやって動くのか、今後の展開に要注目です。

 

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コメント

  1. サントン より:

    こんにちは

    娘役連載を楽しく読ませて頂きました。出戻りの綺城さんは少し例外として、新たな組子が入ってくるという意味での番手の組替えは、発表日を基準にすればもう1年以上ないのですね。なーんか、つまんないなあ(小声)。とりあえず明日が雪組の集合日のようなので、震えて待ちたいと思います。

  2. こころ夫人 より:

    いつも楽しく、興味深く拝見しております。
    もう本当に、読みごたえのある娘役シリーズの記事でした!面白かった~。
    ありがとうございました。
    春乃ルールは、これから先も起こり得る事なんだろう、と改めて感じた次第です。

  3. ずんだもち より:

    蒼汰さんの把握力に圧倒されつつ、楽しく読みました。

    来そうで来ない娘役組替えですが、娘1候補を移動させると、誰の相手役でいつ頃就任予定かまでファンが予想するので、ギリッギリまで組替えしないつもりなのでしょうか。
    夢白さんの雪室熟成がとても良い手だったように、早めに組替えした方が、生徒の精神的負担も少ないと思いますが、それもタイミングなのかな。
    星空さんと美羽さんのどちらが組を出るかと問われれば、美羽さんだと思います。
    きよらさんは雲行きが怪しくなってしまいましたね。
    今回の娘役シリーズで改めて
    “娘役は男役より厳しい”と感じました。抜擢が早く、じゅうぶん育たないうちにやって来る試練に全て合格点を出すことが必要で、一つでも上手く行かなければ、そこで終わりになりそうです。

  4. ジャスミン より:

    今回も興味深く読ませて頂きました!
    今回、エトワールのおひとりだった咲彩さんの歌が私は大好きで、今後も様々な歌を歌ってほしい方です!

    白河さんは路線でもいけるはずの方なので、やっぱり勿体ないなぁという思いもあります。次回公演、もう1回、新公ヒロを見てみたいのですけれど…。
    きよらさんには、まずはしっかり怪我の状態を安定させて頂きたいです。やはり、そこが今は一番重要ですよね。

    最後になりましたが。
    男役さんあっての宝塚ではありますが、娘役さんだって必要です。
    娘役さんはどうしても短期決戦になりがちですし…それだけに、劇団には、娘役さんのことも大切にしてほしいと改めて感じています。
    理想論ではありますけれど、そう願っております。

    これからも楽しみに読ませて頂きます!