男役、娘役コンビの相性を、
「作画が合う、合わない」と最初に表現した人、凄いですよね。
そりゃオタク文化をある程度嗜んだ人生なので、
そういう言い回しがあることは充分理解していましたけれど、
宝塚における作画って、顔の造形だけじゃなく、
スタイルや持ち味、醸す雰囲気やオーラなど、総合的な意味合いがあると思うのです。
今日はそんな作画論にまつわる雑記を綴っていきます。
礼真琴にまつわる作画論
前回、詩ちづるについて取り上げた際、
「赤黒を見る限り、礼真琴とは作画が合っていないような気がする」
というコメントを頂きました。
奇遇ですね、全くもって同感です。
あの作品を生で見られたことは宝塚人生におけるラッキーの1つで、
礼真琴率いる星組生の実力は、それはもう素晴らしかったけど、
わろてまうくらい、礼真琴と詩ちづるとの並びがビミョーだったー。(個人の感想です)
それは、どちらがどうという問題ではなく、まさしく「作画違い」というもの。
で、これと同じ現象があったなと思いだしたのが、
『霧深きエルベのほとり』で見た礼真琴と有沙瞳の並び。
この2人も絶望的にあってなかった印象があります。
逆説的に言うと、赤黒の舞台が素晴らしかったのは、
そういう宝塚的男女の様式美ではなく、
舞台人がそれぞれ独立しているからこそのクオリティの高さがゆえなんですよね。
なので、どれだけ歌や芝居が微妙だろうと、
やっぱり礼真琴と一番作画が合う娘役といえば舞空瞳だなと思いましたし、
むしろ礼真琴って意外と相手役を選ぶタイプなんだな、とも思ったり。
逆に、柚香光は華優希でも星風まどかでも、
なんなら星空美咲も華耀きらりも似合っていた思い出。
なんでしょう、顔立ちの問題なのか、ロマンティックなオーラがゆえなのか、
それとも花娘が人材豊富なのかは分かりませんが、なんとも不思議ですね。
重要な「美味しい食べ合わせ」
そういえば、真風涼帆&星風まどかも、
就任当初からあまりの似合わなさに「幼女誘拐」なんて弄られてましたけど、
個人的には「そうでもなくない?」と思ってました。
が、潤花が横に並んだなら、ほえーーーー似合うーーーーーーってなりましたし、
柚香光と星風まどかが並んだ時も、ひあーーーーーー少女漫画やーーーーーーーってなりました。笑
もちろん宙組時代の真風星風コンビを否定するつもりは毛頭ありませんけど、
「美味しい食べ合わせ」って存在するんだな、と様々なコンビを見ていると感じます。
個人的には、今までどの娘役ともしっくりきたことのなかった彩風咲奈が、
夢白あやと並んだ時に3割増しでカッコよく見えたきがしたし、
月城&海乃がビターなほろ苦さでジャストフィット感なのは言わずもがな、
芹香&春乃も「おとめ」を見た感じ、顔が微妙に似ていてピッタリな気がします。
そう、ここ最近は娘役人事が高齢化している一方で、
なんとなくちゃんと似合う組み合わせでトップを選んでいるような気がしますし、
ブリザード吹き付けられるよりは見ていて気分が良いので、
良い傾向だなーと思ったり。
(…とここまで書いて気が付いたのですが、もしかして前月の影響だったりするのだろうか。いやまさか。)
合う相手役が居るか問題
で。
ここ最近のトップ娘役候補生って、
比較的誰とでも合う普遍的なスターが多いイメージです。
例えば、舞空瞳、潤花、夢白あや、美羽愛、星空美咲、音彩唯、あたりは、
今のトップ陣&2番手の誰の横に立っても、比較的似合うと思います。
で、意外と人を選ぶ気がするのが、山吹ひばり。
あれだけの美貌なのに本当に不思議だ…。持ち味が無機質だからですかね?
あと、きよら羽龍はファニーなお顔立ちと、
大人っぽい持ち味のアンバランスさが難しい印象。
もう少し学年が上がれば良い塩梅になりそうなので、ステイは吉かもしれません。
そして詩ちづる。素化粧は和風美人なのに、
舞台上だと(演じてきた役上仕方ないけど)ロリ属性。
何より普遍的娘役過ぎて、私はいまだに顔が覚えられないのです。ゴメン。
ってことで誰の相手役になるのか全く想像つかないんですけど、
少なくとも持ち味が完全に星組のソレじゃない気がして、
トップになるならやはり外に出るような気がするんですよねー。
あと、なんとなく彼女には、
「隠している爪」がありそうな気がするので(咲妃みゆ感ありません?)、
現す頭角を楽しみにこれからの活躍に期待したいです。
ま、作画が合う、合わないの話をしましたけれど、
結局は劇団がノリと勢いで人事は決めてしまうものなので、
少しでも見ていて美味しい食べ合わせを供給して貰えるとありがたいなぁと思う、
ファンの戯言でした。
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コメント
本日の記事、最初から最後まで赤べこばりに頷きながら拝読しました。真風・潤、柚香・星風は本当によい。もちろん真風・星風、柚香・華にも、その組み合わせにしかできない演目の妙があったと思います。
詩さんに咲妃みゆ感がある、た、確かに…!たおやかな月娘の血を引き、ガラッと化けそうな何か、確かに…。
柚香さんは単体でもすごいカリスマ性がありながら、上がったお名前の皆さんももちろん、なんなら仙名さんと並んだってなんとなく纏まるし、企画で花野じゅりあさんと撮った写真も良かった。個性・タカラジェンヌ、とでも言うべく、稀有な方です。でも舞空さんとは舞空さんが柚香さんの良さを消してしまう感じで、どうも食い合わせ悪かったですよね。
礼さんはコンビ組んでいて一番楽しそうなのは真彩さんでしたしバウ公演のハーモニーも最強でしたが、作画が近すぎてロマンティックにならないというか、兄妹み全開でしたよね。赤黒で礼さんと有沙さんが初めてしっくりきた様子は感慨深いものでしたが、舞空さんとショーでドヤ!!と決めてる時の作画の「これ」っぷりは半端ないなと思います。
山吹さん、美しすぎるあまりに星蘭さんルートになったりしないよね…?と少し不安に…歌えますし大丈夫とは思うけれども…美貌の娘役は夢白さんのように演技力に秀でている方が強い気がしますね。花の105期娘たち、頑張ってほしいです。
作画が合わないで言えば、柚香×舞空は合わなかったんだと思います。主観ですが、柚香は少女漫画のヒーローなのに対し舞空は少年漫画のヒロインだなぁと思ってました。2人が合っていれば舞空はすんなり花で上がっていたかなぁと…
作画が合う合わないですが、宙組時代の夢白さんにも思いました。
瑠風さんとの並びは良いと思ったのですが、芹香桜木和希とは何か違う感が…。
ただこれの面白いのが、
宙組和希そらとはしっくり来なかったけど、
雪組和希そらとはしっくり来たんですよね。(完全に個人の意見プラス役柄か演目の都合もあり)
男役娘役の組み合わせを「美味しい食べ合わせ」とするなら、
組カラーとの一致は「お皿に乗せたときの見映えが良い」ですかね。
本当に今の夢白さんは両者を手に入れられていて、見ていて嬉しくなります。
トップ娘役の早期就任計画(例えば研4)→相性は後回しにして研2あたりで決め込み(ハタチ前)→個性や芸風の開花に本人も周囲も気付かず→数年後に不協和音、といった惨劇が起きるのでしょうか。
骨格や体躯のバランスもありますね。
これからも、素晴らしいマリアージュの誕生を楽しみにしていきたいと思います。
またまた興味深い記事をありがとうございます!
私は、礼さん&詩さんについては「似合わない」とまでは思いませんでしたが、やはり舞空さんがベストだとは感じました。
礼さん、学年が上がってもぱっと見若々しくて少年っぽさが魅力なんですが、だからこそ相手役さんを選ぶ気がします。
あと、作画的部分と共に好みが割れるのが「身長差」かなと。
私は長身の男役さんと小柄な娘役さんの身長差コンビも好きです。
真風さん&星風さんは、やはり持ち味として「?」と感じましたが、たとえば『天は赤い河のほとり』はまかまどだからこそ、の魅力が生きた作品ではないかと思っております。
(細かい作品の話は置いておき)あの作品は長身でカッコいい真風さんと小柄でキュートな星風さんという身長差コンビだからこそ生まれる「ときめき」を与えてくれたように思うのです。
とはいえ、実際には長身の男役さんには長身の娘役さんでダイナミックなコンビが見たいという方もいらっしゃると思うし、そちらの方が大勢かも。
それこそ宙の美星さんは小柄ながら頭身バランスも良く、どなたとでも似合いそうですけれどね…
このあたり、やはり好みの問題もありますよね。
最後に、きよらさんについては、ステイが吉と出てほしい、とわりと切実に感じる日々です。
礼さんと詩さん、お似合いとまではいかないまでも案外あうな……?と思ったのですが、完全にバチッ!とあうのは舞空さんだなぁと1789初日にしみじみしました。
真風さんと星風さんは中高生向け少女漫画(『天は赤い河のほとり』を連載していた小コミやプチコミ)、柚香さんと星風さんは少女漫画だとは思うんですが不思議と年齢層が思い浮かばないんですよね。変幻自在?
あと、柚香さんが少女漫画のヒーローで舞空さんが少年漫画のヒロインというコメント、ものすごく納得しました……泥臭くてカッコいい少年漫画のヒーローなんだなぁ、礼さん……。
蒼太様お久しぶりです。
今回の「作画が合う合わない」の話で、今までモヤモヤしていた何かがスッキリしました。
「礼真琴の隣にはもれなく舞空瞳‼️」何だかわからないけど、そう思っていらっしゃる方、かなり多いと思います。それはなぜなのか?礼真琴の作画に合うのは彼女だから。
になさんがおっしゃるように、礼真琴は「少年漫画のヒーロー」なんでしょうね。少女歌劇なのにそれって珍しいから人を選ぶ。そして舞空瞳は数少ない「少年漫画に出てくるヒロイン」なのでしょう。
阿弖流為の時の有沙瞳は全然合わなかった。赤と黒の詩ちづるも悪くないけどハマらなかった。それはなぜ⁇と思ってましたが「作画が合わない」からですね。
好きな作家さんの作品に、違う作家さんのヒロインが出てきたら、どんなにそのヒロインか素敵でもやっぱり浮いちゃいますよね。
少年漫画のヒーロー、ヒロインだからこそ、ことなこが並ぶとめちゃめちゃ合う。これしかないだろうって思う。この2人がドヤって踊るデュエットダンス大好きです❤️
子どもの頃、漫画にお小遣いを全部注ぎ込んでいた私には、すごく納得できてスッキリできた今回の話題で、思わずコメントさせていただきました。
お仕事忙しそうですが、これからも楽しみにしています‼️
トップコンビの作画について書いてくださり、ありがとうございます。私がコメントに書いたことに蒼汰さんが共感してくださり、嬉しいやら恐れ多いやら・・・。
本当に最初から最後まで頷き通しでした。
詩さん、たしかに歌ウマ、小柄、可愛らしいというスペックだけ見れば礼さんにばっちり合いそうなのですが、そう簡単に行かないのが、やはり宝塚のトップコンビなのかなと思います。
コメントにあります、礼さんと舞空さんは少年漫画のヒーロー/ヒロイン、というたとえに大変納得してしまいました。
同じ世界観の二人だから、ミキミニのような「コンビ感」が出るし、二人のロマンスを信じることができる。
詩さんは、りぼんやなかよしのような、少女漫画の方なんです。(だからもしかしたら、花男と相性が良いかも?)
不思議なんですが、小柄な詩さんや有沙さんといる時より、高身長の舞空さんといる時のほうが、私は礼さんに男役としての包容力を感じるんですよね。
やっぱり礼さんを一番かっこよく見せてくれるのは、作画(顔だけてはなく纏うオーラ、ひいては内面的なものを含めて)が合う舞空さんだよなぁと思います。
おとめやレビュー本などのトップコンビの写真はどれも、笑ってしまうほど顔や雰囲気が似ていて、微笑ましいです。
劇団のトップコンビのマッチングの手腕にはいつも唸らされます。
礼真琴と舞空瞳の組み合わせ、実は私はずーっとあまりピンと来ていないんですよね…(でもお2人ともかなりの実力者ですばらしい生徒さんだとは思います!単体ではそれぞれとても好き)。お互い割と1人でも発光できるタイプだからでしょうか。とはいえ星組さんはコロナで公演中止になる日に当たることが本当に多く、あまり生で観れていないからかもしれません。でも明日海さんにも同じようなことを思っていた気がします。ゴールデンコンビとして相乗効果で更なる魅力を生むコンビ、単体でそれぞれ発光するコンビ、いろいろなコンビがあっていいですよね!
ブログ主様
鋭い考察のブログ、いつも参考にさせていただいています。ありがとうございます。
わたしもみほさんに同じく、礼真琴さんと舞空瞳さんのコンビがあまりピンと来ません。それはひとえに礼さんが相手役を必要としないタイプだからかなと思います。
映像でしか見ていませんが、『TOP HAT』で柚香光さんがまず一人でタップを踏み出し、それだけで十分に惹きつけられるのですが、途中で星風さんのタップが加わったときは、さらにシーンが魅力あるものとなりました。
礼さんに関しては、少なくとも私にとってはそういったことがあまり感じられず。。
(もちろん舞空さんのせいでは決してありません!)
私が知る限りにおいてですが、真彩希帆さんと組んだ『鈴蘭』のデュエットシーン(これも映像でしか見ていませんが)だけが例外で、お二人のデュエットがそれはすばらしいのですが、二人で歌うとき礼さんのお顔にも輝きが見られたのです。
コメント欄でMayさんもよく似たことを書いていらっしゃいましたが。
ですから、タイミングが違っていれば、礼×真彩もありだったのかなと夢想したりしています。
*もちろん宝塚史上最高の歌うまコンビと言われて、大きな功績を残した「望海×真彩」で正解だったわけですが。
コメントありがとうございます。
意見はそれぞれなんで否定する気はありませんけど、私は礼さんが相手役を必要としないタイプとは思いません。相手役が居なくても一人で恒星のごとく輝けるけど、居ると違う輝き方をするタイプかな、と思っています。(相手役がいらないとは明日海さんや凰稀さんみたいなタイプかな、と)
他の方が言う通り礼さんは少年漫画属性なわけですけど、その主人公が全力で追いかける相手としてピッタリなのが舞空さんなんですよね、少なくとも私の目には。余談ですが、有沙さんはどちらかというと花ゆめ作画っぽいですよね。真彩さんは歌唱力の強さが前に出過ぎて、あの紅さんとの並びも見事だった思い出があります。だから礼さんだからこそ、ってイメージは私にはないかなぁ。
「作画が同じ」はもう少し外見重視なイメージがあります。似すぎていても兄妹感出てしまいますしなかなかに難しい。でもそこがピッタリくると唯一無二のコンビ感がでるんでしょうね。
トップコンビは持ち味というか同じ世界感を出せる組み合わせがいいですね。陰と陰、陽と陽をできれば合わせて欲しい。そうすると演目に無理がなくなるかなと。トップコンビにない持ち味は2番手3番手あたりで補うという体制がバランス良くて好きです。
今のトップコンビは持ち味は合ってて全然合わないコンビがいないですし、うまいこと組み合わせているなと思います。今後も上手に組み合わせて欲しいですよね。
山吹さん、同じく気になっています。あの硬質感と合う男役さんはなかなかいないのかも。轟さんみたいな硬質な美形タイプがいるとピッタリくるかな。月城さんは比較的合うかも?考えていたらちょっと見てみたくなりました。
きよらさんはもう風間さんまでステイしておけばいいんじゃないかな。味があるコンビになると思うんですよね。
面白いですね。『赤と黒』の礼x有紗も、礼x詩も、そう言われてみれば、宝塚の「コンビ感」が全くなかったのだと気づきました。
でも、それぞれ素晴らしい共演者としてブラボーだったんですけどね。
一方、礼x舞空は宝塚のコンビとしてピタッとはまる感じ。そして常々主張していますが、小柄な男役には背の高い娘役が見栄え、吉です。
山吹はアニメ声を克服したら道が開けるかも?
遅くて申し訳ありませんが、私も最初にこの喩えを考えた人は天才と思っていたのでコメントさせてください。
柚香さん&星空さんのバロックロックの画像を観た時にデビュー作にして巻頭カラーとったみたいな驚きで、作画が合うってこういうことか!と衝撃的でした。
その片割れの真風さんは潤さんとお似合いの声が大半でしたが、線細く下まつげありのアンニュイな惣領冬美系の作画にぴったりだと思えたのは怜美さんだけで・・でもアダルトコンビ過ぎかな笑。
月城さんと海乃さんはアダルトですけど、なんか副委員長(海)と成績優秀だけど後ろの席で斜に構える男子(れいこ)キャラを想像してしまい、同じ物語の中で生きてそうです。
前記事のコメント欄、詩さん大人気、うちの息子にぜひ状態ですね。それと彼女に適当なこと言うと静かに論破されそう笑。
山吹さんもなんか分かります。私は形容しにくい美貌(タヌキ顔とかロリ顔とか)がそのまま想像しづらいものになっているのかなと思いました。
きよらさんは劇団内前後の期でだいたい上げる人が決まりステイ状態と推測。娘1就任なら学年が離れているトップさんが良さそうです。
おたく妄想全開+長文で失礼しました。