宙組全国ツアー公演『大海賊』、
なんとご縁がありまして初日を観劇して参りました。
感想をさっくり書いていきたいと思います。
ザ・宝塚で伝統的な一品
まずは『大海賊』。本作は紫吹淳&映美くららのお披露目公演として月組で初演。その後、北翔海莉&妃海風のプレお披露目公演として星組で再演し、今回が3度目の上演となります。評判は伝説的な「世紀の大駄作」で、私も星組版を映像で見たらまぁつまらなくて、最後まで見通すことが出来なかった思い出があります。で、今回実際観に行った感想としては、「思ったよりも悪くないかも?」という感じ。
ストーリーは極めて単純。カリブ海に浮かぶサンタ・カタリナ島総督の息子、エミリオ(芹香斗亜)は、少年時代に海賊のエドガー(瑠風輝)に島を略奪され、両親までも殺された。何とか助かった彼は、エドガーに復讐するため自身も海賊になる決意をする。5年後、キッド(桜木みなと)を始めとする仲間たちからも信頼を得て船長となったエミリオは、イギリス商船を略奪した際に一人の娘に出会う。その娘、エレーヌ(春乃さくら)は、貴族として出世し今はジャマイカ総督となったエドガーの妹だった…。出会いと別れ、苦難と成長、エドガーとの対決、そして運命の恋の行方は…という、いかにもザ・宝塚なお話です。
なぜこのタイミングで『大海賊』をわざわざ上演したのだろうとずっと疑問でしたが、下級生まで満遍なくセリフや出番があり、物語の展開が古き良き宝塚らしいゆとり感があって、リハビリ作品として丁度良かったのかな?と私は理解しました。それにラストの「苦しいこともたくさんあるけれど決意を新たに船出する」シーンも、今の芹香斗亜の立場にリンクしているような気がして、劇団なりのハナムケなのかもしれません。
ま、私が宙組の芝居を観るのは『カジノ・ロワイヤル』以来ざっくり1年半以上ぶりなので、それにうっかり感動したというのもあると思います。芹香斗亜が任期的にケジメをつけ、再び宙組が舞台の上に立てたこと。一先ず次のステージに進めるようで、良かったです。
キャスト別さっくり感想
キャスト別にさっくり感想を書いてきますと、まずは芹香斗亜。遠い席からでも分かる圧倒的なスタイル、華やかさが圧倒的で、2番手スターには感じなかった「何か」があった気がします。彼女ってこんなに真ん中が似合うタイプだったんですね。今までは「関西人のオモロいキキちゃん」を一生懸命演じているようで、そこが私は実は苦手だったんですけど、そういう面白ノリがライトになったことを含めて良い塩梅だったと思います。良い意味で尖った個性がなく、プレーンな男役像なのが彼女の個性で、それがいかんなく発揮されていました。あっさり退団するのは残念ですが、これも残酷な運命、仕方ないですね。
ヒロインは春乃さくら。こんなカマトトヒロインでも嫌味なく存在出来るのが彼女の凄さでしょう。その小鳥が囀るようなヒロイン声も、楚々としながら神聖な歌声も、実に素晴らしかった。ちなみに、化粧の方もだいぶ進化していまして、特にショーの方は90年代初期の松田聖子みたいなゴージャスフェイスになってます(褒めてます)。
主人公の相棒役の桜木みなと、ラスボスの部下役の鷹翔千空は、良く言えば手堅く、悪く言えば既にどこかで見たことある風…。硬直した宙組人事の果ての、さらにトップ~4番手を引き連れた全ツですから、今回は仕方がないってことで。
そんな中、3番手格の瑠風輝は正真正銘の悪役で新境地。まさか芹香斗亜と相対する日が来るとは…。タッパもあるしお顔立ちも悪者風(←)なので似合ってました。
若手路線格だと、105期生の泉堂成がラスボスの手下の1人としてバリバリ目立っていて良かったですね。1人だけ衣装が違うし色味的にも目立つし、実は今回の儲け役かも?悪者役なので観客の印象に残るし、しかもイケメンだしでやっぱり注目株でした。また、主人公側のメンバーだとやはり104期生の真白悠希が出番を貰っていて、しかもそれが上手くて大変良かったです。
あと目立つのは娘2格の天彩峰里でしょうかね。ショートカットのボーイッシュキャラで2番手ポジションに恋愛矢印を向けられながらも本命の主人公に相手にされず、みたいな役がやっぱり似合うこと。こざっぱりした雰囲気が爽やかでとても良かったです。
『Heat on Beat!』はというと
一方の『Heat on Beat!』はというと、ゴメン、特に感想無し。←
『大海賊』と同様、なんでこの作品を上演するの?って感じでしたけど、そうか、瀬奈じゅんの退団公演なのか…。宙・花・星組時代の作品を再演すると変に邪推する輩が出てくるでしょうから、全く縁もゆかりもない作品を再演するとして、あとは演出家の空き状況からこの作品を選んだんですかね?とはいえさすがに何の脈絡もなさ過ぎて、どういう気持ちで本作を観れば良いのかイマイチ分かりませんでした。
ですが、次の退団公演が和物ショーであることを考えると、この作品が芹香斗亜にとって最後の洋物ショーなんですよね。ファンは場面一つ一つを噛みしめ、きっと楽しめること間違いないでしょう。キラキラ華やかですしね。
全ツも後半戦。最後まで完走出来ることを祈っております。
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コメント
蒼太さん、大海賊の感想お待ちしておりました!ありがとうございます!
おっしゃるとおり芹香さんは2番手でこじらせた悪役(すみません汗)やるより真ん中が爽やかで美しい!
星組バージョンはDVDでみましたが歌声美しい北翔さんより海賊役がお似合いでした。
で天彩さんです。星組では音波みのりさんが色黒茶髪ロン毛でしたが色白金髪で素晴らしく映えてました!
キッド桜木さんに踊りながら求愛するシーン、せつないし彼女の踊りの美しさに見惚れたんです。。
トップ娘にはなれなかったけれど所作もビジュアルも歌声もピカイチ。ザ娘役としてずーっと忘れないシーンになりました。多分次回卒業かと予想(というかいろいろ考えてそうしてほしい)しております。そして泉堂さんですが。大路さんがバウ側で差をつけられちゃう!(大路さんより泉堂さん贔屓自覚あり)とやきもきしていましたがバウ配信みてもしや泉堂さんは全ツチームで美味しかったかも!て思いました。鷹翔さんや風色さんは真面目なトークをなさいますがちょっとはじけたトークも魅力ですね!
停滞した雰囲気の宙組で次世代の魅力を感じます!
あとショーで、芹香さんが天彩さんと水音さんと踊るシーンがありまして、ドキドキしましたが芹香さんも微笑んでいらしてちょっと安心しました。芹香さんの卒業退団にむけ少しずつ穏やかに見送る世相になるといいなあ、と思っています。
蒼太さんは星組観られますよね?私は来週初観劇です!濃い感想お待ちしております。因みに愛の不時着は頑張りましたがチケット見つけられませんでした涙
いつも楽しく、拝見しております。宙組全ツ、観劇されたのですね。
皆さん、頑張ってらしたんですね。ご縁がなく、又、九州方面には、叔母姉妹が観劇に参りますが、残念な事に、私は配信で。
無事に千秋楽がむかえられますように。
昨夜、博多で見ました・・・帰りにご一緒した若いヅカ友さんと、いろんな話ができてよかったです(なんの関係もないようですが、「みんな」気にしてる、ということもわかりましたし、うれしかった!)カーテンコールのキキちゃんの挨拶も明るくて博多弁で、よかったです。客席下りがないのは、少し残念だけれど。このご時世、コロナ禍もまだまだおさまっていないから・・・全ツが、無事に、駆け抜けられますように祈っています。
前のほうのいいお席なので、オペラグラスは持って行かなかったのですが・・・やはり必須と思いました。細かい表情もわかりますしね。蒼汰さんにレポートしていただきましたが、たくさんカッコイイ男役、娘役さんたちなので、わからない方が多数でした。今日は余韻に浸りつつ、パンフを見て復習しています。キキちゃんが九州に来るのはもう最後だし・・・宙組のみなさんに、エールを送りたいと思います。観客のみなさんにも、ありがとうございますと、言いたいです。いろんな思いを抱きながらも、来ていただき(平日にかかわらず)ほんとうに、感謝したいです。 九州の片田舎から脱兎