本日はテレビ放送とそこから飛躍した小ネタを少々。
完全なる私見です。
スカイステージとNHK
宝塚の舞台をテレビで見る方法と言えば、
まず真っ先に上がるのはスカイステージ、
そしてたまにNHKのBSプレミアムにて放送されます。
ご覧になった方はご存知の通り、
同じ作品でもカメラ割りが違う内容が放送されるのですが、
私は個人的にスカステよりもNHKの編集の方が断然好きなんですよね。
その違いを主観で述べるとすれば、
NHKの放送は俯瞰的で、舞台全体を見渡した放送してくれるのですが、
スカステはがっつりスターにクローズアップしてるんですよね。
たった今スターがカッコ良いその瞬間にアップになったり、
これは後々の伏線ですよーって所をがっつり映したり…。
例えば『神々の土地~ロマノフたちの黄昏~』の酒場のジプシーたちの狂乱の中で
机の上に立つオリガ(星風)がドミトリー(朝夏)に
「シベリアの嵐のようだ」と諭されるシーン。
あれは机の周りを円形に踊り狂うジプシーたちと
オリガ、ドミトリー、そして隣の机で冷静に立ってるフェリックス(真風)
という構図が美しいと思うのですが、
スカステでは台詞を喋るスターたちばかりがアップになって
肝心なジプシーの演出があまり見えていないんですよね。
その逆に、NHKでの放送は「シベリアの嵐のような」ジプシーたちの群れ、
そしてその中央に立つ貴族たち(冷酷な佇まいのフェリックスは必見)という演出効果が
俯瞰的に映っているからこそ楽しむことが出来ます。
もちろん宝塚専門チャンネルとしては
商品であるスターたちをカッコ良く映すことこそが正解なのですが
個人的には舞台を大きく見たい主義なので、私は俄然NHK派です。
舞台映えと映像映え
そんなNHKでの放送ですが
先日、宙組公演『天は赤い河のほとり』が放送されました。
この作品は真風・星風のトップお披露目公演であり
2人を含む宙組生たちの華やかさ、群像劇を十二分に楽しめる公演で
私自身も舞台を生で見て、非常に楽しんだのです、が。
テレビ放映されて思ったのは
内 容 う っ す ー 。 笑
え、こんなにつまらn…もとい、
こんなに駆け足な内容でしたっけ?
当時も「忙しい人のための天赤だ」なんて揶揄されていましたが
私個人としては全く気になっていませんでした。
けど、それは生の舞台において
宙組生たちの華やかさを楽しむから良いのであって、
映像だとその圧を感じられないために魅力が半減してしまうのかなぁと。
そういう意味でこの作品は非常に舞台映えする作品であり
宙組のコスチュームショーを楽しむ作品だったんだなぁと思いましたね。笑
その逆に(と言って申し訳ないですが)月組公演『カンパニー』という作品。
こちらは舞台を生で見たときは、
良くも悪くも「普通」な作品だなぁと思ってたんですよね。
ですが、テレビでの放映において、
出演者の細やかな動き、表情の変え方などが見られたことで
こんなに面白い作品だったっけ?と驚いてしまいました。
(当時B席でしか見られなかったのが悪いんですけどね。笑)
家でソファーにのぺーっと座りながら
なんとーなく見るにはちょうど良いと言いましょうか。
非常に映像映えする作品なんだなぁと思いましたね。
私が思う「名作」の条件
何が言いたいかといいますと
その公演を楽しいと思えるかどうかというのは
時と場合によりけりで結構変わるんだなぁということ。
宝塚に限らずですが、
生で見たときは非常にハートフルな作品であっても
後日振り返った時にそうでもなかった、というのはよくあることです。
もちろんそれは、その逆も然り。
なので、舞台の生感は生感でその一瞬を楽しみたいし、
映像は映像ならではの良さを楽しむのが一番なのでしょう。
そして舞台でも映像でも、いかなる時でも楽しめる作品こそが
いわゆる「佳作」「名作」と呼ばれるものなのかもしれませんね。
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コメント
はじめまして
いつも楽しく拝見しております。
NHKとスカステ(もっと古くは関西テレビの舞台中継)のカメラワークの違いですが、ラインダンスも面白いです。
スカステはさりげなく後のスターさんとなる人をカメラで抜いていますが、NHKは誰を映していいのかがわからず。
ずっと以前に網タイツの網の目をアップにしてたことがあって「そこかいっ!!」とテレビに向かってツッコミました。カメラの解像度はさすがに素晴らしかったです。(でもそこじゃない!)
将来、解像度が限りなく高くなればカメラで舞台全体を撮影しておいて、視聴者が好きなところをアップにして見ることが出来るんではないかと期待しています。NHKさん頑張って開発して!
だって映されている画面のいちばん端のそのまた隣にいる人を見たい!とたびたび思うのですもの。でもそのカメラに映らないところを見ることが出来るのが生の舞台の楽しみの一つなのかもしれません。
これからもバラエティに富んだ記事を楽しみにしております。
コメントありがとうございます‼
網タイツの網目ww それは突っ込みどころ満載ですね…笑
Blu-rayにあるスターアングル、ぜひ色んなスターさんで取り入れられると面白そうですよね‼その分値が張りそうで大変ですが…。
これからもどうぞよろしくお願いいたします‼
いつも楽しく拝見しております!
舞台映えと映像映え、まさに、ですね。私はライブ派なので映像はあまり持ってないのですが、やはりライブの熱量や圧は映像では写し取れないとおもっています。
なのですが、最近ちょくちょくライビュを見るようになって思うのが…月組ってライビュ向きだな、と。
お芝居はやはり前の席で見ないと細かなニュアンスが伝わらない。そこのとこ、アップで抜いてくれると眉のぴくんとした動きや途方にくれた眼差しや…いろんなものがわかります。
その点、どこで聞いてもそれなりに聞こえる歌うまさんや、フォーメーションで見せるダンス組は派手に見えますよね。
芝居を得意とする月組が、得てして地味だのなんだのと言われるのは、芝居を見せるには宝塚の(本公演の)ハコがやや大きすぎるのかな?なんて思います。
完全なる私見、お許しくださいませ。
ご更新をいつも楽しみにしております!
コメントありがとうございます‼
確かに、繊細な芝居はアップで見た方が楽しいですよね。千秋楽のライビュを見ていても、今更な発見があったり面白いですしー。
おっしゃる通り、歌やダンス、フォーメーションで魅せるという意味で、海外ミュージカルが増えているのも納得かもしれません。
繊細な芝居を得意とするスターと、大きく見せられるスターが適材適所いるとベストなんですけどね。月組だと暁さんあたりに頑張っていただきたいですが…。
蒼汰様
いつも、楽しく拝読しています。
超凡人のミーハーです。仰るとおり、舞台で見て、後にスカステで見るのと、こんなに印象が違うのかってことあります。
舞台は、好きな人に気を取られ、ストーリーやその他の人は後回しになります。私にとっては、阿弖流為 なんかがそうでした。舞台では、大好きな礼真琴くんが、幸せそうに舞台で暴れまわっている、という印象でした。(勿論ストーリーは把握しておりました)
後にスカステで、見たら涙が止まらないほど胸が締め付けられるお話だったとは。という経験をしました。(でも、礼真琴くんはどんな役をやっても明るくなってしまうと思いました)
また、NHKとカメラアングルが違うことは知りませんでした。今度から、NHKも見てみます。
コメントありがとうございます‼
舞台ではスターの圧や煌びやかさを堪能し、後日映像でゆっくり物語を追っていくと、より心に感じられるものがありますよねー。
特に礼さんは芝居も歌もダンスも凄い方ですが、舞台だと歌&ダンスが先に立ってしまいますので、
改めて見返すとこんな深い芝居するのかーと私も感動することがあります。
今後放映があった際は、ぜひ比べて見てみてくださいねー。^^
小ネタとは言え大変興味深い小ネタですね!
なるほど。舞台映えと映像映え。
昨今は宝塚に限らず舞台が映像で残ることも増えましたが、残らない作品は生で観た記憶が頼り。そう言う意味では宝塚は両方楽しめますね。ありがたい。
とは思うものの。如何なる時でも楽しめる作品。たしかに。ですが、全てを生で観ることも難しいのでなかなか比べることもできませんねー。
上手くいかないです。
ちなみにカンパニー。私もBでしたが、面白い!と思いながら観てましたよ。宝塚的にどうなのかはわかりませんが、舞台としては楽しめました。
と言うくらいナマモノなのだなーと思います。感じ方は千差万別。
だからこそ舞台は楽しいのでしょうね。
まとまりがなくてすみません。
コメントありがとうございます‼
もはや最近は映像で残ることが前提で皆さんご覧になってますけど、生と映像だとそもそも楽しみ方が違う。
そして20世紀号しかり映像化されないことも当然あるわけですから、その一瞬を楽しむことこそが舞台の良さだと思うんですけどね。
おっしゃる通り、物理的に全部見られないからこそ難しいのですが…。
いや本当、なんであの時はさりとて心に刺さらなかったのか不思議でした。まぁ『BADDY』のが印象深かっただけかもしれませんが。笑
俗に言うロム専な人間ですが、どの記事も興味深く拝見しております。
ところで非常に細かくて恐縮ですが、文中の「俄然」は文脈的に「断然」だと思うのですが…いかがでしょうか。
今後も更新楽しみにしています。
コメントありがとうございます‼
頻出誤用の1つと分かってはいるのですが、個人的にこの言い回しが好きなんです…笑
今後もどうぞよろしくお願いいたしますー。