あくなき挑戦者・明日海りお【雑記】

今、改めて明日海りお主演作を振り返って見ていると

彼女はつくづく「挑戦の人」だったなぁと思います。

 

いや、タカラジェンヌはみな等しく血のにじむ努力をしているし

挑戦の日々を送っているわけですけど、

彼女の場合は少し違います。

 

大衆というマスを背負いながら、

自身からも劇団からも常に戦いを受け続け、

それに挑み、打ち勝ってきたからです。

 

明日海りおの「挑戦」

 

まず、自身の男役像から。

明日海りおって顔立ちも身長も声質も

生粋のフェアリータイプスターなわけですが

 

彼女は常に、男の色香がムンムンと匂いたつような男臭い男役でありたいという、

宝塚スターのプライドを持ち続けていたように思います。

 

ハッキリ言えば

自分の適性とは真反対なスター像を追い求めていたわけですね。

 

人は自分の得意な分野で成功を勝ち得ようとするものですし

どう考えてもその方が楽なのに、

彼女はあえて、理想の男役像を貫くという挑戦をし続けていました。

 

それは、これまでの本公演9作をはじめ

別箱含めて演目の内容を振り返れば

爽やか or フェアリーな作風が少ないことからも分かります。

 

少年や青年系の役をやっても、常に眉間に皺を寄せ

なんだか鬱屈としたオーラ(色香)を纏うことが多かったし、

『ポーの一族』エドガーは確かにフェアリー系だったわけですけど

似たような妖精が主演である『PUCK』と比べればその違いは歴然です。

 

もちろん、演目は本人が決めるわけではありませんから

劇団側もあえてそういう内容をぶつけてきたことを思うと、

巧妙でもあり、酷なことをするねぇとも思うわけです。

 

劇団側からの「挑戦」

 

劇団側が早くから明日海のスター性を見抜き、

必ず偉大なトップになるであろうと目を掛けていたことは明らかですが

それにしたって当初はぞんざいな扱いが多かったように思います。

 

それは、月組の準トップスターという物凄い負担を強いたことに始まり、

お披露目公演は久しぶりの再演『エリザベート』という

素晴らしい門出ではあったものの、

 

2作目からは若すぎる&まさかの96期の嫁、

研9の2番手スターに研7の3番目スター。

上級生がほとんどいない体制での舵取りとなりました。

 

さらにダンスが不得手でありながら

「ダンスの花組」で組子を率いながらセンターに立つという重責。

 

「お前はこの体制でも売れるだろ」という劇団からの熱い期待、

もといプレッシャーはとてつもないものでしたが

だからこそ組子たちとも結束が高まり、

結果として花組の黄金期を迎えることができたのかもしれません。

 

明日海の挑戦は、同時に花組の挑戦でもあるということ。

その気概が組にもファンにも伝わったからこそ

あのクオリティの舞台が安定して生まれるようになったのだと思います。

 

「挑戦」し続けるということ

 

歌が上手な人が、みんなヒット歌手になれるとは限らない。

顔が凄くカワイイ娘が、人気アイドルになれるとは限らない。

芸事とは非常に難しい世界です。

 

では何がその人の人気たらしめるかといえば、

それはまさしく「スター性」という、

非常に曖昧な物差しでしかありません。

 

少なくとも明日海りおは、そのスター性溢れる人材でした。

 

もちろん好き嫌いはありますが

そこにいるだけで多くの人が目をひいてしまう存在であるからこそ

彼女が「入口ジェンヌ」と言われる所以でもあると思うのです。

 

だけど彼女と劇団は、

そのスター性に胡坐をかくことなく、常に新たな挑戦をし続けていました。

 

トップオブトップという大衆の目を背負いながらも

自身の男役像を研鑽し、組や公演クオリティを高めることを挑み続けたこと。

 

それがこれだけの長期政権の間、多くの人から飽きられず

明日海りおの人気を支えた柱だったんじゃないかと思うのです。

 

少なくとも私は『CASANOVA』のビジュアルを見て、

ビックリたまげましたね。

 

あんな金髪かつゴージャスな衣装を着ても事故ってないし

また新たな方向性のキャラを完璧に作り上げちまうのかいっ!!

この人どれだけ引き出しがあるんだろう、ってね。

 

彼女の挑戦は、少なくともあと半年ちょっと続きます。

史上初めての横浜アリーナ公演に、

史上初めて(?)の4人目の嫁との本公演。

 

その挑戦の先に一体何があるのか、

明日海りおと花組とともに、見に行きたいと思います。

 

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コメント

  1. tiyochann より:

    素晴らしい愛に溢れた文章に涙しました。(ToT)/~~~
    まさしく「入口ジェンヌ」の「眉間の皺」にやられました。あの時の雷に打たれたような感覚は今でも忘れられません。
    宝塚とは縁遠い辺境の地に住んでおり、家庭の事情も有り、なかなか観に行くことは出来ませんでしたが、素晴らしく充実した7年間を過ごさせて頂きました。
    最後までしっかりと見届けさせて頂きます。
    へんなコメント失礼いたしました。

    • 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます‼明日海さんファンにそう言って頂けて嬉しいです。
      遠方からでも応援の気持ちは明日海さんに届いていたと思います。
      ぜひ一緒に最後まで応援しましょう‼これからもよろしくお願いいたします。^^

  2. めい より:

    初めまして!
    いつも楽しく拝読しておりますが、とても素敵な記事だったので初めてコメントさせていただきます。
    明日海さんがトップになられた頃からひっそりと応援してきましたが、私が一番好きなのがまさに挑戦者であるところです。
    最初はただただ美しさに惹かれましたが、知れば知るほどに、自分の理想をどこまでも追求するストイックな姿勢に魅了されました。
    個人的な話ですが社会人になったのが明日海さんの任期中だったので、自分がしんどかったときにどれほど彼女の強さに勇気付けられ鼓舞されてきたかが思い出されました。
    蒼太さんは特別明日海さんのファンではないかと思いますが、その方がこんな記事を書いてくださったのか嬉しかったです。
    これからも更新楽しみにしてます!

    • 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます‼
      おっしゃる通り、彼女はビジュアル頼りなだけでなく、
      技巧もストイックに研鑽し続けたからこそ今の彼女があるわけですから、
      その根性に頭が下がるばかりですし、私も勇気づけられてきました。

      いえいえ、実は私も入口ジェンヌである彼女に導かれた一人ですので…笑
      残り半年という短い期間ですが、私も全力で応援していこうと思っています‼

  3. ys より:

    個人的には妖精芸、両刀芸を極めるのもそれはそれで難しいと思いますが(それをやったのは龍さんだった訳で…)
    明日海さんはあえてそれをしなかったのでしょうね。
    トップ就任前には彼女に妖精・両刀系スターとして多大な期待をかけていた方もいたみたいなので、そういう方からすれば複雑だったのではないかと思います。

    • 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます‼
      確かに、フェアリー感を楽しみにされてきた方からすると、なかなかに難しかったでしょうね…
      それを振り切るほどの決意が彼女にあったからこそ、ここまで偉大なスターになれたとも思いますが…。

  4. ゆり より:

    蒼汰さん こんばんは

    私は明日海さんを「エリザベート」のポスターで知りました。
    息をのむほどの美しさでした。
    けれど、
    完成度の高いビジュアルに衝撃をうけはしたものの、
    ふうん。としか思わなかったのです。
    「美しく生まれて、才能もあって、嘱望されてトップになった人なのだろうな」と。
    そして、その美しい人の名が「明日海りお」だと認識したものの
    深く知ろうとは思わなかったのです。

    でも、宝塚ファンの友人から月組時代の「ロミオとジュリエット」
    を観せてもらったとき。
    明日海さんだけ、ほかの人とは、はっきり違って見えたのです。
    どこにいても、姿が目に入ってくる。
    目を奪われる。

    そのときから、明日海さんのことが気になりだしました。

    そして、大好きな「男役」を極めるために、
    ストイックに努力し続ける姿を知ってファンになりました。

    あんなに綺麗なひとが、(一般社会にいたら、あの容姿だけで、
    楽に生きていけるのに)
    女性としての強みであるはずの華奢な体型や可愛らしさに悩み、苦しんでいるなんて、ナンセンスといえば、ナンセンスなんですよね。
    なのに。
    「男役が好きだから」「宝塚が好きだから」と、
    女性としての美しさよりも、男性としての「かっこよさ」を求めて、
    努力を続けている。

    その姿勢がなによりも魅力的だったのです。

    舞台の上でみせる、憎しみや怒りにもえた激しい表情も
    天使みたいな笑顔も
    唇の端をあげてニヤリとわらうワルい感じの薄い笑みも、
    眉間にしわをよせた苦悩の表情も
    全部素敵なんですよね。

    でも、その裏に、明日海さんの積み重ねた努力があったのですよね・・

    明日海さんの舞台をみて、明日海さんに失望したことは
    一度もないのです。

    私も、蒼汰さんと同じように、
    「その挑戦の先に一体何があるのか」を見つめていきたいと思います。

    • 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます‼
      実は私、そのエリザ直前の明日海さんの美しさを某スマスマで見て惹かれた人間なんです。笑
      おっしゃる通り、女性らしさを一切消してストイックに男役道を突き進んでこられましたよね。
      表情一つとっても全てが絵になるようなスターさんでした。
      残り半年という短い期間ですが、私も全力で応援していこうと思っています‼

  5. 通りがかった人 より:

    CASANOVAの初日映像を見て、なんか憑き物が落ちたみたいに妙にすっきりとしたみりおちゃんの表情が気になってたんですよね。
    その時は今回の役柄のせいかなと思っていたのですが、今回の発表で納得しました。
    やっぱり人の気持ちって隠せないですよね。
    発表を聞いたときはほっとしましたね。漸く肩の荷が下せるんだ。
    本当に今まで大変だったけどお疲れ様って正直思いました。
    月組時代も大変だったけど、花組に移って、トップになった最初のころは本当に孤軍奮闘状態で、見ていて痛々しかった。
    でも、自分は花組トップなんだっていう思いがこちらまでひしひしと伝わってきて、がんばれと思ってましたね。
    嫁を送り出してからの退団、みりおちゃんらしいなあ。
    残りの宝塚生活楽しんでほしいですね。

    • 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます‼
      退団を決めている人特有の発光ってありますよね。CASANOVAでのキラキラはまさにそんな感じでした。
      おっしゃる通り、当初はまさに孤高奮闘でしたし、本人も人を頼るという性質じゃなかったからか、ずーっと背負いこんでる感がありました。
      でも、そのときのギリギリ感も良いんですけどね。笑
      いろいろありましたが、最後まで彼女らしい男役像を貫いて欲しいと思います。