朝ドラ風味な花組『鴛鴦歌合戦』新人公演感想

 

組替え→カレンダー発表と事件が続いたおかげでだーいぶ間が空いてしまいましたが、

花組『鴛鴦歌合戦』新人公演、ライブ配信で観ました!!

既に本公演を見ておりますのでキャスト陣を中心に感想を綴っていきます。

 

【本公演の感想はコチラ】

 

主要キャスト感想

 

最近は各組新人公演のクオリティがとても高く、それは以前に比べ路線候補生に「技術の高さ」を求めているからだと思われますが、全体的に「本役を上手く模倣する」生徒が多い印象です。が、花組の新人公演だけは、2作連続で本公演と良い意味で全く別物になっているのが実に興味深いです。前作『うたかたの恋』では、本公演は繊細がゆえに破滅の道に進む柚香ルドルフと脳筋系な水美ジャンでしたが、新人公演はチャラ男ノー天気風な希波ルドルフと真面目で心配性な天城ジャン。その結果、同じ物語のはずなのに全く別物に見え、その新人公演版の解釈も面白かったんですよね。で、本作はというと…。

主演を務めたのが104期生の天城れいん。まずはおめでとう!!そして、本当に良かった!!小顔&涼し気な目元(見た目だけで言えば、キツネ顔になった暁千星って感じ?)で和服が似合うし、発声やセリフ回しも安定感がある。柚香礼三郎ほどのアグレッシブさはないけれど、フレッシュさと落ち着きという真反対な持ち味が混じり合い、なんとも言えない色香がありましたね。客席から登場した時は、どこの歌舞伎役者かと思いました…。笑。立ち回りも綺麗、メイクも綺麗、度胸もあって、挨拶もしっかりしていた。うん、凄く良かったぞ!!今後の活躍がますます期待されます。

そしてヒロインを務めたのが103期生の朝葉ことの。これまた上手い!!かつ、星風お春とは全く違う、本人の持ち味に似合う役作りなのが面白かったです。星風お春が少女性が強いヒロイン像だったの対し、朝葉お春は小娘には見えないけれど、困難に立ち向かいながら自分で道を切り開くお転婆娘風で、顔立ちが大味なのも含め、なんだか朝ドラヒロイン風味でした。

で、浮草風味で清涼感がある天城礼三郎と、しっかり者な朝葉お春という組み合わせは、全く少女漫画っぽくなく、繰り返しになりますが、なんだか実写ドラマみたいでした。絵空事のキュートなはっぴぃえんどではなく、どこか土臭く実在的で、そこに生きる希望を見出せるというか。もちろんどちらも素晴らしく、そんな本公演とは違う解釈としての『鴛鴦歌合戦』が普通に面白かったです!!

 

その他のキャスト感想

 

2番手格は105期生の美空真瑠。いいですねー、ギラギラしていて。笑。花の105期生にして成績優秀、見た目も可愛らしく歌も芝居も得意。なのになぜか微妙に推されていなくて、それを自分で薄々感じているからこそギラギラしていて、今回が大チャンスと全力全開フルスウィングをかましてきて、私は大好きですよ!!小柄がゆえに動きを大きく見せようとしていて、まぁちょっと顔芸が過ぎる気がしますけれど、なんだかんだ上手い。永久輝政権に変わったら推されるようになりますかね???

3番手格は106期生の鏡星珠。さすが次なる御曹司候補、安定感のある芝居でした。が、ごめん、私はいまだに彼女の魅力に気付けてないんだなぁ…。だいたいこういうタイプのスターさんってスタイル特化なもんですが、そこまで高身長というタイプでもない。顔立ちはシュッとしてきて垢抜けてきたかなー、という感じ。そろそろ何か分かりやすい武器を押し出せるといいですね。

路線娘役で言うと、おとみ(本役:星空美咲)を演じたのは、104期第3の花娘こと愛蘭みこ。彼女も上手かったし、可愛かったです。和服を着るとどこか有沙瞳風?ただ、ヒロイン属性かと言われたらそこまででもなく、綺麗どころとしての成長が楽しみって感じですかね。麗姫(本役:春妃うらら)を演じた星空美咲は驚くほど発光していて、さすがのヒロイン感でした。藤尾(本役:美羽愛)を演じた七彩はづきも盤石な出来栄えでしたが、出番が少ないがゆえに少々地味目だったかなぁ…。その美羽愛も今回は辛抱役で、むしろ帆純まひろから娘役に変わった骨董屋の看板娘・初音夢(なんと105期生!!)のが一瞬目立ってましたね。

脇系に目を向けてみると、蓮京院役(本役:京三紗)詩希すみれ、天風院役(本役:美風舞良)二葉ゆゆの103期生コンビが、見目麗しくて良かったです。志村狂斎役(本役:和海しょう)海叶あさひは、新公らしいビジュアル特化なダメ親父で、これも別の意味でハマってました。そして、浅葱(本役:紅羽真希)役の青騎司、良かったよーーーーーーー!!&カッコ良かったよーーーーーーーー!!なんだかパッと見、お笑い芸人のパンサー〇形みたいですが、それでもやっぱりカッコ良い!!推されないのが残念過ぎますが、これからも脇イケメン路線として精進して欲しいです。

 

花組の受難がついに…!!

 

そして。

花組の新人公演が東西完走したのは、なんとコロナ前の『A Fairy Tale』以来、ななんと4年ぶり。いやー、本当に大変だったね、花組。コロナで新人公演が全中止になったのが『はいからさんが通る』からでしたから、観客である私も感慨深く、無事こうして完走出来て本当に良かったです。

花組若手陣のさらなる活躍に期待したい、そんな出来栄えでした!!

皆さん、本当にお疲れ様でした!!

 

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コメント

  1. ハニー より:

    いつも楽しく拝見しています。
    花組新人公演配信感想UPありがとうございます。
    私も配信を楽しく拝見しました。
    新公演内生徒さんの様子や個性が映し出される公演でしたね。
    4年(長い!)ぶり東西に渡って公演出来て
    成長された姿を観ることができて感無量です。
    本公演とは全く別物を観ている感じがしました。
    フレッシュさなど相まって(朝ドラ風味、とってもぴったりな表現)
    今後の花組の皆さんにとても希望を感じます。
    天城さんは本公演の三吉役とは全く別の礼三郎役ですが
    堅実な役作りと落ち着いた芝居や歌でしたし、御本人の持つ
    真面目さ、温かなお人柄が共通して出ていて立派な舞台挨拶からも
    お人柄が伺えとっても真面目な印象です。
    美空さん、鏡さん、お芝居がお上手でスターの押し出しがあって
    今後推されていかれるのではと思います。
    夏木さんも存在感たっぷりで素晴らしかったです。
    海叶さんのお父さん役や涼葉さんの骨董屋さんの歳上役も上手く
    味のある役作りがとても好感がもてました。
    朝葉さんは歌もお芝居も高技術でザ、安定。
    やはり目を引く星空さん、お芝居のお上手さを今回も感じました。
    愛蘭さん、美羽さん、初音さん、七彩さんら、花娘の皆さんも育って
    今後益々楽しみです。

  2. なすみん より:

    いつも楽しく読ませてもらってます。

    花組新人公演、とても良かったですよね。
    今回天城さんは、オーディションで主演に決まって嬉しかったとステージトークでおっしゃっていました。
    珍しいですよね?
    朝葉さんは通常通りだったようです。

    直接拝めたステージトークでは、天城さんのお声から何から全部素敵ですっかりファンになってしまいました。
    朝葉さんも大人っぽい娘役さんですが、とても可愛らしくて、やはりすっかりファンになってしまいました。

    皆さんお上手で楽しそうで、花組の未来は明るいわぁと、永久輝さんファンの私は喜んでおります。

    そして、新人公演を観て、しみじみ良い作品だと改めて思えました。