新人公演主演者から見る人事考察 ~花組・月組・雪組編~

路線スターになるために最も必要なもの、

それは「新人公演主演」という肩書きです。

 

そんな新公主演者について、これまで「回数」にばかり注目しがちでしたが、

本日は組ごとに歴代主演者を並べ、

そこから各組の情勢や今後についてを考察したいと思います。

 

 

なお、今回は区切り良く2010年以降の本公演について列挙しております。

手動で自分でまとめていますので、

何かミスがあったら教えて下さい。笑

 

男役の宝庫である花組

 

◆◇ 花組 ◇◆

『虞美人』鳳真由

『麗しのサブリナ』瀬戸かずや

『愛のプレリュード』大河凜

『ファントム』鳳真由(2回目)

『復活』鳳真由(3回目)

『サン=テグジュペリ』芹香斗亜(2回目)

『オーシャンズ11』芹香斗亜(3回目)

『愛と革命の詩』芹香斗亜(4回目)

『ラスト・タイクーン』柚香光

『エリザベート』柚香光(2回目)

『カリスタの海に抱かれて』水美舞斗

『新源氏物語』柚香光(3回目)

『ME AND MY GIRL』優波慧・綺城ひか理

『金色の砂漠』綺城ひか理(1.5回目)

『邪馬台国の風』飛龍つかさ

『ポーの一族』聖乃あすか

『MESSIAH』聖乃あすか(2回目)

 

 

花組に関して思うことは、その燃費の良さです。

 

大量のリソースを割いた鳳真由・芹香斗亜の2名が現体制にいないにも関わらず

花組の男役ピラミッドが完璧なのは、皆さんご存知の通りでしょう。

 

明日海以下の現2番手以降は、御曹司として3回主演した柚香と

たった1回の瀬戸・水美に、そもそも主演していない鳳月(ベルばら含めれば0.5回?)という路線体制。

それでこれだけの人気を誇っているのですから、ナイス育成というか配置というか・・・。

 

さらに100期生大本命・聖乃あすかまでの間に

綺城や飛龍に経験を積ませ、男役の層に厚みを持たせる余裕まであり。

正直、育成環境としては完璧です。

 

今後については、99期生・亜蓮の主演が難しそうな今、

同じく99期生の帆純まひろ、聖乃と同じ100期生の一之瀬航季あたりまで

もしかしたら主演を回していくかもしれません。

 

明日海の去就ばかりが話題になる花組ですが、

彼女を頂点とする完璧すぎる布陣である花組だからこそ、

路線スターの育成に力を注げることを考えると、トップオブトップさまさまですね。笑

 

バランス育成の月組

 

◆◇ 月組 ◇◆

『THE SCARLET PIMPERNEL』珠城りょう

『ジプシー男爵』宇月颯

『バラの国の王子』煌月爽矢

『アルジェの男』紫門ゆりや

『エドワード8世』珠城りょう(2回目)

『ロミオとジュリエット』珠城りょう(3回目)

『ベルサイユのばら-オスカルとアンドレ編-』凰月杏/煌月爽矢(1.5回目)

『ルパン』珠城りょう(4回目)

『明日への指針/TAKARAZUKA 花詩集100!!』暁千星(珠城りょう)

『PUCK』朝美絢

『1789』暁千星(2回目)

『舞音』朝美絢(2回目)

『NOBUNAGA』暁千星(3回目)

『グランドホテル』夢奈瑠音

『All for One』蓮つかさ

『カンパニー』風間柚乃

『エリザベート』暁千星(4回目)

 

 

珠城・暁の超御曹司育成のイメージが強いですが、

意外や意外、こう見るといろんな人に回していますね。

 

主演1回の宇月が、宝塚人生後半は美味しい上級生として活躍したことを考えると、

夢奈・蓮あたりにちゃっかり1回積ませておいたのは、ナイス采配かもしれません。

 

というのも、これから100期生・風間柚乃の爆上げが予想されますので

やれる隙間を周囲に振っておくというのは、脇路線を育てる上でも重要だからです。

 

そして『舞音』を95期・輝月ゆうまでなく、2度目の朝美絢にやらせたというのが

今振り返ると現路線レースにおける一つの大きなポイントかもしれません。

 

なぜなら『PUCK』はだいぶ変化球な演目ですので、この1作のみ主演ではなく、

『舞音』という比較的オーソドックスな男役としての主演をさせることで

劇団は朝美に路線のもう一押しをし、それがしっかりと今に繋がっているわけですから。

 

そして大作『1789』は期待の新生・暁千星が取ったことにより

輝月が主演する隙間が無かった、というのが改めて残念ですね・・・。

 

まぁ彼女はあれだけの実力とオーラがありますから

目指すのは鳳月(同じ月組出身じゃん!!)ポジなんでしょうきっと。

 

ニコイチ&一人っ子政策の雪組

 

◆◇ 雪組 ◇◆

『ソルフェリーノの夜明け』彩風咲奈

『ロジェ』彩風咲奈(2回目)

『ロミオとジュリエット』彩風咲奈(3回目)

『仮面の男』彩凪翔

『ドン・カルロス』彩凪翔(2回目)

『JIN-仁-』彩風咲奈(4回目)

『ベルサイユのばら』彩風咲奈(5回目)

『Shall we ダンス?』月城かなと

『一夢庵風流記』月城かなと(2回目)

『ルパン三世』永久輝せあ

『星逢一夜』月城かなと(3回目)

『るろうに剣心』永久輝せあ(2回目)

『私立探偵ケイレブ・ハント』永久輝せあ(3回目)

『幕末太陽傳』永久輝せあ(4回目)

『ひかりふる路』綾凰華

『凱旋門』縣千

『ファントム』綾凰華(2回目)

 

まず思うのは、雪組の審美眼って凄くないですか?笑

 

みんながみんな、きっちりスターとして育っているし

そもそも「脇路線のために1回くらい他に振っとくか」的なブレが無い。

これぞまさに雪組伝統・一人っ子政策、というところでしょうか。

 

また、雪の御曹司はそのまま上がることが意外と少なく、

月城は輸出されましたし、かわりに綾を引き取って育てていますし

現在はなかなかに珍しい(面白い)育成スタイルを取っていると思います。

 

そして今後、最も注目すべきは

縣の対抗馬が誰になるかということでしょう。

 

ご覧の通り、彩風と彩凪、月城と永久輝、永久輝と綾と、

雪組は常にニコイチで競いながら(本命を庇いながら)スターを上げています。

 

もちろん縣が本命だとしても、

全リソースを割いて反感を買わせる、なんてことをするとは考えにくいです。

 

現在は98期生まで新公を卒業していますから、

たぶん100期生より下がメインどころになると個人的に思います。

 

なんとなーく名前を聞く下級生といえば、

眞ノ宮るいとか彩海せらかな?

次の本公演などでの抜擢が楽しみですね。

 

組カラーが見える新公主演者たち

 

そんなわけで、本日は花組・月組・雪組を見てきました。

 

こうやって見てみると、

本命を大切にしながら脇にもまんべんなく振る花組・月組

ひたすら本命にしか振らずにニコイチ育成の雪組という

組ごとのカラーがよく分かりますね。

 

しかしながら、各組ごとのカラーは違えど

中長期的な目線できちんと計画的に人材育成できているのは、

事業企画としては素晴らしいことだと思います。

 

そう、花組・月組・雪組に関しては、ですが。笑

 

そんなわけで明日は、本題の星組・宙組編とまとめです。

こうご期待!!

 

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コメント

  1. しまくま より:

    こんにちは。いつも楽しみに読んでいます。鳳月杏さんは、ベルばら東京の新人公演で主演のご挨拶をされたので、主演カウントする方も多いそうです。一方でバウ主演の際に主演経験なし、とも記事に書かれていたので、ファン心理的には極めて微妙かと…

    • masa 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます!!
      うーん、ベルばらは私の中ではノーカウントなんですよねぇ・・・
      ただwikipedia先生によると主演という扱いのようですので、一応加筆させていただきました。

      バウは前身ブログの記事ですよね?
      その節は申し訳ございません、私の勉強不足でございます。

      • しまくま より:

        言葉足らずですみません、ブログのことではなく、バウ主演「スターダム!」の時のスポーツ新聞(スポニチ?)の記事にも確か新公主演経験はない、と書かれていたんですよ。でも東京の新人公演では主演者としてご挨拶した、というのも事実だそうです。難しいですね。