天飛華音から見る今後の星組体制

 

本当は「2022年気になる若手紹介」的な

シリーズ物を書こうかと思っていたのですが、

 

意図せず組体制考のようなものになってしまったので、

そういう主題で書いてみたいと思います。

 

まずは星組と、天飛華音編です。

あくまで超個人的な私見であることを、前置きしておきます。

 

2022年各組体制考・星組3すくみ編

 

元宙組の御曹司・愛月ひかるを盛大に送り出し、

着々と長期体制を整えつつある礼真琴をトップに据え、

その次に続くのは、彼女の同期にして真反対なスター性を持つ、

影の存在として育てられてきた瀬央ゆりあ。

 

次作『めぐり会いは再び next generation』に

専科・凪七瑠海が出演しないことから、

彼女は果たして2番手か、2番目か、非常に気になるところ。

 

本日の本題は、その次。

長く3番手不在問題が語られてきた星組ですが、

中堅から若手までの路線陣は、以下の5名。

 

■綺城ひか理:97期/新公主演1.5回/バウのメインキャスト1回

■天華えま:98期/新公主演3回

■極美慎:100期/新公主演2回/アンバサダーメンバー

■碧海さりお:101期/新公主演1回

■天飛華音:102期/新公主演2回

 

このうち綺城、天華、極美の3名は、通称3すくみとして、

互いをけん制し合いながら路線バトルを繰り広げていましたね。

 

そもそも天華えまは新公主演3回という、超路線級スター。

ここだけ聞くと、とても華々しい肩書ですが、

新公学年を卒業した途端、路線としてブレーキがかかります。

 

その間に上げられたのは、100期生新公主演一番乗りの極美慎。

ビジュアル一点主義的な華やさは、まさに星組の申し子でしたが、

唯一の弱点は、イマイチ本気度が感じられないところ。

 

そんな天華・極美を並べて育成中、やって来たのは、

永久輝せあに押し出された形で花組から組替えした綺城ひか理。

 

彼女は中途半端とはいえ『Dream On!』でメインキャストを経験、

もちろん計画的でしょうが、これにより2人の蓋として、

正しくは組替え経験者の別格候補として、星組にやって来ることになります。

 

2022年各組体制考・天飛華音編

 

そんな3すくみ態勢中に、

星組はもう1人の本命候補の育成を始めます。

 

それが102期生の天飛華音。正直に申し上げちゃいますと、

彼女って笑っちゃうくらい礼真琴の血統ですよね。

 

まず顔立ち。

礼真琴や朝美絢が好きな人ならたぶん刺さる、いわゆるジャニーズ系。

 

そして技術。

『柳生忍法帖』の新人公演を見る限り、

礼真琴ばりに激しく動きながら歌えるなんて単純に凄いし、

過剰なまでの男役芸は、柚希→礼と続く星男の血を感じずにはいられません。

 

最後はパッション。

そう、それは星組の路線スターに最も必要なもの。

男役として生きる覚悟を、彼女は既に決めているんじゃないかな?

 

それらを劇団も感じているかどうかは分かりません。

が、少なくとも劇団は『マノン』にて、綺城ひか里を差し置いて

芝居のみ2番手格をさせるという抜擢を開始します。

 

これにて綺城、天華、極美の3名に、

すぐ後ろから天飛が控えるという構図が出来上がりました。

 

そして次の別箱公演では、瀬央ゆりあ東上には別格候補の綺城を、

礼真琴主演『王家に捧ぐ歌』の方には、天華、極美、天飛の3名を配置。

試験、というには実に良く出来ていると思いますね。

 

…つまり、何が言いたいかと申しますと、

確かに極美慎は『王家に捧ぐ歌』でウバルト役を取りました。

だけどそれは、トップ路線に乗ったとイコールではないということです。

 

ここで劇団の期待に応えられなければ、

たぶん次のチャンスは天飛華音に巡ってしまう。

厳しいようですが、路線バトルとはそういうものです。

 

とはいえ、既に一定以上の人気を持つ極美慎が、

星組の本命として多くの宝塚ファンに目されているのは事実だし、

礼真琴や愛月ひかるが、スカステ番組や雑誌の記事等を通して

「シャンとしろ(意訳)」と渇を入れているのも、期待の裏返しと見えます。

 

星組の生え抜きスター候補生を全員礼真琴の下に置き直接対決。

そのバトルを制するのは、一体誰なのでしょうか?

極美慎はこのチャンスを生かすことが出来るのか、まさに試練の時です。

 

碧海さりおと天華えまに送るエール

 

最後に、既に別格候補的な扱いになっている碧海さりお。

RSGを読んだところ、彼女は4度目の受験で宝塚に入団しているんですね。

 

だから舞台に出ているだけで嬉しい、と。

そんなエピソードを読んで心温まると同時に、納得してしまいました。

なぜなら彼女の舞台姿には、そんな心意気を感じさせる丁寧さがあるから。

 

礼真琴の超絶技巧の後ろで、ガツガツついていける実力者として、

これからも重宝されることでしょう。

101期生の成績優秀者として、星組を華やかに支えて欲しいと思います。

 

そして天華えまと、そのファンの皆様からしたら、

今回の配役は非常にショックだったかもしれません。

なまじ『ロミオとジュリエット』で人気を得たばかりですから、なおさら。

 

星組は人事上手な組で、一度路線から外れても美味しく使ってくれますから、

別格移行していっても、活躍は期待出来るんじゃないかと思います。

 

宝塚グラフで、企画とはいえわざわざ礼真琴に渡す用と撮影用で2個おせちを作ってきたり、

休演真っ只中の全団員写真企画で一番洒落た写真(今までの全台本を背景に撮った)を出したりと、

良い意味で常に全力な彼女のことですから、後は気持ち次第だと思いますね。

 

ついに動き出す気配を見せた星組ですが、

果たして新体制がどのようなものになっていくのか。

今後の展開に、要注目です。

 

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コメント

  1. こころ夫人 より:

    いつも楽しく、拝見しております。
    星組が徐々に動き出したのですね。
    碧海さんと天華さんへのエール…、心温まります。お二人ともに、綺麗なダンスには、いつもオペラで追っています。素敵な星男さん、ですね‼️

  2. せち より:

    蒼汰さん、綺城ひか「理」さんですよ!
    「里」になってます…。

  3. ジェリー より:

    天飛さん、熱さと勢いと若さだけでなく実力も十二分に兼ね備えていて将来が楽しみなスターのお一人です。
    トップになるとしたらぜひパッション溢れる星組で…できれば礼さんとの間に毛色の違う方を一人か二人くらい挟めたらいいのかな〜なんて思っています。
    (極美さんも大好きなのですが、星組でトップというよりかは組替えで環境を一新した方がもっと成長できるかも…?)
    蒼汰さんも以前ブログでおっしゃっていたかと思いますが、天飛さんが同郷同期の彩海さんと同時期に宝塚歌劇を引っ張ってくれる未来があったらいいなと楽しみにしています。

  4. わんこそば より:

    いつも拝読させていただいております。

    『王家に捧ぐ歌』の配役には私も驚きましたし、ついに極美さんがリードしたのかと思うと同時に天華さんについては少しショックではありました。

    実は私も『王家に捧ぐ歌』は最後まで観れていないのですが、母が実際に以前の宙組公演を観劇したことがありまして、「ケペルはダンスが多い、圧巻だったよ」と言っていました。
    多少は演出も変わるとは思いますが、それを聞いて今回の配役は少しは納得できるなと。

    本公演ではないですし、まだ極美さんに関しては様子見という感じなのかなと思いました。

  5. こんちゃん より:

    蒼汰様

    いつも楽しみに拝読しております。ライビュ専科の地方民です。

    天飛華音くん、柳生忍法帖の新人公演を拝見しましたが、お顔はジャニーズ系で、男役芸は古風な「ますらおぶり」すら感じるもののふで、大いに気に入りました。

    おとめの公式身長は171cmとのことで、そこまで高身長でも無いのでしょうが、舞台に立つと実寸より大きく見える。大事なことです。

    極美と真風は、175cmで同じ身長とのことなのですが、今はまだ真風のほうが大きく見える。極美さんも真風と同じくらいの立ち姿になって欲しいです。

  6. ポリスのママ より:

    いつも楽しみに拝見しています。最近のカフェブレイクを見て、天華さんも極美さんもリベンジしたい事に新人公演をあげているのを見て、天飛さんの新人公演を見て刺激を受けられたのかなと思いました。私は天華さんのアナザーワールドの康次郎さんが、極美さんの霧深きのカールが大好きですし二人ともに頑張ってほしいです。この役は、2番手の役だからとかそういう考えは、演じられている方に気の毒だと思っています。どんなお役でもその方の真摯なものが見えれば輝くものだと思っています。私は、アルジェの男の時のアンドレを演じた極美さんにそれを感じましたよ。本当にキラリと心に残りました。

  7. たから より:

    いつも宝塚からの新しいニュースが出るたび蒼汰様の記事が出ることを楽しみに拝読させて頂いております。

    今回の記事、天飛さんは礼さんを継ぐ真の後継者といえるほど礼さんの系統というのは大きく頷きながら拝読しておりました。

    しかしながら骨太で男臭さがどちらかといえば持ち味の天飛さんは、とてつもないキラキラオーラor漫画から飛び出してきたようなルックスの美男子を表するジャニーズ系(朝美さんを筆頭に、星組でいうなら極美慎さんがその系統かと)とは明らかに違うとお見受けします、、、そこだけがかなり引っかかりましてコメントしてしまいました。(ジャニーズファン歴のほうが長い宝塚ファンなもので黙っていられずすみません)

    見る人によって異なる見方があるということですね。面白いものです。

    こういった面白さを感じることができるのもブログを拝読させて頂く醍醐味であると思っています。

    これからも楽しみにしております。

    • 蒼汰 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます!!
      ジャニーズというのは顔立ちを指したつもりで、おっしゃる通り芸風は骨太で男臭いものですよね。
      つってもジャニーズファンからは「違う!!」と言われてしまうかもしれません。笑
      まさに見る人によって異なるものなのでしょう。

  8. チョコレート より:

    王家、初演に通いました。
    同期の男性社員を2人お誘いしたところ
    見事2人とも檀さんの虜になり素化粧のボストカードを買って帰ってました。

    初演だとウバルドケペルともに別格スターが演じられていて、個人的にはケペルがスターらしく好きでした。
    特にラダメスとの戦場の歌には痺れました。

    ウバルドでスター性を爆発させたのが真風さん!極美くんも続けることを祈ります。
    かのんくんは何も心配していません笑
    いつか来る天飛時代が待ち遠しい笑

    慎くんはスカステで同期の風間くんの
    バウについて「心が震えた」と言及されてました。心に火がついたように見えました。
    是非ともこのチャンスを物にして欲しいです。

  9. 真紅 より:

    初めてコメントさせて頂きます。
    興味深くブログ拝見させて頂いてます。
    育成上手な星組さんの、愛月さん退団後の体制がどうなるのか興味深いですね。

    天飛くんは、凄く礼真琴さんを見ていて遅れず付いていきたいという気概を感じます。
    柳生忍法帖の新人公演、あの難役を礼さんの真似にならず自分らしさを出して、よくあそこまでやり遂げたなと感心しています。
    柳生忍法帖も王家に捧ぐ歌も、礼さんの横に居るお役で、礼さんから存分に学んで来なさい‼️という劇団側の狙いかなと思いました。
    技術にパッション、おっしゃる通りまさに礼真琴さんの血統ですよね。
    あの太陽の様な笑顔も。
    私も星の将来のトップ有力候補と思ってます。

    極美くんは本当にキラキラしてて、客席から見てても目立つ存在ですよね。
    ただ、あまり欲が感じられない。
    のほほんとした感じも魅力では有るのですが、綺城さん天華さんと3人仲良しトリオの様な感じから、そろそろ脱却しないとダメですよね。(このトリオ大好きなんだけど)
    モアダンで少し見えて来たかな?って感じで、愛月さんに何か教えられたか?とか勝手な想像をしています。
    王家のウバルド役で、どれ程の頑張りを見せてくれるか楽しみです。
    極美くんのキラキラオーラに実力が付けばトップ間違いなしだと思っています。
    個人的には、極美くんトップの下で天飛くん2番手で、その後トップって感じになれば星組安泰って思ってます(笑)
    ただ、礼さんと極美くんの間がどうなるのか、誰か挟むか、礼さん長期で極美くんまで繋げるか(間に合うか?)
    そこが気になる所です。

    天華さんの役はダンスが多いとか。
    それはそれで、ご本人はやり甲斐を感じてられるかもしれませんね。
    最近トップよりトップダンサーを目指す方向に気持ちが変わってきておられるのかな?と思ったりします。
    ファンの方はまだまだトップ願望をお持ちでしょうが…
    お歌も上手、お芝居もできる人なので、個人的にはとても応援しています。

    碧海さんは舞台で目立ちますね。
    どこにいるか直ぐに分かる。
    ダンスだけでなく、何でもできる人ですよね。
    トップって感じではないので、別格で輝いて欲しいです。

    蒼汰さんのご意見、うんうんと大変共感しながら読ませて頂きましたので、ついコメントしてしまいました。
    感想というより自分の思いばかり書いてしまって…笑ってお許しください。