水美舞斗の選択、瀬央ゆりあの選択・2023年95期の今後を考える③

 

もしもあなたが、そこそこ人気な、

だけどトップになれるかどうか微妙な立場のタカラジェンヌだったとして。

 

「後輩の番手を上げたいから、そろそろ立場を考えて欲しい。2番手として今の組で華々しく卒業するか、それとも僅かしかないトップになれる可能性を信じて、次の出番がいつかも分からない専科に異動するか、どちらかを選びなさい。」

 

と上層部に言われたとしたら、あなたはどうしますか?

 

【95期特集第一章:月城・朝美・桜木編】

【95期特集第二章:柚香光編】

瀬央ゆりあの選択

 

95期生7人のうち、新公主演1回、かつ同組に超路線同期が居る、という点で

全く同じ手札から始まった水美舞斗と瀬央ゆりあ。

しかし、その立場は微妙に違うものになりつつあります。

 

水美舞斗は直下にVISAガールである永久輝せあがやって来て、

一旦は2番「目」誤魔化しがあったものの、

競り勝って正2番手スターへと昇格。

そしてトップの道を信じて、一足先に専科へと異動しました。

 

一方の瀬央ゆりあは、上に愛月ひかるが降られたうえで、

彼女を見送った後に98期超路線の暁千星が下にやって来た状況。

果たして今後、どのような道を辿るのでしょう?

 

実は瀬央ゆりあって、水美舞斗よりも外箱主演回数が多いんですよね。

水美舞斗は『Senhor CRUZEIRO』が半分ショー形式のバウ公演に、

『Dream On!』の謎特出に、『銀ちゃんの恋』で東上主演。

 

瀬央ゆりあは『New Wave!-星-』を紫藤りゅうとともに出演した後、

『デビュタント』『龍の宮物語』『ザ・ジェントル・ライアー』と、

3回も主演を果たしています。

 

けど、不思議と劇団からの猛プッシュ感が薄く、

なんとなく自分の立場を弁えている(弁え過ぎている)ように見えるし、

そんな謙虚な姿こそが、彼女の魅力に繋がっているように思います。

 

そんな彼女は、仮にトップになることを信じて専科へ行くのか、

それとも組内で華々しく退団するか、どちらかを選べと問われた時、

たぶん専科に行かなそうな気がするなぁ…というのが私の超個人的な主観です。

 

奇しくも2023年の星組は、公演が『1789』の一本物のみですし、

『JAGUAR BEAT』で暁千星とお揃いの羽根を背負いつつ、

現在も頑なに2番手扱いされないことを思うに、

その行方を2024年まで引っ張れる気満々であることが確定。

 

それを考慮に入れると、瀬央ゆりあが2番手羽根を背負う時は、

彼女が退団を決意した時かもしれませんし、

水美舞斗と同様、トップへの道を信じ専科異動するサインかもしれないなど、

少なくともその処遇が決まった時に決まるもののような気がします。

 

果たして瀬央ゆりあがどのような選択をするのか、

その行方が気になるところです。

 

水美舞斗の選択

 

そして、専科への異動が決まった水美舞斗ですが、

彼女は厳しくも険しい芸の道を選んだことになります。

 

永久輝せあがやって来つつも、水美舞斗の人気に花組が答えた結果、

2番手羽根を背負って専科に行く、というレアケースになったわけですから、

本日は悲観せず、前向きに考えていこうと思います。

 

新専科制度以降、専科からトップスターになったのは北翔海莉ただ一人。

ほぼ同じコースを辿ったにも関わらず、

上級生2番手として退団を選んだのが愛月ひかる

そして水美舞斗、3人の共通点は中卒入団であること。つまり年齢的に若い。

 

北翔海莉は研15で専科異動(これまた水美舞斗と同じ)後、

雪組『JIN-仁-』で3番手特出しつつ同期の送り出し

→番手ボカシ中の花組『オーシャンズ11』で2番手格扱い

→2番手不在の月組『ルパン』で2番手羽根をゲット

→月組『THE MERRY WIDOW』で東上主演

→星組『眠らない男・ナポレオン-愛と栄光の涯に-』でエトワール

→花組『エリザベート』でフランツ

→花組『風の次郎吉-大江戸夜飛翔-』で東上主演

の後に、星組にトップスターに就任しました。

 

振り返ると分かる通り、基本的に大劇場公演外箱主演しかしておらず、

この点で、最初の特出『アルジェの男』から礼真琴の下につくことになった

愛月ひかるとは大きな違いだと言えます。

 

また、北翔海莉とも大きな違いがあり、

それは前述の通り水美舞斗が既に正2番手スターであること。

これが吉と出るか凶と出るか…。

 

他組の95期組が2番手に居る組には出し辛そうだし、

古巣の花組には戻れないだろうし…と思うと、

出られるの月組だけになっちゃわない?という問題が。

 

いずれにせよ、水美舞斗のトップの芽があるとすれば、

同期引き継ぎ不可であること前提を思えば、1~2年先の話ではなく、

もっと後の、色んな意味で世代交代を果たした先になりでそうですよね。

 

果たして彼女と、応援し続けるファンがそこまで待てるのかどうか、

まさしく前々記事の朝美絢&桜木みなと以上に、

『鳴くまで待とうホトトギス』になりそうです。

 

95期生の光と影

 

この2人について書いて思うのは、

「花の95期」として箱推しされてきた光と影があるな、ということです。

 

95期だからこそ一緒に売り出して貰えたし、

95期だからこそ他組にも人気スターが在籍していてトップになれない。

実に苦しい両面性ですよね。

 

2人の選択がどのようなもので、結果としてどのような未来が訪れても、

ファンとしてはそれを受け入れるしかありませんが、

95期最興隆期はきっと、今この2023年しかないと思いますので、

ライトファンとしてはそれを全力で楽しむしかないのかな、と思います。

 

☆★☆★☆

ランキング参加始めました!!

ぜひポチっとお願いします↓↓

にほんブログ村 演劇・ダンスブログ 宝塚歌劇団へ
にほんブログ村

コメント

  1. 399 より:

    いつも深い考察、興味深く拝読しております。
    瀬央さんに関してはかつての天寿さんポジションに上がっていただく、そしてあわよくば管理職や本専科として長く長く舞台姿を見せていただけることを熱望しておりましたし、それが許されるお人柄と芝居力をお持ちの方だと思っておりました。なので、正直な話、退団か専科異動の二択を煽られるような今の立場になってしまったことに少し悲しい気持ちがあります。
    人事上手な星組ですから、今からでも暁さんにきれいに抜いてもらい、おいしい別格になってはくれませんかね。ここまで来てしまったらもう選択肢はないのでしょうか。
    歌劇の表紙もうれしいし、毎回変型羽根で楽しませてもらうのも幸せ。でもそんなものよりも、もっと長く、舞台を楽しんでいる瀬央さんの姿を見ていたいものです。

  2. こころ夫人 より:

    いつも楽しく、拝見しております。
    水美さんの専科異動には驚きと悟りが交錯する中、あぁ、110周年の大運動会の花組に彼女の姿がないのか、とガックリしてしまい…。
    2番手羽を背負っての異動なので、おっしゃる通り、時期を待つ、と。
    瀬央さんは、どのような立場であっても礼さんと共に!、なのかと、人柄はもとより、観劇の度に魅力実力が増していて、そう実感します。
    110周年の前年の本年、95期生スターさん達の岐路を見守りたいと思います。我が宝塚ファン生活は、今年も健在です(笑)。

  3. AKIRA より:

    2番手とトップの関係ですね。
     2番手羽根を背負うと順当にトップに昇りつめるという今までの常識が崩れてきてますよね。やはりトップスターはピラミッドの頂点ですし、なりたくてもなれない外的要因等がたくさんありますからね。それだけ人材が増えたことの証かもしれませんが、ご本人の意思も非常に重要ですよね。愛月さんだって、もう少し我慢すればトップになれたかもしれないですし、でもご本人は退団の道を選択された訳ですよね。でも水美さんは粘り強く待つのではないでしょうか。人気も華もあるし、きっと素晴らしいトップさんになると思いますよ。瀬央さんはどうでしょうかね。ご本人の明確な意思表示が劇団に伝わっていないのかもしれませんよ。かって望海さんが花組にいた時、同期の明日海さんがトップでやってきて、当時のトップさんに相談されたと噂で聞きました。彼女のトップへの執着心がそうさせたのだと思います。結果はみなさんご存知のとおり、雪組のトップスターとして大願成就された訳ですよね。結局、ご本人の強い意思が必要不可欠だと思いますよ。

  4. ジャスミン より:

    深い考察ありがとうございます。
    瀬央さんについては…本当は、超短期でいい、トップ姿を見たい気持ちもありますが、長くいて頂きたい、という気持ちもあり…。
    本当は、凪七さん的なお立場(扱いの詳細はともかくとして)も似合う方だと思うのですけれどね。
    コミュニケーション力は折り紙つき、どこの組でも、溶け込めると思います。
    そして、スカステで凪七さんのように、トーク番組でも持ってほしい(笑)
    私個人は、瀬央さんの舞台姿を見ていたいのもありますが、瀬央さんのコミュニケーション力の高さ、面白さを、まだまだ「宝塚で」発揮して頂きたいのです。
    誰とでもそれなりに楽しいトークを繰り広げてくれるという安心感、「?」なことは絶対に言わないという安心感と申しますか…。これは潤花さんにいも言える安心感ですね。
    勿論、まずは“舞台”ですけれど、コミュニケーション力も本当に重要だと思うのです。

    たとえばですよ、新年だからお許し下さいということで、芸風なり組事情含めた全ての現実事情をすっ飛ばした“妄想”として書きますが、芹香さんトップで娘役トップが美園さくらさん、2番手瀬央さんだったりしたら…とか思っちゃうわけです。美園さんが更なる美園ワールドを展開しても、芹香さんと瀬央さんが全力で笑いに持っていき、最終的に丸く収める…というトークが展開したかもしれないじゃないですか(笑)

    なんて書きましたが…彼女は専科行きを断るような気もします。
    ただ、失礼ながら成績下位だった彼女が、運も味方したとはいえ、今のように素敵な舞台を見せてくれているだけでも喜びたい。
    もし、遠い将来、超短期トップでもトップスターの座が巡ってきたら私は歓喜して全力で応援しますが、今はただ、悔いなく彼女の道を進んでほしいと願うばかりです。

    ちょっと長すぎるので、一旦区切らせて頂きます。

  5. ずんだもち より:

    少し言いにくいのですが、永久輝さんいろいろあって、長くトップやらないんじゃ‥。
    辞めてほしい意味ではないです。私ひとこちゃんスキなので。
    永久輝さん短期務めた後、水美さんがピンチヒッター的に花組に戻ってトップになれば、穏便かな なんて。
    VISAイメガ 花組でなければいけないなら聖乃さんに引き継いでもらったらいいのに。

  6. ジャスミン より:

    連投失礼します。
    水美さんは…95期の光と影でもありますが、「れいまい」の光と影、でもあると思います。
    「れいまい」だからこそ魅せてくれたものがいっぱいある。
    けれど、二人とも得意分野が同じだからこそ、色々と難しかった面もあるとも思います。
    もし、柚香さんと違う組配属だったら、あるいは、得意分野が別だったら…でも、それこそすべて“if”だし、ダンサーでない水美さんなんて考えられませんしね!

    だから、水美さんは、花組を出るここからが正念場だと思います。
    「花男」という枠組みを外し、柚香さんと離れ…再スタートでもあると思います。

    ここまで来たら、粘って絶対にトップになってほしいです!

  7. 五條 より:

    2番手羽根を背負うという時点で、もうある程度の未来は決定しているものと思われます。3番手羽根はついたり消えたりするのでどうでも良さげですがw
    水美以外の鳳月、朝美、芹香も、今後のザックリとした予定くらいは知らされててもおかしくはありません。

    劇団はその辺はっきりと伝えるようなので…
    愛月の「星組に2番手として行く時点で3作退団は決まっていた」
    他OGの
    「管理職になるか退団か選んで、という話だった」
    「宝塚に肩たたきはある」等々。
    紅の、就任時にいきなり5作で辞めます宣言とか。
    桜木もだいぶ前に「周りと比べて焦ることもあったが、自分のペースでやろうと思う」みたいな意味深な事言ってたり。なんか言われたん?みたいなw
    スポンサーや大作のスケジュールもあるし、ビジネス優先はしゃーない面もあるでしょう。

    水美は柚香政権になってから以前より人気上がったように見えます。新人公演主演1回から見てもわかる通り、劇団はトップ候補としては考えていなかったはず。
    もしかしたら未来が変わったのかもしれません(ファンが多かった紅や真琴のように)。
    壮がトップになれたのも、音月の早期退団があったからこそ。どこかでイレギュラーがあれば、ワンチャンあるかもですね。

  8. orange芋 より:

    水美さんの専科はうすうす皆さん予想していたのでは。
    私も永久輝さんが来て以来、そう思っていました。
    「香水」と名のついたショーが発表された時点で「あぁ、ここできっと何か動きそう」とSNSで多くの意見を見ました。

    私は素直にトップまでのステイなのではないかと思います。
    水美さんの人気はすごいですし、専科に新しく鮮やかな旋風を巻き起こす感じで嫌な気分にはなりませんでした。

    瀬央さんに関しては蒼汰さん同様の思いです。
    ナウオンでも「弁えてる感」がすごくて健気に見えて仕方なかったです。

    話は変わるのですが、退団した娘役さんが続々と結婚しましたというインスタや報告を上げられたりすると、長く在団してほしい反面、女性として、人間としての新しい生き方もしたい方もいらっしゃることを思うと、何がいいのか分からなくなってきました笑

  9. より:

    私も瀬央さんは天寿さんポジションからのいずれ組長になって長く星組をまとめてくださったらと思っていたので、今の立ち位置は嬉し悲しというところです。
    ここまで来たらもう管理職コースはないものなのでしょうか?

  10. 真風の女S より:

    蒼汰さま、こんばんは☺︎
    いつもブログを楽しみにしている、花&宙組のライトファンです。

    昨日放送だった、うたかたナウオンを見ました。
    トークが2組に分けられているのですが、れいまいまどか、もう一つはれいひとほのか。
    れいひとほのかのナウオンって、初めての並びだった気がするけどどうなんだろう??

    ナウオンで見るマイティは落ち着いていて、また、れいちゃんの背負うものを一緒になって背負っているかのような、重さもあり。れいちゃんと2人同じような温度をまとっていて。また、まどかも控えめで大人しいタイプですので、この3人で話す場面はとても静かなんですね。

    ですが、れいひとほのかの3人になると、とてもキャッキャっと、れいちゃんも下級生の頃を彷彿とさせるような雰囲気に戻って。

    れいひとほのかを見ていると、あぁ、マイティ専科での新体制は、それはそれで楽しみになってきた!?私なのでした(^^)

    マイティは、2番手羽根を背負った時点で専科行きを決めていたんだろうと憶測している身ですが。

    専科に行く、と決めた時。
    マイティは何と言ったんでしょうね。
    トップに少しでもなりたいから、その可能性を求めたい。と言ったのか?

    私は、トップのことよりも、れいちゃんがトップでいるうちは、自分も現役でいたいという気持ちも大きかったんじゃないかと勝手に思っています。
    もちろん、卒業時のお花渡しは、自分が卒業していてもできる。
    でも、自分も現役で残り、花組の舞台(もしくは他組の同期との共演も)に出られることにこだわった気がしていて。。宝塚を愛する気持ちが、退団ではなく、専科を選んでくれたことには変わりない。それが何より嬉しい。

    花男、れいまい、のマイティも最高ですが、専科に行ってからまた一味、二味も違ったマイティを見ることができたら、、、楽しみに思います♪

  11. SOLFUKI より:

    蒼汰さま、いつも楽しみにしております。久々にコメントします。

    公演スケジュールからかなりの高精度でさよならショーの有無がわかるのですが、それによると雪組ライラックはさよならショーの予定が無い事が確実、最近発表された星組1789はさよならショーが出来るスケジュールです。個人的にはずっと宝塚にいてほしいタカラジェンヌの一人ですが、もしかしたら瀬央ゆりあさんは暁さんが無事に星組に受け入れられた事を見届けご卒業する事を決められているのかなと思って既に寂しくなっております。

  12. rokko より:

    2023年8月28日付で瀬央ゆりあさんが専科へ異動されること発表されましたね。トップを目指しての異動なら少しでも期待したい・・・ところです。頑張って欲しいですね。