真彩・星風・美園の歌唱力の違いに思う【雑記】

以前、宝塚歌唱力論争の記事において、

娘役の歌唱力の重要性と、

次期トップ娘役候補に歌ウマガールが少ない旨を書きました。

 

その内容についてもう少し掘り下げたいと思っとるのですが、

その前段階として、娘役の歌唱力について補筆しておこうと思います。

 

星風まどかと美園さくらの歌唱力の違い

 

このブログを長くご覧になっている方ならご存じの通り、

私はとにかく分類好きなタイプでして、笑

「歌唱力が有る人」についてもざっくり2種類のベクトルで考えています。

 

その両極端が現在トップ娘役として活躍中ですので挙げますと、

それは星風まどか美園さくらの2名です。

 

星風まどかの強みは、圧倒的なヒロイン声であること、

舞台の奥までスコーンと響くような美しい発声、

楽譜通り正確に歌える絶対音感とリズム感、

なんだけれど、たまに外す音程が、絶妙に気持ち良いというか、

それすらも可愛らしい魅力に転じてしまうパワーがあるところだと思うのです。

 

一方、美園さくらの強みは、どちらかというと表現力。

ハキハキ元気に歌うというよりは、声や発語に厚みがあって、

その重みの中に実に妙な生々しさが感じられるというか、

役としての感情が迸る一方で、音階が合っていなくても気しないし、

でも最後の1音で綺麗にまとめる能力はあるという、そんな歌唱力。

 

すっごく簡単に言うと、

前者は松田聖子的で後者は中森明菜的とでも言いましょうか。笑

 

そしてこの2つの方向性をどちらも合わせ持つのが真彩希帆。

音感、発声、情感、表現力。

どれをとっても完璧な、まさしくバイブリットガールと言えるでしょう。

 

ちなみに蛇足ですが、本来は前者タイプだったろうに、

努力と経験で表現力を身に着けた存在に仙名彩世もいると思います。

 

歌ウマ娘役候補生3名に思う

 

んで、前回の記事にて

次の歌ウマ担当の娘役として有沙瞳を挙げましたが、

彼女は完全に中森明菜(美園さくら)タイプの歌ウマさんだと思うのです。

 

発声が綺麗というよりは、情感が乗るタイプであり、

だからこそ自分が得意な『龍ノ宮物語』のような役や歌だと輝くけれど、

譜面通り正しく綺麗に歌うことが要求されるような、

例えばエトワール等は不得手なように感じます。

 

そしてきっと、いわゆる歌ウマ好きが求めるのは

前者の発声綺麗な松田聖子(星風まどか)タイプだと思うので、

そういう意味だと彼女はそのニーズに応えられないのかもしれません。

 

じゃあ誰がそのニーズに合致するのかと考えると、

パッと思いつくのは、小桜ほのか天彩峰里かなぁと。

 

2人とも前者の資質を持ちながら情感タイプの素養もありそうなので、

歌い手としては素晴らしいスターに成長しそうですけれ、ど。

実際、トップ娘役へのコースとしては

「報われ論」になりそうなのが痛しかゆしですねぇ。

 

真彩希帆は罪作りなヲンナ。笑

 

そして極論、皆さんが望んでいるのって

ポスト・真彩希帆なんでしょうけれど、

やはり彼女って歴代屈指の歌唱力であるからして、

彼女と同等の能力を探すのって、相当に難しいと思うのです。

 

しかも彼女の場合、望海風斗の相手役として突然白羽の矢が立った、

いわゆる「異例」だと思いますから、余計に。

 

望海風斗×真彩希帆コンビは、

それはそれは素晴らしい成果を宝塚にもたらしましたけど、

その一方で凄まじい「歌ウマハードル」を設けてしまったことを思うと、

いやー、罪作りなコンビですね。笑

 

果たして、このコンビで耳の肥えたファンの方々に

お眼鏡にかなうスターは果たして現れるのか。

 

これで全く違うキラキラ系が好きになったりするのが面白いところなのですが、

それはまた別の話。

 

個人的には、星風・美園レベルの歌唱力があれば

他の能力との総合値での「娘役力」として

カバー出来ると思うので、満足なんですけどね。

 

その一方で、誰もが安心して観られる(聞ける)

高品質な舞台としての宝塚というニーズも、分かる…分かりますとも。

やっぱり一組くらい欲しいよね、そんな組。というつぶやきでした。

 

☆★☆★☆

ランキング参加始めました!!

ぜひポチっとお願いします↓↓

にほんブログ村 演劇・ダンスブログ 宝塚歌劇団へ
にほんブログ村

コメント

  1. 甘栗プリン より:

    はじめまして!
    このブログの大ファンです。

    花組の音くり寿さんは何でも出来るスーパー娘役だと思いますが、トップ娘の候補に挙げられないのが不思議です。

    もし音さんがトップになるとしたら、お相手はどなたがいいと思いますか?

    私は永久輝せあさんとのエリザベートが観たいです!

    • 蒼汰 より:

      初めてのコメントありがとうございます‼
      音くりさん…完全に失念しておりました。ごめんなさい、歌ウマガール筆頭さんですよね。
      なぜ失念していたかと言えば、個人的にはやはり彼女は別格で輝くタイプという認識が強いからかもしれません。
      この後に歌ウマ娘役シリーズが続く予定ですが、もしかしたら取り上げさせていただくかもしれません。
      今後ともよろしくお願いいたします!!

  2. YS より:

    今回のお話の本筋とは違いますが、さくら嬢は単体では歌が上手いのでしょうが、相手役との相性が最悪…
    初めて聞いた時「一体何を聞かされてるのか!?」と思わされてしまい、一度そうインプットされるとそれを払拭するのは難しいです。
    相手役との相性って大切なのだと。。

    まどか嬢は、あくまで私が観た時の印象なのですが、お芝居でのソプラノ歌唱はそりゃ見事なのに、ショーでの地声歌唱はあれれ??で。

    本来女性はソプラノで歌うように出来ていて(反論却下)、オペラとかでもわずかな例外(「カルメン」はメゾ・ソプラノが歌う事になっている、くらい。アルトが主演する事は絶対にありません)を除いて主役は必ずソプラノです。でも、昨今のミュージカルを観ていると、見事なソプラノを披露する正統派より、中低音が得意な演者さんの方が観客ウケも世間の評価も受けやすいような気がする…(東宝「1789」のソニンちゃんとか)。

    とりとめもない話ですみません。

    • 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます‼
      まぁ、正直なところ、IAFA見たところ、あんまし歌の相性良くないですよね…。
      というか情感タイプの方って一人で歌うには上手だけれど、合わせるのは苦手なイメージです。これは有沙さんも同じですけれど。
      中低音が人気という点について、おっしゃる通りだと思いますし、その一方で宝塚は男役がむりやり低い男声を出すので
      そのコントラストとして娘役にキャンディボイスのソプラノが重宝されるのも分かる気もしますね。

  3. ナッツ より:

    いつもブログを楽しく読ませていただいています!私は80周年の頃にハマり、いわゆる四天王(71期)がトップになったあたりからフェイドアウトしてしまった古ーいファンです。ここ数年育児にも余裕が出てきたときに、たまたまこちらの前身ブログに出会い、その的確な分析と読みやすい文章に久々に宝塚の楽しさを思い出させていただきました^ ^
    おかげで、現在のスターさんのそれぞれの立ち位置、組カラー、私が宝塚を離れていた間にどれだけ多くの事件が起こっていたのか。。ばっちり頭に入っており、いつ観劇生活を再開しても大丈夫です。笑
    (まずは宝塚の完全復活を心より待ち望んでおりますが。。)

    私はファン現役時代はヤンみきみはるのトリデンテ(この用語も昔はなかったですね)が大好きで、特に森奈みはるさんの歌声が大好きだったのですが、今回の記事を読んでものすごく納得させられました。彼女は星風さんタイプなのかもしれません。歌劇の座談会やスターの小部屋(時代を感じますね笑)で、みはるは音外してもバレにくいからうらやましい、とよく上級生の方にいじられていたのを思い出しました。

    もし可能であれば、80周年の頃(というよりどうやって80周年の体制を作り出したか)の人事分析、公演評、スター評、もいつか掲載してほしいところです!
    あの頃も振り返れば細かい人事的事件はたくさんあったように思います。笑

    これからもブログ楽しみにしています!

    • 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます‼昔からのファンの方にそのように言って頂けて幸栄です。
      「みはるは音外してもバレにくいからうらやましい」って実に興味深いですね。
      もちろん私は映像でしか彼女たちの公演を拝見していないのですが、確かに不思議な魅力のある娘役さんだなぁと思ってみておりました。
      昔のことは色々と勉強中ですので、いつかその成果が出せる日が来たらよいなぁとも思いつつ、
      ファン歴の長い方に「何言ってんだ」と怒られないか心配なのもあり、加減を見ながら書いていこうと思います。笑
      これからもどうぞよろしくお願いいたします。

  4. こんちゃん より:

    蒼汰様

    いつも楽しみに拝読しております。

    まっさかさーまーに 堕ちてDEAIR♪

    と、幼少期、欲望という名のダンスを踊っていた地方民です。

    当時クラス中が「聖子ちゃん派」と「明菜派」に分かれていたなあ。(私は明菜派)

    今思えば、子供心に歌の表現には「音の快楽追及派」VS「世界観を作って入り込む役者歌派」のパターンがあると学ぶことができた貴重な経験でした。

    (今の歌い手さんで、ここまでくっきり色が違うライバルって誰でしょうね)

    「One Heart PROJECT」で5組の現役トップさんが同じ歌を歌い継ぐ、という、タカスペでも見られないレアな試みがありましたけど、男役トップさんの個性の違いがよくわかりますね。

    個人的印象は
    聖子派:珠城、礼、真風 
    明菜派:柚香 
    奇跡のハイブリッド:望海

    この動画で「柚香礼さんの歌が上手くなった」という声を聞きました。

    こういう「分断した世界へのメッセージ」的意味合いの強い曲だと、柚香さんのハスキーな声の芝居歌が、ヒリヒリした効果を伴って胸に沁みる、という場合もあるのかな。

    • 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます‼
      うちの親も明菜派でしたので我が家ではよく曲がかかっておりました。笑
      礼さんと柚香さんは本当に聖子・明菜を彷彿とさせますよね。光と影、作りこまれた虚像と自然体な実像主義、などなど。
      真風さんは顔立ちは明菜系(似てるという意味でなく、オーラの話)のに中身とキラキラが聖子系なのが面白いですよね。
      珠城さんは…健康的なんで河合奈保子とか早美優とかどうでしょ。って話が違いますね。笑
      みなさん柚香さんの歌がうまくなったとおっしゃってるので、後でチェックしてみますー。

  5. ちゃとらし より:

    こんにちは。毎回楽しみに読ませていただいています。

    今回の娘役の歌唱タイプはオペラで言うリリコ・ソプラノかドラマティコかの分類に近いのかなぁと感じました。蒼太さんは西洋美術にお詳しそうなので聞いたことあるかもしれみせんが…どちらもソプラノだけどタイプが違う。
    前者は可憐で清楚で若々しい軽い声質で、クリスティーヌや少女時代のエリザベートにハマる声。後者は音域は高くてもドラマティックで重さのある声質で、2幕のエリザベートやアムネリスにハマる声です。
    真彩希帆は声質的には完全にリリコ系だと思うのですが、それでいてドラマティコな表現もできるのが凄すぎますね。(花總女帝もそうですが)
    彼女の退団後にも歌ウマポジションを作りたいと劇団も思っていると思うのですが、ハードルめちゃめちゃ上がりましたよね笑

    続きの記事も楽しみにしております!

  6. ドルチェ より:

    チェックなんて意地悪なことしないでくださいませ。
    歌自慢トップと比較したら…

    柚香さんは大好きですけど、歌が上手か下手かと聞かれたら…
    いえ、下級生時代よりはだいぶ安定してきました。相当努力してると思います。
    ハスキーボイスというだけでなく、なかなか声が音に当たらないんですよね。
    望海さんや礼さんとは、喉の構造、顎や頬の骨格が違うんです。(専門家ではありませんが勝手に断言)
    上手くなったと言ってくださる方は、耳が慣れたということではないかと思います。
    他の魅力で、歌が気にならなくなる→歌さえ魅力的に思えてくる、という好循環。

    私にはそれ(歌)以上のもの、愛があるんです。byクリスティーヌ

    続編楽しみにしております。

  7. はあ より:

    こんにちは。
    いつも楽しく読ませていただいています。
    宝塚のブロガーさんは、『とっても好き』か『あいつ大嫌い』のどちらかの立場の方が多いため、冷静に分析されている蒼汰さんのブログはとてもわかりやすく面白いです。

    奇跡のハイブリッド・真彩希帆ですが、彼女の歌は素晴らしい✨
    退団が本当に惜しいです。
    さて、次代の歌姫ですが、個人的には白河りりを推しています。
    蒼汰さんは、IAFAの新人公演を観劇されましたか?
    私は彼女の歌唱力に度肝を抜かれました。
    しっかりとした声楽の発声法で、高音が美しいのですが、低音も耳障りの良い美声で、聴いている方がノンストレス。
    真彩希帆2世だと思います!
    1人だけ台詞を言う声が違うのです。
    すこーんと抜けていて、マイク無しでも聞き取れる声量。
    しかも、ザ・宝塚なお顔立ちです✨
    (ぜひ月城さんと組んで欲しい…(小声))

    ぜひ良ければ注目していただけないでしょうか?(笑)
    まだ私自身、りりちゃん会にも入っていないのですが

    ブログ、これからも楽しみにしております!

  8. 金の鳩 より:

    こんにちは。

    聖子ちゃんタイプ・明菜ちゃんタイプと分けるのが、さすが蒼汰さんです。
    以前年齢をお聞きしましたが、詐称ではないかと今でも疑っています(笑)

    それはさておき、確かに、舞台歌唱においては明菜タイプは他の人と合わせるのが難しいのかもしれませんね。
    歌うま好きが求めるのは聖子タイプだというのも同感です。
    私は歌うま好きですが、多くの人が歌うまだと言う美園さくらちゃんをそう思わない理由がわかりました。明菜タイプは、好みの歌い方じゃないと上手いと思えないのかも。

    聖子タイプは明菜タイプより、ハイブリッド(「バイ」ブリッドガールになってます!)になれる可能性が高いのではないかと思います。
    音程を取るのが苦手な人が音程を合わせることより、情感を込めるのが苦手な人が情感を込めることの方が、比較的容易というか…開眼さえすれば可能だとだと思うので…(いや絶対ではないですが)。
    下級生の歌をしっかり聴く機会は多くないですが、スカステの「うたごころ」などを見る限り、聖子タイプは探せばそこそこいるのではないかと思うんですよね。
    ビジュアルが合格点の聖子タイプ歌うまに鍛錬と経験を積ませて、ハイブリッドタイプを生み出して欲しいです。

    あ、コメレスにありましたが、珠城さんは早見優タイプかもしれません!
    あっさりさっぱりした感じが。

    記事の最後のつぶやき、私の先日のコメと一緒で嬉しくなりました(^^)

  9. さんぴん茶 より:

    初コメです。
    宝塚の生の舞台は2度ほどしか拝見したことないのですが(汗)
    こちらのブログをたまたま知り、宝塚の人事という分野に興味をもつようになりました!

    さて本題なのですが、
    歌唱問題は特に興味深いというか私にとっては積年の疑問なのです。
    厳しい入試を突破してレッスン漬けの日々を送ってきたであろうに、歌の実力に関して「?!!」な生徒さんがなぜこんなにも多いのでしょう…

    私は以前ミュージカル俳優を目指す方向けのスクールで事務兼たまに講師みたいなことをしていましたが、
    プロ未満の卵レベルの子達ですら、みんな普通にうまいです。
    音大ソプラノ専攻の子なんかはオペラアリアはもちろん、レ・ミゼラブルのオンマイオウンみたいな地声の強さを求められるような歌もかなりの完成度で仕上げてきます。
    真彩さんは確かにお上手だけど、あれくらい歌える人はわりとざらにいるのです。

    だからこそ、あんな熾烈な競争を潜り抜けた生徒さんの中に、歌える人があまりいないのは私からしたら謎でしかない。
    入試の時点で歌唱力を重視してないのか、教え方がよくないのか…

    友人に宝塚受験で最終まで行ったものの落ちてしまい、現在は東宝でアンサンブルやってる子がいます。
    彼女はもとはダンサーでしたが、歌の実力も相当なもので、真彩さんくらいは歌えますよ。

    まあ、何が言いたいかというと、
    歌唱の教育を歌劇団は抜本的に見直したほうがいいのではないかということです。
    ここまで来ると、生徒さん個人の問題でもないような気がするので。

    • 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます‼
      分かります、たぶん誰もが通る疑問の道だと思いますので。笑
      私が勝手に解釈し、納得させている理由としては、第一に昔と違って今はたくさんの選択肢がありますから
      そもそも歌唱力の高い生徒さんがわざわざ宝塚を受験しなくなっているのではないかというのがあると思います。
      そしてもう1つは、ただ歌は上手いだけでは主演は務まらないということですね。
      蛇足ですが私は中学時代に1年くらい島谷ひとみという歌手が好きだったんですけど、彼女は顔も綺麗で歌も上手かったですが、大ヒットにはならなかった。
      それと同様に、ただ綺麗で歌が上手いだけでは人気につながるとはいいがたく、それ以外の「何か」を常にエンタメの発起人は探し続けているし、
      我々には理解出来ない「何か」に期待して色んな人を抜擢しているんだろうと思います。
      逆に言うとただ歌が上手いだけの人は脇になりがちですよね。とはいえもう少し主路線に歌唱力が高まるよう指導すべきだと私も思いますけどね。難しいのかなぁ。