鳳月杏・路線と別格のはざま

現在、宝塚が誇る別格路線スターと言えば、

瀬戸かずや、鳳月杏、彩凪翔の3名でしょう。

 

この3人の共通項は、若手時代に新公主演を経験し、

バウ主演も果たし、今現在一定の学年に達していて、

「FOCUS ON」というスタイルブックを出していること。

 

実はこのポジショニングのスターは過去にもいて、

2013年前後に別格トリオとして各組を支えた未涼亜希、悠未ひろ、緒月遠麻

同じく「My style」というスタイルブックを出していました。

 

宝塚という世界観を構築する上で、

彼女たちのような、宝塚の男役の権化という存在は

絶対必要不可欠と言えるでしょう。

 

少ないチャンスをモノにした鳳月杏

 

そもそも、別格路線とは何でしょう?

 

端的に言えば、以前は路線だったけれども今はトップ候補生とは考えられず、

とはいえ公演内では重要な役をしている、

一定の人気度を持つスターのこと…だそうです。

 

そう思えば、鳳月杏は確かに別格路線だと思いますし

彼女の魅力は別格だからこそ光るものだと私は思います。

 

では、そんな鳳月杏の魅力とは何でしょう?

 

それは歌にダンスに芝居にと、三拍子揃った確かな技術力、

圧倒的スタイルで舞台に華を添える存在であることだと思います。

 

特に花組への組替え後は彼女の魅力がより爆発し、

まさに人気はうなぎ登り。

 

瀬戸かずやとともに、トップと2番手を支える2本柱として活躍し、

今や宝塚を代表する男役の一人となりましたね。

 

とはいえ、これまでの経歴を見れば

彼女が劇団からの熱い期待があったかといえば、

決してそうでは無いと思います。

 

なんせ新公主演は0.5回。(準トップ体制時のベルばらなので数え方が特殊)

月組時代のバウは『New Wave! -月-』でワラワラ。

バウ単独主演は研10で花組へ組替え後。

 

そんな数少ないチャンスをモノにしながらここまでの人気を得たことを思えば、

言い方はアレですが劇団的には非常に燃費が良いですし、

それこそ彼女の努力と才能の結果と言えるでしょう。

 

鳳月杏・路線と別格のはざま

 

そんな別格として輝く彼女に、

まさかの転機が訪れることになりました。

それはもちろん月組への組替え、彼女は研14です。

 

組替え後にディナーショー『NEXT ONE』を開催し、

外箱公演『ON THE TOWN』に参加後、

『I AM FROM AUSTRIA』より本公演合流となっています。

 

彼女の月組への組替えは、果たして栄転なのか。

それは現段階では分かりません。

 

人事考察ブログとしての私の見解は、

彼女の異動はあくまでも美弥るりかの穴埋めのための別格補強であり

少なくとも2番手に上がることは無いと思っています。

 

だけどもちろん、どうなるかなんて分からない。

同じ月組出身の大先輩・大空祐飛

0.5回の新公主演をカードに、細いチャンスの糸を辿って

長い月日をかけついにトップに立ちました。

 

それを思えば、ファンが彼女をぜひトップにと

夢を見るのも仕方の無いことなのかもしれませんね。

 

果たして、組替え後の彼女の立ち位置はどうなるのか。

具体的に言えば、暁千星よりも上なのか下なのか。

はたまた月組お得意の「ぼかし」が入るのか、その進退が気になるところです。

 

交錯するファンの熱い思い

 

なぜこの記事を書こうと思ったのか。

 

暇なので各組上級生路線シリーズを勝手に連載しているのですが、

それ以上に最近、当ブログのコメント欄にて

「鳳月杏トップ待望論」を展開される方が結構多いんですよね。

 

熱心なファンは、応援するスターがトップに立つことを夢見るものだし、

応援の仕方は自由ですから、好きに想像する分には構わないと思っています。

 

が、私は基本的に前述の通り

彼女は別格がゆえに輝くスターだと思っていますので

トップ待望論には「うーん…?」というスタンスです。

 

そして、あまりに夢を見過ぎると、

そうならなかったときの反動が凄そうなので

ある程度の心の準備はするべきだよ…と老婆心に思っています。笑

 

だがしかし一つ言えることは、彼女の確かな実力と華やかさは

今の月組を支えるのに貴重な戦力であることには間違いないということです。

 

古巣に帰った彼女がこれからどういう道を歩むのか、

そして彼女が極める男役道とはどういうものなのか。

これからの活躍に大いなる期待を寄せたるとともに、

サイコパスの月組人事に振り回されないことを祈るばかりです。笑

 

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コメント

  1. KAO より:

    鳳月さんがメインの記事だと…!?
    ということでとんできてしまったKAOです。最近コメントしてなかったのにこんなときばかりすみませんw

    正直なところ、トップになろうがなれなかろうがどっちでもかまわないとは思ってます。ご本人へのインタビュー記事から察するに、あんまりその立場へのこだわりもなさそうですし。そういう意味ではどうなったとしてもファンの反感は少ないのかもしれませんね。

    鳳月さんの今の魅力は路線に絡まなかったからこそ生み出されたものですし、なによりご本人がどんな役どころでも楽しそうなので、変に路線に絡んで恨みつらみを買うくらいなら別格でのびのび演技させてあげてほしい…
    ただ、ファン心理としては、ここ最近あまりにも舞台で存在感が増しているので、真ん中に立つ姿が観たいという欲が湧いてきてしまったのですよねぇ。
    トップ云々というよりは今だからこそ主演作品が観てみたい!という気持ちが大きいです。

    ただ、それは花組にいたころの話。今後どうなるのかは月組生との相性次第だと思っています。月城・暁・風間(敬称略)の勢い以上に観客を引き込む力があるのかどうか、きっとそれが勝負どころなのでしょうね。

    超絶個人的には早く外部で演じているところが観たいです(他のファンの方には怒られそうですが)
    彼女の本質的には舞台役者だと思っているので、いろんな俳優さんと渡り合うところが観てみたいなぁ。

    ということで長々と語ってしまいました。失礼しました

    • 蒼汰 蒼汰 より:

      お久しぶりのコメントありがとうございます‼笑
      まぁファンの皆さんもそれぞれですよねー。おっしゃる通り、脇として輝き続けて欲しいと思うファンの方も多いでしょうし。
      古巣に戻ってどのようなカタチになるのか、今後の彼女の出方(と劇団の扱い)が気になるところですよねー。
      あと、彼女の妙な妖艶さはそれこそ外部でも通用しそうですし、ぜひ外でも頑張って欲しいなとも思います。

  2. さちか より:

    すみません、

    「退団後にディナーショー~~」
    となってますが、
    「月組へ組替え後にディナーショー~」
    と訂正していただけないでしょうか。

    恐れ入りますが、よろしくお願いします。

    • masa 蒼汰 より:

      ご指摘ありがとうございました。
      訂正させて頂きました。誠に申し訳ございません。

  3. べっかくん より:

    いつも楽しく貴ブログを拝読しております。楽しみにしすぎて日に何度もブックマークをクリックしてしまうほど楽しみにしています。

    宝塚が誇る別格路線スター、まさにこのお三方は、舞台に必要不可欠なスターさんですよね。
    年数(研数?)を重ね、大人の魅力が身についているからこそ、出来る役割や放たれる魅力があって…。

    トップになることが全てではない、と外野の自分は思うのですが、ジェンヌさんご本人や、心血を注いでおられるファンの方々からすれば、やはりトップが至上の喜びなのでしょうか。常時主演ですもんね。

    とか言いつつ、私は輝月ゆうまさんが大好きで、真ん中に立って演じてほしいー!と舞台で観るたびに思います笑
    新公主演0回で、次世代の「宝塚が誇る別格路線スター」確約、的な存在なのは重々承知していますが、上背があって、歌も素晴らしくて、演技の幅も広く、本当に惜しいなぁと感じます。
    雨に唄えばの本編後、ショーの時に、燕尾服姿で悠々と歌う輝月さんの表情やオーラが、とっても「真ん中感」を感じさせるものだった気がして…。
    クルンテープのディーバも上手くて可愛いくて素敵でした…!

    いつか、宝塚が誇る別格路線スター輝月ゆうま編も楽しみにしています(^^)

    • 蒼汰 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます‼(蛇足ですが、とてもオシャレなハンドルネームですね‼)
      置かれた場所に咲く…それは世界の真理ですけど、綺麗ごとでもあるわけですからなかなかに難しいですよね…。
      まぁライトファンとしては彼女たちのような別格がいるからこそ舞台が締まると思うんですけどね。
      輝月さんは学校へ行こうをリアルタイムで見ていた身としては非常に印象深いんですよねー。
      以前にかるーく書いたことがあるのですが、いつかガッツリ書いてみたいと思います‼
      https://ameblo.jp/kurione6220/entry-12414197104.html
      いつもご覧いただいているとのこと、本当に嬉しいです。今後もよろしくお願いいたします。

  4. キジ白猫 より:

    蒼汰さん、こんにちは。

    わたしも鳳月さんトップを夢見ている一人なのですが、その理由は「彼女のファンだから」だけでなく、今の月組の悲惨な状況を変えられるのは、鳳月さんしかいないのでは?と思っているからです。

    現トップがいつまで続けるつもりなのか分かりませんが、まさかあと2年以上ということはないと思います。
    そうなると、今回の美弥さんの退団で二番手に上がる(であろう)月城さんが、十分に二番手経験を積まずにトップになり、またしても現トップと同じパターンでの
    育成の失敗が繰り返される…。
    それに、危機的状況の月組を担うには、95期生ではまだ若すぎると思うのです。

    では、月城さんに十分に二番手経験を積ませるために、現トップと月城さんの間に誰かを入れるとするなら、わたしは鳳月さんが適任に思えます。
    もちろん、ファンの欲目たっぶりの意見だと自覚しておりますが(笑)。

    • 蒼汰 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます‼
      おっしゃる通り、月城さんの2番手期間の短さは非常に気になるところですよね。
      雰囲気を一新するには鳳月さんはじめ、誰かしら挟むにこしたことはないと思いますが…
      私は以前愛月さんの名前を出しましたけど(本気ではないですが)、果たして誰になるのでしょうね。

  5. ともじの嫁 より:

    おはようございます!
    雨が強くて憂鬱な日曜日ですね。
    月組での鳳月杏ちゃんの活躍を応援しておりますが、輝月ゆうまくんとタイプが一緒のような気がして、ゆうまくんも好きなので、どちらも活躍して欲しくて、どうなるんだろうと心配しています。ロミオとジュリエットの時の、偉い大臣?のゆうまくんの存在感と歌のうまさにビックリし、DVDで何度も観て、感心しました。
    杏ちゃんの金色の砂漠のジャハンギールと被ってしまいます。
    どちらも今以上に活躍して欲しくて、余計な心配をしています。

    • 蒼汰 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます‼
      おっしゃる通り、上手な別格路線では輝月さんと被っているのが気になるところですよね。
      それこそ瀬戸・鳳月ラインのような組替え経験者と生抜きの別格コンビと似た感じにするんでしょうかね?
      2人の活躍を私も期待しております…。

  6. YS より:

    鳳月さんは華のある美弥さんと違って月トップの支え役に徹する事が出来る…みたいなコメントしたら鳳月さんのファンに怒られましたw
    美弥さんの時の二の舞になって、ファンの怒りが二乗になって劇団に向かわない事を願うばかりです。

    • 蒼汰 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます‼うーん、それは確かに怒られそう。笑
      まぁ下手に期待して下手に裏切られるよりは…と思うのですが、でも期待してしまうのがファン心理ですもんね。難しい。

  7. パレードマニア より:

    いつも楽しみに読ませていただいています。今回も大変勉強になりました。

    私も鳳月さんの行く末を気にしているファンの一人です。こういうタイプの演者さんはとても好きなので…。何でも器用にこなし、どこにでも馴染む。必要とされる人材ですよね。かといって、専科に行かせてしまうには惜しいですし。

    蒼汰様の考察のような心配も、誰しもしているのだろうな、と…。好きなジェンヌさんの心配事は、目をそむけがちになっちゃう私ですが、新しい(というか古巣)場所での再出発に、優遇を願わずにはいられません。混迷度合いの増す月組ですので、彼女の果たす役割は絶大かな、と。大切に遇してほしいです。
    路線ではないかもしれませんが、組の再建に一役買う立場を担ってくれたら変化があるかも!?…なんて、淡い期待を持つ私です。。

    • 蒼汰 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます‼
      確かにおっしゃる通りで、企業における人材で考えたら超優秀ですよね。どこに行っても馴染む技能も高い職人スター。
      それが月組に動かすというのは、劇団としても思うところがあるのかもしれません。
      そう思えば月組での役割も、優遇もある程度はあるかなーと私も贔屓目で思うんですけど、どんなもんでしょ。