極美慎・ビジュアル特化と侮るなかれ

 

新型コロナウイルスの影響により、

100期生の新人公演特別救済が発表されました。

 

が、新たなニュースターが生まれる雰囲気は無く、

つまるところ路線スターは聖乃あすか、風間柚乃のツートップと、

ギリ路線枠の一之瀬航季(ただし未開催)と、

そして本日の主役である極美慎の4人となりそうです。雪組はまだ未確定ですが。

 

極美慎・圧倒的華を持つスター

 

極美慎は、実に星組らしい路線スターだと思います。

成績偏重主義に傾いていた小川元理事長時代において、

入団成績は半分より下、にも関わらず実は100期生新公主演一番乗り。

 

身長175cmという圧倒的スタイルに万人受けする愛らしいルックスという、

まさにビジュアル特化スターの結晶のような出立ちに、

劇団が大いなる期待を寄せるのは当然と言うもの。

 

そして名前が「極美慎」。凄い。

何が凄いって、ビジュアルが名前に負けていないこと。笑

 

しかしながら、超ナルシストネームというわけでなく、

実は彼女が極真空手を習っていて、それが由来と聞いてビックリ。

 

さらに何の対策もせず受けた宝塚受験の面接で「押忍!」と挨拶をした結果、

先輩から押忍というあだ名をつけられたという仰天エピソードも、

大スターの片鱗を感じます。笑

 

そして彼女、ビジュアル特化型スターにも関わらず、

歌や芝居が超絶下手なわけでも、ダンスが超得意なわけでもなく、

実は意外となんでもこなせる天才肌。

 

特に『アルジェの男』アンドレ役で堕ちたファンは数知れず。

最後にアナ・ベル(小桜ほのか)の仇を果たした、

悔恨入り混じるあの表情は反則でしょう。

 

100期生以下の若手路線候補の中でも、知名度と人気を誇り、

これからの活躍が期待されているスターに間違いありません。

 

路線スターとしての覚悟があるか

 

ところで。

 

実は現段階で、彼女がトップに立てるのかと言われると、

個人的には「うーん?」と思う点があります。

それはずばり、覚悟。

 

トップに立つというのは、名声や富を得られる分、

引き換えに失う物も多くあります。

 

例えば、時間、自由、本当の自分、など。

虚像としての自己は消費され、女性としての喜びは遠ざかる。

路線としてコマを進めるには相応の覚悟が必要なのです。

 

そして今の彼女に、果たしてそれがあるのでしょうか。

もちろん私は本当の彼女を知りませんので実のところは分かりませんが、

そう思うのにはワケがあります。

それはズバリ、彼女がスカステでMCを務めるDream Time。

 

礼真琴からは「もっと熱くなれ」「笑顔で誤魔化すな」

愛月ひかるからは「あなたもう(学年的に男役の抜け感が)出来なきゃダメでしょ」

さながら公開説教みたいになってますよね。笑

 

もちろん期待の裏返しなんでしょうけれど、

星組の主要スターたちも、ヤキモキしてるんじゃないかなぁと思ったり。

センスが有る分、あとは熱意と覚悟が有れば完璧なのに…‼︎

ま、私も見ていてあの可愛い笑顔で誤魔化されちゃうんですけど。笑

 

こんな書き方をすると、ただヘラヘラしているだけの人のように見えますが、

その一方で、意外な一面も見受けられました。

 

それは同番組で『黒い瞳』の一場面を愛月ひかると再現した際、

途中で極美が軽く噛んでしまったのですが、

その途端、突然目つきが変わって芝居がグンと良くなったんですよね。

 

その姿を見て思いました。

やっぱり彼女も負けず嫌いなタイプなのね、と。

そしてニコライという白い役を、さらりとこなす芝居の勘の良さ。

うーん、恐ろしい。

 

極美慎は礼真琴の期待に応え「熱くなれる」のか、

あるいは現代的な感覚で飄々と番手を上げていってしまうのか。

熾烈な若手レースの中でどう成長していくのか、

その行く末が気になるところです。

 

天華えま VS 極美慎

 

星組は礼真琴・愛月ひかる・瀬央ゆりあの盤石の体制の下、

綺城ひか里、天華えま、極美慎が三つ巴状態になりつつあります。

 

最近までは極美慎が本命なのかなと思っていましたが、

『ロミオとジュリエット』で天華がプチブレイク。

外様の綺城は別格コースとして、天華VS極美の路線争いが激化しそうです。

 

実はこの2人、今まで(たぶん)一回も外箱公演が被っていないんです。

6年近い間、たった一度も。そんなこと有り得ます?

 

当然ながら意図的なのでしょうが、そんな2人がついに、

轟悠最後の公演『婆娑羅の玄孫』で直接対決が実現します。

果たして、その行方は。続く大劇場に、どんな影響が。

 

熾烈な星組番手レースが今、始まる!!

 

☆★☆★☆

ランキング参加始めました!!

ぜひポチっとお願いします↓↓

にほんブログ村 演劇・ダンスブログ 宝塚歌劇団へ
にほんブログ村

コメント

  1. コスモスハート より:

    蒼汰様

    極美慎君の笑顔に誤魔化されている一人、コスモスハートです。
    いつもながら、わかりやすい内容に脱帽。
    極美くんは、B席から見ていても、意識してなくても、すぐわかる。身長のせいもありますが、硬派な体育会系に柔らかな笑顔、好感度高いと思うわけです。

    トップスターさんのコメントで、二兎を追う者は一兎も得ず。と言う話しを聞いたことがあります。
    まさに、それが、得る物と失う物のこと。
    ロックオペラモーツァルトの時、初めて、(歌が意外と上手)って、感じる物がありました。

    公開説教、上手い表現、次の大先輩との公演で、大きく化けるのか?
    見守りたいと思います。

  2. こんちゃん より:

    蒼汰様

    いつも楽しみに拝読しております。ライビュ専科の地方民です。

    「○○ちゃん、実力があるのに、何が足りないのか?」シリーズ、興味深いです。紅さんなんて、「紅ゆずるには何が足りないのか?」という命題すら語られなかったけれど、トップになったものね。

    超個人的見解は、極美慎くんは名前に反して「ナルシズム」が足りないのかも(笑)あれだけのルックスに恵まれているにも関わらず。

    男役の理想って、結局「女性が夢見る理想の男性に自分がなってやるう!」という究極のナルシズムだと思うのですが、

    今の極美さんを見ると「男らしくとか、女らしくとかではなくて、自分らしく生きるのが大事」というキャッチコピーが浮かぶのです。

    それは現代社会の今を生きる女性としてとても大事なことだと思うのですが、宝塚という世界においては、その虚構の土台を揺るがしかねない価値観だからなあ・・・

  3. おさかな より:

    蒼汰さん

    ヅカファン初心者中の初心者だった頃に極美慎のキラキラ笑顔にやられまして、私にとって新公時代から応援する初めての贔屓です。
    蒼汰さんのおっしゃる通り、意外と穴がなくバランス型ですよね。というか真のビジュアル特化。

    でも雑誌やスカステで見るに、どこか自信がなさそうに見えます。ファンでさえそう思えるのですから、上級生も「堂々としていいんだよ」という思いから説教になるのかなと笑。轟さんに鍛えて頂ける最後のチャンスをモノにして欲しいです。

    後は組替えもありなのかな〜と。上に天華、下に天飛がいますし、この内の誰かは組替えするでしょう。そうなると、アンバサダー同士のトレードとかありそうですよね(極美が組替えなら月か宙ぽいですかね)。

  4. こころ夫人 より:

    こんばんは。
    いつも楽しく、拝見しております。
    いつも笑顔を絶やさず、会話の最後にもニコリッと。
    極美さんは、どことなく花組の永久輝さんに、似ているような気もします。
    目を細めて口角もあげて、ニコニコッて。
    ですが、必ずしも、目が笑っているように感じられないのは、私の思い違いなのでしょうか。
    意思の強さが、垣間みれるようで、これからが気になってしまいます。
    スター序列に、名を連ねる方なんでしょうね、きっと。
    楽しみです。

  5. あやこ より:

    うむ。よく分かります。実は彼女、歌も芝居も、ずっこけるほどの下手っぴではないんですよね。
    あの「へらへら」キャラも、貫く度胸(=本来の性分)があれば、悪くないと思います。ある時期から周りは「飄々と涼やか」「欠かせないお調子者」と評するようになるでしょう。そう、あぁ見えて実は努力家だったのね、とセットですが。
    いい例が、芹香さん。ガッツが顔に出ない、芸にインパクトがないと言われて10年。気がつけば、クセのないオールラウンダー(&アドリブ王。これも芹香さんの大いなる努力ですが)
    そういう意味でも、個人的には、宙or雪あたりで、のびのびした彼女も見てみたいと思ったりもします(小声)。

  6. きりん より:

    最近極美さんのファンになったものです。美貌揃いのタカラジェンヌの中で自分も極美さんのどこにひかれたのか考えるとまだ普通の女の子のようなそんなにバリバリにスター然としてないところです。あまりのかわいらしさにこのままでいてほしいなあなんて思います。かっこよくて私生活もバリバリ男役のような方もいれば普段はごく普通の感覚の方もいる。まあ仕事さえしっかりしてくれればどちらもその人の魅力。たくさんのタカラジェンヌがいますからいろんな個性があってよいのでは。

  7. クロネコ より:

    蒼汰さん、

    極美慎の技量面での最大の穴はダンスですね。足が長すぎて重心が落とせないのか(?)フワフワだし、動きが小さいし、はっきり言ってダンスのセンスが感じられません。でも、みっともないってレベルではないし、型が決まれば合格の黒燕尾なんかは、なにしろあの超絶スタイルの良さですから、今後十分期待できると思います。
    個人的には、エクレール・ブリアンでダルマ姿になった時の長〜い足に目が釘付けでした。身体の2/3ぐらい足だった(笑)。
    星組ではエストレージャスでBack!にも入れられていたり、大劇場版のRayでも、礼、ひろ香と三人のタンゴの激しい振りの場面に入れられたりと、スパルタっぽいダンス特訓も受けていますね。
    ダンサーじゃないけど、でも男役スターとしてなんとかなるレベルだからそう心配ないです。
    とにかく、きれいなお顔、可愛い笑顔。芝居は良いし、歌もずいぶん進歩してきたし、ともかく、キラッキラでトップスター路線驀進だと思います。なんとなく熱い体育会系の星組より、おっとりした宙組が似合いそう。

  8. ぶどう より:

    ロミジュリを見てあまりのかっこよさに極美さんに惹かれてファンになってしまいましたが天華さんの死も踊りも表情も素晴らしく本当にこの作品を見れてよかったなあと思いこの2人から目が離せません。どちらにもいいことがあってほしい。

  9. MS より:

    トップスターって、大劇場で必ず主役を演じ、パレードで最後に1番大きな羽を背負って大階段を降りてくる人。とても華やかでみんなの憧れ。
    でも、背負ってるものの大きさは計り知れませんよね。私は以前、紅さんのお茶会によく行ってましたが、タカラジェンヌのお茶会というより、お稽古場とかの楽しい裏話とかを面白おかしくお話しされるのが楽しくて、お笑いトークショーに行ってるようでした。それが、トップになるどれくらい前だったか、急に雰囲気が変わり、失言は許されないという感じになりました。私のような者でも、トップになるという事の責任の重さ、自分よりも組のために生きるという事の意味を考えさせられました。
    今公演中の月組の桜嵐記、何回か観劇に行きましたが、正行は、その任を引き受ける事は、己を殺す事になるやもしれない辛く厳しい選択になると分かっていて、それでも帝のため、父のために、引き受けて戦います。珠城りょうが月組のために己を捨ててトップについたあてがきである事が分かります。
    既に同期の聖乃あすか、風間柚乃には、その覚悟が見え始めましたよね。ほのかちゃんはスカステでも、覚悟という言葉を使っていたように思います。
    極美慎、これだけの恵まれたビジュアルを、どうか大劇場のセンターで輝かせてほしいなと願わずにはいられませんね。

  10. May より:

    お久しぶりにコメントさせていただきます!星組現トップコンビ好きとして胸いっぱいなあまり、ロミジュリ記事にはコメントできませんでした。笑笑

    極美慎さん、舞台の立ち姿が華やかで、目を引きます。歌が良いとまでは思えないのですが、少なくとも可、ヅカ歌唱的には許容範囲な気もしますし、ダンスも許容かなと。演技力が、柚香光さん方面とまではいきませんが、ナチュラル路線で結構光るものがありますよね。こう、芸能人で、散々おバカといじられる山◯賢人さんが二次元原作でバチッとハマるように、天真爛漫タイプの人が何も考えずに役に入り込むとすごく自然な芝居になったりするのかもしれないなあ、と、スカイステージでの姿を見ていて感じます。
    「笑顔で誤魔化すな」…いや〜、すごく、わかるなあ。見ているこちらまで釣られて笑顔になるような、キラキラピカピカの天真爛漫スマイル。でも、中堅としては、それはもはや、「甘え」とも取られかねない。
    同じビジュアル重視で、なぜ極美さんではなく聖乃さんが優勢なんだろう?と常々思ってきましたが、今回の蒼汰さんの記事で、なるほどど膝を打ちました。聖乃さんは、特に花男のあたりまで、どうも女性らしいエレガントさが抜けない、花沢類の衣装ではマダム風に見える、というような評を見たことがある一方、少なくとも、極美さんの舞台姿が女の子に見えたことはないのです。なのになぜ?と思った時、そう、気の強さ、腹の据わり、というか。
    とある番組で、100期が役名当てクイズをしていて、極美さんが「アルジェの男の…、、アルジェ?」と言っているのが、その後の仕草も含めてめちゃくちゃ可愛かったのですが、聖乃さんが(少しだけ待ってあげていましたが)極美さんを半ば遮るような形で当てていました。極美さん!あなた、ジュリアンを憎む役をしていたでしょう!!と脳内で総ツッコミでしたが、そこは多分落ち込んでしかるべきで、それを照れ笑い風にしてしまうところが、甘いというか、無邪気というか。極美さんが出ていた演目であることを無視して、分かったから早い者勝ちで当てに行った聖乃さん、この差ということなのですかね。
    ようはガッツ。思えば、麻央侑希さんが去年のインスタライブで、詳しい言葉尻は忘れましたが「こっちゃんは下級生の頃から、トップになりたいという大志を持っていたのを感じ取っていた」というニュアンスのコメントをされていました。研1の礼さんは上級生の振りを目で覚え、そしてチャンスを掴み代役に立った、ということでした。いくら、早期抜擢の防御策かの如く、後輩キャラで先輩を立ててワンコのように振る舞おうが、奥底にはド根性です。
    「実弟に似ている、この笑顔に騙される」と語る礼さんが今から極美さんをビシバシできるかは未知数ですし、ここは、尊敬する愛さん、に遠慮のないあの物言いでみっちりしごいてもらいたいです。礼さんとて、三番手になる前あたりまでは女の子のような可愛らしい出立ちでしたし、これから化ければ良いのです。
    幸い、当確レベルで言うならば、97は永久輝せあのみ、98は暁千星のみ(瑠風輝は果たして最後まで行き着くのか…、、天華えまと綾凰華は美味しい「番目」で終わりそうな予感…)99、103には強い路線男役不在、101の縣千と鷹翔千空はこれからエンジンかけてくる、102期は天飛華音と彩海せらが両方上がりそうな気もしますが、とはいえ、97と99の煽りで、挟まれている100期からあともう1人のチャンスはきっとあるはず。
    男役らしい濃厚なオーラを持つ愛月さんに感化されて、化けてほしいものです!

  11. orange芋 より:

    こんにちは!

    極美慎さん!本当に目を惹くスターですよね。こればかりは持って生まれた才なんだなぁと感服します。

    スカイステージで下級生の頃の礼真琴さんの顔がとても極美さんぽくて「これはこっちゃんだね?」と見ていたのですが、なんの番組だったか忘れましたが、礼さんが極美さんのことを「うちの弟にそっくりでー!」と仰ってたので「やっぱり系統は一緒なんだ!」と一人ニヤついていました笑

    身内に似てるとなんだか肩入れしたくなりませんか?笑
    礼さんも極美さんに期待されているんでしょうね、愛のある渇!

  12. VW より:

    蒼汰様

    初めてコメントさせていただきます。
    極美さんのファンですが、とても腑に落ちる内容です。
    極美さんは一見悩みのない陽キャラに見えますが、雑誌では「自分のことが大っ嫌い」とか「チャームポイントがない」とか意外とネガティブな発言をしています。
    きっと将来に対して色々迷いや不安がある時期でしょうね。
    ただアンバサダーを務めているので、少なくとも2025年まではタカラジェンヌとして生きるの覚悟があると思いますし、ロミジュリでの歌と芝居の進化ぶりから向上心も見えましたので、ここ1〜2年でどう化けるのかを見守りたいと思います。
    彼女にとって悔いのない宝塚人生を過ごせることを願っています。