「嫌なら見るな」は努力の放棄

ブログを初めて間もなく4ヶ月が過ぎようとしています。

 

ブログ開設当初、私のような無名ブログの泡沫のような記事に

文章を理解せず勝手にブチ切れたり

わざわざ上げ足を取ったりする人たちがいました。

 

そんな人たちに対して私が思ったことは

「嫌なら見なければいいのに、なぜわざわざ見るんだろう?」ということです。

 

ですが、今はあまり

そのようなことを思わなくなりました。

 

ファンの中には時間もお金も惜しみなく使う人が多数いて、

きっとそういう人たちからすれば、物知り顔で批判するニワカファンなんて

敵以外の何物でもないんだな、と理解したことももちろんありますが・・・笑

 

何よりもブログの筆者という

「表現する立場」になって思ったのは

「どうせ書くならより多くの人に納得して欲しい」ということなのです。

 

ですが、人間100人いれば100人の感じ方があり、

それぞれの価値観も、常識も、感動のポイントも、怒りの沸点も違います。

 

ブログを読んだ人全員が

ハッピーになるような記事を書くことはできない。

けど最初から「嫌なら見るな」と諦めたくない、と思うようになったのです。

 

その結果私がとった方法は

「この記事は8割くらいの人に納得してもらえるかな」

「この記事はニッチな内容だけど1割くらいの人は深く理解してくれるはず」など

 

それぞれに焦点を決めて、

その想定している層だけでも納得して貰えるような文章を書くようにしている、ということです。

(それが出来ているかは別問題なんですけどね…笑)

 

宝塚における「嫌なら見るな」

 

さて、私のような泡沫ブログを引き合いに出すのは申し訳ないのですが、

この「嫌なら見るな」という価値観は

非常に危険であると思います。

 

私が宝塚に興味を持ったきっかけである96期生問題前後の劇団は

この「嫌ならば見なければいい」という価値観真っただ中だったと思います。

 

スターを捨て駒のように扱う人事が続いたり、

96期生への批判にあえて真っ向から迎え撃つような抜擢を続けたり…。

 

その結果、宝塚というブランドが地に落ちたことは

皆さんご存知の通りでしょう。

 

しかしその反省を生かしているからか、昨今のこの宝塚人気は

「嫌なら見るな」から

「できるだけ多くの人に見て欲しい」という価値観の変容にあると思うのです。

 

多くの人に宝塚の魅力をしてもらうことで

ブランドイメージの向上につなげ、利益へと寄与するサイクルにつなげること。

これが100周年以降の宝塚の成功であると思います。

 

もちろん、誰からも愛される完璧なスーパースターなど存在しません。

ですから、男前なスターもいれば少年フェアリー系もいる。

見た目が良いスターもいれば、歌が上手なスターもいる。

 

選択肢として様々なスターを用意しファンに選ばせることで

「嫌だから別の組を見る」という場を作り出したこと。

これは企業として正解過ぎる判断だと言えるでしょう。

 

柚香光・全国ツアーの意義

 

さて、現在様々な発表がされている途中の花組の話ですが・・・

 

100周年以降、トップオブトップとして

花組をけん引し続けた希代のスーパースター・明日海りおの

後継者に相応しい人はいったい誰なのでしょうか。

 

私は、花組の御曹司として育ち

95期生というある種のブランドを背負い、常にトップランナーとして走り続けた

柚香光以外に存在しないと思っています。

 

しかしながら、先日の全国ツアーとタカラヅカスペシャルにおいて

その歌唱力の低さが露呈し

「本当にこのままで大丈夫なのか」と、

 

彼女の、そして花組の熱心なファン以外の多くの人が感じてしまったことは

SNSやブログをみるにつけ、事実なのでしょう。

 

私はどちらの公演も見ておりませんので、

その歌唱力を批判するつもりは毛頭ございません。

 

一つ気になるのは、彼女(と相手役である華)の初東上作品である

昨年の『はいからさんが通る』では

あれだけ絶賛・好評の嵐であったはずなのに、この落差です。

 

しかし、その理由は非常に簡単で

『はいからさんが通る』では、彼女にも華にもほぼ歌わせず

ビジュアルと演技のみで勝負させたから、に他なりません。

 

つまり、短所を完全に隠した状態で

長所のみをひけらかす作戦に出たわけですね。

 

これは、スベるわけにはいかない期待の若手スターの注目作品として

非常に「正解」な采配だったと言えます。

 

しかしながら、じゃあそれを一生つづけるのか、

つまり大劇場で『神々の土地』よろしく、歌わないし踊らない作品を

ずーっと続けられるかと言われれば、それはノーでしょう。

 

宝塚筆頭組である花組のトップスターが大劇場の真ん中で

自分が出来ることしかしない、というのは

あまりにもカッコ悪すぎます。

 

そしてそれは、劇団も、柚香も重々承知なのでしょう。

彼女が本公演で「もがく姿」を見れば、

このままではいけないと思っていることは一目瞭然です。

 

ですから今回は全国ツアーという大劇場ではない別の空間で

いわば「修行」としてああいう公演を行ったんだと私は思います。

 

柚香が多くの人に愛されるようなスターになるための最終試験。

今回の全国ツアーは、まさにそんな公演だったんじゃないかと思うわけです。

 

多くの人から愛されるスターになって欲しい

 

この記事の要旨を端的に言えば、

劇団も柚香も「嫌なら見なければいい」なんて傲慢極まりないことを

たぶん思っていないんじゃないかな、ということです。

 

なので、柚香の熱狂的なファンの皆さんが

SNSやブログで苦言を呈した人たちに

「嫌なら見なければいい!!」とブチ切れて荒らすのは

私は、違うんじゃないのかなーと思います。

 

柚香のようなスターは中央に立って、ただドヤっていればいい。

有能な相手役と歌上手な2番手が補佐すれば、万事大丈夫。

 

その価値観は非常に良く分かりますし、

早霧せいなを見れば戦略として1つの答えだとは思います。

 

でも、ハナからそんな努力の放棄をするには

彼女はまだ若すぎます。

 

だってまだ研10ですよ?

伸びしろだってまだあるかもしれない。

そんな最初から諦めに近いことを本人に勧めるなんて、彼女に失礼過ぎます。

 

明日海りおは来年退団しません。

つまり、1年の猶予があるわけで

まだまだ自分の魅せ方を勉強する時間はたっぷりあります。

 

別に歌が上手になれ、という話ではありません。

歌が下手でも、人気なトップスターはたくさんいました。

 

その人たちに少しでも近づけるよう

自分の魅せ方を勉強するための修行期間が、2019年だと思います。

 

私は彼女にはそのまま花組を担って欲しいと強く思っていますし

彼女であれば多くの人に愛される

「THE・宝塚的男役スター」になれると信じています。

 

そうなるために、2019年は試練の年であることは間違いありません。

ぜひ来年は今まで以上に必死にもがいて

立派なトップスターへと成長して欲しいなぁと強く願っています。

 

・・・なんか偉そうに書いてすいません。笑

 

花組退団者の件は、

次期娘役(ヤモメ含む)発表と一緒に書こうと思っているのですが

明日告知されるかなぁ?

 

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コメント

  1. kyoko より:

    いつも読ませていただいています。
    初めて、コメントさせてくださいね。
    私は、麻実れいさんのファンでした。それから、熱心にみることはなくなり、年に数回という程度に見ながら、年月が経ちました。今年のポーの一粟で、柚香光さんにはまったんですよね。彼女の歌については、本当に心配しています。彼女自身もきっとほんとに、辛いはずです。明日海りおさんが来年はやめないと信じて、努力してくれると思っています。彼女を信じて、います。まあ、ファンの欲目ですが、彼女のお芝居は、すきですよ。孤独に満ちた瞳が人を引きつけます。私はそのブチ切れたとかよくわかりませんが、彼女を全否定されたブログを読んだ後はずーっと心が締め付けられるように傷つきました。全否定せず、見捨てず、待って欲しいと思っただけです。
    いいところも見てあげてほしいと望むだけです。蒼汰さんの意見は至極まっとうです。ありがとうございます。そして、また、見てあげてください。よろしくお願いします。

    • masa 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます!!
      「次期トップスター」という称号を持つと、
      どうしてもハードルが上がってしまう部分があるのは仕方ないのかもしれません。
      ぜひ彼女には一皮むけて、より多くの人に好かれるスターになって欲しいですね。

  2. KAO より:

    はじめまして
    この記事を読みながら何回もうなずいてしまいました。柚香さんにはここが正念場、という感じで頑張ってほしいですねー
    蒼汰さんのどこか一歩ひいた感じのする記事、とても読みやすくてありがたいです!応援してます(๑•̀ㅂ•́)و✧

    • masa 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます!!お褒めの言葉をいただき恐縮です…。
      まぁ高いハードルは期待の裏返しですからね。
      ぜひそのハードルを飛び越えていって欲しいです!!

  3. 和世 より:

    柚香さんの舞台を観たことがないので、ブログの本筋からズレる
    かもしれませんが…。

    SNSの特性なのか、熱心なファンと同じぐらいアンチな方がいらっしゃるからなのか分かりませんが、宝塚のファン界隈が怖いと思う
    気持ちは今も持っています。

    合わなければ観ないという選択は当然ありだと思いますし、
    「合わなかった」と言うこと自体は、それ以上の意味はないと
    個人的には考えます。

    そこに留まらず、誹謗中傷(攻撃)することが私には理解不能です。
    万人に好かれるスターさんは、いらっしゃいません。
    自分に合わない/苦手な方であっても、最低限の敬意(観ないことを含め)は払うべきだと、常々思います。

    やはり、本筋から脱線したコメントになってしまいました。
    ご容赦下さい。

    • masa 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます!!
      私も当初は「宝塚ファンは過激で怖い」と思っていましたし、それは今でも変わっていません。笑

      私自身もつまんなかったら、ただ「つまらない」だけですので1回だけ見てあとは触れないんですけど、
      世の中いろんな価値観の方がいるようなので、仕方ないのかもしれませんねー。

  4. めー より:

    柚香光さんの全ツ。正塚作品が好きなので、楽しみに観劇。結果は巷での感想とほぼ同意でした。持って生まれた華があるのにもったいないなぁと。もちろん本人に当て書きの作品だったら良かったのでしょう。けど、サラリーを頂いてる限りは前進して欲しいし。
    望海さんのように歌うまになれ!と言っているわけではないし、もう少しレベルアップしてくださることを期待するばかりです。宝塚のためにも。

    • masa 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます!!
      特に何度も再演されている作品だと、どうしても比べられてしまいますから難しいですよね。

      そうですね、いずれ宝塚を背負って立つことになる存在なのは確実ですから
      ぜひその立場にふさわしいスターに成長して欲しいと思います。

  5. ともじの嫁 より:

    こんばんは!ブログ読んで泣きました。その通り過ぎて。。
    この前のタカスペは、れいちゃんは全ツの疲れか元気がなかった。そして、二番手さんの歌の中では、やっぱり差がありました。
    でも、私が、全くジェンヌさんの名前も知らずに、初めて宝塚を見に行った時、目で追っていたのが、れいちゃんなんです。彼女は舞台にいるだけで素晴らしい。トップオブトップのみりおちゃんにも無いものを持っています。
    私も、心から応援しています。みりおちゃんから、バトンを貰うのはれいちゃんしかない。あ~泣ける。。
    言い切ってくれて、ありがとう!

    • masa 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます!!
      確かに技術は追いつていない部分はありますが、
      やはりいろんな人が目で追いかけてしまうほどの圧倒的なスター性を持っていることは確実ですものね。

      ぜひ自信を持ってトップと言えるスターに成長して
      正統な後継者として輝いて欲しいと思います。

  6. ponko より:

    柚香光さんのファンです。
    一番辛い想いでいるのは、柚香さん本人だと思います。
    まだ中卒研10です。とても素敵な声の持ち主でいらっしゃるので、なんとか乗り越えて素晴らしいトップさんになることを願っています。
    SNSでのご意見を目にすると、私まで心が痛んでしまいます。
    欲しくても努力しても、持つことのできない華をお持ちなのでなんとか踏ん張って飛躍してほしいと心から願っています。

    • masa 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます!!
      そうですね、いろんな意見があると思いますが頑張るのは本人にしかできないことですから…。
      ぜひ大きく飛躍していただきたいと思います。