城妃美伶・娘役の一つの到達点

10月末である。

気が早い私は、もうすっかり年末モードな気分です。笑

 

この1年を振り返った時、様々な公演作品に触れ合ったわけですが、

そんな中で私が最も「心震えた」作品といえば、

『ファントム』でも『食聖』でもなく、

実は『花より男子』だったりします。

 

というわけで本日はそんな、

『花より男子』で最後のヒロインを務めた、城妃美伶について。

前評判を覆した『花より男子』

 

『花より男子』という作品、

前評判はイマイチだった公演のように思います。

 

まずは、キャストが主演の柚香光以外の男役が

若手ばかりで路線スターがほぼ不在であったこと。

(直接的な表現をすれば水美舞斗が不在であったこと。)

 

そして、公演ポスター、ないしビジュアルが

安い2.5次元舞台作品のようなクオリティだったこと。

 

最後が、もちろんあの制作発表会。

イケメン高校生(笑)たちがくるくる回りながら

くっさいセリフを吐いて回り、手で花びらを咲かせながら

「びゅーてぃー ふらわーふぉー♪」と歌いまくるという。

 

原作ファンはもちろん、花組ファンからも

「これが宝塚?」と拒否反応が出ていた印象です。

 

が、蓋を開けてみれば意外や意外の好評価。

2019年外箱公演代表作の1つとなり、柚香にとっても

トップスターとしての大いなる足掛かりを果たした重要な公演となりました。

 

そして、なぜこの公演が私の心を打ったのか。

もちろん、柚香光を中心とした若手スターたちの

「絶対に成功させねば」という強い思いが感じられたのもあるのですが、

 

個人的には、やはり牧野つくしを演じた城妃美伶の

もはや捨て身とも言えるような熱演

感情を揺さぶられたからだと思うのです。

 

97期生のヒロインとして

 

城妃美伶は97期生として宝塚へ入団。

その後、『ロミオとジュリエット』『カリスタの海に抱かれて』

『ME AND MY GIRL』『金色の砂漠』『ポーの一族』と

5作もの公演で新公ヒロインを務めました。

 

ビジュアルはもちろん、安定した歌唱力で実力を示し

娘役として大いなる期待を寄せられたスターの1人となります。

 

が、残念ながら彼女は

トップ娘役というポジションに立つことはありませんでした。

 

今振り返れば、花組に組替えになった時点で

彼女のトップの目ってほとんど無かったのかもしれません。

 

タイミングで言えば「明日海りお3人目の嫁」

「芹香斗亜が花組でトップになった場合の相手役」なわけですけど

どちらであったとしても正直しっくり来ない印象。

 

「美弥るりか落下傘時の相手役」「再組替えでトップ娘役に」

色んな想定をしたところで、現実は厳しいもの。

それについて彼女がどう思ったかは分かりません。

 

少なくとも、彼女は自身の中で折り合いをつけ、

自身の中で納得がいくものがあったのでしょう。

宝塚を去る決意をしたのでした。

 

『花より男子』決意の美しさ

 

「この作品は、私自身の集大成として挑もうと思った。」

 

退団挨拶や雑誌等でも語っている通り、

城妃は『花より男子』に、そんな思いを持って挑んだそう。

 

そして事実、牧野つくしを演じる彼女は本当に凄かった。

宝塚らしからぬ飛び蹴りをはじめ、相手役を本気で罵倒するし、

かと思いきやアグレッシブに自分の思いを伝えたり…。

 

退団を決めた人間の水際立った美しさがあり、

だからこそ、見る者の心を打ったのだと思います。

 

そして主役であった柚香も、次期トップに向けた最終試験として

全力でカンパニーをまとめようとしていたのを感じましたし、

若手たちもその期待に応えようと必死のレスポンスを返す様子が見て取れました。

 

もちろん私を含め観客は、この公演を見たとき、

城妃が退団を決意していることはもちろん、

柚香のトップ就任が決定していることも知りません。

 

ですか、その「思い」というのは伝わるもの。

あれほどの熱い情熱を持って演じられた作品に、

観客が心を打たれないわけがないのです。

 

そしてその熱の中心に立っていたのは、

間違いなく城妃美伶でしょう。

 

最後の彼女のスターとしての「決意の輝き」を見られて

本当に良かったと思っています。

こんなにも素晴らしい公演を見させて頂き、本当にありがとうございました。

 

娘役の一つの到達点

 

確かに城妃はトップ娘役にはなれなかったけれど、

それでも彼女は大いなる功績をたくさん残し、

その結果、様々な餞別(一定の評価)が送られているように思います。

 

まず1つは、退団公演『シャルム』で階段一人降りをさせてあげていること。

しかも年功序列が厳しく、男役至上主義で

あの水美舞斗ですらやっと同じタイミングで1人を果たせた、花組で。

 

2つ目は、柚香にとって最重要作品になりえる『花より男子』で

最後に東上ヒロインを務めてあげさせたこと、

そして彼女にとっての代表作を得ることが出来たこと。

 

最後は、多くのファンから

「トップ娘役になって欲しかった」と惜しむ声があがっていることでしょう。

しかも「花娘」に対する強烈なプライドを有する、花組ファンから。

 

ご存じの通り、彼女は花組出身ではなく、星組からの組替え生。

ですが、その実力で頑張りで花組ファンから受け入れられ、

いつからか花娘の代表の1人として名を連ねるようになったのです。

 

確かに、彼女は歴代トップに名を刻むことはありませんでした。

近い将来には「知る人ぞ知る過去の娘役」になるのかもしれません。

 

だけど、誰かが宝塚版『花より男子』を思い出したとき

「城妃美伶という素敵な娘役さんがいたなぁ」

一緒に思い出されるような、そんなスターになったことは事実です。

 

これこそが並み居るたくさんの宝塚娘役にとっての

一つの到達点では無いかと私は思います。

 

 

彼女にとって最後の公演となる

『A Fairy Tale -青い薔薇の精-』『シャルム!』 が

東京宝塚大劇場でも幕が開きました。

 

私は残念ながら1回しか見ることが叶わないのですが、

彼女の最後の勇姿を、しっかりと目に焼き付けたいと思います。

 

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コメント

  1. ともじの嫁 より:

    こんばんは!
    花より男子はマンガも読んでないし、ブルーレイでしか観てませんが、美伶さんのつくしさん!良かったです。ここまで男前な美伶さんが見れるとは思いませんでした。れいちゃんも、その他F4の皆も、ほんとに息が合って、素晴らしいアクション!キレが良くて気持ち良かったです。
    れいちゃんは男にしか見えず、ほんとに、女にしておくのは勿体ない!!はいからさんが通るもピッタリ過ぎてビックリしたけど、花男は、れいちゃんが演技してるとは思えず、素のまんまのような気さえしました。
    実は明日、美伶さんを生で見れる最後の観劇に東京へ行きます!勿論、みりおちゃんも。。最後になります!!
    初めて、貸しきり公演に参戦しました。千秋楽のライビュでは見られない舞台全体と、退団する娘役さん達の姿を目に焼き付けてきます!
    明日の東京は雨みたいですね。あ~私の涙で増水してしまったら、ごめんなさい。では!

    • 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます‼
      いやー、本当にピッタリな配役でしたよね。みんながみんな輝いていて素敵な公演でした。
      最後の彼女の雄姿を楽しんでご覧になれましたでしょうか…どうか素敵な観劇だったことを祈って。