星組『GOD OF STARS -食聖- 』感想

前回は『Eclair Brillant』の感想を書きましたが

星組『Eclair Brillant』感想

 

本日は芝居編ということで

『GOD OF STARS-食聖-』の感想について書いていきます。

 

端的に言えば、非常に分かりやすく

「紅ゆずるの退団公演」をカタチにした感じでしたね。

 

そして良くも悪くも星組っぽいなぁという感じ。

あくまで私個人の正直な感想をまとめていきたいと思います。

 

努力・友情・勝利的な分かりやすい物語

 

紅ゆずるの個性、それは

「タカラジェンヌらしからぬコメディ属性強めの強烈な個性」だと思いますが

それが非常によく表現された世界観だったと思います。

 

現代アジアの雄・シンガポールを舞台にした

怒涛の勢いで笑いと感動を提供してくれるクッキングコメディ。

もうこの字面だけで「本当に宝塚なの?」と突っ込みたくなりますよね。笑

 

最初から最後まで「勢い」で圧倒する感じが非常に紅ゆずるらしく、

サヨナラ公演らしいしんみりした雰囲気はほぼ無し!!

 

物語的には、隠れた血統を持つ選ばれし主人公が一回地に落ちて

様々な仲間や想い人を得ながら成長していき、

自身のルーツを知る中で必殺技を会得し天下一武道会でライバルを倒す、という

 

少年ジャ〇プみたいなコテコテな展開なわけですが、

そんな変化球一切無しの真面目一本気な感じが

逆にアツくて見ていて清々しかったです。

 

とはいえ、なんだか勢いに圧倒されて

冷静に考えると「なんだかよう分からん」と突っ込みたくなる所もありますが、

退団公演はその熱を感じるものでしょうし、深く考えてはいけません…よね?笑

 

オリジナル作品らしい当て書き感

 

そして、さすが当て書きオリジナル作品。

各スターにピタリと合った、素敵な役どころが多かったと思います。

 

例えば、綺咲愛里。

個人的に彼女は娘役として最強のビジュアルの持ち主だと思っているのですが、

スターとしての資質は、姫役者ではなくもっと硬質なイメージだったんですよね。

 

それがジャージに健康サンダル履いてテレビ収録に乱入し、

派手なピンクの髪を振り回しながら乱闘する登場シーンにはじまり、

全体的にどこかヤンキー風味な味付けの役作り。

 

これが彼女のビジュアル可愛いのにフワフワし過ぎないスター性に

非常にジャストフィットだったと思います。笑

 

そして次期トップ・礼真琴は真面目な優等生、

なのに好きな人の前では一生懸命カッコつけちゃう二面性を

さすがの技巧で演じ切っていた&笑いを取っていたし、

 

もはや半分星組生なのでは?という華形ひかるも

長髪でタキシードといういかにも中華マフィア(?)丸出しな感じが

さすがの専科生クオリティでした。

 

若手チームの地下ドル、もとい中途半端な芸能人感も面白かったし、

舞空瞳の謎の安室奈美恵(SUPER MONKEY’S 時代だけど)的オーラも面白かった。

 

けどやはり、一番印象的だったのは

もはや素に近いんじゃないかという紅ゆずるのホン・シンシン。

 

正確に言えば「素に近い」というよりは

みんながイメージする「紅ゆずる」をそのまま役に落としました感が非常に強く

これまでの作品の中で、最も生き生きと、

そして楽しそうに演じていたのが印象的でした。

 

そんな星組生たちがパズルのピースのように集まって、

紅&綺咲率いる今の星組を表現した作品。

それがこの『GOD OF STARS-食聖-』なんだと思います。

 

『GOD OF STARS-食聖-』感想・まとめ

 

宝塚のジンクスの中で「退団公演は駄作」というものがありますが、

今作はとりあえず駄作ではないかなぁというのが個人的な感想です。

 

正直なところ、作品の肝は一番最後の

「星なんていらない、お前にくれてやる」と

紅から礼へ引き継ぎするシーンに集約され過ぎている気もしますが、

あれはあれでサヨナラ公演らしくて感動的ですし、良いですよね。

 

そして『GOD OF STARS-食聖-』が怒涛のコメディに振り切れたことで

逆に『Eclair Brillant』がクラシカルに振れていて、

バランス的には最強な2本立て公演だったと思います。

 

私の星組MY楽は終わりましたが、

紅&綺咲が最後まで一等星として輝き続けることを祈っています。

 

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コメント

  1. こんちゃん より:

    ラブレター、のようなもの

    蒼汰様
    いつも楽しみに拝読しております。ライビュ専科の地方民ですが、この公演は遠征してしまいました。

    さよなら公演は劇団(演出家)からのラブレターみたいなものだと思うんですよ。ラブレターって傍から見るとこっぱずかしいものですが、退団公演も愛が溢れすぎてよくわからんことになりがちなのかもしれません。今回は「食聖」の外枠にある「紅孩児が善財童子になる」という設定が気になったので、小柳先生から紅へのラブレターを妄想してみました。

    西遊記では紅孩児は観音菩薩に帰依して善財童子となり修行の旅に出ます。課題は「いろんな人たち(坊さん、漁師、遊女や童女含む)に話を聞いて何かを学んでいらっしゃい。同じ知識でも捉え方によって善くも悪くもなるから、何ごとも「善知識」に捉えるように」だそうな。この話を知って思い出したエピソードがありまして。

    宝くじのCMイベントで紅さんと、アイドル時代塩対応で有名だった島崎遥香さんが共演したとき、島崎さんが「塩対応を後悔している。もっとファンに優しくすればよかった」と泣き出したんですよ。その時紅が
    「塩対応で後悔しているとおっしゃっていますが、塩対応も一つの愛。一つのキャラクターを貫くというのは大変なこと。笑顔でファンの方に対応するのは当然のことなんですけど、それをあえて塩対応する。プロなんだなと思いました」と塩対応をまさかの肯定。その場を和ませていました。相手を基本肯定し、支援的なユーモアを言える紅さんのキャラ、私は好きです。

    自意識をこじらせてそうな男役像が多い現代ではレアとなった、クラシカルというか前近代的なおおらかさ、フーテンの寅さんっぽい笑いのある男役像。それが演出家の先生にインスピレーションを与え、新公パーシーやアナザーワールドの康次郎、エルベのカール等の配役を引き出し、イマドキの合理的価値観では嘘だろと思われかねない利他的行動をとる役に謎のリアリティを与えて無二の当たり役にする、という離れ業を成し遂げたのではなかろうか。

    つらつら書きましたが、私は紅さんの顔が好きです(笑)。

    • 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます‼
      「さよなら公演は劇団(演出家)からのラブレターみたいなもの」って、まさしくだなぁと思います。
      その思いが強すぎて退団公演が駄作が多いのも致し方ないかもしれませんが。笑

    • ちばらきの男S より:

      どこをとっても紅さんらしく、また、今の星組らしく面白くて良い作品だったと思います。
      たくさんの人に出番があって、それぞれが良く似合っていて、王道的ストーリーですから脚本的な破綻もなかったように思います。
      汝鳥伶さんら天界の人々(?)がフツーに下界まで来て歌ったり飯食ったりしているのに「人間たち驚かないのね」と思ったくらい。
      主題歌も妙に耳に残っています。
      オリジナルにしては本当に良い作品だったと思います。
      一方でショーの方はどこをとってもあんまり面白くなかった。
      芝居のために通いたくなる、そんな公演でした。
      少し気になったのは、礼真琴を支えられるような次の強い若手スターが発見できなかったこと。誰かいるのでしょうかね。

      • 蒼汰 より:

        コメントありがとうございます‼
        確かにおっしゃる通り王道ストーリーでしたねー。退団公演に似つかわしい、素敵な作品だったと思います!!
        勝手に思ってるのは極美さんはビジュアル特化、天飛さんは比較的なんでも出来る系と思っているのですが、果たして天飛さんが飛躍できるかでしょうかね。