生抜きスターと組替えスターの適性割合

宙組の博多座公演『黒い瞳』『VIVA! FESTA! in HAKATA』を見て参りまして

うっすらと思いましたことをまとめます。

公演自体はとてもとても素晴らしいものでした。

 

偉大なるトップの風格相応しい真風、

歌もダンスも完璧なスーパー娘役の星風、

やっぱり何言ってるか分からないけど濃厚な存在感の愛月、

路線スターらしい華やかさとゲス演技が光った桜木、

狂言回しとして爽やかに要所を押さえた和希、

裏・狂言回しとして職人の技が光る組長の寿、

別格娘役の頂点として巨大な華を添えた純矢、

同じく別格スターとして脇を引き締めた澄輝と蒼羽…。

 

つまりこれって、

もしも芹香斗亜が組替えしてやってこなった場合の

宙組のif体制と言えるわけですよね。

 

いやね、別箱公演としては素晴らしい公演だったんですけど、も。

やっぱりこれが本公演メンバーだったら弱い、

というよりも、なんか滞留感があるなーと個人的に思っちゃったのです。

 

その理由はなんでかなーってずっと考えてたんですけど、分かりました。

真風意外、路線スターがみんな生粋の宙組生抜きスターなんだわ。

※組長と純矢は雪組出身です。

 

組替えの重要性と各組の比率

 

前身ブログから書いている通り、私は基本的に組替え推奨派です。

 

組替えは、基本的には劇団からの期待です。

環境を変えることで本人の意識と能力の向上を図るとともに

組の起爆剤として盛り立てて欲しい、という意図が見えるからです。

 

そして、外からやってくるスター本人だけでなく、

受け入れる側も負けじと頑張るくらいの気概がなければ、

組替えしてきた人間に喰われてしまいます。

 

かように、お互いを高めあえるような環境であればこそ

より素晴らしい舞台が完成するのだと言えるでしょう。

…と、いうのが私が勝手に組替えに関して思う所見です。

 

で、ですよ。

現在の各組の体制をちょっぴり考えてみたのですよ。

暫定4番目スターまでの経歴をまとめると、以下の通りです。

 

【花組】

明日海りお:組替え(月→花)

仙名彩世→華優希:生抜き

柚香光:生抜き

瀬戸かずや:生抜き

鳳月杏:組替え(月→花) ※さらに組替え予定

 

【月組】

珠城りょう:生抜き

美園さくら:生抜き

美弥るりか:組替え(星→月) ※退団予定

月城かなと:組替え(雪→月)

暁千星:生抜き

 

【雪組】

望海風斗:組替え(花→雪)

真彩希帆:組替え(花→星→雪)

彩風咲奈:生抜き

彩凪翔:生抜き

朝美絢:組替え(月→雪)

 

【星組】

紅ゆずる:生抜き ※退団予定

綺咲愛里:生抜き ※退団予定

礼真琴:生抜き

七海ひろき:組替え(宙→星) ※退団予定

瀬央ゆりあ:生抜き

 

【宙組】

真風涼帆:組替え(星→宙)

星風まどか:生抜き

芹香斗亜:組替え(星→花→宙)

愛月ひかる→桜木みなと:生抜き

桜木みなと→和希そら?:生抜き

 

こんな感じですかね?

以上の状況から個人的に思っていることをまとめます。

 

組替え比率から見る各組についての所見

 

まず、一番最初に言及したいのは雪組。

 

壮一帆時代から盛り上がりが続く雪組ですが、

現在5人中3名が外様であり、一番フレキシブルな体制と言えます。

 

でも実はこれって今だけの話ではなく、

壮→早霧→望海、咲妃→真彩と組替えスターであり、

歴史的に見ても外様スターを多く受け入れている組なのですよね。

 

かように、組体制だけで見れば

スターの出入りにより上手に盛り上がりを作れている状況だと言えると思います。

 

そして逆に(と言ってしまって申し訳ないのですが)

私が勝手に感じている現在の星組に漂う停滞感の正体は、

生抜きスターばかりだからなのかなーと思うんですよね。

しかも唯一の外様が一番星組らしさ全開の七海ひろきという。笑

 

正直星組に関しては、スターを外に出してばっかりで、

なぜか補填されずにここまで来たのですよ…なんででしょう?

 

これこそが、最近ずっと語られている

「星組のスター不足問題」の核だと思います。

 

瀬央・天華を上げようとも、結局は星組生。

新しい風を吹き込み新時代を迎えるには、

個人的には外からスターを寄越すことは必須だと思っています。

 

…と、ここまで書いて気付きました。

いやいや、舞空瞳という新しい風が吹き込む予定じゃないですか‼

 

とはいえ、男役にも起爆剤は必要だと思いますので

誰かはここでは論じませんが、誰かが来た方が良いと私は勝手に思います。

 

それ以外の他組はと言うと…。

 

月組は美弥から鳳月へとバトンタッチし、組替え比率は変わらず、

宙組は和希がこのまま上がるかは全くの未定ですが、

外からやってくる様子も無いため、こちらも組替え比率は変わらず。

 

問題は花組ですよね…。

貴重な生抜き技巧派スター、鳳月の異動は決定事項。

もしも明日海が退団し、さらに柚香が上がったとしたら?

 

え、純度100%の花組体制になっちゃいます?

 

いや、私、今の花組大好きですよ?

正統派宝塚らしい芸風、ゴージャスかつシックな男役芸。

だけど純度100%って…想像するだけで窒息しそう。笑

 

うーん、若手の目ぼしいスターがたくさんいるとは言え、

やはり外から誰か欲しいよなーと個人的には思うのですが…どんなもんでしょ?

 

組替えは減っていくのか?

 

組替えの話題を上げると、極端に組替えを嫌う人がいます。

「組替えなんかしてくれなくったって、私は〇組を愛せます」的な。

 

もちろん、おっしゃる通りです。

わざわざ出来上がっているものを壊す必要性なんぞありません。

 

けどね、企業においてなぜ異動があるのかを考えれば

組替えというのは起きてしかるべきなものだとお分かり頂けるかと思います。

(試しに「異動の目的」なんてフレーズでググってみましょう。)

 

ぶっちゃけ、人の異動が無い部署というのは

マンネリ化しちゃうんです。

マンネリって、エンタメ事業では一番のタブーなわけですよ。

 

なので、個人的にはトップ上位陣、例えば5人中なら

2~3人が組替え経験者、というのがベスト比率だと思います。

多すぎると「ここは何組だ‼」的な批判も起きてしまうことですしね…笑

 

だがしかし、以前の記事でも書きました通り

どうやら劇団は組替えを必要最小限にしていく方針のようですし

2019年宝塚における組替えについての仮説

 

さらにトップ娘役が生抜き至上主義に走りつつある気配もありますから

組替え濃度は低くなっていくのかもしれません。

さてさて、どうなることやら?

 

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コメント

  1. ちくわ より:

    こんにちは。ロジカルで明快なブログ、いつも楽しく拝見しております。
    組のマンネリ化の回避ももちろんですし、新しい環境に飛び込むことでジェンヌさんの個性を広げるという意味でも組替えは必要だな、と改めて思いました。

    一点気になったのですが、真彩さんは花→星→雪 の異動ではないでしょうか?

    これからも楽しみにしております!

    • 蒼汰 蒼汰 より:

      コメントとご指摘ありがとうございます‼おっしゃる通りでございます…訂正させていただきました。
      これからもどうぞよろしくお願いいたします。^^

  2. たま より:

    いつも楽しく読ませていただいています。初心者ですが、なるほど〜と観劇の参考にさせていただいてます。
    和希そらさん、宙組でも他の組でも、上がって欲しいです。あの歌声!弾けるようなダンス!もっともっと出番が増えるといいなと思います。どの組が活躍の場が増え、彼女に合うんでしょうか。
    あとひとつ、適「正」割合ではないでしょうか。
    これからも更新楽しみにしています。

    • 蒼汰 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます‼
      和希に関しては、最近色んな方がその飛躍を期待されているんだなぁと肌で実感します。
      果たして組替えするのか宙組のままでいるのか…想像は尽きませんが、でも活躍を期待したいですね‼

      実はですねー、このタイトルは「スターの性質」と、それをパズルのように上手にはめる、という内容についての話なのも相まって、
      ダブルミーニング的意味を込めて「適性割合」とつけたのですー。

  3. めー より:

    宙組のif体制‼️
    そうですね。気付いてなかったです(爆)芹香さんが来なかった時の体制だった!用事があり観れなかったのが残念です。外箱だから気にしてなかったし、群盗の方が下級生ばかりで大変そう!と言うことしか考えてませんでした。確かに博多座メンバーが宙組if体制と考えると弱いですね。何というかシャキッとしないと言うか。色が少ないと言うか。面白みに欠けると言うか。
    なるほど。勉強になります^_^

    • 蒼汰 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます‼
      そうですね、逆に群盗は若手ばっかりですもんねー。組替えでやってきた芹香さんにとってはまさに試練でしょう…本当に大変そうだわ。
      もちろんif体制も素敵なんですけどね、おっしゃる通り色味が無いですよねー漠然とした表現ですが…。
      まさに組替えは色を足す作業だと思うので、改めて芹香さんの異動は正解だったんだなーと思いますね。

  4. みかん より:

    毎回楽しく読ませていただいています。
    この記事は特に、ウンウンと思いながら読みました。
    蒼汰さんは、心の中でもやっと思っていたことを、論理的に整理して下さるので、すっきりします。

    昨日宙組の退団者のお知らせを見て、落胆されている方が大勢いらっしゃる中、申し訳ない気がするものの、「やった!宙組楽しみになってきたぞ」というのが正直な気持ちです。

    明日海さんが組替えされる前の花組も、壮、愛音、華形のラインナップが続いて、見ていてなんだか腹が立ってきたことを覚えています。
    個々人は嫌いじゃないし、壮さんの雪トップ時代はとても好きでした。でもあの時の蓋感、閉塞感は、もう二度とごめんです。

    • 蒼汰 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます‼お褒めの言葉をいただき恐縮です。
      おっしゃる通り、以前の花組もその3人しかり、朝夏、望海、瀬戸、鳳しかり、どん詰まり期がありましたよね。
      私は当時を知らず映像で見ただけなのですが、やはりメンツの変わらなさっぷりに笑っちゃいます。笑
      これまでの組体制を愛する気持ちも分かりますが、やはり体制は変化を伴うからこそ面白いもの。
      去年は無変化がゆえの安定を楽しめましたので、今年は変化を楽しんで行きたいですね。