年頭会見に思う、宝塚が直面する「駄作問題」。

本当は雪組公演の感想を書こうと思っていたのですが、

面白いネタが出てきたのでそちらから。

 

宝塚歌劇団の小川友次理事長が年頭会見を行い、

そこでの発言が色々と話題になっているようですね。

 

 

スカステで放送された年始のメッセージを見た際は

昨年の「温故創作」のような分かりやすい打ち出しがなく、

「なんだか今年はボンヤリした内容だなぁ」と思ってしまいまして

個人的意見を書く気が湧かなかったのですが、

今回の会見内容は色々と興味深い。

 

その最もたるものは

同時に、好況に甘んじることなく「量を追うな。質を求めろ」と制作陣にも厳命。「人気なんか一瞬でなくなる。コンティニューはたいへんだけど、一度落ちたものを上げるのはさらにたいへん。1作でも駄作を出すと、終わり。みなそれぞれ、1作1作が勝負と思ってやってほしい」と制作側にも伝えていることも吐露した。(引用)

という部分。

 

これこそまさに「でしょうね」案件なのですが、

SNS等を見る限り、いまいち真意が伝わっていないご様子…?

 

ということで個人的に思う

宝塚の「駄作問題」についてまとめていきたいと思います。

 

宝塚歌劇団のファン層の変化に思う

 

「駄作を愛してこそ、真の宝塚ファン」なる価値観があるように、

宝塚歌劇団と駄作とは、切っても切れない関係と言えます。

なぜなら宝塚は、スターを売る文化だからです。

 

従来の宝塚は、舞台公演として話が面白いかが重要なのではなく、

スターたちがいかにカッコ良く見えるか、

あるいはより多くのスターに見せ場をつくれるか、に重きを置いてきました。

 

それが宝塚という独特な美意識が確立された要因であり、

だからこそファンも「ご贔屓が美しければ駄作でもノープロブレム」という

不思議な前提を持つようになったと言えます。

 

ところが、100周年以降の宝塚特需、

さらに昨今のミュージカルブームの後押しを受け、

いわゆるライトファンが激増。

 

そのライトファンたちは宝塚に、

スターシステムという独特の価値観はもちろん、

外部公演と同様、舞台としてのクオリティを求めています。

 

その人たちの期待に応えるためには

これまでの「駄作で当然」というスタンスでは、

もちろん立ち行かなくなるのは火を見るより明らか。

 

だからと言って、ある日突然

「名作を作れ」と脚本家が厳命されて

良い作品を作れるかと言われれば、それは無理な話でしょう。

 

では、どうすれば良いのでしょうか?

 

オリジナル公演の凡作率に驚く

 

とりあえず劇団が取った方針としては、

・既に完成されている海外ミュージカルを買い取って公演する。

・小説や漫画などの原作がある公演を行う。

・新公主演リフレインという名目で名作を再演する。

というものでした。

 

以上を踏まえ、ここ約1年の本公演を振り返ってみると

 

雪組『ONCE UPON A TIME IN AMERICA』:映画原作

宙組『El Japon -イスパニアのサムライ-』:オリジナル公演

月組『I AM FROM AUSTRIA -故郷は甘き調べ-』:海外ミュージカル

花組『A Fairy Tale -青い薔薇の精-』:オリジナル公演

星組『GOD OF STARS -食聖-』:オリジナル公演

雪組『壬生義士伝』:小説原作

宙組『オーシャンズ11』:映画原作

月組『夢現無双 -吉川英治原作「宮本武蔵」より-』:小説原作

花組『CASANOVA』:オリジナル公演

星組『霧深きエルベのほとり』:オリジナル公演だが再演

雪組『ファントム』:海外ミュージカル

宙組『異人たちのルネサンス』:オリジナル公演

 

つまり、オリジナル公演を抜き出すと、

『El Japon -イスパニアのサムライ-』『A Fairy Tale -青い薔薇の精-』『GOD OF STARS -食聖-』『CASANOVA』『異人たちのルネサンス』

になるわけですが…、

ヤバくないですか?この凡作率。笑

(あえて「駄作」とは書きません。)

 

もちろん作品の好みは人それぞれであることは重々承知ですけど

個人的に完全オリジナル公演でいわゆる「良作」に分類されるのは

2017年の『神々の土地』が最後かなと。

(個人的には『ANOTHER WORLD』『MESSIAH -異聞・天草四郎-』がギリ。)

 

宝塚歌劇団は、スターの産出、舞台の構築、そして消費まで、

一つの企業で経済効果を生む「垂直統合システム」だからこそ

ここまで発展してきたエンタメ事業ですので、

高い著作権料を払うであろう原作ありきの公演ばかりでヒットを打っても、

本来の低コスト高利益狙いの収益方法から外れてしまいます。

 

ですから、宝塚のオリジナル公演に作品の質を求めるというのは

事業方針としては当然の展開だと言えるでしょう。

 

海外ミュージカル飽和症候群

 

そしてもう1つ、宝塚は大きな問題に直面しつつあります。

それは宝塚ファンが、海外ミュージカルに飽きつつあるということ。

 

さらに踏み込んで言えば、

いわゆる「宝塚らしさ」が失われるのではないかという危機感が

ファンの中で徐々に高まりつつあることです。

 

その例として挙げられるのが

『I AM FROM AUSTRIA』と、たぶん『アナスタシア』。

 

まずは『I AM FROM AUSTRIA』ですが、

この作品、非常にハートフルで心温まる内容であり、

今の月組体制に合った素敵な公演であったことは間違いありません。

 

ですが「商業的に成功した」と果たして言えるのでしょうか?

 

主要キャストは海外に行き、

あるいはオーストリアから来賓を招き、

湯水のごとく使われたであろう広告費に豪華な舞台セット。

それであのライブビューイングの余りっぷりを見てしまうと…ねぇ。

 

ムラは平日だから、東京は年末だから。

言い訳はいくらでも出来るでしょう。

 

ですが、舞台チケットがほぼ即完の現状において、

利益を上げるには副次的なもの、

つまりライビュや関連グッズ、DVDやCDなどを売らなければなりません。

 

副次産業の収益はもちろん、

ライビュの売り上げと相関関係にあるのは間違いありませんから

少なくとも劇団の概算を下回っているんじゃないかと心配になります。

 

そして宙組で上演予定の『アナスタシア』。

関連会社である梅田芸術劇場の企画・制作により

宝塚と同時上演(つまり版権折半)することでも話題な作品ですが、

 

「待望のブロードウェイミュージカルがついに日本初演!!」と歌っているわりに

チケットは宝塚公演との重ね売りの嵐であり、

思いのほか売れ行きが伸びていない模様(ちなみに現在も好評発売中)

 

つまりですよ、観客もアホじゃありません。

海外ミュージカルだったらなんでも飛びつく時代は終わったのです。

 

まさに海外ミュージカル飽和症候群。

この壁に宝塚歌劇団は大きくブチ当たります。

 

そういった意味でも、

オリジナル作品の質の向上を求めるのは急務であると言えるでしょう。

 

2020年は宝塚歌劇団の過渡期である

 

冒頭に紹介した小川理事長の宣言はつまり、

「100周年以降に取り込んだライト層をリピーターに繋げるため、

座付き脚本家・演出家の育成に取り組みます」

という意思表示であると私は受け取りました。

 

これはですねー、

営業経験者としてはその大変さが非常によく分かります。笑

 

新規顧客の獲得って、

もともと興味を持っている層を引っ張るだけですから

実は意外と簡単だったりするのです。

 

問題は、そのうちどれだけリピーターとして留まってくれるか、

大きなお金を落としてくれるお客に変えていけるかなわけですから、

利益の差が開くのは、この歩留まり次第と言えるわけで。

 

まして100周年以降、雪ダルマ式に増えていっていた収益増加に

大きく寄与したスターたちの退団が相次いだ2019年を踏まえ、

今が一つの過渡期と言えるでしょう。

 

宝塚歌劇団がこれからも一つのブランドとして大きく飛躍するのか、

それとも元の赤字事業に転がり落ちるかは、まさに今が踏ん張りどころ。

2020年の小川理事長の辣腕に期待したいと思います。

 

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コメント

  1. ちゃとらし より:

    大変興味深い記事をありがとうございます。
    オリジナル作品の凡作率…残念ながら頷いてしまいました。
    最新のイスパニアのサムライも観て参りましたが、良くも悪くも「スターを見るための宝塚的作品」な印象です。。。いや楽しいんですけどね。

    直近では劇団が大いに期待をかけている礼さんのお披露目公演がどんなオリジナル作品になるのか楽しみです。

    あと細かいのですが、神々の土地は2018年ではなく2017年の上演作品ですね。。私もあの作品大好きです。あの時の出演者それぞれが登場人物にド嵌まりしていてましたが、いつかまた別の組でも再演して欲しいです。(ラスプーチンはハードル高そうですが笑)

    • 蒼汰 より:

      コメントとご指摘ありがとうございます‼訂正させて頂きます。
      私も既に1度エルハポン観劇済みなのですが…うーん、いかにも宝塚的な作品でしたよね。笑
      つくづくオリジナル作品って難しいんだなぁと思ってしまいました。
      そして礼さんのお披露目公演も今からどんなものになるのか戦々恐々なのですが…あえて予想を裏切る素晴らしい公演であることを祈りたいですね。

  2. YS より:

    おっしゃる事は非常に良く分かります。作品の質を求めるのは当然です。
    ただ、宝塚に限らず日本の舞台ヲタは好きな役者さんを観に行くという傾向があると思います。駄作でも贔屓の見せ場が多ければオールオッケー、とは思いませんが、贔屓の役者さんの見せ場があれば嬉しいし、無ければ世間様的には名作でもリピートはないな、と思ってしまう。好きな作品でも嫌いな役者がキャスティングされたら観に行きたいとは思わない(個人的には憎悪すら覚えます)。海外ミュージカルなら何でも飛び付く訳じゃない、激しく同意ですが、観に行くかどうかは個人的にはキャスティングで決めてるので…
    もう一つ、駄作を恐れて良作が出来るか、と思います。オリジナル作品(原作ありも含め)の凡作率の高さは、「駄作を出すな」と厳命されて萎縮したりがんじがらめになったりした挙げ句とも考えられると思うので。

    • 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます‼
      ま、キャストありきという意味ではそうなんですよね。笑
      ただ出演者よりも物語性があるか否かを重視している人も、少なからずいるんじゃないかと思うんですよね。ミュージカルの雰囲気が好きというか。少なくとも私がそうなので。
      例えば私は今の宙組が満遍なくみんな好きですけど、オーシャンズは面白かった、ルネサンスは世間では駄作扱いだが個人的に趣味に合うのでリピートした、エルハポンはダメでお腹いっぱい。
      私はルネサンスを大層気に入ってブログを続けるまでになりましたけど、ライト層は基本1回しか見に行きませんので、その1回でいかに吸引出来るかだと思います。

      そして後半の内容は、まさにその通りだと思います。
      ただ上田氏のように安定ヒットを飛ばすようなスーパー演出家がゴロゴロいるわけではありませんし、とりあえずは今後の経過を見守りたいですね。

  3. より:

    宝塚で必ずしも傑作ばかりを作る必要はないと思います。今年で言うと『食聖』『CASANOVA』くらいの出来で全然構わないかな、と。この辺りは(個人的な好みもありますが)、突っ込みどころもありつつ、楽曲、美術や衣装などの力で結構楽しめたんですよね。スターの力もありますが。
    みんながみんなウエクミになる必要はないですし、気楽に楽しめるようなもので全然いいと思います。もっとも、それさえ厳しいオリジナル作品って結構あるんですが。組ファン以外はキツいやつとか。組ファンでもキツいやつとか。

    理事長は是非とも先生方に構想を練ったり取材旅行に行ったりしばらく作品作りを忘れてリフレッシュする時間を差し上げてほしいです。
    (全部が新作ではないとはいえ)、よく名前を見かける先生達は1年に凄い量の公演を担当していて、そりゃ脚本をブラッシュアップしている場合じゃないだろうと。働きづめでネタが尽きてしまっては元も子もないです。外部の演出家と比べ物にならないくらい働いてる人もいそうですし。
    発破を掛けるのもいいですが、出来上がった脚本を稽古場に持ち出す前に他の作家や上層部で確認する機会を持つとか(既にあったら悪い意味でビックリです)、そういうプロセスづくりに尽力していただきたいものです。

    • 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます‼
      おっしゃることもよく分かるんですけどね…実際『食聖』『CASANOVA』レベルに達していないときもあり、クオリティのバラつきはどうにかして欲しいものです。
      宝塚は最初に企画書を出して、そこから時間を逆算してふくらましていくそうですから、リフレッシュとかそういう問題なんでしょうかね…。
      個人的に思う宝塚の問題は、舞台作品って本の上では問題なくても舞台に構築していったときに、なんだか違う?となることも往々にしてある中で、
      宝塚は集合日からそれがはじまるわけですけれど、その時にはじめて「あれ、なんだかヘンテコじゃね?」ってその時点で気付いても、それが修正する時間がないことのようにも思います。
      このあたりはタイムスケジュール的に難しいんでしょうねぇ。

  4. まちゃん より:

    こんばんは。蒼汰さんのエルハポン感想を早く読みたいなと思っていましたので、ちらりと書いてくださってうれしいです笑
    私は宙組オーシャンズで初宝塚、その次が月組IAFAだったのですが、エルハポンは「なるほど、これが宝塚なのね」という感想です。宝塚を楽しむには、「スターを愛でることができる」という適性が必要だなーと。

    宝塚以外のミュージカルもいくつか観てきたのですが、二幕で完結するストーリーに慣れていると、一幕完結はどうしても御都合主義的に見えてしまいます。多くのスターに役と場面が与えられる宝塚では、それこそ神がかった脚本でないとどうしても話が散漫してしまうんでしょうね(超初心者なので、名前のテロップ出てくれないかなと思ってました)。それを解消するには役の数を減らすのが早いのでしょうが、今まで宝塚を支えてきたファンの方たちや特定のスターを応援している方は納得できないだろうし、難しいですね。
    外部の作品でも自分が面白いと思えばリピートしたい·する派なので、いつか「もう一回観たい!でもチケットが無い!」という宝塚オリジナル作品にも出会いたいです笑

    • 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます‼
      よほどの傑作じゃない限り、育成ゲームのような感覚でスターを愛でられないと宝塚の舞台はなかなかにキツイですよね。
      私も最初スターの顔と名前が一致しなかったので分かりづらくて大変でした。笑
      個人的にはエルベくらいのキャラの数と脚本のまとまりが理想なのですが、そういうバランスを取ろうとするのが一番難しいんだなと思います。

  5. 907年代からのミドルファン より:

    心の底から同意する記事でした。
    オリジナル作品は、恥ずかしくて知り合いを劇場に連れていけません。
    贔屓組が駄作にあたると苦行奉仕以外の何物でもない!のに、ファンは見にいってしまうんですよね…むしろ駄作はチケ余るし…

    シナリオ作りと舞台演出は担当を分けたりなど検討してもらえないかなーとは常日頃から思ってました。
    漫画で原作と作画で担当がいるみたいに。

    その前に、まずは駄作しか書けないご老体たちにまとめてご隠居願いたいものです。
    浮いた人件費で若手育成!

    ウン十年前に退団されたオギタコウイチ氏の後継者が現れないかと期待しています。

    理事長の手腕と、ルネサンスさんの今後のご活躍にも期待しています。

    • 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます‼
      私も最近色んな人に「一回宝塚行ってみたい!!」と言われても、オリジナル作品ほど連れて行きづらく悩んでしまうんですよね。笑
      ウエクミ原田谷貴矢、そして龍の宮と若い人たちも次々と頭角を現していますし、演出家の育成にもどんどん力を注いでほしいと思います。

  6. より:

    小川理事長に対する冷静な記事が読めて良かったです。
    ファン度が高くなると、なぜか団や理事長は皆さん敵になっていくようで。
    大劇場宙組エリザで当日券を求めて並んでいると、関係者入口から入らずチケットカウンターで並びをチェックされて劇場に出社されてた姿は忘れられません。
    かなりのやり手の方だと思うのですが。

    • 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます‼
      いろいろ思うところがありましてさらに一本記事を書いてしまいました。笑
      めちゃめちゃやり手の方ですよねー。そういうド営業の人の感覚は、常に持ち続けて欲しいなと一ファンとして切に願います。

  7. ねじねじ より:

    オリジナル作品の中には、原作付き(正しくは原作の初舞台化・立体化)のものはカウントに入れていいのかなぁ、と個人的に思いました。
    古くはベルばら・アンジェリークから、最近なら天河。
    宝塚だからこそできる舞台というのは付加価値ですし、元の話の骨格はしっかりしてるハズなので、それを見応えあるものに料理出来るかは作家の目端にかかるわけで。
    完全オリジナルって、基本的にどこかでみたことある話になることは今日日否めないので、21世紀の作家は大変だなぁと思います。

    • 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます‼
      まぁ基本的には私もそういう作品はオリジナル作品としてカウントはしているんですけど、
      じゃあ壬生や武蔵が凡作でなかったかと言われると…笑
      なんでもかんでも「どっかで見たことがある」あるいは「パクり」と言われてしまうこの時代ですが、
      それこそ宝塚は「古き良き」にすれば許される風潮があるのだから、エルベや黄金の翼のような直球系をもっと上演しても良いと思うんですけどねー。

  8. めり より:

    オリジナル作品の質が向上して、宝塚らしさを持ちつつ舞台作品として素晴らしい演目が増えてくれると嬉しいです。
    私の周りにも一度は宝塚に行ってみたいという人はいて、じゃあ一緒に行きましょう!と誘いたいのはやまやまなんですが、どの演目に連れて行くかが悩みどころになるんでよね。宝塚らしさを味わってほしいけど、宝塚独自の世界観にハマれなかったらこの演目はキツいかも…みたいな感じで。一度観てつまらなく思われたら二度目を誘えませんし。
    リピーターの獲得のためだけではなく、さらなるライトファンの獲得のためにも宝塚らしさのある良いオリジナル作品が出てくるといいですね。

    個人的には素敵なショーがもっと出てきてほしいです!一本物もいいんですけど、ショーがあると宝塚を観たなって満足感があるんですよねぇ。

    • 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます‼
      私も友人から「一回見てみたい」と言われながら、じゃあ何に連れて行くか悩んでしまうので非常によく分かります。笑
      そして見に行かせたい作品こそチケット難で連れていけないし…そういう意味でもオリジナル作品の向上を期待したいですね。
      ショー作品は藤井氏のような安定ヒットを出せる人が出てくると良いんですけどね。個人的には野口くんに期待してるんですけど…
      ショーは宝塚の神髄ですから、ぜひ誰か後継が出て欲しいですね!!

  9. パンダ子 より:

    今回も興味深い内容をありがとうございます。^^

    ブログ記事を読みながら森下氏が執筆した「タカラヅカの経営戦略」に書かれていた、SNSやインターネットの普及により前売りチケットの売上が鈍化するようになり、初日の幕が開いてSNSの感想や意見をみてチケットを買う層が増えているようだ…という一文を思い出しました。

    執筆時期からすると、昨今のミュージカルブームの少し前だと思いますが、オリジナル作品では幕が開かないと芝居内容、スターの見せ場などはわからないため、内容や役柄が予め分かり(予想できる)、話題性もある海外ミュージカルや原作物の方がライト層を呼び込みやすいことから、そちらに舵をきるのも頷けるなあと感じました。
    ですが、海外ミュージカル!といっただけで観客を呼べる時代ではもうないんですね。

    以前、問題作(別の意味で話題作)といわれた作品でトップスターコンビが銀橋で観客に背を向けて影絵をはじめた時には、学生ながら、一体何を見せられているんだ…とずっこけました。笑

    演出家の方々は大変ですが、宝塚がこれから先、発展し続けるためにもオリジナル作品を頑張っていただきたいですね!

    • 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます‼
      私ももちろんその本を読んだことがあるのですが、現在はさらにそこからもう2歩ほど進んだ時代になったと言えると思います。
      もちろんそれは小川氏の手腕によるものですが、演目だけで引っ張った時代から、クオリティを求められる時代に変わったと言えるでしょう。
      (だからこそ会見でも「制作側のプレッシャーは計り知れない」的なねぎらいの声をかけていましたけれど)
      影絵伝説は噂には聞いたことがありますが、実際ご覧になられたときはさぞかしビックリでしょうね。笑
      というわけでこれからも制作陣の皆さんには頑張っていただきたいと思っています。

  10. りす坊 より:

    こんにちは、蒼汰さん。
    興味深く拝読させて頂きました。
    駄作あるいは凡作でも、商業的には成功するのが宝塚。
    逆に、良作(かもしれない含む)であるのに、商業的には失敗するのも宝塚。
    ライト層をリピーターに繋げるのは、結局「スター」の力ではないでしょうか。

    例えば、蒼汰さんは「I AM FROM AUSTRIA」を素敵な公演であったと評価されています。
    このムラ公演に行った友人がちらほらおりまして、その感想が。。。
    ヅカファンの友人は、「何か舞台の人たちだけでわちゃわちゃ盛り上がって、中弛みするし、劇団がすごく力入れていたワリには肩透かしだった。今年の月組は、『武蔵』と『IAFA』、2本とも観たけど、もういいかなって思う。」、「ありちゃんと風間くんが可愛かった。」と。
    宝塚初観劇という友人は、「普通に楽しかったけど、宝塚ってこういうものなの?よく分からなかった。主役の両親役が良かった。」、「夫婦役の二人がステキだった。」と。「また、行きたいって思う?」と聞くと、「そうでもないかな」と(苦笑)。(ちなみに、宝塚初観劇組は、UCCのチケットプレゼントに当たって無料ご招待。バラマキ過ぎ?)
    観劇した友人の誰もトップコンビに言及しない。もっとも華々しいポジにいるはずなのに、そんな印象に残らないスターでいいんでしょうかね?
    作品が素敵で、ミュージカルの雰囲気を楽しめたとして、さらにギュッと心を掴むのはやはり「スター」にかかっている。

    「質を求めろ」。
    そもそも、こんな当たり前のことを、理事長が公言することが恥ずかしい。
    オリジナルに注力するなら、演出家は独りよがりをやめて、スターの魅力とスターに対する顧客のニーズを分析することを、もっと重要視すべきではないでしょうかね~。

    • 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます‼
      もうおっしゃる通りだと思います。スター、もとい主演者の魅力こそが舞台の求心力になるわけですが
      それをより美しくカッコよく魅せられる脚本を書けるか否かにかかってくると思いますし、それは逆もしかりだと思います。
      まぁ月組のソレは今回の内容とは少しズレてきますが…笑
      色んな魅力を持つスターたちが、きちんと輝くオリジナル公演を安定して供給されることを祈るばかりですね。

  11. きりん より:

    駄作を恐れると、現在のテレビドラマの様に医療もの、刑事もの連発で無難な作品多めになっていくんですよね。失敗は無いが、大成功もない…
    小説や漫画なども似たような感じになってきたなと思っています。私も漫画を描いてましたが、オリジナルって難しい。

    劇団が座付の脚本家、演出家を育てていくという方針ですと劇団側だけでなく、観る側も我慢が必要になるのかもしれませんね。
    宝塚には、日本から輸出できるような作品を作ってもらいたいなと思っています。

    • 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます‼
      今の医療ドラマの多さには辟易しますよね。笑
      無難な作品を作ろうとするとこうなるの典型ですが、それこそ宝塚には挑戦心も忘れないで欲しいなと思います。
      とはいえ年間でこれだけオリジナル公演を作るのも大変だなとも思うわけで、いやはや大変だなぁーって感じですよね。
      おっしゃる通り、日本から輸出されるような公演がいつか出来ると良いですね。出来ればベルばらを越えるものを。笑

  12. こんちゃん より:

    いつも楽しみに拝読しております。ライビュ専科の地方民です。

    「神々の土地」、名作でしたねえ。あの民衆の狂熱の渦がオリガ達を取り巻くシーン。老いた巨星が寿命を迎え、巨大すぎる質量を支えきれずに中心に向かって崩壊してゆくように、20世紀になるまで旧い専制を続けてしまったがゆえにすべてが破綻し、ステンカラージンの子供達の怨念がロマノフの子供達に向かってなだれ込んでゆく幻影が見えるような、印象的なシーンでした。

    ウエクミ先生の作劇は詰将棋的というか、くどくど説明せずとも場面の設定の妙、人物の設定と出し入れの配置で鮮やかに魅せてくれるところが好きです。毎回ハッとして意表を突かれるからワクワクします。

    昨今の大劇場の某先生のお芝居は原作付きでも、脚本を書いてみたら2時間を超えてしまって、場面を削って繋げてをしているうちに、話の流れが澱んだり主題がぼやけたりして駄作になっているんじゃないか、という疑惑がある(笑)

    大劇場の90分で80人を動かすお芝居は、バウや別箱の2時間10分で30人を動かすお芝居の作劇から場面を削って人を水増しして、とはまた別の組み立て方があると思うんですよ。

    植じいが理事長のころは、バウでシェイクスピア原作縛りで競作とか、落語原作の1時間もの芝居2本立てとか、先生や生徒の勉強になって客にも興味深い企画がありました。小川理事長さん、何かこうパッとした企画を考えてくださいませ(笑)

    • 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます‼
      私もあのシーン大好きでした。今映像見てもワクワクしてしまいます。
      ウエクミも小池氏も、一切無駄なシーンがないのが素晴らしいですよね。全てのシーンや小道具が伏線となっている。
      そこまでのクオリティを全ての作品に求めるというのは難しいですが、おっしゃる通り組み立て中に「主題がぼやける」ようなことだけは避けて欲しいなと思います。
      おっしゃる通り、バウは出演者にとっても演出家にとっても修行の場であるはずなので、もっといろんな企画をやって欲しいなと思っているわけですが、果たして。

  13. キラキラ好き より:

    こんばんは!
    「神々の土地」チケット買い足すくらい凄く好きでした。
    一方同年の近年のトップオブ駄作と思っている「邪馬台国~」に誘った宝塚初見の友人の感想が「お芝居とても良かった。でもショーはよくわからなくてつまらなかった」で、本当に満足度、感想は人それぞれだなと思った次第です。
    小川理事長がオリジナル、非オリジナル問わずどの作品を駄作と思っているのかか気になります。

    「駄作」をださないイコール「良作」を量産というわけでもないですが、人によって「良作」の認識は違うので「良作」をどういう定義にするかによって議論が割れてしまいますね。
    「破綻のない良質な物語」なのか「スターがひたすらかっこいい、出番が多い」なのか、はたまた他の要素なのか。

    宝塚のリピーターになる人はジャニーズや韓流などのスター好きやオタク要素を持った人の印象なので個人的には「スターがかっこいい、スターの持ち味を生かす」が宝塚の良作の条件なのかなと思います。だからといって物語が破綻しているのは論外で、一定水準の脚本演出は必要ですが。

    • 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます‼
      なるほど、世の中色んな価値観をお持ちになる方もいらっしゃるものですね…笑
      もちろん最高なのはスターがカッコよくて物語も素晴らしいなんでしょうけど、そこまで高クオリティなものを求められませんからね。
      ただ個人的には物語が最高ならスターもおのずとカッコよく見えるものだと思うので、もう少しきちんと展開を組み立てて欲しいかなと思ってしまいますが。笑

  14. KAO より:

    よっ!待ってました、蒼汰さんの理事長会見考察!!
    界隈では「駄作」という言葉が独り歩きして騒がれているようですね(^o^;)いやいやちゃんと記事読みなさいよ…

    個人的に、最近のオリジナル作品は無駄に難しくして結局伏線が回収しきれなかった、みたいなのが多いように感じます。もっとシンプルに「男と女が出会って恋をした、いろいろあって結ばれた(あるいは結ばれなかった)」でもいいのになと。昔からの人気作品ってそんな感じですよね?
    うろ覚えですが、宝塚カフェブレイクの年末特番で麻実れいさんが「風と共に去りぬをやったとき、これ以上難しい作品はやらなくていいと思った。宝塚は夢をみてもらうものだから難しくなくていい」というようなことをおっしゃられていて、さすが往年のスターさん、その通りです!と思いました。
    色々考えなくても心にすっと入ってくるような作品が生まれるといいですよねー(* ´ ▽ ` *)

    あと記事違いですが大劇場デビューおめでとうございます!私も東京観劇組なので、遠征時の興奮、わかるわかる~と思いながら拝見しました(笑)また行きたいな~(  ̄ー ̄)

    • 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます‼お待たせいたしました。笑
      そして勢い余ってもう1本書いてしまいました。
      いやもうめっちゃ分かります。エルベや黄金の翼のような、ド直球な恋愛物語って最近なくなっちゃいましたよね。
      人気のウエクミ氏も、結局はただの愛憎劇なわけですし、個人的にはこういう路線をもっと大劇場でやって欲しいのにと思います。一クセないと本公演へ上演出来ないのかな?
      ありがとうございます!!私もまたチャンスを伺って宝塚に行きたいなー。

  15. 和中 より:

    凡作、まさしくその通りだと思います。
    信じられないような駄作は出ないけれど名作も出ない。そして公演の半分以上を人気の海外ミュージカルか原作物に頼る。レビューも攻めたものや真新しいものはほとんどない。(BADY以外は)
    近年の上級生を優遇する人事同様良くも悪くも守りに入っているからこんな感じになっている気がしますがどうなんでしょう。

    今は間違いなく全盛期を迎えているわけですが近い将来ミュージカルブームが去ってしまう可能性はある訳で、その時に宝塚独自の強みと言うものを出せる演出家が何人いるのか、非常に心配です。

    海外ミュージカルを何度もやる事で元からのファンも目が肥えてしまってますし、何よりそろそろ飽きられている、その中で今の人気を維持するのは大変でしょうが果たしてどうなることやら。

    • 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます‼
      まさしくおっしゃる通りだと思います。だからこそこのままではいけないというのが小川理事長の意向だと思うのですが、
      問題は集団のトップがそう思っても、それが実現出来るか否かはまた別物だということですよね。
      人気の維持、あるいは飛躍のためには次はオリジナル公演の品質向上なのでしょう。個人的には演出家の修行のためにもっとバウホールを使えば良いのになと思いますけどね。

  16. うさぎ より:

    こんにちは。
    おっしゃる通りです。

    ふと、思ったのですが、
    星組は四代くらい10年以上トップを遡ってみても、スカピン・ガイズ・ロミジュリくらいで、海外ミュージカルが飽和と言われてるのに、星組はちょっとかわいそうだな…と思ってしまいました。
    制作発表とかも星組と宙組は無いし。
    トップお披露目も原作や歴史上人物でも無い、完全オリジナルだし。

    でも、完全にオリジナルって配役が出たり、少し情報が出ると、ストーリー予想が次々とTwitterに流れて、わからないからこそ公演までを楽しんでいるお客様が沢山いるといつも以上に感じました。

    女性って、デートや旅行の当日よりも、その過程を楽しみにしている生き物だと聞きました。
    現在の星組の眩耀チケット難は、
    礼さん率いる星組が勢いがあるのももちろんですが、
    どんな話かな?どんな歌かな?
    そういった過程を楽しむ女性の心理からもある気がします。

    一度、全組完全オリジナル作品の年があったら、海外に飽きてる今、凄くチケットが売れるのでは?
    珠城りょうさんの完全当て書き、見てみたいですもの。コメディでプロレスラーの話とか。楽しそう。

    話がそれちゃってごめんなさい。
    いつも記事を楽しんで読んでます。

    • 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます‼
      確かに。逆に言うと星組はそんなことせんでも売れるという劇団の期待なのかもしれませんし、
      あるいは歌唱力よりキラキラ重視の組体制的に海外ミュージカルがあわないだけかもしれません。笑
      確かに、オリジナル公演がデートのようなものだと思うとワクワク出来て良いですね。笑
      珠城さんも一本ド直球の芝居物をやってみても良いのにと思うのですが…現状そんな冒険は怖くてしないのかもしれませんね。

  17. はる より:

    小川理事長の宣言、興味深く拝読しました。
    私の宝塚へのハマったり、戻ったりは正にそこにあります。笑
    初期はどの組も大好きになりハマるだけハマって雪組のご贔屓の退団と共に観なくなりました。2度目は観に行った雪組公演でご贔屓を見つけて生徒退団。3度目もそうでした。そして4度目がナウです。今は作品と組全体の生徒の質に大変満足していています。初めてな感覚です。

    スター制度に寄りかかりがちだったのが生徒の質と作品の質のバランスを取り始めてるのが良く分かります。しかし、どちらかだけになると宝塚ではなくなると思うのでこの件もバランス大事ですね。
    OG公演は良いのですが、OG公演に力入れすぎると肝心の本舞台が心配になります。退団するからこその優秀の美が求心力の一つだったはずです。ゴールがOG公演?!みたいにはなって欲しくない。宝塚で培ったものを良い意味で出せる作品でしたら良いのですが、スターさんの凄まじい劣化と無理やり感のある男役なんて個人的に見たくなかったりもするので。。
    星蘭さんの動きも気になりますし(外部出演で映像専科ではないのかしら?)新しい動きに目が離せません。笑

    • 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます‼
      そう、結局は何事もバランスなんだと思います。そして今はそのバランスが上手に取れていると思うのですが、
      とはいえやっぱり海外ミュージカル頼りの風潮もあり、だからこそそこから脱せねばという意欲が感じられるのは良い傾向だと思いますね。
      OGは難しい問題ですよね。外で活躍するには女性にまず戻り、かつ今はハンサムウーマン系に走るしか道はないようなので…。明日海りおがどうなるか気になるところです。
      星蘭さんはあえて触れなかったのですが…やはりこちらも動向が気になりますね。

  18. こはな より:

    駄作、という言葉だけで盛り上がって(笑)しまいましたね。
    正直、好きだとか面白いと思うかどうかは受け取り手次第ではあるので、どんどんオリジナルに挑戦して欲しいですね。
    ただ、マイノリティで笑いをとったり誰かを貶めたりしないというのは最低ラインだと思います。

    壬生のイザベラバードの扱いとか、細かいことを言うならクルンテープの魔性の都、とか。
    あとこのご時世、黒塗りいいよね、的なことを言っちゃうのもどうかと。この辺の感覚は現代にあわせていて欲しいです。

    あとはストーリーの辻褄があっていて、臆せずどうぞ!受け止めますよ!って感じです。

    • 蒼汰 より:

      コメントありがとうございます‼
      うーーーーーん、実は私はそのマイノリティ批判に対しては実は懐疑的だったりするのです。
      身内にいわゆるマイノリティ的な人がいるのですが、そこまで舞台の演出を配慮するほどのものなのかなぁと思ったり。
      オリジナルにどんどん挑戦して欲しいというのはまさしくその通りだと思います。もっとバウとか活用して演出家の育成にあてて欲しいですね。

      • こはな より:

        返信ありがとうございます。
        マイノリティ云々は萎縮しすぎるのも良くないのかもしれません。でも演出上その要素が必要というより、ウケ狙いや毛色の違うアクセントとして入れてみた、と受け取れてしまうのはちょっと、と思います。
        観劇中に、「あれ、今のは…。」などと舞台以外のことに意識がいってしまうのはもったいないです。

        あとはまぁ、外部の「ヘアスプレー」のようなこともありますし。

        • 蒼汰 より:

          まぁ、おっしゃることも分かるんですけどね…。
          そのあたりは好き好きというか認識の差というかそれぞれというか、そういうもんかなぁと勝手に思ってます。